K11 Musea in 香港



新しくできたK11 Museaを通りかかった時に、
ここを作った建築家と照明デザイナーの偶然面白いセミナーに遭遇しました。
インターネットでも買い物ができる今、K11 Museaはただ買い物に来る空間ではなくて、
なんとなく来たら何かを体験できる、何かを発見したり、いい時間を過ごせたりする空間を
意図したそう。
たとえば今日私が体験したことはまさに彼らがこの空間をデザインする際に意図した体験
だったと思います。



1978年に香港に初めてショッピングセンターをもたらしたニューワールドグループが、
その建物を単にリノベートするのではなく、
香港にまた違うレベルの体験を持ってこようとする。
新世代の課題は本当に壮大な大変な仕事だったと思います。



この建築にはどこもアールが使われていて、
建物自体が蠢いているような不思議な感覚のする空間。
そこにMelting Pot of Cultureと彼等が称する、
多様なものを掛け合わせている空間なのだから
確かにまるで止まることのない生き物。
光も自然の光の反射はランダムだとして、
大きなクリスタルボールの反射の仕方一つにしてこだわり、
いくつものサンプルを作成して作ったほど、(下の写真はその最終模型)
細部に渡り、感動と発見をしてもらえるよう、
建物全体に工夫とアイディアが詰まっています。



(好き嫌いは別として)どこを撮ってもフォトジェニックだけれど、
空間が発しているものは実際に来てみないと
本当には感じ切ることはできないでしょう。
デザイナーたちの話にはとても熱がこもっていて、
出来上がった後も物作りは続いています。
こんなにエネルギーを注いで空間を作ったのに
スタートがデモにぶつかり、人はたくさん入ってますが、
それでも想定外の状況ではないかと想像します。
でも前向きに努力していくしかない。

こんな風に偶然何かに出会って刺激を受ける時間の豊かさ。
週末デモが続く香港で、久しぶりに以前に戻ったような幸せな時間でした。
こんな香港らしい週末が早く戻ってくることを願います。