華やぐ時間

時の豊潤なイメージに惹かれて 。。。。

映画 ” 告白 ”

2010-06-12 00:25:56 | ★映画  
 この原作が本屋大賞をもらったことも知らず あらすじもほとんど知らないまま  松たか子が主演するというだけで 観に行った

 普段から 本とそれを映画化した作品は別のものだと 思っている

 この原作の内容は  読んだら きっと おぞましさ むごさだけを想像してしまうかもしれないが

 映画は 告白という形で人の内面の葛藤や孤独や悲しみを視覚的に見せてくれて  そのぶん 一人ずつの気持ちに寄り添える

 松たか子の感情を抑えた演技    中学生たちの生命の輝きに満ちた明るさ 弾け方 

 イジメは あのように徒党を組み 明るく楽しそうにゲーム感覚で進んでいくのだね 

 少年のうっぷんが殺人にむかうのは悪であるけれど  この子に愛をそそぎ 才能を伸ばしてやらなかった親は 利己的だったと思う

 少年法で数年のちに出所してくる男子生徒は 本当に更生できるのだろうか

 どの人物も 孤独だなぁと思う

 犯人AとBの環境と心の幼さ   心底から親しくなれなかった犯人と女子中学生   犯人の母の寂しさ
  
 自分の思いに囚われて歯車が狂っていく 人の生き方の悲しさを感じてしまう

 女教師の淡々とした話し方 号泣できない沈潜する悲しみが  よけい痛々しい

 「なぁんてね」と言う女教師のセリフが気になった

 恋人に見つかり捨てられてしまった血液は注入されなかったし  幼稚な爆弾装置の線は切断されたのだから 爆発もなかったと思う
 
 後任教師の熱意を逆手にとって 犯人を精神的に追い詰めていく女教師のこの先の生は 決して明るく朗らかになれないだろう

 殺人を犯した者  だれもが この先 重い生き方をしていくかと思うと 人の悲しさ 孤独の連鎖に  暗然とした思いを抱いてしまう

 殺人の場面はスローな映像で撮られることで ホラー映画のような怖さはなく 加害者の気持ち 被害者の気持ちが観る者に伝わってくる

 わたしの愛する身内の者が 理不尽な殺され方をしたら  わたしは復讐しないだろうか

 無理かもしれない  

 わたしが殺人者になろうとも 相手の家族に憎まれようとも  わたしは殺害者に復讐するのではないだろうか

 考えなければならないことをよく伝えて 人の哀しさを見せつけられた映画だと思う









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