ネイビーブルーに恋をして

バーキン片手に靖國神社

アメリカでホテル火事に遭遇した

2015-07-27 | アメリカ

皆さんは実際に火事に遭遇したことがあるでしょうか。

わたしは4歳くらいの時、「おかあさんといっしょ」を見ていたら、

洗濯をしていた母親が「火事いい〜〜!」と叫んだので駆けていくと、
隣の壁からメラメラと炎が噴き出していて、その日一日は道路に避難して
隣の家が燃えるのを呆然と見ていたのが唯一の経験だったのですが、
今回何の因果かアメリカで、しかも泊まっていたホテルの火災を経験しました。



幹線道路に面しているのに防音設備の何もない古びたインにチェックインし、一晩が明けました。
時差ぼけのせいもありますが、何より耳栓をして寝たにもかかわらず、
その騒音は防げるものではなく、疲れているのに熟睡できた気が全くしません。

「道路に面していない部屋に変えてもらおう。こんなので20日も持たないし」

そう思いながら、その日は息子のキャンプ開始に備えて買い物に出かけました。



夕方6時頃ホテルに帰ってきて、洗濯をすることにしました。
こんな狭いインなのに、どこに洗濯をするところがあるのか全くわかりません。
息子と二人で紙袋を持ったまま二階まで見に行って帰ってきたら、
わたしたちの白いカムリの横に停めてあるグリーンの車からアフリカ系女性が出てきていて、
挨拶をしてきました。

「あなたたちここに泊まってるの?フロントに誰もいないんだけど」

「留守なんじゃないですか?ここに電話しました?」

フロントの上に書かれている電話番号を教えてあげて少し雑談してから
わたしたちは広くもない敷地をまた洗濯機を探して一周しました。
すると息子が、

「窓から煙が出てる!」

と言いました。
写真はこの直後とったもので、すでに廊下の奥が白く煙り出しています。
息子がそういうのとほとんど同時にそのアフリカ系女性が

「あらやだ、(おーまいがー)火事!火事よお!(ファイア!ファイア!)

と叫んで、車の中にいた彼女の友人が中庭に面した全てのドアをたたき、
(後で知ったところそこは洗濯場とか倉庫だった)

「火事だから逃げて〜〜!(えぶりばでぃずあうと!ファイアー)

と叫びだしました。



左がその女性、仮にジャッキーさんとしておきましょう。
赤いシャツの女性は管理人室の真上の部屋にいた人で、火事の知らせを受けてから
まだアンパックしていなかったらしくトランク一つ持って降りてきました。
後は若い男性二人連れ、中国系の若い女性二人連れ、東洋系の男性一人です。

ジャッキーが代表として911に電話をし、住所を説明するときには他の宿泊者が教えたり、
男性のうち一人がもう一度全戸のドアを叩いて周って、皆で協力しあって外に避難しました。

わたしたちは荷物があまりにも多すぎたので、仕方なくパスポートの入った機内持ち込み用の
キャリーバッグと財布とクレジットカードだけ持ち出しました。
そして、とりあえずこれからどうなるかわからないので中庭の車を外に避難させました。



私たちの部屋は火元の管理人室とは反対側だったのでそんなに心配していませんでしたが、
さすがに窓から煙だけではなく、窓の桟から炎が出て不気味に広がりだしたので、
こういう状態からいきなり何かに引火して爆発する確率ってどれくらいだろうか?
などと
縁起でもないことを考え始めた頃、



まず一台、続いて計3台の消防車、赤い消防車の車、パトカーが続々と。
ジャッキーが電話してから5分以内といったところでしょうか。
ちなみに手前の白いトヨタはわたしの車です。



「来た来た・・・早ええ」
「ふええ・・ファイヤーファイター、かっこいいなあ」

もう大丈夫、という安心から他人事のようにわくわくと盛り上がるわたくしたち。



男は職場で最も輝く、と言いますが、仕事中の消防士ほどかっこいいものはありません。
全員が分厚い消火服とヘルメットに身を固め、酸素ボンベを背負って、
なんのためらいもなく、一つの目的を成し遂げるために時には命の危険も顧みず力を尽くします。


消防士の背中に書かれているのは町の名前。
ここはロスアルトスとマウンテンビュー同様シリコンバレーの一部である
メンローパークです。
メンローパークは富裕層の住宅地で、パロアルト同様に教育水準が高く、
25歳以上の住民の約7割が学士以上の学位を保有していることでも有名です。
スタンフォード大学に隣接していて、facebookやSRIインターナショナル本社もあります。




続いてはしご車も到着しました



消防士たちは信じられないスピードで消防車からホースを引き出し、
神経質なくらいきっちりと消火位置を決め、地面に整然と置いていきます。
こういう時ののホースの並べ方のセオリーは決まっているようです。



いつの間にか窓ガラスは割れていました。

前の夜、部屋が異常に暑いので調べてみたらヒーターが入っていて、

これじゃいくら冷房しても涼しくならないはずだと室温ケージを最低温度にしたのですが、
一向にヒーターが消えてくれないので管理人室に言いに行ったとき、
ちょうどこの窓にかかったカーテンの前にテレビがあって、
管理人の子供達(おデブの男の子と女の子)がテレビを見ているのが見えました。

彼らが見ているのが飛行機の中で見たばかりの「マダガスカル」の一場面で、
少しだけですがその偶然に驚いたのをこのとき思い出しました。
ここが一番の火元だとすると、もしかしたら配線からの出火でしょうか。

「スプリンクラー付いてなかったんだねこのホテル。ホテルなのに」

息子に言われてそうだったのかと改めてゾッとしました。
メリカにももちろん宿泊設備における消防法は決められていると思うのですが、
この宿屋の消火器はいったい今から思えばどこに設置されていたのか、
チェックインした時に聞きもしなかったし、確かめることもしませんでした。


そしてわたしたちは部屋の空気の饐えたような臭いを消すため、

アロマキャンドルをほとんど起きている間ずっと焚き続けていましたが、
スプリンクラーのないこの宿では、それが火元となっても消す方法がなく、
火事が広がっていた可能性だってあったということなのです。



今回、本人が留守だったとはいえ、よりによって管理人の部屋から出火したわけですから、
今後このホテルが今まで通り営業を許可されるかどうか・・。
特にカリフォルニアの高額納税者がたくさん住む地域での火事は、
法律もそれに対して厳しい罰則が科されることになるのに違いありません。



二階があることから、はしご車からはしごも降ろされました。




煙が・・・煙がどんどん強くなっていっているう〜〜!

しかし、消防士たちが作業を始めると、すぐに火は消されて彼らはハイ・ファイブを決めました。
(ハイタッチのことをこちらでは”指5本”でハイファイブといいます)
このころ、わたしたち焼け出され組は反対側の歩道に立って写真撮りまくり。
気がついたら散歩に出ていた付近住民などもあつまっています。



「ちょっとちょっとあなた、ここに住んでるの?」

わたしに70歳くらいの美人なおばあちゃまが話しかけてきました。
おばあちゃまはわたしにいろいろとインタビューしていたかと思うと、(笑)
ちょっときなさい、とわたしを警官のところに連れて行き、

「これからどうなるのかしらー、この人ここに泊まっているそうなんだけど」

親切なのか好奇心からなのか、そんなことを聞き出そうとします。

「火を消すことができても、建物が古いから、全戸に渡って
倒壊の危険がないかどうかとかを調べて、完全に大丈夫ということになるまで
何人たりとも部屋に入ることはできません」

「あらそうなの、かわいそうだわー」

「それより、皆さん、もっと後ろに下がってください。
さもないと煙を吸ってしまいますから」



なるほど、こういうときにお巡りさんが出てくるのはこういう指示をするためか。
それにしてもアメリカのお巡りさんは皆ガタイがいいからコワモテで迫力があります。
このスキンヘッドがどうやらこのクルーのチーフである模様。



もっともっと、と言われて皆ここまで下がってきました。

ここで図らずも宿泊者全員がひとところに集まることになり、わたしは
ジャッキーさんとここでまた顔を合わすことになったので、

「災難だったわねー」

「でもすぐにコールしてくれてありがとう」

と言い合い、アメリカ人の慣習に従って、ここでハグしあいました。
なぜかおばあちゃまはこの場を離れず、すっかり場に溶け込んでいます。
時々わたしにも話を振ってくるのですが、ジャッキーさんとその友人とは特に気があったらしく、
家に帰る様子は全く見せずに話し込んでいました。

聞いてみたところおばあちゃまはこの近所に住んでいるということでした。
裕福なおうちで悠々自適だけど、至極刺激の少ない生活をしている彼女にとって、
この火事騒ぎは久しぶりにわくわくするちょっとしたイベントであったようです。



みんなが避難させられたパーキングは、ジョンソンアンドジョンソンの敷地でした。
お巡りさんが「部屋に入るまでまだ最低1時間はかかる」といったので、
わたしたちは近くのモールに行って買い物の続きをして時間を潰すことにしたのですが、
その間おばあちゃまはジャッキーさんをお茶に招きかねない勢いでした。

「本当に招待してても驚かないね。”ジンジャークッキーがあるの”とかいって」


管理人室の上に部屋があった赤い服の女性は、1時間後わたしたちがモールで時間を潰し、
ホテルから荷物を全部運び出すために帰ってきた時、まだ部屋には帰れず
外で待たされていたので、わたしは息子に冷蔵庫のオレンジジュースを持っていかせました。

 

わたしたちはモールでTOに連絡を取って今夜からのホテルを取ってもらうことができたので、
残りの宿泊予定をキャンセルすることにしました。


「しかし、いろいろラッキーだったね」

「あのときおばちゃんとわたしたちが中庭にいなかったらもっと火事が広がっていたかも」

「俺が一番最初に煙に気がついたんだよ」


息子、得意そう。

たとえばあのとき洗濯場がすぐに見つかって洗濯を始めていなくてよかったとか、

部屋を変えてもらって火の元に近い部屋に移ってなくてよかったとか。

どちらにしても騒音の件も含め、期待はずれのホテルであったため、

残りの日数を別のホテルに移ることになってかなりホッとしたのも事実です。

アメリカでのホテル選び、特に値段は「快適さ」だけでなくときとして
安全ですらそれに含まれることもあるなあ、と実感した今回の騒ぎでした。



あまり堂々と写真を撮るのも気の毒なので、遠くからこっそり写した
管理人夫妻が消防署所員から事情聴取されているところ。

ただの家ならともかく、人命を預かる宿泊業として自分ちから出火するってのはどうよ、
と彼らが叱られたかどうかはわかりません。




一泊だけしておそらく今後二度と来ることはないホテルではありますが、
とりあえず荷物を全てパッキングし終わってから最後に記念写真を一枚。

管理人夫婦が消防署員から解放されたらしいのを見計らって、奥さんの方に
鍵を返し、別のホテルに移る旨を告げると彼女は

「今回の宿泊料は全額返金します。
でも、こんなことになっているので、数日くらいしたらペーパーワークのためにもう一回来て」

とさぞかし気落ちしているであろうに、ちゃんとした口調で言いました。

「I am so sorry.」

わたしはそう言ってホテルを後にしました。

・・・が、その後払い戻しでホテルに立ち寄ったら、窓に板をかぶせて火事のあとを隠蔽し、
焼け残ったオフィスはそのまま使用して普通に営業していたので驚きました。
対応した主人(もちろんインド人)は、

「えーと、じゃ結局2泊だけしたってことで」

だから2泊目の夕方に火事がおこったわけですけど?
一泊だよお父さんどさくさに紛れてちゃっかりごまかすんじゃねーよ。
自分たちが火事を起こしたことに反省の色もなくにこにこしながら、

「ホテルすぐ見つかった?そりゃよかったね」

日本ではこういうとき「ご迷惑をおかけしました」ってくらい言うのが社会常識なんだけどな。
一応お約束でこちらからアイムソーリーをいっても”いっつおーけー”、って。

さては保険金でリニューアルウハウハ、内心しめたとか思ってますか?

 

というわけで、去年泊まったホテルのディザーブル・ルーム(ハンディキャップ用)
に空きがあったので、ここで数日過ごし、後は後半のホテルを前倒しして泊まります。

「いやあ驚いたね」

「なんて1日だ・・・・あー、自分が煙臭い」

今までとは別世界のように静かで清潔で火事の心配もなさそうなホテルの部屋で、
今年はちょっとの節約のためにどうしてあんなホテルを取ったのかあらためて考えてしまいました。

もし火事が起こらずにあそこに20日も住んだら、その間ずっと騒音と不快な室温と、
レンジで温めたパンと小さな冷蔵庫を我慢しなければならなかったわけですが、
つまりこれはどういうことかというと、このホテルに宿泊を予約した時点で、


火事が起こっても起こらなくてもわたしたちは
なんらかのダメージを受ける運命だった

ということなのです。


最低限の安全と精神的幸福にお金を惜しんではならない。
あらためてわたしはそう悟りました。


ところで、消防車が来たとき、わたしが思い出したことがあります。
そう、海上自衛隊の航空教育隊に訪問した時、消防車で放水作業をさせてもらったことです。

もちろんあれが生まれてはじめて消防車の運転席に乗ったという瞬間であり、
放水ごっこも、この生涯で行ったはじめての経験であったわけですが、それから
1ヶ月しか経たないのにその消防車のお世話になるとは、いったいどういう偶然なのか・・。

 

 




 



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11 Comments

コメント日が  古い順  |   新しい順
火事 (めざせ海上自衛官)
2015-07-27 15:43:51
お久しぶりです。火事大変でしたね。自分は一度も実際の火事に遭遇したことはないですが、考えてみると怖いですね。
今度、働く消防士さんを見たいけれども、見たくないという不思議な感じですwww
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大変でしたね (雷蔵)
2015-07-27 16:07:32
ご家族ともお怪我もなくよかったです。誰もいない事務室から出火したということは、おそらく電気火災ですね。室温が高かった時点で、どこかで漏電していたんでしょう。気を付けて下さい。
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まずはご無事で。 (昭南島太郎)
2015-07-27 21:33:18
小1の3学期から今もある広島の実家へ引越し、当時はまだ建築中の家々があちこちにありました。
夜寝ていたら、親に起こされ玄関を出たら目の前の建築中の骨組みだけの家の向うの家がもう既に燃え上っていました。
その家の横に私が懐いていた近所のおじさんおばさんの家があり、雨樋がトロトロ溶けるのと、おじさんが家の細いホースで一生懸命消火(と言ってもやけっぱち)している姿が今でも忘れられません。

昭南島は土地が狭く地震も無い(基本的に)ので、建物は上に伸びて行き、コンドミニアムなど上層階ほど値段もプレステージも高くなります。
ただ、一軒家住まいしか知らない嫁と私、特に私は火事が起きた時のための脱出経路を確認した上でコンドを購入しました。実際、昭南島の一般家庭で火事ってほとんど起こらないのですけどね(笑)。

エリス中尉と息子さんがご無事でよかったです。

昭南島太郎
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火災 (ハーロック三世)
2015-07-28 00:50:40
職業柄ホテル暮らしが長いわけですが、やはり安全確認の癖が抜けません。

ホテルにチェックインすると、避難経路の確認。

その経路が使えない時の第二の経路の確保。

そして、煙で視界が失われた際のそれぞれの脱出口までのドアの数(手探りでもたどり着けるため)を覚えます。

そしてベッドの下、クローゼット、バスルームに不審者が隠れていないかを確かめてロックしています。

プライベートで飛行機に乗る際にも、前後左右の脱出口までの座席の数も数えて覚えるなど、ふと考えると病的な行動をとっている事に思わず苦笑しています。
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火事は怖いです。 (鉄火お嬢)
2015-07-28 09:03:09
7年ぐらい前、マンションの隣の部屋がボヤを出しました。管理会社が私にもガンガン連絡してたらしいのが、そういう時に限って仕事中で携帯切ってて、夜帰宅して建物のエントランスや廊下が汚れてびしょ濡れになってる異変に驚き、ポストに地元市議の見舞いの名刺があって「え?火事!?」慌てて部屋を見ると、幸い類焼もなく少し煙臭いだけでしたが、火元側の壁がまだ熱くてゾ~っ。隣の学生がレンジにヤカンを掛けたまま忘れて出掛けて発火したとかで、ボヤのうちに消火されたのは、窓から煙が出ているのを向かいの住人さんが気付いて119番したからと(ふだん留守の方がたまたまいて、運が良かった)もちろん隣室は全面改修、親が弁償したらしいですが、学生は出て行き、大家は懲りて全室自動オフ機能着きIHにしてしまいました。
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みなさま (エリス中尉)
2015-07-28 14:09:54
皆様にご心配とお見舞いいただき感涙にむせんでおります。
中には火事経験者がおられるかと思ったら、鉄火お嬢さんと昭南島太郎さんでしたか。
火事があったら市議からお見舞いが来るとは知りませんでした。

雷蔵さんのおっしゃるように原因は漏電だと思います。
事務所そのものは管理人家族が住んでいる部屋の一部に窓口を設けているだけで、
火元は後から考えると子供達が見ていたテレビのあった後ろの壁あたりなので。
わたしの泊まった部屋も実はヒーターが付いていて、つまりあちらこちらで
電気を使いまくっていたせいもあるのかと。

住居部分は真っ黒になったと思いますが、事務所部分は焼けなかったので、
ホテルはそのまま何事もなかったように営業していました。
おそらく次の日に到着した人は窓をベニヤで隠してしまっていたので
火事があったことなど全く知らないで予定通り泊まったと思われます。
そして管理人家族はもっとも静かな道路から離れた客室に引っ越したようです。
(呼び出したらそこから出てきたw)


めざせ海上自衛官さん、確かに消防士たちの活動をみることができましたが、
できれば一生見ずに済ませるに越したことはないと強く思いました。

つぎはぎにしか予約が取れなかったため、今ホテルを転々としているわけですが、
ハーロック三世さんを見習って、必ず火災の時の出口と消火器の場所を
確かめるようになったのは経験に学ぶということで収穫でしたが。

悲しいことに元のホテルとの差額は保険対象にならないということですし、
火事とはまったく関係なしに、ついさっき洗面所で
石の床に時計を落としてガラスが割れましたorz

何か大きな災難をこれで避けているのだと考えて自分を慰めていますが・・。
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地方消防事情 (筆無精三等兵)
2015-07-28 21:34:11
いや、いつもは私からすればグレードの高い宿に投宿される中尉が、今回に限って節約をされたばっかりにこんな目に会われるとは。
当方流通小売業界に身をおいて数年、所謂「安物買いの銭失い」というのは現代に於いても通じるなぁと思い始めていましたが、投資額とサービスの品質はやっぱり比例するものなんでしょうねぇ(´・ω・`)
何はともあれ、みなさんが無事で何よりでした。

しかし、通報から5分程度で消防車が4台現着とは、かなり早いですね。消防局が近かったんでしょうか。
私の地元では1つの消防局で直線半径20U+339Eをカバーしている状態で、いざ辺縁部で火災が発生した場合、到着に20分は要します。
その為、各地区に地域ボランティアである消防団が存在し、私も所属していますが、臨場の経験は数えるほどしかありません。
火事が比較的少ないということもありますが、私の職場と所属する消防団拠点とが別自治体で30U+339E以上離れている事も理由にあげられます。
現在は私のように会社勤めで地元を離れる者が多く、地元で就職もしくは自営する人が少なくなり消防団の存続が危ぶまれています。
都市部では逆に人員増だという話ですが。

数少ない臨場の経験の中で、火元へ突入したことが一度あります。火災体験で発煙筒の煙が充満した中で移動するのがありますが、実際はあんな白い煙ではなく、煤を含んだ真っ黒い煙が充満しています。スリーマンセルで入ったのですがすぐ目の前にいるはずの仲間の背中も見えず、手にしたホースの手応えだけで仲間の動向を推測する事しかできませんでした。上からは屋根を破壊した消防本部の本職が怒涛の如く放水してくれたので我々の回りに火の手が迫る事はなく消火に当たれたのですが、焼け落ちたり放水の衝撃で弾けた建材がヘルメットやゴーグルを叩き、無我夢中でした。「本職が屋根の上の安全な所から放水して!」と思いましたが、後々考えてみれば足下の屋根が焼け落ちたら猛火の真っ只中に放り込まれ、円管服をきこんでいるとはいえ、支援の入る数秒から十数秒は場合によっては1000℃を超える焔にさらされる危険度を考えれば、突入したとはいえ常に地に足をつけ支援放水に囲まれている自分達の方が安全だったのだと気付きました。
幸い、家人や消火に当たった者に怪我人はなくすみましたが、なんの装備もなくあの黒煙の中に取り残されたら、例え勝手知ったる自宅であってもたちまち方向を見失い、炎に巻かれるかも知れません。
ホントに今回は火が燃え広がる前に異常に気づき、宿泊客に早期の避難を呼び掛けられた事はMK君のお手柄だと考えます。
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御無事でなによりです (asays11ja8759)
2015-07-28 23:53:58
 コメントが遅れましたが、ご無事でなによりでした。異国での火事とか、本当に災難だったと思います。

 以前、勤務していたホテルが、宿泊客がハロゲンランプにタオルをかけたことにより出火し、1部屋丸焼けになったことがあります。近くにいたので、夜中に呼出されました。何が原因で火災が起こるか分かりません。そういう面では、純日本の和風旅館は、耐火の関係が怖いので宿泊する気になれません。

 旅行中にお荷物の損害もなく、不幸中の幸いでしたでしょうけれど、どうかお気をつけてお過ごしください。

 
 
返信する
懐かしい地名 (ロビ)
2015-07-29 00:18:45
エリス中尉

泣きっ面に蜂と言わんばかりな出来事でしたね。
何はともあれ、中尉一家がご無事で何よりでした。

ところで、メンローパークってカルトレインとか言う鉄道走っていませんか?
15年ほど前に留学したことが有るのですが、ホストファミリーの住所がロスアルトスヒルズというでした。
そこの最寄駅がカリフォルニア・アヴェニューというとこで、サンフランシスコまで野球を見に行くとき列車に乗りメンローパークを通ったのを思い出しました。

それとDDG-527を起工し順次建造を進めておりますが、進捗具合を当方で掲載していっても差し支えませんか?
出来れば24DDHの進水日に合わせてDDG-527も進水させたいと考えております。

その際にはエリス中尉に艦首でシャンパン割を・・・と思いましたが、
1/700サイズだとミニチュアボトルの一撃ですら大破総員離艦級のダメージを受けかねないのでした・・・orz
返信する
皆様 (エリス中尉)
2015-07-29 04:57:51
筆不精三等兵さん

消防団に入る人が減っているというニュースを少し前に読んだ記憶がありますが、
都市部では増えているんですか・・・。
それは僅かながらほっとする情報ですね。

>今回に限って節約されたばっかりに
そうなんです。
焼け出されてから日本のカードデスクに取ってもらったので連続した宿が取れず、
二日泊まっては荷物をまとめて12時にホテルを出て、
2時か3時まで外で時間を潰すのはなんでもありませんが、
直前の予約なので、どのホテルも足元を見られて異常に高い・・・(T_T)
特に今日は何かこの辺りでイベントがあるらしく、ホテルの値段が高騰していて、モーテルに毛の生えたようなところが
400ドルとかで、完全に赤字です(泣く)

節約したつもりが結果的にまったく節約どころか大散財になってしまったという、
まるで何かの寓話のような顛末でした。

しかし本当に火事は怖いですね。
筆不精三等兵さんのお話を読んでいるだけで昨日の今日のわたしは
思わず心臓がドキドキしてしまいました。
海の彼我関係なく、危険を冒して人々の命を守る仕事にあたる人々に心からの敬意を。

それから、筆不精三等兵さんのお言葉、ありがたくMKに
「ママの友達が感心していたよ」と伝えさせていただきますね。

ロビさん
ロビさんに贈呈いただきましたDDー527エリスの画像も板についた当ブログです。
進捗状況はロビさんのブログで確認させていただきますので、
どうかご遠慮なくお進めください。楽しみにしております。

進水式のシャンペンボトル割りは、代わりに艦体をボトルに叩きつける、
っていうのはどうでしょうか。
それでも割れないくらいの堅牢な艦体を持ってこそ、駆逐艦だと思います。
と自分の名前がついたからといっていい気になって
無茶苦茶なことを言い出すエリス中尉でした。

ところで今いるスターバックスは、スタンフォードアベニューと
エル・カミーニョ・レアル通りの角にあるので、
まさにここから歩いてすぐ「カリフォルニアアベニュー駅」に行けるはずです。
いまホテルのチェックインまでの時間つぶしで外に出てきているんです。
でもまあ、このスターバックスは雰囲気がいいので良しとしようっと。

ところでそのホストファミリーは、かなり余裕のある裕福なお宅だったのでしょう。
サンフランシスコ市内の人でも「シリコンバレーは高くて住めない」
というくらいこの辺の地価は高いのですが、
とくに「ロスアルトス」と付くだけで、街の境界とは部屋代が激増するそうです。
去年ナンパしてきたトルコ人のおじいさんが言っていたのですが、
ワンベッドルームの部屋が月4000ドルとか。
(アメリカなので日本のワンルームとは桁違いに広いですが)

カルトレインは(カリフォルニアトレインなので)サンフランシスコから、
「にんにく祭り」で有名なギルロイまでを結んでいるので、当然ながら
この近辺の人々の通勤の足になっています。
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