華やぐ時間

時の豊潤なイメージに惹かれて 。。。。

 映画  ” かもめ食堂 ”

2007-03-15 22:04:24 | ★映画  
よい本 よき映画 よき芝居に出会えたときは  ここちよい余韻が いつまでも あとを引く
現実の用事をしながらも  心の中には 場面のあちこちが思いだされて ほんわか酩酊状態である
いい映画を観たなぁと思う
映画館で上映され 評判になっていた頃は  とりたてて観たいとも思わなかったけれど
数日前  小さな上映会があるという案内が目にとまり  ためらうことなく  いそいそと観に行った
時機がわたしを呼んだのだね   今 出会うべき映画だったのだと  観終わって思う


フィンランドの首都ヘルシンキの街角に 日本人女性サチエが 小さな食堂を開く
フィンランドの太ってるかもめは 子どもの頃に仲良しだった太ってた猫を思い出す と言う
サーモンの好きな国の人たちと 日本のおにぎりに好まれる鮭は同じだから 高級なレストランではなく
おにぎりがメインの ” 食堂 ”をやってみたい と思った と言う
開店ひと月めに 「 珈琲をください 」とやって来た若者が  やっと お客さん第一号である
「食堂を手伝わせてください 」と言ったミドリは  目をつむって世界地図を指したら 
ヘルシンキだったので  来てしまったという
二人目のマサコは エアギター・コンテストを楽しむこの国の人たちに惹かれて 訪ねて来たという
遠巻きに店の様子をうかがっていた街の人たちが シナモンロールパンの匂い おいしい珈琲に惹かれ
サチエのやさしい人柄とあたたかい店の雰囲気に惹かれてやって来るようになり  食堂は繁盛していく


食堂で働く三人の女性が  なぜ 一人で この国へやってきたのか  誰も くわしくは尋ねない
フィンランド語を話すサチエは  ときどき プールで ゆったり泳いでいる
住まいの部屋は きれいな色彩のカーテンやシンプルな家具が置かれていて 寛げそうな様子である
日本人女性が一人で食堂を開き ひと月間お客がやってこない とウィンドウ越しにウワサされていても
目が合うと笑顔の会釈を返し  清潔でシンプルな店の中で  キュッキュッとグラスを拭いている
サチエ役の小林聡美の 人におもねることなく 人を信じる温かいまなざし  おおらかに ゆったり 
こだわらない雰囲気の中には  一本 透明な芯が通ってるような印象を受ける 
「人は変わっていくものですから 」と にこやかに言うことばの背景には どんな来し方があるのだろう
自恃  孤高に生きる  という静かな佇まいが目に浮かび  きれいな強さを感じる 

わたしは  どういうきっかけがあれば  外国で一人で生きていけるだろうか
悲嘆や暗さはなく 欲深くもなく  明るく朗らかに 一人で暮らしていけるだろうか
身ひとつで  自分の足で さらりと立って  生きていけるだろうか
これまでの日常  係累  いろんなものを措いて  新しい気持ちで生きていくとしたら
きっと  たぶん  せいぜい 日本の山奥の温泉で働かせてもらうくらいだろうなぁ
わたしは 白昼夢さえもが  こぢんまり  実際的っぽい
それにしても  フィンランドで暮していくサチエのこれまで これからへ思いが膨らむ
やさしいオンナは 強い   強いオンナは あたたかい   あたたかいオンナは きれい
それから  それから・・・       いいオンナは  それだけで  いい女サ♪   (^。^)v

   
   
コメント (6)
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