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雷ブログ

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核は暴走する    エリック・シュローサー    河出書房

2018年09月03日 09時00分00秒 | 雷日記
こにちは。  落雷抑制の松本です。

「核開発と安全性をめぐる闘い」とのことで、上下巻2冊あり上巻きしか読んでいませんが300ページの大作です。 しかし、題材が古すぎるので、昔の事実を知るには貴重ですが、現在の状況とは大きく異なります。 これは液体燃料を用いた「タイタン」を題材にしていますが、その後、「ピースキーパー」、そして現在は固体燃料の「ミニットマン」へと進化しています。 このミニットマンも古いのですが、2020年までは現役を続けることになっています。

液体燃料で、クリーンなものは例えば、日本の「H2」ですが、液体水素を燃料とし、液体酸素を酸化剤として用いているので、燃焼ガスは「水」だけで非常にクリーンですが、どちらも超低温であり、これを常時、発射可能な状態にする事は無理があります。 そこで、ここの主役のタイタンは、常温保管できる「ヒドラジン」を燃料とし酸化剤には「4酸化2窒素」を使用していますが、問題は両方とも劇薬なのです。 ロシアのバイコヌールから発射されたロケットの1段目が落下する地域(カザフスタン)では、このロケットに残った「ヒドラジン」がロケットの殻と共に落下し、辺り一帯はこのヒドラジンの毒性で山林も枯れはて、もちろん住民も住めないような状態になっている写真を見たことがあります。

そんな危険な燃料と酸化剤を使用するICBMを常時発射可能な状態に保守しているのですから、それはそれで大した努力なのですが、この燃料を原因とする死亡事故を2回も起こしています。それに比べると固形燃料は、保管も楽でICBMには、ぴったりの燃料です。 日本での個体燃料ロケットの開発の歴史は古く、ペンシル・ロケットから始まり、カッパー、ラムダ、ミューと順調に大型化してきましたが、当時、液体燃料の技術しかない米国からのヨコヤリでしょうか、ここまでで固体燃料は終わりにされ、液体燃料のH2型にとって代わられました。 ところが、脈々として固体燃料の技術は踏襲され、「イプシロン」として再び陽の目を見ることになりました。

本書は、液体燃料のロケットや核爆弾の保守する事の困難さを丁寧に記述して非常に参考になりますが、昔の危険レベルの話です。 核爆弾にも「賞味期限」がありまして、部品の中には1970年代の環境基準が緩かったからこそ製造できたものが、現在の厳しいい基準ではもう作れないものなども含まれていて、廃棄処分にするしかないものもあり、前の米国大統領であるオバマさんは、このこれ以上保守できない核爆弾を廃棄するだけの事を偉そうに「核廃絶」などという言葉で紹介し、ノーベル平和賞まで受章してしまうのですから、とんでもないペテン師であるとともに、ノーベル平和賞の甘い実態があるのですが、多くの方がこの核廃絶に熱狂したのですから、世の中には騙されやすい人が多いものです。

本書、内容は古いのですが、古いなりにその時代のご苦労を知るためには大変、参考になります。

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