いい本です と書評が褒めているから どんなふうに よい本か 好奇心で図書館から借りてきた
アメリカの作家ブローティガンの本を 初めて読む
いろいろな街を講演のために 友人に会って滞在するために 旅した半年ほどの出来事を日記風に
記した小説である
自分が遭遇した予想外の出来事や久しぶりに電話で話す友人たちの悲壮な嘆きさえも 軽妙に綴る
日常の些細なことが いきいきと おかしみをもって描写される
ただ 読みながら 出来事や人を見る作者ブローティガンの視点に 危うさのようなもの あるいは
強い孤独のようなものを ずっと感じながら読んだ
交差点のど真ん中に、新品の女物の靴の片方が転がっていた という落ち着かない感覚の書き出し
知り合ったばかりの男から その恋愛の話を聞かされ続け ゆるゆると自分の体が縮んでいく感覚
ハワイ マウイ島の荒廃した日本人墓地を訪ねたり 一夜の あるいは少しの間つづいた恋のこと
「わたしだって、 少々でも愛が必要だ、 たまには。」 と作者は書く
タイトルの 不運な女 とは 誰を指したのだろう
作者がある街で少しの間借りていた古い家は 自死をした見知らぬ女の家
その事実を告げられてからも住み続け 旅をしながら ときどき 見知らぬその女に思いを馳せる
もうひとり 親しい女友達が癌を患い 「いつも強靭で果敢で、すごく精力的、積極的な性格だった。
がんはその彼女をおびえて泣く少女に変えてしまった。」 この友人のことも 折りにふれて思う
日常の出来事や人との些細なやりとりのなかにも 生を肯うような温か味のある言葉で綴りながら
「死」のイメージがあふれているような小説である
この本は 1990年ごろ 未整理の遺品がはいっていた箱のなかから発見された小説である
作者リチャード・ブローティガンは その六年前 1984年10月に ピストル自殺した
アメリカの作家ブローティガンの本を 初めて読む
いろいろな街を講演のために 友人に会って滞在するために 旅した半年ほどの出来事を日記風に
記した小説である
自分が遭遇した予想外の出来事や久しぶりに電話で話す友人たちの悲壮な嘆きさえも 軽妙に綴る
日常の些細なことが いきいきと おかしみをもって描写される
ただ 読みながら 出来事や人を見る作者ブローティガンの視点に 危うさのようなもの あるいは
強い孤独のようなものを ずっと感じながら読んだ
交差点のど真ん中に、新品の女物の靴の片方が転がっていた という落ち着かない感覚の書き出し
知り合ったばかりの男から その恋愛の話を聞かされ続け ゆるゆると自分の体が縮んでいく感覚
ハワイ マウイ島の荒廃した日本人墓地を訪ねたり 一夜の あるいは少しの間つづいた恋のこと
「わたしだって、 少々でも愛が必要だ、 たまには。」 と作者は書く
タイトルの 不運な女 とは 誰を指したのだろう
作者がある街で少しの間借りていた古い家は 自死をした見知らぬ女の家
その事実を告げられてからも住み続け 旅をしながら ときどき 見知らぬその女に思いを馳せる
もうひとり 親しい女友達が癌を患い 「いつも強靭で果敢で、すごく精力的、積極的な性格だった。
がんはその彼女をおびえて泣く少女に変えてしまった。」 この友人のことも 折りにふれて思う
日常の出来事や人との些細なやりとりのなかにも 生を肯うような温か味のある言葉で綴りながら
「死」のイメージがあふれているような小説である
この本は 1990年ごろ 未整理の遺品がはいっていた箱のなかから発見された小説である
作者リチャード・ブローティガンは その六年前 1984年10月に ピストル自殺した