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潜水艦「せいりゅう」入港式典@横須賀

2018-04-05 | 軍艦

呉地方隊観桜会関連のシリーズがまだ終わらないのに、
またしても皆様にお伝えしたいイベントに参加してきました。

先日、神戸三菱で引渡式を見届けたばかりの潜水艦「せいりゅう」。

呉での慣熟訓練を終えて、母港である横須賀に入港するにあたり、
好例として行われる式典に出席が決まったのは、前日の昼でした。

今まで、進水式や引渡式には何度か参加してきましたが、
恥ずかしながら、自衛艦を母港に迎え入れるに当たって、

このような式典が行われていることを、わたしは

「せいりゅうの入港式典に行くのなら連れていってもらえまいか」

というイベント友達の依頼を受けて初めて知ったという次第です。


そこで、同じ職種つながりならなんとかなるかも、と潜水艦関係の方に
恐る恐るお願いしてみたところ、返事をいただいたのは翌日。

なんとそれは「せいりゅう」入港の前日でした。

当日午前中に入っていた歯医者の予約はあっさり変更し、
(のっぴきならない用事ができた、と本当にその通り言った)

わたしは急遽横須賀に駆けつけることになったのです。


予約受付時間の1時間前には横須賀のスターバックスで知人と合流。
本日のカメラは相変わらずの単焦点レンズとNikon1+望遠と広角レンズです。

やはりというか、再会するなり単焦点レンズを見とがめ?られ、

「ズームレンズ買いましょうよ・・」

と呆れたように言われてしまいました。

4月4日というと、例年桜の満開かまだちらほら、という時もあるというのに、
この日はまるで初夏のような陽射しの照りつける1日となりました。

帽子が欲しかったな、などとチラッと考えながらヴェルニー公園を歩いていくと、
横須賀地方隊の岸壁が見えてきます。

いつもなら DDH「いずも」のいる岸壁には、これから
「せいりゅう」が入港するらしく、艦の姿はありません。

ヴェルニー公園に設置された戦艦「陸奥」の主砲です。

「陸奥」主砲設置に際して募金を募っていたことをここでご紹介しましたが、
その後芝が植えられ、周りを鉄柵で囲んだ立派な展示が完成しました。

門のところで名前を告げ、首から下げる許可証をもらって横須賀地方隊敷地に入ります。

入港予定の岸壁には潜水艦に架ける舷梯?が用意され、すでに
入港作業を岸壁で行う自衛官が待機していましした。

向こうにいるのは艦番号107、「いかづち」です。

「いかづち」は、映画「亡国のイージス」で「うらかぜ」の役をしましたが、
何かと験を担ぐ海自が、よく沈められるフネのモデルを許可したものだと思います。

まあ、「バトルシップ」で「みょうこう」(の役をしたあたご)も沈んでますけどね。

こちらはお向かいにいたアメリカ海軍第7艦隊の「マッキャンベル」。

2007年と言いますからもう10年以上横須賀に勤務していて、
東日本大震災では「トモダチ作戦」に出動してくれたミサイル駆逐艦です。

甲板に結構たくさんの人影が見えていますね。

この部分には我が自衛隊の「しお」型潜水艦が二隻。

同行した知人(ミリオタかつ事情通)によると、潜水艦基地は
もうすぐ移転になって、ヴェルニー公園から姿を消すとかなんとか。

「今のままだとあまりにも人目が多すぎるから奥に隠すんですかね」

と冗談のつもりでいうと、

「そうらしいですよ」

と返事が返ってきてびっくりしました。
本当にそうなのか?

横須賀音楽隊がバスから降りてきました。

ブルーのチェッカーフラッグが、舫杭の場所を示すために置かれています。

ほとんど風はなく、午前9時半というのに太陽が照りつけて気温は上昇中。

「せいりゅう」入港を支援するタグボートが出勤してきました。

その時、場内にアナウンスがありました。

「せいりゅうが沖合に現れました。
到着まであと20分くらいかかります」

曳船はまっすぐ「せいりゅう」に向かっていきます。
潜水艦の上部に乗員が立っているのは、この時はまだ肉眼ではわかりません。

岸壁の入港支援隊が(というのかどうか知りませんが)整列休め。
右端二人が士官です。

沖の浮き灯台のところを通過していく「せいりゅう」。
やはり新しいだけあって、艦体がピカピカしています。

あまり数多くはありませんが、赤リボンの招待客もいました。

実は、前日というのに出席を取り計らってくださった、この日のスーパー恩人が、

「招待席は必要ですかと(横須賀地方隊に)聞かれたのですが、
バックステージで動き回れたほうがいいだろうと思いまして」

と気を遣って?招待者扱いを断ってくださったのでした。
確かに言われてみればその通りです。

おかげで、気兼ねなく立ったまま写真を撮ることができました。

「せいりゅう」を迎えに行った二隻の曳船は、後ろにくっついてきています。
これを見て思い出したのがてつくじの「あきしおカレー」。

ちょうど二頭のクジラに見立てたハンバーグが、カレーの海を泳ぐごはんの
「あきしお」を追いかけていましたが、あれと同じ構図です。

「あきしおカレー」もハンバーグを「曳船」ということにしたら、
もっとリアリティが出ると思うがどうか。(お節介)

横須賀音楽隊は、進水式や引渡式などのようにきっちりと決まった曲ではなく、
隊長が状況を見ながら曲名をその都度その場で伝えながら
(近かったので聞こえた)演奏を行なっていました。

音楽隊によってこういう時に選ぶ曲も若干の違いがあるようです。
例えば横音は、呉音楽隊が必ず演奏する「国民の象徴」はやらないとか_φ(・_・

嬉しかったのは、「せいりゅう」到着を待つ間、演奏された曲の中に

「サンダーバードのテーマ」

があったことです。

わたしは昔からこの曲を、サビからの転調の繰り返しだけでいうと
ユーミンの「中央フリーウェイ」に匹敵するマジ神曲、と思っていますので、
植田隊長に駆け寄り、手を取って感謝を述べたいくらいでした(最後だけ嘘)

艦番号の509は「そうりゅう」型9番艦という意味です。
ちなみに先日進水式を行った10番艦の「しょうりゅう」が510です。

「そうりゅう」型はこの510で終わるのではないか、という噂もありますね。
問題は次の艦名ですが、まさか、「つる」・・・?

511「しょうかく」512「ずいかく」513・・・あれ、もう思いつかないや(笑)

それじゃ511「ひりゅう」でそこからは「ひりゅう」型ってのはどうだろう(提案)
潜水艦はやはり鶴より龍の方が親和性ありと思うんだな。

いつの間にか艦上の人たちが回れ右して向こう向きになっています。

「せいりゅう」は取舵を取り、艦首をこちらに向けて岸壁ヨーソロです(適当)

それにしてもフィンの上の二人、気持ち良さそうだなあ・・。
左の人は岸壁のチェックに余念がありません。

「かーちゃんと子供は来てるかなー・・あ、いたいた」

え・・・違う?

神曲「サンダーバード」の他で耳?を引いたのは、「聖者が街にやってくる」でした。
さすがジャズも得意とする横須賀音楽隊です。
そしてこの選曲からも、入港の儀式のカジュアルさが伺えますね。

音楽隊は、定番の「宇宙戦艦ヤマト」もきっちりと演奏した後、
いざ入港という時になって行進曲「軍艦」を演奏しました。

後ろを付いて来ていた曳船が、回り込むように「せいりゅう」に近づき・・、

左に回頭した艦体にほぼ直角に接触するべく待ち構えています。

二隻の曳船で艦首と艦尾部分をじわじわ押していって着岸させるのです。
互いの間で舫を受け渡しして、いつの間にか曳船と艦体が連結されました。

押した時に艦体が離れていかないようにつなぎとめたのでしょうか。

曳船からは黒煙が時々噴き上がります。

潜水艦と曳船の間の舫がピンと張られ、完全に艦体と曳船が連結された状態になりました。
長年の経験の蓄積により出来上がった、合理的かつ安全な方法なのでしょう。

操艦を指揮するセイルの上から、時々フィンの上の人にも指示が飛びます。

岸壁が近づくと、艦上の入港作業準備が始まります。
二人が手にしている白いものは、岸に向かって投げるサンドレットです。

じわじわと艦体が岸壁に寄せられていくのを、
岸にいる人たちは今はただ見ているだけ。

あと数メートルで着岸です。

つい一週間前(3月27日)着任したばかりの横須賀地方総監、渡辺剛次郎海将
到着するなり、ご挨拶に来られました。

渡辺海将の職種は回転翼機の操縦で、前職は教育航空集団の司令だそうです。

サンドレッドを持っている乗員は艦首側に二人、艦尾側に二人、計四人います。
掃海艇で投げていたものより小さくて、投げにくそうに見えますが・・・。

さて、これから岸壁への繋留が行われます。

 

続く。





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2 Comments

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曳船 (お節介船屋)
2018-04-05 13:34:15
写真はYT03と06が写っています。
横須賀港務隊所属ですが海自は俗に押し船と言っているようです。
両船とも50トン型えい船でYT03が広島県福山市の本瓦造船建造(平成26年1月竣工)、YT06が広島県尾道市の木曽造船建造(平成27年12月竣工)の新しい船です。
要目
排水量50トン、全長17.0m、幅4.8m、深さ2.4m、吃水1.2m、500馬力、8kt
船首水線部にもゴムフェンダーが取り付けてあるのが見えますが水線下にも伸びており、船首で潜水艦を傷つけないように配慮してあります。
推進装置は前にもコメントしましたが旋回式となっており、アジマススラスターで新潟原動機はZペラ、IHIはダックペラと呼んでいます。ポッド推進装置ともいわれています。

海自にはもう一つの型で260トンえい船があります。

参照木曽造船、本瓦造船ホームページ
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手に汗握る (Unknown)
2018-04-05 22:53:21
潜水艦の岸壁はベース(米海軍横須賀基地)内なので、単に気付かなかっただけかもしれませんが、今まであまり潜水艦の入港歓迎行事はなかった気がします。先日、潜水艦救難艦「ちよだ」の歓迎行事も逸見岸壁でありましたが、前総監(潜水艦出身のD海将)在任中の計画なので、潜水艦部隊をアピールしたかったのだろうと想像します。

中尉は行事の参加がほとんどで出入港を見られることはあまりないので、曳船の動きで感動?されたのでしょうね。基地にいるとほぼ毎日やっていることなので、大したことではない気もします(笑)

潜水艦は水上艦に比べると一軸で運動性も悪いし、遅いので、出入港は大変です。水上艦の場合は二軸なので左右の軸をそれぞれ逆回転させて「その場回頭」することが出来ますが、潜水艦なら今回のお写真のように、曳船に押したり引いたりしてもらう必要があります。

海上はアメリカの車道と同じ右側通行ですが、横須賀港に入る際には世界的にも交通量が多い浦賀水道航路を出て、そのまま横浜港や東京港に向かう中の瀬航路の手前で混雑する中を、クルマで言う右車線から左折で対向車線を横切って横須賀港に向かいますが、非常に緊張します。

航路内は制限速度12ノット(時速25キロ)ですが、こちらが横須賀港に入ろうとしても反対側の「対向車線」には南行船がバンバン来ます。車道と違って信号機がないので、いつまで待っても誰も停まってはくれないし、自分の後ろにもバンバン北行船が迫って来ます。ちょうど、時速25キロでひっきりなしに走り続けるクルマが停まってくれない車道を歩行者が走り抜ける感じで、エイヤッと横断するしかありません。

水上艦だったら、20ノット以上に増速して気合いで乗り切れますが、潜水艦は高速を出せず、12ノットでトコトコ行くしかないので、かなり緊張します。

次回、観艦式に参加される機会に、横須賀に入る船に乗られることがあれば、城ケ島から浦賀水道航路に入るあたりから入港まではぜひ艦橋で見学なさって見て下さい。手に汗握る場面が見られます(笑)
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