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ネイビーブルーに恋をして

バーキン片手に靖國神社

CICと艦長室〜USS「エドソン」

2023-11-15 | 軍艦

ミシガン州のヒューロン湖沿いにあるサギノー湾から流れ込むサギノー川。
そのほとりに、戦後の名駆逐艦と呼ばれた「エドソン」が展示されています。

後部甲板から乗艦したわたしは、火器管制室に続き、甲板の魚雷、機銃、
続いてはブリッジと順番に見学してきました。

さて、次はどこに案内されるのでしょうか。


ブリッジの横には艦長が詰める個室=シーキャビンがありました。
これに相当する施設は、軍艦の規模に関係なくどこにでもあります。


メインの艦長室ではありませんが、それでもしっかりと、
「お一人様」用の施設は揃っています。

■ CIC(コンバットインフォメーションセンター)


CICにやってきました。
CICとは
「コンバット インフォメーション センター」のことです。
戦闘情報センターとも言い、軍艦の司令塔であり頭脳でもあります。

ここは、レーダー操作ステーション、チャート、
および通信ステーションへの回路の本拠地として機能します。

レーダー、ソナー、電子盗聴装置、見張り台など、
すべての船舶センサーからの情報は、このコンパートメントで収集、
表示、評価され、処理されます。

敵対的な状況では、砲術士官、電子戦士官、対潜士官、および CIC 士官が、
どの敵の脅威にどのような方法で対処するかを艦長にアドバイスします。

そして艦長またはその資格のある代理人である
戦術行動士官は、
武器を発射して敵艦と戦う命令を出します。



映画でもテレビでも、おおよそ軍艦が舞台となる創作物で
CIC が描かれていないものはほとんどないと言ってもいいでしょう。

そしてそこには大きな地図、多数のコンピューター・コンソール、
レーダーおよびソナーリピーターのディスプレイや各種コンソール、
さらには、グリースペンシルで注釈が付けられた座標プロットが描かれた
エッジライト付きの透明なプロッティング ボードなどで埋め尽くされます。

CICのコンセプトが生まれた当時は、

オシロスコープのブラウン管ディスプレイ上に、レンジを示すだけの
「Aスコープ」というものが使用されていましたが、
それは次第にレーダーディスプレイへと変革を遂げていきます。

現在のCICクルーは、ソナー、レーダー、ポーラプロットと、
コンピュータからこのようなデータセットを取得することで、
正しい範囲と方位で海図や地図上にデータをプロット(入力)し、
コンタクトのコースと速度を正確に計算することができるのです。


CICの意義は、軍艦の現在状態とその周辺に関する情報をまとめて管理し、
これを指揮官に供給することにあります。

指揮官は一般に、近くの艦橋やプロットを見ることができる場所にいます。
(『エドソン』の艦橋からここまですぐだったことを思い出してください)

もしフラッグオフィサー(艦隊司令)が乗艦している場合は、
本来のものと別に、旗艦司令部や艦隊CICが置かれることになります。

いずれにしてもCICの機能は、情報の発注、収集、
そして意思決定者へのそれらの提示を行うという点は同じです。

潜水艦、水上艦、航空機のいずれであっても、
情報収集の種類や管理、通信システムなどに多少の違いはあれ、
指揮官に状況や選択肢を明確に提供するという任務や使命は変わりません。


左手の椅子の上に見えているグリーンの機器は、
極表示とレーダースイープを示す
計画位置インジケーター (PPI)表示です。

海上の船に送り返される鮮明なレーダーエコーは
地図のように細かく地形の特徴を示しており、、
海から見ると、地元の海図の地形と一致しています。



CICに隣接した
チャートハウス、地図の保管所でもあります。

ちなみに普通に英語のChart House で検索すると、出てくるのは
そういう名前のシーフードレストランばかりです。

■ 艦長室



ここで階下に降りる階段が現れました。



艦長私室です。

デスクの上の写真は、1968年3月31日から1969年8月27日まで
「エドソン」の指揮官を務めた
ジョン・S・ホームズ中佐夫妻。

記念艦となった「エドソン」に500ドルを寄付したときの記念だそうです。


艦長寝室のベッドはマット二枚重ね?
いや、これは単にマットが一つ余っていただけだとは思います。



右下、「エドソン」が五大湖にやってくることが決まった時の記念盾です。
写真は海軍艦隊司令と艦長だと思われます。



先ほどのホームズ艦長の着用していた海軍コートと軍帽。



次のコンパートメントには、舫でデコレーションされた写真、
ベトナム戦争に参加した陸軍部隊のポスター、ヘッジホッグの爆薬などの展示。


 
こちらのベトナム戦争ポスターは、参加した空軍部隊の紹介です。
鳥居をあしらったマークは、おなじみ在日米軍のものですね。

右下「パールハーバー」ポスターはUSS「ジョン・C・ステニス」のものです。

原子力空母「ジョン・C・ステニス」の母港は、サンディエゴ→キトサップ、
とパールハーバーとは何の関係もないはずなのですが・・・????

しかも航空機はどう見ても真珠湾攻撃の時のあれ。
真珠湾に寄港するだけでこんな大袈裟なことするんですかね。




右上のポスターには、

「平和はそれだけでは守ることはできないから」

という軍備増強の必要とその維持の努力についての標語が書かれています。





続く。



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4 Comments(10/1 コメント投稿終了予定)

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PPI (Unknown)
2023-11-15 07:42:49
>CICのコンセプトが生まれた当時は、オシロスコープのブラウン管ディスプレイ上に、レンジを示すだけの「Aスコープ」というものが使用されていましたが、それは次第にレーダーディスプレイへと変革を遂げていきます。

って、どういう意味なのか実感出来ますか?

割り切った言い方をすると「Aスコープ」は波形しか表示出来ず、目標までの距離はわかりますが、方向はわかりません。そこでもっと視覚に訴えるように作られたのが「計画位置インジケーター(PPI)表示」です。

PPI表示は「レーダー」と聞いて普通の人が想像する丸い画面に中心から時計回りにスイープを描いて、ビデオ(輝点)が現れるあれです。

画面の上が北なので、PPIが登場して初めて敵味方の目標との位置関係が視覚的に把握出来るようになりました。
返信する
パールハーバー (ウェップス)
2023-11-15 10:41:39
ああこれ例の映画です。( ^^)
確か真珠湾のどこかの艦上でプレミア公開されたらしくて日時も一致します。何でここにあるかわかりませんが、当時ステニスの乗員だった方の寄贈でしょうか。当時滞在中の海自訓練部隊の指揮官がこれに招待されて戸惑ったとか…見に行ったかどうかはわかりませんが( `ー´)ノ
返信する
区画区分番号記号 (お節介船屋)
2023-11-16 09:57:45
前コメントしたことがありますが再度コメント
黄色の中に番号記号が記入されています。

艦長休憩室02-66-1-L
02甲板のフレーム66番の位置、そのあとの1は右舷を表し、Lは士官関係諸室等居住スペースを表しています。その下はこの部屋フレーム66から70番までを占めていることを表しています。

CICは02-70-0-C
02甲板、フレーム70番、0は船体中心なお左舷は偶数です。、指揮所、戦闘区画

艦長室01-63-1-L
01甲板、フレーム63番、右舷、居住区画
となります。

アメリカドラマでNCIS海軍捜査局のなかで空母艦内に迷った捜査官にこのことを教える場面があります。

参照海人社岡田幸和著「艦艇工学入門」
返信する
あれでしたか (エリス中尉)
2023-11-19 11:19:08
>当時滞在中の海自訓練部隊の指揮官がこれに招待されて戸惑ったとか

アメリカ人って良い意味でも悪い意味でも空気読めないから・・・。
返信する

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