華やぐ時間

時の豊潤なイメージに惹かれて 。。。。

秋をスケッチする

2018-11-17 19:51:59 | ★絵画
薄曇りの小寒い朝 デッサン会の野外スケッチの日

風景なんて 何年ぶりだろう

集合場所の駅から15分ほど歩いて 大きな公園に着く

肌寒く見える曇りの空のした 紅葉黄葉の木々が幾重にも重なって美しい景色があらわれる

一人では自然林の紅葉を見に来る機会がなかったと思うので みなさんと来ることができて とってもよかった

保育園の年長くらいの子どもたちが先生と遊んでる声が可愛い

大きな石の回りを基地にして遊んでる男の子たち  先生と“ダルマサンが転んだ”を遊んでる子たち

元気な笑い声 楽しそうに遊ぶ声が気温の低さに暖をもたらす

大きな池のそばに みなさんがそれぞれ描きたい風景をみつけて座られる

わたしは池の上に大きな木が枝を伸ばしてるところをスケッチする

水平へ上方へと枝先を伸ばす木影が澄んだ水面に映っていて きれい

水彩やパステルを持参してる人たちは きれいに色をつけていく

わたしは鉛筆デッサンで 木々の固まり感 葉の陰影出すのに四苦八苦

晴れてたら光がきれいだったろうなと 灰色の空を見つめる

子どもたちが歌を歌いながら帰ってしまうと 辺りが急に寂しく寒く感じる

二時間余 試し描きを途中で終えたようなわたしのデッサンだったけれど いいンです

美しい紅葉の季節のなかに数時間 身を置けた楽しさが今日の収穫

デッサンは ゆっくり上手になっていきま~す 





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片岡球子展

2015-05-04 18:31:41 | ★絵画

新聞を読んでいたら  東京国立近代美術館で 片岡珠子展が開催されていることを知った

日本画家なれど 大胆な構成の絵を描く人だなぁという程度には知っていた画家だけれど

この広告を見たら 急に美術館へ行きたくなり  さっと行ってきた


鮮やかな色使い  大胆にデフォルメされた形  力強い筆使い・・

絵を観ていくうちに  わたしは自分がワクワクしながら 目も口元も微笑んでるのに気づいた

どの絵にもドキドキし  観るほどに愉快な気持ちになっていくのである


まず 25歳の作品 ”枇杷 ”の美しさに 足が止まってしまう

歌舞伎役者たちの絵の華やかさ

面構シリーズの人物たちの表情の愉快なことには  何度も行ったり来たりして眺めてしまう

雅楽の絵は  衣装の色 厚み感に 惚れ惚れと観てしまう

浅間山は  山が命をみなぎらせて脈打ってるような圧倒感である

海の波が ごつごつ岩のように渦巻いている

その真ん中に 安徳天皇のなんとも可愛らしいお顔が ぷっくり

阿波風景や桜島の絵からは  人々のわさわさした賑わいが伝わってくるようである

富士山の絵の 明るく 清々しく 温かい 可愛らしさ


会場を二巡三巡して去りがたく やっと退館してきた

片岡珠子の絵をたくさん観ることができ  どの絵も心に沁みてくる

これまで なにかの折にチラリと見ることはあっても ハラリと落っことしてきたけれど

今 呼ばれるようにして観てきて  今がわたしの心に受けとめられる時期だったのだなぁと思う

そばに置いて眺めていたいと思う絵が何枚もあり  迷わず 図録を買ってしまった

もしも 気持ちがめげてるときに  この色使い  内面の熱さが迸るようなタッチ  思い切りのよい構成の絵を眺めたら

きっと 元気 活力を取り戻せそうである 


三岸節子の絵も 大好き

わたしは この人たちの絵が好きなんだなぁと思いながら  また絵筆を取ってみようかなと思う

おとなし~~い人物画しか描けないかもしれないけど  構図も平凡だろうけど 
どういう色を使うだろうかと 楽しみでもある










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” 上村 松園 展 ”    東京国立近代美術館

2010-10-06 19:46:37 | ★絵画

 昨日  仕事先のおぢさまから 絵画展のチケットを 二枚いただいた 

 「 行くつもりでいたけど どうしても都合がつかないので 代わりに行ってきてください 」

 観たいなぁと思いながらも まぁ いっかぁと諦めていたので  嬉しい~♪

 すぐに 絵の好きな友人に連絡をしたら 都合がつくとの返事で  さっそく 今日 鑑賞♪


 午後の遅い時刻  竹橋近辺は 帰る人たちも多いけど  入場していく人たちも 多かった

 それでも 会場内を三往復して  自分のペースで たっぷり観ることができた

 日本画の女性は 時代ごとに 人物の年齢ごとに 意匠がいろいろ創れて おもしろいなぁと思った

 日本髪の結い方のいろいろ   若い人 年配の人 あるいは職業によって変わる簪  着物の色

 着物の襟もとの寛ぎ方  配色  帯の模様  その結び型  着つけの仕方に その人物の物語を読めそう 

 これに加えて 立ち姿 座ってる姿で  いかようにも 絵に動きが出て 見飽きない

 後ろ姿の人物の曲線の美しさ  強調した帯の結び方から 顔は見えなくても その人の存在感が印象的だった

 上村松園の絵を こんなに たくさん観ることができて とても嬉しい

 初期の頃の絵は  なんとなく描き過ぎの感じで たんにきれいな ありふれた絵のように思ったが

 昭和になってからの作品たちは  人物が たおやかで 品があり  色彩にも構図にも惹かれる

 一人 あるいは 二人三人が描かれていても その絵の中に込められている想いを 見つめ続けてしまう

 女性の姿形の美しさ  匂い立つような情感  

 人が こんなふうに 静かに 凛と 生きていけるのなら  生きることは 素晴らしいと 感動をもらってきた





    

   
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絵画展 ” オルセー美術館展 2010  ポスト印象派 ”

2010-06-25 06:54:52 | ★絵画

 東京の真ん中の ガラス張りの美術館へ 観に行ってきた

 始まって間もないというのに たいそうな人出のようで  たいそうな混みようかもしれないと 覚悟して出かけた

 友人とは3時の待ち合わせだったので  思ってたほど 混み込みではなく鑑賞できた気がする
 
 わたしは絵から少し離れて ちょうど 観ている人たちの塊り分くらい離れて観るので ゆっくり観られる

 ルソーの緑の豊かさ  ベルナールの人物の動きに  また出会えると 懐かしく 嬉しい  

 ゴーギャンの色彩は もっと暗いかと思っていたけど明るくて  ロートレックも線や色使いが軽やかだなぁと あらためて思った 

 煙るようなモネやスーラの大作は  眩暈を起こしそうに 厚みを感じた 

 ゴッホの自画像や星降る夜や馬車の絵に  きれいな色使いだなぁと 惹きつけられた 

 楽しみなのは  やはり セザンヌの静物    白布の上の果物に魅入ってしまう

 出口に近付くと場内を逆戻りして 再度 絵を眺めて 名残り惜しんだ


 都会に詳しい友人の案内で  東京ミッドタウンで お茶べりタイムを持つ

 楽しいこと 困ってること これからの夢を話したり聞いたり アドバイスしてもらったり しみじみ共感してもらったりと 話が弾む
 人と語る楽しさと 絵画に触れる楽しさと  豊饒な時間を過ごせた晴れ空の一日に 謝謝 



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絵画展  ” 没後10年記念  三岸 節子展 ”

2010-05-02 19:54:17 | ★絵画

 亡くなって  もう そんなに月日がたったのだなぁと思う

 記念と称して 作品を一堂に展示して見せてもらえるのは  とっても嬉しい

 東京日本橋の高島屋へ  大好きな人に逢うかのように ワクワクしながら 見に行ってきた

 はじめて見る絵もある

 これまで何度も見てきた絵に また会えると 嬉しくて  ひそかに挨拶してしまう

 以前 とても感動した絵に 今回はさほど惹かれず   あの時も展示されてたのに あらためて まじまじと惹きつけられる絵もある

 三岸節子の 赤色  青色  黄色  茶色  黒色  輝くような白     何度見ても その深みに感動する

 油絵の具の厚塗りは 触ったら ポロリと剥げそうなくらいなのに  色彩に濁りがない

 キャンバスの大小に限らず  わたしは2メートルほど下がった位置から 絵を眺める

 離れてみるほどに 四角いキャンバスのなかの色は 温かく 明るく 伸びやかな風景となり  みずみずしい花になる

 絵を見ていると  わたしは ふだん忘れている自分の心の底に 降りていくような気持ちになる

 どの作品からも 真摯な強い生命力が伝わってくる        みつめるほどに  わたしは 穏やかな優しい気持ちになっていく

 いつまでも三岸節子の絵の中にいたかったけれど  

 一宮に美術館があるので また会いに行けると自分に言い聞かせながら  名残り惜しい気持ちで 帰ってきた 








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絵画展  ” メアリー・ブレア展  ”    東京都現代美術館

2009-08-26 19:39:52 | ★絵画
オクラホマ州生まれ。 カリフォルニアのシュイナード美術学院を卒業後、水彩画家としてそのキャリアをスタートさせる。  
1939年にディズニー・スタジオに入社し、コンセプト・アートなどを担当。  
その後、ウォルト・ディズニーらと共に訪れた南米への旅を経てその才能が開花。
「シンデレラ」(1950年)、「ふしぎの国のアリス」(1951年)、「ピーター・パン」(1953年)などでカラー・スタイリストとして活躍。  
素晴らしい色彩感覚を活かして数々の功績を残す。 
ディズニーランドの人気アトラクション「イッツ・ア・スモールワールド」のデザインも担当した。  
また、絵本の挿絵や多くの広告デザインの実績なども残しており、 特に挿絵を担当した絵本『わたしはとべる』は
現在も世界中で親しまれている。


友人が勧めてくれるので  お天気のよい日に出かけてきました

電車に揺られていく初めての街は 小旅行の気分で わくわく。。。

清澄白河駅から美術館までは 下町風のお店を眺めながら 小路を歩きました

美術館は モダンで広々としてて オシャレな雰囲気

お客さんは若い人たちが多く  ほどよい混み具合で 観やすかった

メアリー・ブレアの絵は きれいな温かい色づかいで  デザインの可愛らしさは もちろんだけど

光と陰のコントラストが上手いなぁと思いました

作品を見ていくほどに  生きてることは素敵に楽しい・・という気持ちにさせられます

美術展に出かけても 目録やら図録のようなものは買わないわたしなのですが

ブレア展の図録は 迷わず購入しましたョ    

ときどき眺めて 楽しい気持になれそう






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絵画展 ” セザンヌ主義  父と呼ばれる画家への礼賛 ”

2008-11-18 21:58:05 | ★絵画

       
ここ数日続いている暖かい陽射しに誘われて  楽しみにしていたセザンヌ展へ出かけてきた
いつもと違う路線の電車に乗って 窓外を眺め どことなく小旅行の気分で のんびり揺られて行った

みなとみらい駅の構内は  とても広くて きれい
エスカレーターを乗り継いで地上に出ると  目の前が 横浜美術館
青い空の下に木々が紅葉し  ベンチで寛ぐ人たちも 日向ぼっこが気持ちよさそう
横に広がるような建物の外観は 威圧感がなく 瀟洒な印象を持てる
天井の高い館内の中央には 石の階段があって なかなか趣のある美術館である
会場は お昼頃のせいか 閑散・・という雰囲気で  鑑賞者がワンフロアに数人という贅沢さ
15日から開催されて間がないせいなのか  東京の美術館で大きな絵画展をやってるせいなのか・・  
わたしは 絵に近づいたり 離れたり 解説をゆっくり読んだり  絵を眺め直したり
実に 実に 意のままに のんびり二時間余も セザンヌに浸っていた

セザンヌの林檎が描かれている静物画が好き   この一個の林檎には 七つの色が乗せられていた
セザンヌの絵は 風景画も人物画も 青が目立つなぁと思っていたら  彼の書簡を読むことができた


ベルナールへの書簡

 「われわれ人間にとって、 自然は表面としてよりも むしろ深さとしてあります。
 だから赤と黄で表わされる光の震動のなかに、大気を感じさせるために 十分な量の青を
 導き入れる必要があります。

 自然を円筒形、球形、円錐形によって扱い すべてを遠近法の中に入れなさい

 つまり、ひとつの面、ひとつの物の各局面が ひとつの中心点に向かうようにしなさい。 
 水平線と平行な線は広がりを、 つまりの自然の一断面を与えます。
 この水平線に対して 垂直な線は深さを与えます。  」


パンフレットより 抜粋

 ”ピカソが敬愛の心を示して「父」と呼んだ画家ポール・セザンヌ(1839-1906)
 印象主義とともに出発しながらも伝統的な絵画の造形原理に基づきつつ独自の新しい表現を創造した
 「セザンヌ主義」という言葉が存在するのは 彼の絵画が20世紀初頭のフランスにおける革命的な
 芸術運動に与えた影響がとりわけ顕著であるからである
 日本においても 大正期に「白樺」などの文芸誌に紹介され  洋画家たちに衝撃を与えた ”


今回の展覧会は セザンヌに惹かれ影響を受けた画家たちの作品も 観ることができた
ピカソ マティス ヴラマンク モディリアーニ  岸田劉生 安井曾太郎 佐伯祐三
中村彜 高橋由一 などなど  めったに観る機会のない日本の画家の絵も観ることができた
セザンヌの絵の人物と同じようなポーズ  同じような風景  同じような配置の静物画の果物
そのタッチや色彩や構図を見比べることができて  なかなか楽しい

セザンヌの絵を観ながら わたしも描いてみたい気持ちが むくむく・・
今のわたしは  どういう絵を描くのだろうか
わたしは 今 とても忙しいので  中途半端な気持ちで絵筆を取ることは したくない
人物の素描が好きなので ちょちょいと描いて練習していればよさそうなのだけど できない 
もう少しお歳をとったなら  我が人生を盛り込んだタッチ 色彩の絵が描けるだろうか
今は まだまだ人生の修行中の身だけど  いつか筆を取るときが 自分でも楽しみだなぁ


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絵画展 ” ヴィルヘイム・ハンマースホイ  静かなる詩情 ”

2008-11-10 12:41:41 | ★絵画
 
                       



知人から 招待券をいだだき  久しぶりに上野の森へ出かけてきた
端っこから公園へ歩いて行ったので  途中から 大勢の人たちが歩いてくるのに出会った
どこへ行くのだろうかと思ったら  ” フェルメール展 ”のほうへ行ってくれたので  ホッ
おかげさんで  わたしの行く絵画展は 適度な観覧の人たちで  ゆっくり観ることができた

新聞では 「後ろ向きの肖像画 」とか「 無人の部屋」を描くデンマークの画家という記事を読んだが
艶のない絵の具のタッチや初めて聞く画家の名前には ちっとも食指が動かず 忘れかけていたら
チケットをいただいてしまい  義理と人情から 観に行ったという消極さである

妻を描いたという顔の見えない人物画 や 人のいない室内 を 何枚も描いている
自宅なので  置物の位置を変えたり省略して 同じ構図 同じ部屋の題材が何枚もあった
間近で観ると 人や物の輪郭がはっきりしないような描き方なので  何メートルも離れて眺めた
どの絵も 全体に灰色の紗幕がかかったような ぼんやりしたような 柔らかい色調で沈んでいる

題材がそんなふうだから 観ていくうちに  とても不気味なような 不安な気持ちにさせられてしまう
人の顔の表情が見えない描かれ方は 人間は 単に室内の無機質な置物のようにも見えたり
絵を観る者の視線を拒む 頑なさのようにもみえる
1900年頃のヨーロッパは 活気にあふれた時代だったはずなのに こういう絵を描き続ける画家は  
いったい どういう心境の人  日常の暮らし方をした人なのだろうかと思う

モノトーンのような色調の 無人の 時の静止したような室内には いろいろと想像力を掻き立てられた
ドアの奥からわずかに射す光  あるいは窓から床に落ちる陽の光などは  そこだけ活き活きと
明るく はしゃいでいるようにさえ見えて  むしろ饒舌な時のひとコマのような印象を持った
穏やかで 静謐で  とても禁欲的な雰囲気に包まれていた絵画展だった



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 ” 没後50年   モーリス・ド・ヴラマンク展 ”

2008-06-22 21:51:12 | ★絵画
                  

ひさしぶりに 新宿へ行ってきました  
都庁の近く 損保ジャパン東郷青児美術館の絵画展へ 行ってきました
野獣派フォービズムの絵描きヴラマンクの絵を 観に行ってきました
迷いながら 損保美館を目指して歩いて行ったけど  近づくほどに高層ビルの群れたち
田舎モンには高層ビルが珍しくて  道端に立ち止まって 360度空を見上げて  欣喜♪
ノンストップのエレベーターは ちっとも揺れを感じず  数十秒で 42階に着いてしまう
42階の大きな窓から見下ろす新宿界隈は 東京タワーや皇居やら 遠景が広がっていて 楽しい
なによりも隣りには  もうすぐ完成の東京モード学園の卵型の奇抜なビルが同じ高さに建っている
白い絆創膏をX印に組み合わせたような不思議な外観は  斬新なデザインの学校に よく似合う



モーリス・ド・ヴラマンク ( 1876~1958年 )はヴァイオリン奏者や競輪選手として身を立てながら独学で絵を学び、 1900年頃から画家として本格的な活動を開始しました。  ゴッホなどの影響のもと、 鮮やかな色彩と自由な筆致を使った大胆な作品を手がけ、 マティスやドランらと共にフォーヴの中心人物として評価されました。  その後、 セザンヌの影響を受けたきちんとした構図と渋い色合いを用いた作品を描いていましたが、 1920年代頃から渦巻くようなスピード感のある筆致と重厚な色彩を用いた、 劇的で力強い独自の画風を確立するに至りました。  本展覧会では最初期から晩年まで、 ヴラマンクの作品を一堂に展示し、 その画業の変還をたどります。
                                    - チラシより -


絵は 間近から見るよりも 数メートル離れて眺めると 額の中の風景が くっきり 存在感を増す
初期の絵は 絵の具に艶がなく ぼさぼさした荒いタッチの 空気が感じられない稚拙な絵に見える
水辺のヨットの絵は 空と水の色がかすれたような同じ色で 天地を逆さまに見ても遠近感がない
1920年頃から  絵に躍動感が出てくる
花瓶の花が くっきり立って  遠目にも存在を主張している
風景 海 空を描いて うねるような厚みのあるタッチ
冬の日  重たい曇天  寒々と積もって汚れた雪の質感  
どの風景も  空はいつも嵐の日のように厚く重く  家も畑も暗い色合いで佇んでいる
北の国の風景の孤独  描く人の孤独や不安が渦巻いてるような絵
年代が経るほどに 額の中に切り取られた風景から伝わってくるものがあり 惹かれる絵が多い
最晩年のグワッシュの小品12点は 重く暗い色調ながら落ち着き 味わいがあり ほしいなぁと思う

出口に近いところに 常設展示作品の部屋があり  本物のゴッホの『 ひまわり 』 
セザンヌの『 りんごとナプキン 』  ゴーギャンの『 アリスカンの並木道 』 が飾られている
ゴッホの 『ひまわり』は  淡黄緑色の背景に ひまわりが数本挿してある
花びらの先 葉の先のしなだれ方は 病的な不安な印象を受けるけど 距離をおいて遠くから見ていると
絵全体から  あたたかい やわらかな優しさのようなものが広がっている
静かな絵だなぁと 見ていると気持ちが和んでくるようだった 





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