蘭の国から

富貴蘭を中心に我が家の植物栽培や自生地紹介等など

天領と龍泉錦と宝錦

2015年09月11日 | 富貴蘭(縞)
以前コメント欄で天領と宝錦の違いについての解説をリクエストされていましたが、
我が家の宝錦の株はどれも数年前に炭植えにして痩せて傷んでしまってるので、
どうしたものかと迷ってました。

辛うじてプラ鉢植えのが一つあったので、あまり良いサンプルではありませんが、ご紹介します。

先ずは宝錦です。









紺性強く、縞の色はやや白味を帯びてます。


こちらは天領。葉幅の広い黄縞で、素直な木姿です。









こちらは龍泉錦。やや細身で、白勝ちな上品な縞です。








付けの着色は宝錦は底にわずかに色がある感じで泥は少ないです。



天領はスプレーを吹き付けたような斑紋状です。



龍泉錦は軸元を強く染めます。




写真では解りづらいですが、こうやって見ると、龍泉錦の葉はかなり樋が深く、



宝錦は葉肉が盛り上がっており、



天領はやや浅いです。



しかし細かい所にばかりに気が行ってると、見誤ることがあります。


簡単に言ってしまうと天領と宝錦はほとんど似たところが無く、
どちらかと言えば金広錦の割り子と天領の区別に悩む時があります。

また龍泉錦と宝錦も似たところが無く、富士錦の方に似ています。

つまり宝錦との区別に迷うような天領のラベルの木があったら、それはまず宝錦だと考えていいと思います。
以前は高千穂の縞の偽物として圧倒的多数の宝錦が流通していましたが、似てもいないのにおかしな話ですね。

種を明かせば、「宝錦のラベルの立った宝錦」と、「高千穂の縞のラベルが立てられた宝錦」を見比べて
“区別が付かない”と言っていた、という漫才のような話しでした。

おしまい。
コメント (7)
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