漁業経済学者のひとりごと in 小浜

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漁業管理の勉強

2012年04月05日 22時52分19秒 | Weblog
今,私のパソコンの周りには,
英和辞典を含めて,様々な本や論文が散乱しています。
ほとんどが,大学院生時代に勉強したものばかり。

自分のことを
「カナダ大西洋岸漁業の研究者」とか
「ズワイガニの研究者」とか思っていたのですが,
どうやら「漁業管理」の勉強を相当していたみたい。
すっかり忘れていました。

ここ数年ちょこちょこカナダやアラスカのズワイガニの
漁業管理制度について論文を書いたり,学会報告をしたり
していましたが,
自分の中では
ズワイガニ漁業と加工業の研究をするにあたって
漁業管理制度を理解しなければ何とも進まないから
調べていたつもりだったのですが,
ベースは大学院生時代にあったのですね。

そう言えば,私は元々生態学がやりたくて
北大の大学院(水産学研究科漁業学専攻)に進学するつもりだったのです。
実際に,船に乗ってフィールド調査もやっていました。
ちょこっとだけですが。

それが,大学院の入試で4科目受験しなければならず,
生態学は必須なので,あとの3科目のうち
「法学出身なら勉強しやすいだろう」という理由で
「水産経済学」を受験することにしたのです。
で,教科書が長谷川彰先生の「漁業管理」という本。

すっかり,はまってしまい,
お世話になった生態学の先生には申し訳ないと思いつつ,
いきなり水産経済学の講座に入れてもらうことにしました。

当時は,増田先生が教授で,2回面談を受けて
「うちに来ても良いよ」とおっしゃって下さり,
で,試験をぶっちぎりで合格したのですが・・・

増田先生は,2ヶ月後に亡くなられました。
(今日は「亡くなれた先生」の話が多いな)

後任の廣吉先生が,何でも自由にやらせて下さったので
自分の好きな様に大学院時代を過ごしました。

東大の社会科学研究所で加瀬先生にお世話になっていた時
加瀬先生が私のために「カナダの漁業管理」という
すごく分厚い本(もちろん英文)の
講読につきあって下さったのですが,
今日,それを参照する機会がありました。

こうして考えると,自分の研究テーマが
あっちへ行ったり,こっちへ行ったりとしていた様で
実は,つながっていたんだなぁと実感しました。

意外なことに法学部で学んだせいか
「制度」のからくりを理解するのも得意で,
そんなところからもつながっている訳です。

「ぼけっと過ごしていなければ無駄な事など何もない」と
あまり深く考えず,自分を叱咤激励してここまで来ましたが,
あながち間違いでもなかったらしい。

23時になったので帰ります。
あと,とうとう「むちうち」が出てきたのか
肩が異常に重くて,気分も悪いので明日病院に行きます。

今日の収穫

2012年04月05日 19時08分46秒 | Weblog
今日は,なぜノルウェーで,
IQ(正確にはIVQ)が成功したのか分かって
すごく,すっきりしました。

この過程で「世界の漁業管理」という
海外漁業協力財団が1994年に発行した報告書の中の
草川恒紀先生の論文も久しぶりに読みました。

草川先生には,「海外の事例をやりたいなら英語圏を」
とアドバイスして頂きましたが,
2度しかお目にかからないうちに亡くなられました。
私が,大学院生になったばかりの頃です。

この「世界の漁業管理」には,各国の漁業管理の実態が
書かれているのですが,
IQ・ITQがメインの国は草川先生がご担当だったのでしょう。
賛成とも反対とも読めない淡々とした書きっぷりです。
当時は,「そういう方法がある」という認識で
日本に導入するとか,しないとか,
議論にもなっていませんでした。

今,もし草川先生がご存命なら,なんとおっしゃるかな~

「もし,○○先生がご存命なら」つながりで
故中楯先生を思い出しました。

今度,食品学者の人達と共同研究をするのですが,
こういう異分野との共同研究を
中楯先生なら,きっと褒めて下さっただろうなと思います。

上記の「世界の漁業管理」という報告書は,
おそらく私が大学院生になって最初に一生懸命勉強した本で,
ぼろぼろになっています。
加藤先生が,それをご覧になって「随分勉強した跡があるね」と
おっしゃいました。
再び読むと,上で書いた様に時代の流れを感じますが,
同時に「初心に返る」という気持ちにもなります。
まあ,「初心」から,「絶対,大学の先生になるんだ」だったので,
一応,目的は達成されたのですが,
今は「研究の時間を確保するんだ」になりつつあります。

やっぱり文章を書いていると楽しいし,
今年度から前期の講義が大学院生向けの集中講義だけになったので
(前期の講義を後期に回すことになった)
割とのびのびやれますね。
まだ春休みというか年度が始まったばかりだから
会議も少ないし,ゼミもない。

1時間以上,猛烈に集中して仕事をしたら,
次の1時間,ぼーっとしていました。
緩急の激しい私です。
大学受験の頃は1時間集中しても10分で回復してたけど。
やはり年には勝てませんね。