
平成29年度の防大開校記念祭の様子をお話ししています。
観閲行進で第四大隊までの入場が完了し終わりました。
続いて防衛大学校旗が入場してきます。
この写真では自衛隊の旗に対する敬礼、
指揮刀を持っている者・・刀を下げ持って敬礼
旗を持っている者・・・・旗竿を地面と平行に、旗の敬礼
銃を持っている者・・・・銃口を持ち銃床をついて頭中(敬礼対象に顔を向ける)
が全て見ることができます。
士官の「抜刀礼」は、帝国陸軍で行われていた形がそのまま継承されています。
刀を振り上げているのはただいまから来賓が入場してくるので
それを迎えるために取る動作です。
指揮刀を体に沿わせて号令一下。
刀の柄を両手で持ち、刀を斜めに捧げ持って「整列休め」の姿勢。
その他の者は両手を後ろに組んで脚を開き立ちます。
その時、観閲台の後ろで待機していた陸海空の自衛官たちが駆け足!
来賓をお迎えするたびにこれを繰り返していました。
本日の主賓、防衛副大臣の山本朋広氏、防大校長、防大同窓会長などが壇上に上がります。
そして主賓に向かって学生部隊は敬礼、ないし「頭中」。
佩刀していない学生は「捧げ銃」を行なっています。
捧げ銃とは「銃の敬礼」で、武装していない時に行う敬礼の代わりに、
左手で銃の中央部を持ちながら上に引き上げて体の中央で構え、
右手で銃の下部を持つやり方です。
この姿勢に至る前に顔の中央に刀を立て、その状態から下に払います。
個人的には旧陸軍の儀礼でわたしがもっとも美しいと感じる形です。
「国旗が入場いたしますのでご来場の皆様はご起立ください」
とアナウンスがありました。
わたしの周りの人は全員が(足腰のおぼつかないおばあちゃまも)
立ち上がり国旗に敬意を評しましたが、向こうに座っている人たちは座ったままの人が多いようです。
この写真を見て、銃床は地面に着くのではなく宙に浮かせていたことに気がつきました。
これって結構重そうだし姿勢を保つのも大変なのでは・・・・。
「こちらにどうぞ!」
を絵に描いたようなポーズで、巡閲者たる副大臣を車に案内する指揮官。
この姿勢の美しさには惚れ惚れしますね。
ちょっと余談です。
幹部学校の卒業式、防衛大学校の巡閲には防衛副大臣や政務官が
いずれも防衛大臣の代理ということで出席するのですが、今、
歴代防衛副大臣の名前を見ていて、民主政権時代にはこの職に
安住淳と小川勝也議員が就任していたことを知りました。
このどちらかに観閲や卒業式の立会いをされた自衛官も存在するんですね。
敢えてお気の毒とか残念でしたとかは言いませんが。
ちなみに「巡閲の譜」の流れる中、近くの中年男性は
自衛隊とその儀式についてまっっっっったくご存知ないらしく、
「これ何してるの」
と奥さんに聞いたりして(もちろん奥さんも知らない)いたので、
「昔でいう『閲兵』ですよ。隊を点検してるんです」
と囁くと、
「えっぺい・・・点検・・・?」
と驚いたようにまた奥さんに言っていたのがおかしかったです。
このご夫婦の席は、防大の生徒がシートを敷いて確保していたもので、
子供が防大生なのに何も知らない親御さんってのもいるんだなあ、
とむしろこちらが驚きました。
副大臣の祝辞、國分校長の訓話などが終わって学生隊は全員が退場します。
この訓話で國分校長は、
「小池百合子都知事の『アウフヘーベン』が流行語大賞の候補になっている。
アウフヘーベンというのはヘーゲルの弁証法の概念で、止揚と日本語に訳されているが、
その意味(Aがあってそれに相対するBがあり、それらを統合して高い段階で生かす、
という説明あり)を考えると「止揚」より、今年の開校祭のテーマ
『昇華』
の方が本来のアウフヘーベンの意味としてふさわしいのではないか」
てなことをおっしゃいました。
はっきり言って、防大の訓話に相応しい話題とは思えませんでしたが、
わたしにとっては今まで聞いた校長の訓示の中で一番面白い意見でした(笑)
AとBというのは「テーゼとアンチテーゼ」のことをわかりやすくおっしゃったのでしょう。
ちなみに「両者を統合し新たに高い次元で行われる問題解決」を
「ジンテーゼ」
と称します。
いや、確かに一見そうかなと思わせる内容ですが、わたしはあえて
「それは違うだろーっ!」
と同じ流行語大賞候補で反論させていただきたいと思います。
これが本当のアンチテーゼってやつですか。
「Auf」「 heben」というドイツ語には「上」「持ち上げる」という意味しかなく、
Aufhebenそのものの意味は「廃止」「キャンセル」でしかありません。
ヘーゲルが「アウフヘーベン」という一般語に哲学的定義を施した通りにいうと、
「止めて」「揚げる」と「昇って」「花(華)」を咲かせる、
止揚と昇華とは全く違う行為じゃないかってことなのです。
止揚は「破棄した上で別の要素を含め高い次元の結論を得ようとする」行為。
昇華は「そのものの中から純度の高いものを抽出させる」行為。
ね?違くない?
最終的に得られる結果が同じでも、今は過程を定義しているのですから。
校長の言いたかったことはなんとなくわからんでもないし、
何より学者である校長の口から「ヘーゲルの弁証法」とか言われると、
下々の者は「はえ〜」と思って納得してしまうじゃないですか。
しかしそもそも、校長、政治学者だけど哲学は素人でいらっしゃいますよね?
その素人が、雰囲気で適当なことをこんな公の場で言わんでいただきたい、
とわたしはここでだけ厳しく(ご本人は読まないから)いっておきます。
銃を右手に持ったまま退場していく人あり。
何をしているのかわからなかったので、とりあえず顔をマスクしました。
自衛官が持っているのは防衛副大臣旗です。
退場が終わると、祝賀飛行が行われました。
上空を飛来する航空機の指揮官には防大出身者が選ばれ、名前がコールされます。
まず陸上自衛隊のAH-1コブラが3機。
同じく陸自の輸送へりCH47Jチヌークは1機です。
海自のSH60Jが3機も。
ヘリなのでとりあえずシャッタースピードを落として写しました。
今回の写真はほとんどがD810で撮ったものです。
次は哨戒機P-3Cかな、と思ったら、なんとP−1でした。
祝賀飛行でP-1を見るのは観艦式以来です。
全体的にツルツルした質感の機体で、薄いブルーがかかっており、
綺麗な飛行機だなと思いました。
運用開始になって4年目で、現在は14機が稼働しています。
Pー3Cは順次これに置き換えていく予定で、生産予定数は70機。
Pー1は国産ですが、これには
「たった70機のためにゼロから開発するのか」
と随分開発反対派から(石破とか石破とか石破とか)
文句が出たとか・・。
こんなものでなく、Pー3Cを延命させて使う方がずっといい、という意見もあるようです。
航空自衛隊からはつい最近見たばかりのCー1が・・・。
戦闘機はFー15が三機、編隊飛行にて通過。
今まで一度もちゃんと撮れたことのないFー15(難しいんですよね)
を撮るのを楽しみにしていただけに観閲式が中止になったのは残念でしたが、
防大でお目にかかれるとは思っていませんでした。
防大屋上の洗濯物干し場?上空を通過していくFー15。
今度は改めて主賓席に対して行われる「観閲行進」です。
ブラスバンドがまず観閲台の前を通り過ぎます。
防大では校友会活動として運動部に入ることが必須で、文化部をやりたいものは
運動部を決めた上で両立させないといけないという決まりがあるそうですが、
ブラバンだけは掛け持ちを免除されているとか。
そういえばブラバンという部活は、全国どこでも「体育会扱い」です。
これを「日本のブラバンの発祥は軍楽隊だから」とわたしは定義づけています。
ドラムメジャーは長身の男性が務めると決まっている模様。
観閲式の様子を脚立の上に立って撮っていた学生。
観閲行進は先ほどより小規模で行われます。
再び国旗入場。
「国旗が前に来た時にはご起立ください」
というアナウンスがありましたが、みんな立ったり立たなかったり。
立った人には後ろから「立つな!」という怒号が飛んで殺伐とした雰囲気でした。
こういうのって・・・日本国民としてどうなの?
観閲台に向かって敬礼しながら通過するだけなので、先ほどより短時間で済みました。
近くからは息子が参加しているらしい人たちの
「どこ?」
「あそこ。5列目の右から5番目」
などという会話が聞こえて来ました。
しかし、自分の娘息子がこんなにきりりとした表情で行進していたら、
親としては感無量なんだろうなあと、わたしとしては少し羨ましく思いました。
続く。
いや、中尉甘いですなあ。どこで誰が読んでいるか分からないのがブログ(笑)
門外漢なのに食いついてしまいました。
P-3の後継機はP-8ですが機体はボーイング737で、アメリカでも相当政治的な駆け引きもあったようです。
エンジンが2発で行き帰りは高速でも捜索海域では長時間低速が良いので1発を止めて試験をしたようですが再発動のリスクと偏向の止めのため垂直翼使用で燃費も思ったようにならず、無人機も使用した運用としたようです。
P-3のアビオニクス改修、エンジン換装での寿命延長との考えですが飛行時間での寿命は部品の取替えは出来ますが機体の補強は出来ないとも聞いています。
P-1は4発、P-3と同じ運用ができます。
その意味から海自のP-1開発は良かったのではと思います。
ただこのところ週刊誌のネタになっていますが防衛装備庁の英国、オーストラリア等の売り込みはP-8に負けたようで機数の増加となっていないと思います。
英国、オーストラリア、インド等がどのように運用するのかを注視したいとも思っています。
C-2との部品共通も考えて価格の低減に努力していますが、C-2の開発遅れ等で確かに価格上昇で、予定とおり調達できず、P-3の延命でなんとか凌ぐ、、でまた高くなるとの悪いスパイラルとなってきておりますが、F-2のように機数削減とならないよう祈っております。
耳で聞こえる感じで言うと「捧げ~銃」になりますが「捧げ」で銃床を地面から少し持ち上げ「銃」で顔の前まで持ち上げます。その「捧げ」の瞬間を撮られたのだと思います。
儀礼刀は気持ちいいです。抜く時には小銃とは違がう感じがします。
防大は本当にパレード命なので、とにかく数をこなします。朝霞の観閲式でも全自衛隊の先頭に立って行進しますが、校内では慣れっこになってしまうところもあって、緊張感が抜けることもあります。
具体的に言うと、目を開けたまま、たとえ儀礼刀を持っていても眠れてしまいますが、そんな時に「捧げ銃」がかかっても、何とか出来るようになります。
儀礼刀の「捧げ銃」は「捧げ」で儀礼刀の束を顔の前まで持ち上げます。小銃手が「捧げ銃」で顔の前に小銃を持ち上げるのとタイミングを合わせて、儀礼刀を右斜め前に降ろすので、顔の前で一、二、三と保持してから降ろすのですが、目を開けたまま眠っていても「捧げ」で目を覚まします。
その時に焦って遅れて儀礼刀を顔の前に持ち上げると目立つので、あえて持ち上げずに一、二、三で降ろすタイミングまで待って他の人と同時に降ろせば、遠くから見るとキッチリと合っているように見えます。
開校祭は多くのギャラリーがいるので、みんなちゃんと起きていると思いますが、月齢パレードだと寝ている子が何人かはいます。
遠洋航海の出国帰国行事のときも副大臣に対して栄誉礼がありますが
ちびっこギャング安住や渡辺周という嫌な時代もありました
うちのは小隊学生長を中期にやりましたので月例パレード開校祭と夏服冬服両方での指揮刀を持った行進見ることが出来ました 後期だと冬服だけなんですよね
>銃を右手に持ったまま退場していく人あり。
実際は2人いて観閲部隊が敬礼する位置(頭右と直れの位置)に行進の間中立ち続けます。
因みにこの時写真は観閲官に敬礼した後夫々の位置に移動しているときのはずです。
退場は観閲行進が終わってから2人で観閲官に敬礼して駆け足で退場すると思います。
日曜は朝9時と11時頃、相模湾沿岸をフライバイしました。観閲式の予行と本番だと思います。P-3に比べると静かなので、直上まで気付きませんでした。
米軍P-8との見た目の違いはエンジンの数ですが、米軍はボーイング737の機体をそのまま使っていることで、専用に開発されたP-1とは使い勝手がかなり違います。
737は旅客機なので、低空飛行は不得意ですが、対潜戦は哨戒時には燃費の安い高度で巡航、探知して攻撃時には低高度が基本であるところ、P-8はこれが出来ません。そのため、ソノブイや魚雷は高高度で投下可能なP-8用に新たに開発されたものを使う必要があります。
P-1は、P-3C用のソノブイや魚雷がそのまま使えることを前提に開発されているので、海上自衛隊のようにP-3Cから換装する場合、P-8に換装するのに比べると、周辺機器への投資が安く済みます。
短距離旅客機ベースであるP-8と専用開発のP-1では哨戒可能時間も違います。確かにお金を掛けた装備ではありますが、それなりのものです。
P-3Cの調達は昭和56年から平成9年まで98機取得されましたが、減耗は平成5年頃から始まっていました。昭和62年から平成5年まで毎年8~10機の調達で所要の機数を揃えました。この時代の哨戒地点の数と現代が違ってきたのか、減耗、在場機の機数の考慮等、私にはわかりませんがエリス中尉の記載の70機を何年で調達するのか、また派生機のEP-3等の換装はどうするのか等で川重の生産ラインの維持が考慮されるものと思います。
P-1が平成24年から配備されましたがP-3Cは77機となっていました。平成28年にはP-1が11機、P-3Cが62機でした。
平成26年度調達の3機で平成29年度で14機となるのでしょうが平成26年度1機当たり198億円で平成27年度20機一括調達で価格低減することとし、1機あたり191億円が170億円となると予算概要には記載されています。ただ長期調達できない部品があるため1機あたり175億円となるとも書いてあります。
この20機が平成30年から33年のかけ5機ずつ配備されますがこの20機は同一仕様のため4年間バージョンアップは出来ないとなっているようです。
10年で34機まだ半分です。後の調達はどのようにするのか、全体予算、艦船航空機調達に配分できる予算等で何年掛かるか防衛省、海自相当悩んでいるのではと考えます。艦船の調達も30DDで数合わせと価格低減を考えているようですが香田洋二元自衛艦隊司令官はこの考え、性能には疑問を持っておられるようです。
今の予算体系では艦齢延長、機齢延長でどうにかやりくりしている現状を解決できないのではと思料します。
哨戒機の運用とP-1について鷲さんのコメントがないかなと希望しています。
参照防衛省予算概要、海上自衛新聞社「海上自衛隊艦艇と航空機集平成29年度版」、海人社「世界の艦船」
前がJ、後ろがKと思います。
機体も変更はWikiの説明が添付のとおり
https://ja.wikipedia.org/wiki/SH-60K_(%E8%88%AA%E7%A9%BA%E6%A9%9F)
写真では添付のとおり
https://type04.wordpress.com/2014/05/11/sh-60j%E3%81%A8sh-60k%E3%81%AE%E8%A6%8B%E5%88%86%E3%81%91%E6%96%B9/
メインローターが回転していると分かり難いですが先端が違います。
Kは右側ドアが2枚となっていますので窓も2枚、右からの撮影ではこれが一番目立って分かり易いと思います。
バイロンの位置も判断し易い目標ではと思います。右の位置も違うようですが遠くからでは分かり難いですが、左側は位置も違い、大きく突き出ていますので分かり易いのではと思います。
機外についている機器も位置が違います。
単体では大きさや機首のとんがり、機外機器の取り付け位置等分かり難いですが並べるとJとKの違いが判ってくるのではと思います。機体番号での判別も可能です。外観だけでは性能、進歩は判断できませんが。
エリス中尉への注意ではなく自分で楽しんでいる事のコメントです。