華やぐ時間

時の豊潤なイメージに惹かれて 。。。。

映画 ” クー嶺街少年殺人事件 “

2017-03-19 10:18:12 | ★映画  
明るい春の陽射しが 燦々キラキラ まぶしいほどの青空が嬉しい

ゆうべ 沈丁花の香りに出会えたよ

佇んでいたかったけど そうもいかなくて 花と指先で握手した

黄色くたわわにこぼれそうに咲いてるミモザの花とは きゅっと掌で握手して通り過ぎる

あちこちに 可愛い花の色を発見して 外を歩くのが楽しい


”クーリンチェ少年殺人事件”という映画は いい映画だったなぁと ときどき思い出して 観たいなぁと思っていた

数年前レンタルビデオ店で調べてもらったら VHSではあったがDVDでは作ってない って

いつかテレビで放映してくれないかなぁと ときどき思い出していた

そうしたら 映画情報で 新しいフィルムで 近々 上映されるって

上映館が少なく 2200円と高額だけど 楽しみに待ちかねていた

一日一回なので 時間をやりくりして 川崎へ観に行ってきた

川崎ラゾーナという大きな大きなショッピングエリアのシアターで 18:45~22:50までノンストップ四時間の上映である

中くらいの館内は ほぼ満席     

この映画のファンがいるんだと 嬉しくなった

帰りの電車で座れたが 目の前に立ってる年配の方たちがあの映画の感想を話してるので 居眠りしてるふりをしながら聞いていた

観れたなぁ  あの映画  しかも大劇場のスクリーンで

こういうとき わたしは自分が強運の幸運の星のもとに生まれた者なのではないかと思ってしまう

こころのままに 望みのままに  ズンズン歩いていっていいのかも と ほっこり息をつく

今朝も美しい爽やかな青空なので では そのように ルンルン 歩いていこうと思いまふ 




 






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気になる映画たち

2016-09-19 17:49:34 | ★映画  
台風の多い九月だなぁと思う

秋の爽やかな晴天が なかなか やってこない

桜の葉が少しずつ枯れて 少しずつ散っている


あちこちで チョイ読みした映画評に乗せられて  九月は 忙中閑をみつけて せっせと映画を観ている

ジャングル ブック   CDがきれいだったなぁ   物語もわくわく楽しめた

ターザン        大人版っていう気分で観に行ったけど わたしは ジャングルブックのほうが いい

君の名は。       観ておくほうがいいかな っていう感じで 観てきた   観終わってから 余韻が残った

怒り          とっても楽しみにして待っていた映画   重たい映画  人の思いに打ちのめされてしまう

オーバーフェンス    近々 観に行こうと楽しみにしている映画


好きな俳優の出る映画は気になって観に行くけれど  そうでもない主役たちの映画も 好評だと後学の為に観ようかなと思ってしまう

なんの後学かと 自分に笑ってしまうけど・・・


今週末は 大きなイベントがあり オッシャレを盛って行かなければならない

手持ちの道具が乏しいので盛りようにも限界があるのだけど  盛っていかなくっちゃならない

やや憂鬱

せめて 天高く 晴れやかな青空が広がらないかなぁ 





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映画 ” トゥルー・グリット ”

2011-05-27 22:27:38 | ★映画  

本年度アカデミー賞に作品賞、主演男優賞ほか10部門でノミネート、
監督にコーエン兄弟、製作総指揮にスティーヴン・スピルバーグという豪華布陣の話題作は、
かつてジョン・ウェインが初めてオスカーを手にした『勇気ある追跡』のオリジナル原作を映画化したもの。

父親を殺された少女が、二人の男と犯人を追う復讐劇だ。
壮絶な追跡のあとに訪れる感動の瞬間が、観る者の胸を熱くする。
コーエン兄弟の集大成とも言うべき美しい映像とドラマチックな展開で、彼らの最高傑作との呼び声が高い。
2年連続でオスカーノミネートのジェフ・ブリッジスやマット・デイモン、
弱冠14歳で大役に抜擢された新星ヘイリー・スタインフェルドらの、いずれ劣らぬ名演を堪能できる一作だ。


コーエン兄弟監督の映画は いつも気になる
マット・ディモンが 役のために太ったと どこかで読んだけど  なんの映画に出たのか知らずにいたら この映画だった
スーツを着こなして颯爽と現代の悪と戦うマットとは また違って 味のあるおぢさんカウボーイだった

むかしむかし 西部劇の時代の荒涼とした風景   人を殺すことに 残酷な時代
14歳の凛々しい女の子のまっすぐな勇気   未開拓の自然の美しさ

レンタルビデオを借りてきて観てもいい映画と  大きな画面で堪能したい映画とがある
仕事後に レイトショーへ駆けつけ  終電間際に帰宅するという熱心さで観た甲斐のある映画だった




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映画 ” ヒア アフター ”

2011-02-20 00:17:21 | ★映画  

ひさしぶりの友人と会う週末  映画を観てランチというメニューが決まり

今日が初日の この映画を観ることにした

スティーブン・スピルバーグ製作総指揮  クリント・イーストウッド監督による作品

”ヒア アフター ”は 「来世」という意味     “ 臨死体験 ”や“ 死者との会話 ”がでてくる  

BGM がきれいな音楽で 聴いていて  気持ちが寛ぐ

主役のマット・デイモンが  いつもの超人的な行動びとではなく 静かに悩める人だった

テレビキャスターの女性と 男の子と それぞれの環境 出来事を経て  三人が出会う

リゾート地で いきなりの大津波   街の不良少年たちの絡み  クスリ漬けの母親

たった今のリアルなニュースを見るような場面が いくつもあった

電車に乗ろうとした少年の帽子が飛んで 追いかけて拾う間に  電車に乗り遅れてしまう

残念そうに見送った数秒後にカーブを曲がった電車が 爆発するのである

兄の霊に守られた少年のように  わたしも 誰かに守られてるような気がすることがある

なぜだか そちらへ歩んで こうなって ああなって  いつのまにか  とても大きな幸いが 現前している

いつものわたしらしくない行動 考え方をして  何に導かれたのだろうかと思ってしまう

人は きっと その人の その時期にふさわしい よき人との よき出会いがあるのだろうな

監督のメッセージは  自分の良心に従って 今を大切に生きよ というのではないだろうか

そう思って  わたしは 一人勝手に 前向きの気持ちを抱いて 観終えた 








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映画 ” アウトレイジ ” 

2010-07-03 11:45:36 | ★映画  
 苦手なのは ホラー映画    のちのち 映像を思い出してしまうのがイヤだから 観ない
 暴力映画や怖い映画も 観たいと思わないが  北野たけし監督作品は 話題性に乗って ほとんど観てる 
 この”アウトレイジ”は 《 全員悪人 》というキャッチコピーが面白くて  どんなふうに 全員が悪人なのか観に行ってきた 

 悪人の人たちって 「 おい  こら  ばかやろう 」と 言葉遣いが単一なんだね
 自分の言う言葉に自分であおられ熱くなって すぐに体が反応するようにみえる
 どの人も 笑顔を見せない
 厳しい上下関係に  いつも緊張と集中で 顔がこわばっている
 裏の駆け引き  くすねり  陥れ  裏切り  誰もが不信の中にいる

 常連の役者を排しても  これだけ 悪人をやれる役者がいるのだね
 英語を流暢に話す悪人には 驚いた    こつこつまじめに学習してるのだろうかと 愉快 
 
 朴訥な古い型の悪人の ビートたけし
 この人らしいなぁと思わせる悪人の 椎名桔平
 こういう悪人ができるんだと瞠目の 加瀬亮
 情けない眼差しが体からにじみ出てる 國村隼
 いちばん気をつけなければならないのは こういう人なんだなと納得の 三浦友和
 いつもの凄みある押し出しではなくヒョロヒョロした 石橋蓮司
 計算高さと気弱さと阿る顔の 小日向文世
 全部わかってて まっすぐだったのかなぁ 杉本哲太
 上に立つ人の愚の塊りのような 北村総一朗


 どの役者も ふだん見慣れてるイメージとは違う悪人ぶりに 徹底していた
 ここまで とことん悪を演じられるのって  役者として とても楽しいのではないだろうか
 男なら わたしも 演じてみたいかも・・ 





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映画 ” 告白 ”

2010-06-12 00:25:56 | ★映画  
 この原作が本屋大賞をもらったことも知らず あらすじもほとんど知らないまま  松たか子が主演するというだけで 観に行った

 普段から 本とそれを映画化した作品は別のものだと 思っている

 この原作の内容は  読んだら きっと おぞましさ むごさだけを想像してしまうかもしれないが

 映画は 告白という形で人の内面の葛藤や孤独や悲しみを視覚的に見せてくれて  そのぶん 一人ずつの気持ちに寄り添える

 松たか子の感情を抑えた演技    中学生たちの生命の輝きに満ちた明るさ 弾け方 

 イジメは あのように徒党を組み 明るく楽しそうにゲーム感覚で進んでいくのだね 

 少年のうっぷんが殺人にむかうのは悪であるけれど  この子に愛をそそぎ 才能を伸ばしてやらなかった親は 利己的だったと思う

 少年法で数年のちに出所してくる男子生徒は 本当に更生できるのだろうか

 どの人物も 孤独だなぁと思う

 犯人AとBの環境と心の幼さ   心底から親しくなれなかった犯人と女子中学生   犯人の母の寂しさ
  
 自分の思いに囚われて歯車が狂っていく 人の生き方の悲しさを感じてしまう

 女教師の淡々とした話し方 号泣できない沈潜する悲しみが  よけい痛々しい

 「なぁんてね」と言う女教師のセリフが気になった

 恋人に見つかり捨てられてしまった血液は注入されなかったし  幼稚な爆弾装置の線は切断されたのだから 爆発もなかったと思う
 
 後任教師の熱意を逆手にとって 犯人を精神的に追い詰めていく女教師のこの先の生は 決して明るく朗らかになれないだろう

 殺人を犯した者  だれもが この先 重い生き方をしていくかと思うと 人の悲しさ 孤独の連鎖に  暗然とした思いを抱いてしまう

 殺人の場面はスローな映像で撮られることで ホラー映画のような怖さはなく 加害者の気持ち 被害者の気持ちが観る者に伝わってくる

 わたしの愛する身内の者が 理不尽な殺され方をしたら  わたしは復讐しないだろうか

 無理かもしれない  

 わたしが殺人者になろうとも 相手の家族に憎まれようとも  わたしは殺害者に復讐するのではないだろうか

 考えなければならないことをよく伝えて 人の哀しさを見せつけられた映画だと思う









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映画 ” NINE ” 

2010-04-03 15:41:34 | ★映画  
 映画館で 予告編のダンス場面を見てから 惹きつけられて  ぜ~~~ったい観たい映画と 心待ちにしていた 
 
 出演する女優たちの豪華さ   彼女たちは 吹き替えなしで歌って踊るらしい

 歌やダンスに縁のなさそうな女優もいるのに  どんなふうに踊るのだろうと 関心むくむく。。

 ハンサムな男優が狂言回しで 女優の美しさを魅せる話だろうなと 予想がつくけど

 映画館の大きなスクリーンで ダンス場面が見たくて  出かけてきた

 素敵に凄かったぁ    いいオンナって こんなふうでなくっちゃね

 女優自身の持つ 逞しさ 強さでもあるのだろうな   ひたむきに生きてる女のオーラが輝いている


 ペネロペ・クルスの なんという可愛いセクシーさ   あんなに しなやかなボディの人だったのだね

 ソフィア・ローレンは 往年のギラリとした強い女のイメージから  包容力のある温かさを見せてくれる

 ファーギーの圧倒的な舞台  歌と 砂を使ったダンスの迫力に 思わず 拍手しそうになってしまった

 この役のために太るよう 監督から指示されたらしい   

 男性グループとの以前のコラボを見ると 細い顔立ちの 腹筋がくっきり見えるスマートなボディの持ち主である

 ジュディ・デンチが 歌って踊るとは 楽しい嬉しさ   いくつになっても 素敵なオンナ

 ニコール・キッドマンの ほっそり 細長いシルエットは  そこにいるだけで 女優のオーラが醸し出される

 ケイト・ハドソンの明るい歌と踊りも 楽しかった

 マリオン・コティヤール  おとなしい可愛い華奢な奥様という雰囲気で登場したのに 心の中を吐露して歌い踊る場面に 魅了された

 エディット・ピアフの映画の印象と違って  女優って なんでもできる人たちなのだね


 外国映画は 女を強調するとき  たいてい 下着のようなコスチュームで踊る

 この映画でも そうだったけど  意思的な 逞しく 存在感のある女たちを見て  とっても パワーをもらった

 歌とダンスの場面を  劇場の大きなスクリーンで  もう一度 観に行きたい映画である 



 

 

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映画 ” アバター ”

2010-02-12 20:22:10 | ★映画  

 以前 ほかの映画を観に行ったときに  予告編で ”アバター”を観た

 青色の顔が怖いような感じで 目とか鼻とか耳も なんとも違和感を感じ  戦う話のようだし 観ない! と決めた

 封切りになると どんどんよい評判が立ち  新聞でも雑誌でも取り上げられるようになった

 友人たちも観てきて 「よかったよ~」と言う

 「 3Dの映画は これからも作られていくだろうけど いつか観るのではなく この”アバター”は観ておくほうがいい 」と薦められて

 いやだなぁ  ああいう顔の人物たちって好きくないなぁ と ぶつぶつ呟きながら観に行った

 観て よかったぁ      

 食わず嫌いって  よくないね     物語が進むにつれて ヒロインがだんだん きれいに見えてきちゃった   へへ・・ 

 景色の奥行き  空中の浮遊感  スピードのある動き   すごい映画ができたのだねぇ

 いつか  もう一度 観にいこう っと





 
  

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映画 " マイケル・ジャクソン  THIS IS IT  "

2009-11-04 22:10:13 | ★映画  

 観てきました

 マイケルの身のこなし 脚 足先の動きばっかり 見つめてました

 マイケルと同じステージで踊れることが嬉しいと キラキラした目で話すダンサーたちの踊りも すごかった

 良いステージを作っていきたいというマイケルの意欲 入念なリハーサルが ああいう素晴らしい舞台を作るんでしょうね

 聴き知ってる歌も はじめて聴く歌も  生のステージを観てるような錯覚で観 聴けた

 あそこまで作り上げたスタッフたちには マイケルの逝去は ものすごく ショックだっただろうな 

 知りがたき人の未来って ほんとに 怖くなる




   

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映画 ” 沈まぬ太陽 ”

2009-10-28 17:54:08 | ★映画  
 長大な原作を読む機会がないまま 今に至るので 映画は楽しみだった
 物語は読みながら想像し 自分で想いをふくらませる楽しみ方もあるが  映画は 視覚的に 大きく 楽しい

 あらすじを知らないで観た映画だったけれど 3時間半という長さを感じさせない映画だった
 主人公 恩地の生き方は まっすぐ誠実だ
 会社の中で疎外され 家族にさみしい暮らしを強いてしまうけれど この強さは なんだろうと思う
 島流しのような十年間を 外国の僻地へ僻地へと赴任させられる
 あてのない徒労のような仕事を その場所で ちゃんと自分の仕事をしていく
 
 御巣鷹山の飛行機事故のことが出てくる
 他の本でも読んだことだけど この映画では遺族の人たちの無念さ悲痛さが ひしひしと伝わってくる
 大企業を私物化して 裏で金を繰る悪人も出てくる
 人間って厭だなと思いながらも  そうやって生きていく人もいるのが人の世なのだなぁと 胸がしんとしてしまう
 
 沈まぬ太陽   
 あの広大な野に立って あの神々しい輝きを目にしたなら  自分らしさを肯い 再確認できそうに思う


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映画 ” 剣岳  点の記 ”

2009-06-29 21:34:53 | ★映画  

 本のお話は 実話物が好き   映像は  実写が好き

 山の本当の風景が見られるというので  上映を楽しみにしていた

 浅野忠信 香川照之 仲村トオル 松田龍平 役所広司 という男っぽい俳優たちの中に

 宮崎あおい 鈴木砂羽 が 華を添える

 山は 果てしなく そびえ立っている

 天候によって 穏やかにも 険しくも  神々しくも見える

 登山家でもない俳優たちが 明治時代の服装で  よく登ったものだと はらはらしながら観た

 風も 雨も 雪も 吹雪も 雪崩も  本当の迫力は 怖く きれいだった

 未踏の剣岳に 日本山岳部が初登頂するか 軍の地図を作る人たちが先に登るか・・

 前半は  登り口を探しあぐねるなかでの競争のような描かれ方もあったけど

 初登頂を成し遂げた側へ  他方が敬意の手旗信号を送る場面は すがすがしかった

 新田次郎の原作は読んでないけど  こういうことを成し遂げた人たちの仕事を知ることができて よかった

 

 
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映画 ” トウキョウ ソナタ ”

2009-05-28 19:08:48 | ★映画  
 見逃した映画を レンタルショップで借りてきた

 監督が黒澤清で 香川照之 小泉今日子 役所広司が出演なので あらすじを知らないけど 楽しみに観た

 会社をリストラされた男たちが  大勢出てくる   

 家族に打ち明けられず 毎朝 これまでどおりスーツ姿で出勤を装って ハローワークに通い 長蛇の列に並ぶ

 三ヶ月間も家族にナイショを通した男の 危なっかしさ  気の毒なラスト

 世の中の男たちは  家族を養うために 仕事を得ることに いっしょけんめいである 

 生きていくための収入がないと暮らせないし 社会の中に組み込まれていない位置は 不安である


 一家の世帯主である父親がリストラされて 家族に打ち明けられないところから  嘘が始まる

 亭主関白の夫に 唯々諾々と従う妻   家族を守るためにアメリカの軍隊に入隊したいという長男  

 親に無断で学校を早退したり  ピアノを習いたくて 給食費をその月謝に使う次男

 いくつかの食事の場面は 会話もなく 黙々と食べてるだけで  家族の寒々感が漂っていた

 家族の小さなズレが大きく広がって  みんなが一人になって もがく

 人の付き合いって 長ければ長いほど 小さな齟齬やズレ あるいは澱のようなものも溜まってくる

 まぁ いっかぁ で やり過ごせなくなってきたときの家族が  どうなっていくのだろうかと心配だった


 夫が 拾った大金を盗み 車にはねられたとき 

 妻が 押し入った強盗の人質として 逃亡のクルマに同乗したとき

 長男が 外国に行って 他の国の状況を考え始めたとき

 次男が 無賃乗車で捕まり 黙秘をし 拘置所に入れられたとき

 このとき それぞれが過去の自分を死んだのだと思う

 翌朝 それぞれが疲れて帰宅し  何も話さず いつものように朝食を食べている

 これまで生きてきた自分の考え方 行動を変えることって  なかなか できない 

 さまざまの喜怒哀楽が自分を作ってきたのだから 褒められたこと 上手くできたことも多々あるけど

 自分に固執して 失ったものも  いくつもある

 家族のなかの役割 その建前 ズレ 澱が  一人ずつの心を頑なにしていく
 
 それぞれが痛い思いをしたけれど  再生できて よかった   

 次男の才能が この家族を温かく朗らかな方向へ変えていくような気がして ラストは希望を感じられた



 

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映画  ” コレラの時代の愛 ”

2008-09-27 09:49:17 | ★映画  
本を読んでから 映画化のことを知り  待ちかねていたわりには観に行くのが遅くなってしまった
食事のお膳に たくさん並べられたお料理を見て  まず 好みが中くらいのお料理から食べ始める 
それから苦手なものを食べて  あとから 大好物のお料理を  ゆっくり味わいながら食べる
そこまで思ってたわけじゃないけど   ゆっくり観にいきたいと思ってるうちに遅くなってしまった
上映館が限定されてきて  上映時間も日に二回 朝か夜だったりになってきて  焦っちゃった

同じ物語でも  自分の想像力で読む本と 視覚で観る映画では印象が異なる
先に本を読んだときは  映画ではその時代の建物や風景 調度品  人物の服装などを楽しむ
外国映画は  わたしの想像を超えた雄大な景色や生活する人々の活気が見られて  楽しい

この映画は 19世紀の終わり頃のコロンビアで 一人の女性に愛の心を抱き続ける男の物語    
50年余思い続けた女性が未亡人になったとき  女性の前に現われて 変わらぬ愛を誓う男性
長い年月の片思い  初恋の人を忘れるために600人余の女性たちと関わりを持ち 日記に記していく
”百年の孤独”の作者ガルシア・マルケスならではのスケールの大きいお話である
72歳になったおばあさんへ変わらぬ愛を誓ってくれる男性の気持ちは  信じたくなってしまう
ここから あらためて二人のつきあいが始まっていけばいいのだと思う

男性の心の中は初恋の人を思慕し続けた50年だとしても  600人もの女性と関わる好色ぶりは
どういう性質の人かと 首をかしげてしまう
叔父が 彼の女性つきあいのことについて 「 若いころのお前の父親とそっくりだ 」と言う
もし 彼が初恋の女性と結婚できてたら  平穏な家庭生活を送っただろうか
人生の もしも・・を考えてしまうけれど  一人の人を思い続ける心の軸を持てるパワーに感動する
何事もユメは抱き続けるべきもの   
思いが強ければ 時を経て  こうしてユメの成就があるのだからね

映画の中の若い男女は 結婚して数年後  男性が髭を生やし 女性の髪に白いものが目立つようになってくる頃から  男も女も  いい顔 いい雰囲気になってくる
歳をとって背中が丸くなり 動作も緩慢になり  外国の俳優たちは 老け役 メーキャップが上手だ
特に老婦人になったヒロインの品のいい様子は 人生の円熟味 鷹揚さが表れてるようで素敵だった
こんなふうに自分らしい厚みを醸しだせるのが 歳をとるということなら いいなぁ
有能な医師と結婚した彼女の様子をときおり見かけながら 結婚の申し込みの機会を待ち続ける男は
” ノーカントリー ”で アカデミー賞助演男優賞を受賞したハビエル・バルデムが扮している
あの ” ノーカントリー ”は 良さがわからない映画だった
人らしい感情の迷いもなく人を殺していく殺人者は  観ていても不気味な感じが増すだけだった 
この映画” コレラの・・ ”では 本当の老人のようにおじいさんらしく  温厚さも感じられて
ハビエルは いろんな役のできるうまい俳優なのだろうなと思った



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映画  ” おくりびと ”

2008-09-17 12:19:51 | ★映画  
山形県庄内平野の町も 季節も 方言も  主役だなぁと思う  
配役が適任  本木雅弘  山崎努  笹野高史  余貴美子  吉行和子  広末涼子ほか
鳥海山を背景にチェロを演奏する場面は  とても印象深く  心に残る

亡くなった人を湯灌することは かつて身内の者が行っていたけど  遺族に代わって 遺体を清めて
身なりを整え 棺に納める納棺師という仕事を はじめて知った
大往生で自宅で死ぬ人ばかりではなく  病死や事故死  自殺の人  死後日数を経た腐敗の人  
いろんな遺体に関わる仕事は  大変な仕事だと思う
故人と最後の対話をするかのように 遺族の見守る張りつめた空気のなか  仏衣を整えていく儀式
納棺師は 死者を労わるような手の動きで 死者に触れ  その人らしさを偲んで化粧を施していく
心の込められたひとつひとつの所作には 亡くなった人を悼み  感謝が込められてるように見える
人から人への温もり 優しさが込められてる作法は 厳かに美しく  涙がこぼれる
人は産まれてくる時も人の手を介し  死んで旅立つ時も人の手を介する

火葬場の点火のスィッチを押す笹野高史は 「 死んだ人は  別の世界へ 門をくぐって 旅立つ  
たくさんの人を見送るわたしは 門番     いってらっしゃい 」 と言う

オーケストラのチェロ奏者だった主人公は  楽団の解散で 妻と一緒にふるさと山形へ戻ってくる
妙なきっかけで 再就職先が決まり  社長の人柄に惹かれ  妻の理解を得られないまま
納棺師の見習いを続け  いろいろな人の死に触れ  生きるということを考えていく
30年間失踪していた父の亡きがらに会い  遺体の掌のなかに 子どもの頃に手渡した石を見つけ
親の思いを理解していく場面は  よかったなぁと安堵した

映画の物語うんぬんを超えて  人と人の出会い 運というものを考えてしまう
チェロ奏者として東京で仕事を続けていたら  人の生死を考える機会はもっと先だったかもしれないし
父を理解し  納棺師として その遺体を手厚く清めることもできなかったかもしれない
一個の人間の生の 人と人との出会い  職業  歳を重ねて生きていく日々  その大小の幸運不運は
人知を超えた はかりしれない大きな大きな天の配慮によるものかなぁと  またもや思ってしまう

本木雅弘の出演する映画は  たいてい観ている
どちらかというと  エキセントリックな物語のなかの特異な人物像が多い
この映画の 真面目な主人公は かわいい素直な雰囲気で  素に近いのかなぁと思ってしまう
プライベートでは 書を書く人らしい   いままた チェロを生涯の勉強にしたいと語ってるらしい
豊かで 凛々しく  ますます素敵な役者だなぁと思う

第32回モントリオール世界映画祭のコンペティション部門で グランプリを受賞した作品である





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映画  ” レオポルド・ブルームへの手紙 ”

2008-06-19 09:50:11 | ★映画  
新聞のテレビ欄を見ていて  この映画タイトルをみつけた
数年前に公開された作品で  気になりながら見逃した映画だった
忘れていた頃になって  こうして出会えるなんて  言いようもない幸運
観終わってからは  重い内容にしばらく考え込んでしまったけれど
この映画を観ることができて  本当によかったと思う 


あらすじ

ミシシッピー州の刑務所から  無口で静かなスティーヴンという男が15年の刑期を終えて出てくる。 
彼の心の支えは  少年レオポルド・ブルームに手紙を書くことだった。
学校の授業で囚人に手紙を書くという課題を出されたレオポルドは  自分の生い立ちについて 
「 僕の人生は僕が生まれる前に始まった  僕は母さんの罪の烙印 」 と書く。
母メアリーに愛されることなく育ち  本を読むことだけが人生の楽しみだったレオポルドにとって  手紙に自分の人生を綴ることが唯一の慰めだった。 
若い母メアリーは  大学教授の夫ベンと幼い娘の3人で暮らしていたが  学びたい気持ちを中断して
家庭や育児の中にいることに 焦燥感を抱いていた。
女友達から ベンが女学生と一緒にいたと告げられると浮気を信じ込んでしまい  家に出入りしていたペンキ職人と関係を持ってしまう。  夫と娘が交通事故で死んだ夜に  早産でレオポルドが生まれた。   夫と娘を殺してしまったような罪悪感   夫の子という確信が持てない赤ん坊。
メアリーは レオポルドを心から愛することができず  抱きしめてやることもせず  寒々と育てる。
そんな孤独な少年に愛のこもった返事を送り続けることで   スティーヴンも 自らの新しい人生を踏み出していく。


これは 若い母親メアリーの葛藤の日々の物語であり   高校生のときに殺人を犯したレオポルドの再生の物語である   
理解あるやさしい夫とかわいい娘と暮らしながら  メアリーは幸せではなかったのだろうか
着飾った友人が講師の職に就いたからなのか      たいして親しくもないような女友達は わざわざ訪ねてきて  ご主人は浮気してる と ほのめかす
メアリーは確証もないまま   こういう人の言葉を信じてしまう
夫や娘の死と引き換えのように生まれてきた息子を愛せないからと  邪険に接するのは  ひどい
レオポルドの文才を認める先生が進学を勧めても拒み  友達のいないレオポルドが近所の少年たちと遊ぶと  家へ呼び戻してしまう
ときどき酔ってメアリーを訪ねてきては乱暴をするペンキ職人が  ある日母を殺そうとしているのを見て  レオポルドは母をかばい  職人は戸棚にぶつかって死んでしまう
法廷でメアリーが事のいきさつを話せば レオポルドの罪状は軽減されるのに メアリーは うやむやに話し  レオポルドに殺人の判決が下りる
弁護士が言う 「 鑑定の結果 レオポルドのDNAはあなたの亡夫のものと一致しました   死亡した職人は子のできない体質です 」
これを聴いているときのメアリーの表情は   凍る仮面のように固まっていた
控訴するように言う弁護士へ レオポルドは 「 母は僕を殺し  僕は彼を殺した 」 と刑を受け入れる

メアリーの思い込み  メアリーの罪の意識  メアリーの愚かしさ  メアリーの心の弱さ   
レオポルドを慈しんで育てられなかったメアリーの悔恨は  死ぬまで続くのだろう 
人の生き方 幸不幸は  自分の心が招くのではないだろうかと思ってしまう

刑期を終えて出所したレオポルドは  スティーヴンと名乗って働きはじめる
一日の仕事が終わった後は  子どもの頃のレオポルドに手紙を書き続ける   
ミシシッピー河のほとりで 自殺しようとしているレオポルドに追いついて 「 だいじょうぶだよ 」と伝える
そのときレオポルドは自分自身を開放し  スティーヴンは再生の実感を得ることができる

誕生から一度も母の温かさ優しさを受けずに育ってきた子どもレオポルドの運命は  むごい
愛されている実感を得ないでは  人は生き難い生き物だと思う
存在を認められ  よいところを評価され 励まされたら  一層のびやかに 生きていく力が湧く
いつも  いつでも  いつまでも  あなたを見ているよ という確かな想いを感じられたら
自分はここに居てもいいんだ と思えたら  晴れやかな眼で前方を見つめて歩いて行ける
愛からの孤立感   心から語れる他人がいない閉塞感  
レオポルドは  こういう境遇にいながら  自分自身へ手紙を書くことで 自身を解き放ち 赦す
大地に深呼吸するラスト場面からは 清新の感動が伝わってきて  涙ぐんでしまった 



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