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華やぐ時間

時の豊潤なイメージに惹かれて 。。。。

カポーティ短篇集    トルーマン・カポーティ 著   河野一郎 訳

2008-04-29 00:14:49 | ★本
新聞や雑誌の書評が ” ティファニーで朝食を ” を  村上春樹が訳したと載せていた
斬新で いかにも村上春樹風の新訳と 褒めている書評もあった
わたしは 村上春樹の小説のよさが いまいち わからないので せっかくの新訳を読もうとは思わないけれど  ” ティファニーで・・”は 映画も観たことがなく  読んでもいなかったことを思い出して 
図書館へ借りに行った

村上春樹訳の本は  たくさんの予約者数だったけれど  龍口直太郎訳の文庫本は書棚にあり 
すぐに借りることができた
ついつい オードリー・ヘップバーンの顔を思い浮かべて読んでいたけれど  だんだん ヒロインは
オードリーのイメージじゃないと 思ってしまった
ずいぶんと不思議な女の子で  いつの時代にあっても 新しい女の子という印象である
カポーティは” 冷血 ” ” 遠い声 遠い部屋 ”を先に読んで感動したので ” ティファニー・・”のような雰囲気の物語も書くカポーティに驚かされる


この短篇集は  とても 好きな一冊になってしまった
詩的な文章  明るいユーモア  温かい語り口と眼差し 人の生への深い洞察
どの小説も 読んだ後は しばし本を閉じて もう一度物語の世界を反芻して 余韻を味わいたくなる
キーンと透き通ったような華奢な雰囲気がちりばめられている文体は  読んでいて温かい気持ちになる 
映画” 冷血 ”で観るかぎりは 俳優がカポーティ本人に よく似せて演じていたらしく 実生活は特異な印象だったけれど  三島由紀夫は 「 カポーティは自殺する 」と予言していた という
さもありなんと思わせるような作家かもしれないと 傷ましく思う 

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映画  ” 王妃の紋章 ”

2008-04-23 23:14:05 | ★映画  

 

            
最近は アジアの映画や魔法の映画  ファンタジーの冒険物語映画が 大流行り
タイトルも似通っているので  この映画も そういう類のものかと ぼんやりしていたけれど
チラシのヒロインの顔を見て 女優の名前を見たら  大好きなコン・リーじゃありませんか
あわてて ウキウキ  観に行きました♪

 あらすじ
中国、五代十国、後唐の時代。 重陽節を前に王家の人々は王宮に帰って来ていた。 
王と王妃の間は冷え切り、王妃は継子の皇太子と不義の関係を続けていた。
しかし、皇太子には、付き合っている娘がおり、王妃は二人を裂こうとしていた。
王妃は、密偵を放ち、王が王妃の健康のために毎日運んでくる“薬”の中身を突き止める。
密偵を務めた侍医の妻もまた、悲しい過去があり、王に恨みを抱いていたのだった。


本当の黄金時代の王家は このようだったのだろうかと思わせる 映画ならではの絢爛豪華さである
しきたりのゆかしさ   宮廷内の贅沢   女官や使用人の多さ  兵隊の多さ 
ある王家の家族の物語が  金を使った衣装 贅を極めた王宮の映像のまばゆさの中で語られる
王妃であろうとも 愛に恵まれない人の虚しさ 孤独が  コン・リーの寡黙な表情から伝わってくる
夫に毒を盛られる王妃  王位転覆を謀る王妃  最愛の息子を亡くす王妃  美しく憂うる王妃
コン・リーは きらびやかな黄金の衣装を着て なお その立ち居ふるまいからは 哀しさがあふれる

人の幸い  楽しさ  愉快とは  何を言うのだったろうか
この頃  久しぶりの友人の近況を聞くにつけ  して わたしの気持ちも塞いでしまう
血の繋がりある家族とさえ 気持ちが通いきれず  独り暮らしをしたいと言う友人がいる
健康な心身を持って 意欲的に働いてきた友人が  来週 検査入院するという
映画の中の中国の古い時代の家族も  日本の現代の家族も  憂うる
快活で朗らかで 楽しいことを たくさん持ってる人から  おすそ分けをもらいたいョ~  




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雨の檻ン中

2008-04-18 08:29:32 | ★こころ模様
久しぶりに音を立てて本降りの雨    重たそうにゴロゴロ  カミナリさんまで鳴り出した
水道の蛇口をひねったままのように 空から一定の水が落ちてくる強い雨降り
水の中の檻に 閉じ込められているような気分になってしまう

通勤の朝の 男性のスーツの足もとが濡れ  お洒落な女性のストッキングが びしょびしょになる
学生服のズボンもスカートも 雨の色で濃く濡れて  冷たいだろうな
職場へ 学校へ 約束の遊びの場所へ出かけなければならない人の 雨の朝の気の毒を思う
どんなお天気  どんな気持ちも  時を待つと上がる
今日は せめて 豪雨を 心と身支度で楽しんでみようと思う     



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自分のボディは 作品

2008-04-16 23:25:21 | ★こころ模様
コートを脱ぐ季節になりました
街を行く人たちは  明るい色のジャケットを羽織って 颯爽と春の装いです
我が身も 重たい皮下脂肪を脱がなくっちゃ   

書店の雑誌コーナーで ” Tarzan №509 ”( マガジンハウス社 )に 目が釘付けされた
タイトルは  「 体脂肪の減らし方 」 と書かれてある 
表紙の写真は  鍛えられたヌードボディの東山紀之が こっちを見ている  
もっと写真を見たくなり  ページを繰ってみた
人間の体  人間の筋肉って  きれいだなぁ と見惚れてしまう
ここまで鍛えるのって  すごいなぁと  その意志力 努力に たちまち尊敬ココロが わく  
東山紀之は 踊れる歌手だったよね
このボディは  しなやかに シャープに 敏捷に 躍動するのだろうなぁ
踊る本人も  動くことが きっと 気持ちよく 楽しいだろうなぁ

春を 颯爽と闊歩するために  わたしも 我が身を鍛えなくっちゃね
余分な皮下脂肪を落として  すっきり  さっぱりしたボディに なりたいなぁ
健やかなボディに  健やかな春のココロが宿るかしらン  


補足 ; わたしは  男子のボディは  こういう筋肉質のゴツゴツしたんじゃないのが いいな
あんまり 堅そうな岩みたいなのはねぇ    胸や腕に剛毛っていうのンも ちょっとなぁ  
お顔にヒゲだらけっていうのンも  ほっぺに チュが できないジャンねぇ
何のお話でせうか    




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 ” 土曜日 ”   イアン・マキューアン 著   小山太一 訳 

2008-04-08 22:32:44 | ★本
マキューアンの小説は 三冊ほど読んでいるが  この本を読んで 本当にうまい作家だと敬服してしまう
ページ数の厚い本だけれど  話の運び 物語の知的な雰囲気に引っ張られて 一気に読んでしまう 
家族に恵まれ 仕事でも成功している  裕福で幸せな脳神経外科医の一日を描いている
小説は 悩みを抱えている不幸な人の物語でなければならない ということはないのだから
40代後半の健康な一人の人間の  ある土曜日の出来事と独白が語られている小説である

冷え込む二月のロンドンの未明  早く目覚めた脳神経外科医ヘンリー・ペロウンは窓辺に立ち 
一機の飛行機がエンジンから火を噴いて  ヒースロー空港へ向かって行くのを目撃する
妻は新聞社の法務を担当する弁護士  娘は新進の詩人  息子は嘱望されるブルース・ミュージシャン
脳神経外科医としての仕事も充実し 妻との仲もよく  シックな18世紀様式の広い家で暮らしている 
毎土曜日は親友の麻酔科医とテニスを楽しみ  ときには かつての家に暮らす痴呆症の母を見舞う
今夜は 養父を招いているので  ディナーには ヘンリーが得意の魚シチューを作る予定である
午前4時のテレビニュースでは 飛行機は誘導されて無事に着陸し 火も消火されたのを見る
どんな兆しで 自分は早朝に目覚め テロかと危惧するような飛行機の事故を目撃したのかと訝るが
いつもどおりに動きだしたかのように思えた土曜日の朝が  予期せぬ一日となっていく
ヘンリーは行動しながら  これまでの来し方の出来事を思い浮かべ  世情を憂い  先を思う
ヘンリーの独白を読みながら  一人の人間のリアルに立ち会うような 巧みな小説である

わたしたちは日常の日々を どれほど予想し つつがなく暮らしていることだろうか
自分の言動 まわりの人の行動の何が幸いとなり不運となっていくのか  誰にもわからないことである
一寸先は闇     この言葉を思い浮かべてしまう
大切なものは多くなくていい   これさえあれば  これがあれば生きていける というラスト
世の中の人たちは 環境や境遇に差異はあっても  ヘンリーのように幸いであってほしいと思う


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桜のころはさらなり

2008-04-02 09:30:30 | ★こころ模様
 春はあけぼの。 
 やうやうしろくなりゆく山ぎは、 少しあかりて、 紫だちたる雲の細くたなびきたる。

 夏は夜。 
 月のころはさらなり、 やみもなほ。  蛍の多く飛びちがひたる、 また、ただ一つ二つなど、
 ほのかにうち光りて行くも  をかし。

                                  枕草子 第一段より


春まだき三月の空は うっすら水色の空の広がりだったけれど  四月の空は 青色が濃く 晴れる
桜が咲いて 花が春を呼び  空の青色に桜花が いっそう華やかに映える

春はあけぼの   桜のころはさらなり    桜が咲きました
お約束どおり  素直な女になります  やさしい女になります
はらはら  ひらひら  散りはじめる桜の花びら ひとひらずつに  想いを添えます 





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