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田母神俊雄氏のこと

2015-06-21 | 日本のこと

先日ブログ内でちらっと触れた「防衛部長就任」の件ですが、
これが脳内組織の脳内役職ではなかったという証拠をお見せしましょう。



どや。

国防問題担当部長。地球防衛協会日本支部顧問。

これは、すでに顧問となっている組織とは別の団体であるため、
わたしは二つの団体で「顧問」と呼ばれるところの人間になったわけです。
そうなって改めて「顧問」という役職の胡散臭さ汎用性を実感するわけですが、
それはともかく。


先日、国某協会の主催による田母神俊雄氏の講演会を聴いてきました。
当協会による田母神氏の講演会昨年秋にも一度予定されたのですが、
同氏が都知事選に出馬することが決まって中止になったため、その代わりに
この日行われたという事情のようです。

ところで今度田母神さんの講演聞きに行くんですよ、と防衛関係団体の出席者に言うと、
皆どういうわけか

「ああ〜、田母神さんね〜」

みたいな反応をするんですね。
どうも政治資金の問題について言っているみたいなんですが、

「ワキが甘いよね」

とか、ひどい人になると

「有名になってお金に目が眩んだんじゃないですか」

なんて(繰り返しますが国防団体ですよ)言ったりするわけです。
政治資金の問題って、田母神さんが着服でもしたんだっけ?と違和感を覚えて
調べてみると、なんのことはない、支持者からの寄付などで集めた政治資金を、
会計責任者の50代男性が私的に流用していたので、田母神サイドは横領罪で
この人物を訴えているだけではないですか。

ただ、さらに調べるとお金を巡ってチャンネル桜の水島氏と対立しているという
ドロドロした話もあるそうです。

それでなくても、

「自衛隊に田母神を支持する人間はいない」

なんて説が実しやかに流布されたりして、なんとなく、

「わたしは田母神俊雄を全面支持しているわけではない」

みたいな風潮が保守と言われたい人の中にもあったりするのかなという気がしました。

出る杭は打たれるという諺どおり、氏のアグレッシブな言論(わたしはそうとも思いませんが)
が、中庸をともすれば良しとする多くの日本人にこういう見方をさせるのかもしれません。



わたし自身は、氏が航空幕僚長を罷免されるきっかけになった論文と、
willなどの寄稿、
インタビューを読んだくらいで、実際に講演を聞いたことはありませんでしたから、

虚心坦懐に「田母神イズム」に触れることのできるこの機会に大変期待をしていました。

当日の講演会の内容については、別にエントリを製作してお伝えするつもりですので、
田母神氏についてよくご存じない方は、とりあえず政治資金や水島氏との諍いについては脇に置いて、
それを読んでから評価していただきたいのですが、
とりあえず感想を言うと、
メモを取り講演を聞きながらも、そして書き起こすために
1時間半のちょうどのスピーチを再生したときも、
その意見においては、
わたしが常日頃ここで言っていることと方向性は同じであって、
あたかもわたしの中の小さいおじさんが田母神氏の姿を借りて、
わたしの思っていることを語ってくれているかのように、全く違和感を感じませんでした。

さらに氏のスピーチは、その片言隻句に至るまで、人脈と経歴を生かしたあらゆる方面からの
「裏付け」が取られていて、
それが「仕事」とはいえ、数字も人名も年号もメモ無しで、
「田母神節」といわれる、時々ベタなおじさんギャグを交えながら人を引き込んでいく講話は、
もう既に「話芸」の域に入っていると感じました。


普通のスピーカーなら決してしないだろうなと思われる、考えようによっては
人を怒らせそうな(男に愛されたことのない女が男と全く同じ待遇を要求するものだとか)
本音をガンガン言ってしまうあたりも、思想に関係なく「敵を作る」要素でもあるんでしょうけど。


さて、講演会の後、会場となったホテルのティールームで講師を囲む会が開かれ、
なんとなく申し込んでいたわたしもそこに行きますと、すでに田母神氏は席についており、
その向かいに旧知の元海幕長と元陸幕長が座っています。
お二人にご挨拶をしてからテーブルの一番端っこに座ろうとしたら、元海幕長が

「こっちこっち」

と手招きして、田母神氏の隣に座るように促されました。
つまり、こういう構図です。

元空幕長 ◯|   |◯ 元陸幕長
      |   |
わたし  ◯|   |◯ 元海幕長

うーん、なんたるパワーピラミッド。
一隅だけにブラックホールが生じておる。 


とはいえ、その後元空幕長と並んで写真を撮り名刺を交換したがる方が相次ぎ、
わたしはもっぱら向かいの元海幕長に

「こんなにいろんな所に出没してて、お家の方は大丈夫ですか」

なんてからかわれつつ(もしかして本気で?) 、田母神さんと写真を撮ろうとするおばちゃんに
あんた邪魔、とばかりに黙って体を押しのけられたりしてたのですが、(−_−#)
それもひとしきりすんで、ようやく田母神さんがこちらを向いてくださったので名刺交換をしました。



「僕の名刺です」と渡されたのが一部で有名な田母神さんの「僕乃名刺」。
裏には、丸文字フォントで

お互いもっと仲良くなったら詳細お知らせするね ウッフ
                        ↑
                       注目

いやそこは「ウフッ(はーと)」だろう。
わざわざ初対面の人間のウケをねらうためにこのおっさんは・・・orz

田母神氏は席についたらついたで、わたしに向かって、


「あなたもバストいくつですか?なんて失礼なことを聞かれたら”二つです”と答えなさい」

などと、ハイテンションな(ただし聞かされたほうはテンションだだ下がり)
おやぢギャグを繰り広げるおじさんでした。

しかしそこで気をとり直してまともな方の名刺を見ると、その肩書きは、


「元航空幕僚長」 (Former Chief of Air Staff, JAPAN)

となっているんですね。
氏が講演の中で、「防衛省から正式な儀式に呼ばれることがないのは寂しい」
と言っておられたのを思い出しました。
そういえば田母神氏に現在役職はなく、あくまでも「元航空幕僚長」という肩書きで、
空自時代の経歴をバイオグラフィにも事細かに載せておられます。




隣に座っていたからといって人気者のカリスマを独り占めにできるわけもなく、
次から次へと人がやってきて質問したり写真を撮ったり話しかけたり、
というわけで、わたしはもっぱら元陸幕長と例の防衛省設置法改正のことを話したり、
元陸幕長の刮目すべき防衛論(いつも目からうろこです。ここでは書けませんが)を
拝聴していたのですが、海幕長には気になっていたことを質問させていただきました。

「この間のお話によると、海自始め自衛隊は、日米同盟の深化を第一義にしているし、
日本の平和が9条ではなく日米安保によって保たれてきたというのが現実ですが、
その一方で田母神さんのような考え(アメリカの手を借りず日本を自分の手で守る)も

保守的には決して否定されていませんね」

これに対して、

現状として日米同盟が正式に機能しているうちは自衛隊はそれを第一義にするしかない

というのが元海幕長のお答えだったようにわたしは解釈しました。
自衛隊は「シビリアンスプレマシー」によって命に従う機関であるというのが全てです。


わたしは昔、憲法改正について何日間かに亘って意見を述べたときに

「いずれは米国と幸福な離婚をして日本を自分たちで守らなくてはいけない日が来る」

と書いたことがあります。
田母神さんによると、アメリカの国力、並びに影響力がだんだん落ちているというのも
いつまでもアメリカに守られる日本でいいのか?という懸念の一つですが、
わたしはもう一つの理由として、アメリカのダイバーシティに起因する懸念もあると思います。


つまり、今アメリカでは白人が減り、中国系とヒスパニック系が増加しているのですが、
ヒスパニック系ならともかく、もし中華系がアメリカ大統領になる日が来たら・・・?
そしてこれは実現性が薄いとはいえ、万が一朝鮮系が大統領になったら・・?

そのときに日本が、国防を今のような形でアメリカに押さえつけられ、依存したままだったら、
いったいどんなことが起こるか、考えただけでもゾッとしませんか?

しかし、日米の軍連携には、アメリカの軍需産業のあまりにも深い介入があるようですので、
有利な条件で武器を買ってくれる(しかも交渉抜きで)ありがたいお客様を逃すことになる事態だけは、
アメリカの産業界がどんな手を使っても阻止してくるだろうという気もします。



      
前回の反省から一応配慮して、目元を隠した元陸幕長と元海幕長のツーショット 。
ちなみに冒頭の写真は畏れ多くも元海幕長に撮ってもらいました。
 
ところで、田母神さんほどの有名人となると毀誉褒貶相半ばは避けられないことですし、
「金に目が眩んで」などの無責任な(多分詳細を知らずに言っている)批判も
反対勢力が便乗することで、より一層悪意をもって広められるでしょう。
人格批判もそうですし、わたしはさる筋から「女癖が悪い」と聞いたことすらあります。

そういう問題ほど検証することなく世間は簡単に受け入れてしまいがちですが、
わたしは改めてご本人のブログを訪問し、こんな記述を見つけました。
抜粋するとこんな感じです。


妻との関係が上手く行かず自衛隊在職時代から退官したら離婚するという意志を固めていた
 
自衛隊を退官してから後、妻とは別居していた

その後現在交際している女性と知合い、結婚を申し込んだ

妻が離婚調停には応じてくれないので、裁判で現在係争中


妻の生活の面倒は見ているし、離婚後も相応の負担には応じるつもりだ

そして、最後に、こう書いているのですが、

週刊誌などでも何度か面白おかしく報道されましたが、
現在交際中の女性が私にとっては一番大事です。
彼女を守らなければいけないと思い、今回私の思いを表明しておきます。
彼女に篭絡されたなどという事は全くありません。結婚は私のほうからお願いをしたのです。
そして彼女は私のために待ってくれています。彼女には大変迷惑をかけて本当に申し訳ないと思っています。


なんというか、驚くほど不器用で無防備な人だなあという印象を持ちました。
こういう人を一言で「女癖が悪い」と決めつける世間の評価というのは一体なんなんだろうと。
こんな愚直なくらいの正直な人は政治家には向いていないのではと、心配になったくらいです。

田母神氏は、わたしが

「新党を結成するおつもりはないのですか」

と(実はこのときあまり田母神氏の政治活動への動きを知らずにいた)いうと、

「やろうにも金がないんですよ」

とおっしゃっていましたが、参院選に出馬する意思は固められているようです。
ワキが甘いといえば、例えば自衛官時代、

「どこまで制服組の発言が許容されるかのパイオニアになろうと瀬踏みしている印象があった」

というくらい積極的に個人的な持論や主張を発言するような人物であったことも、
老獪さを備えていなければたちまち潰される政治の世界では、「ある程度までは」懸念材料となります。
ある程度、というのは実績をあげ、動かぬ地位を手にいれることですが、
そうはさせまじとマスコミや野党が鵜の目鷹の目で足下を掬ってくるでしょうし、日本が

「日本は侵略国ではない」

という論文を書いた幕僚長をクビにするような国であった(ある?)ことも事実です。
安倍政権になって変わってきていると信じたいですが、政治は理想だけでは動くものではありません。
正しいことだから言った、では通らないことがあまりにも多い世界に、
田母神氏はあえて自分の理想と信念と直情を武器に斬り込んで行こうとしているのです。

わたしは田母神氏個人の”信奉者”というわけではありませんでしたが、
今回講演を聞き、日頃わたしが考えていることと方向性は同じであることを確認しました。

そして思ったのは、田母神氏自身がいつもいうように、田母神氏”程度”の保守が
「危険人物」となってしまう日本という国の現状は、明らかにおかしいということです。


ここで三島由紀夫の名前を出すのも、ご本人には縁起が悪いと怒られてしまいそうですが、
三島があの事件を起こしたのは、日本という国への強い警告と、その現状に楔を打ちこむためでした。
そして、そのために行動を起こす舞台に選んだのは「自衛隊」でした。
三島は、国防と国体は一元的なものであるとし、国体を変えるために国防にも変われと訴えたのです。

自衛隊の長としての側から国防に携わり、国防を知り抜いた田母神氏の政界への進出は、
はたして日本への「楔」となりうるでしょうか。 

わたしは少なくとも、田母神氏のような人物を、政治家の一人として
迎え入れることができる日本であってほしいと思います。





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4 Comments(10/1 コメント投稿終了予定)

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非公開コメントへの返事です (エリス中尉)
2015-06-21 12:19:39
おっしゃる通りです。
自衛官の宣誓である「政治活動に関与せず」に抵触したというのが、
田母神氏罷免の理由であります。

ただ、「罷免は当然だと思います」で終わっていては、
この事件に潜む日本の問題点は見えてこないと思います。

この田母神事件は、我々が世界的に見て特異な国家観を持たされていることを
あらためて突きつけたものであるとわたしは思っています。

問題になった田母神氏の論文は、「日本は悪い国ではなかった」
という主旨で書かれており、特定の政治思想を肯定するものでも否定するものでもありません。

「日本は侵略国ではない」というのは政治発言ではないか、というのが、
「罷免は当然だ」という意見の基準となっていますね。

どこの国の軍人も、政府見解と違う歴史認識を公的に発言したら、
例えばアメリカ軍現職の軍人が
「原子爆弾は日本が降伏が決まっているのに実験のために落とされた」とか、
「真珠湾攻撃をルーズベルトは知っていた」
などと発言したらおそらくクビになるでしょう。
田母神さんもそれと同じ意味でクビになったわけですが、
これはどういうことかというと、「日本が侵略国であり、悪い国であった」
ということがいまやこの国の公式見解となっているということです。

田母神さんの発言は厳密には「政治発言」ではありません。
建前上は政治発言をしたからクビになったのであり、
その内容の如何ではないということになっています。

そこで思い出していただきたいのですが、当時現職だった五百旗頭元防大校長は、
その在任中、何度も「日本は侵略国であった」という歴史観を元に発言しています。
たとえば防衛大学校の開校記念祭では

「二十世紀前半の日本は、『富国強兵』の『強兵』を肥大化させ、
一九三〇年代には戦争にふけって、わが国の両側に位置する二つの巨人、
中国とアメリカの両方に対して戦を仕かけ、ついに昭和二十年に滅亡しました」

さらには現学校長である国分氏も、李登輝総統の来日を阻止する運動をしましたし、
また、小泉首相の靖国参拝を非難し、日本が侵略をしたという観点でのみ
歴史を語っていることも確認されています。

これらの発言は田母神氏が抵触した「現職の政治的発言」とどう違うのでしょうか。

いずれも現職の間の発言ですが、制服を着ていなかったたとはいえ、
組織の人間が、東京裁判史観に則したことであれば、
何を言ってもこの国では許されるということのようです。

どうして、日本には日本を貶める自由は無限にあるのに、その逆は許されないのか、
二人の防大校長と田母神氏の扱いにおけるダブルスタンダードに疑問もいだかず、
田母神氏の罷免を「当然です」で終わらせるのは、
思考停止以外のなにものでもないとわたしは考えます。
返信する
追加 (エリス中尉)
2015-06-21 12:21:03
防大の校長と幕僚長では許される発言の範囲が違う、と反論が来るかもしれないので、
先に言っておくと、
そのことそのものが矛盾ですよね。
自衛官に政治的発言が許されないのは当然としても、
その自衛官をを育成する機関の長の政治的発言や活動はなぜ許されているのか、
ってことです。

防大の校長がもし田母神氏と同じ内容の発言をしたらどうなるのか、
いっぺん誰か実験的にやってみてほしいです(笑)
返信する
ポスト覇権 (昭南島太郎)
2015-06-22 13:39:59
田母神氏のこととは直接無関係ですが、冷戦中の1980年代後半の大学時代のゼミではポスト覇権がテーマで、米ソ両国の相対的地位が世界で低くなり多極構造が予想される将来に日本はどのような選択をするべきか、なんて議論していたのが懐かしく思えました。当時中国はまだまだ日本にとって軍事的脅威ではなかったですが、侵略不法占拠の前科者ソ連に対処するため日米協力して、見たいなことは議論したような記憶がありますが、憲法9条問題を絡めて、日本独自で防衛まで話してたら、教授からテーマを広げ過ぎるなって言われました。

学生は地位も肩書きもないので、無責任に好きなことを言える特権?を持ってますよね。いい経験でした。

でも、元陸海空幕僚長に囲まれるとはさすがエリス中尉ですね。

昭南島太郎
返信する
教授・・ (エリス中尉)
2015-06-23 23:11:11
その問題に関しては教授もちょっと困ったなみたいな?
議論が白熱してそこまで行ってしまったので焦ったかもしれませんね。

いや、これだけいろいろと顔を突っ込んでいれば、バッティング率も高いかと・・。
でも、元陸海幕長の団体の会合に出たのはこの日が初めてだったんですよ。
他の団体の会合でお会いしていたのでお見知り置きいただいていただけで。
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