映画「バウンティ号の叛乱」最終日です。
実際の「バウンティ」の反乱の際、フレッチャー・クリスチャンは、
味方をしてくれそうな乗組員を把握してからまず上甲板を制圧し、
皆に武器を配ってから艦長室に乗り込んでいったとされています。

こちらブライ、朝起きて機嫌よく伸びをしていたら反乱軍が乱入してきます。


3人の男がブライを捕まえて手を縛り、
警報を鳴らしたら殺すと脅したそうです。

警報を鳴らしたら殺すと脅したそうです。

眠っていたスチュアートら候補生も叩き起こされました。
「叛乱か?」

「叛乱か?」


船上では大騒ぎが起こっていました。

両手を縛られて連れてこられたブライに対し、日頃の恨みとばかり
彼を罵り、傷つけようとはしゃぐ乗組員ですが、

クリスチャンは、乗っ取った目的はリンチではなく鞭打ちの廃止だとして、
食料、磁石、短剣を与えて船に乗せて追放することを宣言します。
そこで、全乗員に、船に残るかブライと一緒に行くかを選ばせました。
実際、クリスチャンと叛乱者たちは、自分達に賛同する者がもっと多いと
過大評価していたようですが、半数がブライに着いていきました。
彼を罵り、傷つけようとはしゃぐ乗組員ですが、

クリスチャンは、乗っ取った目的はリンチではなく鞭打ちの廃止だとして、
食料、磁石、短剣を与えて船に乗せて追放することを宣言します。
そこで、全乗員に、船に残るかブライと一緒に行くかを選ばせました。
実際、クリスチャンと叛乱者たちは、自分達に賛同する者がもっと多いと
過大評価していたようですが、半数がブライに着いていきました。

植物学者のネルソンもボートに乗った一人です。
彼は、船に残していくパンノキの苗を気にして、
乗組員に水をやるのを忘れないでくれ、と頼んでいきました。

彼らが乗せられたのは全長7メートルのランチボートです。
士官候補生の一人に、クリスチャンは、君は残ってもいいと言いますが、
彼はむしろそれを拒否して船を降りていきました。

彼は、船に残していくパンノキの苗を気にして、
乗組員に水をやるのを忘れないでくれ、と頼んでいきました。

彼らが乗せられたのは全長7メートルのランチボートです。
士官候補生の一人に、クリスチャンは、君は残ってもいいと言いますが、
彼はむしろそれを拒否して船を降りていきました。

その後何人もの乗組員が艦長に着いていきたいと懇願してきますが、
ボートは満杯でこれ以上乗れないとしてクリスチャンはそれを拒否。
そしてあぶれた彼らをブライの同調者として船底に閉じ込めさせます。
最終的にボートに乗り込んだのは、45名のうち20名でした。
ボートは満杯でこれ以上乗れないとしてクリスチャンはそれを拒否。
そしてあぶれた彼らをブライの同調者として船底に閉じ込めさせます。
最終的にボートに乗り込んだのは、45名のうち20名でした。
なお、船大工と武器工の3名も、ブライに着いて行こうとしましたが、
「バウンティ」の航行ができなくなるという理由で船に残されています。
これは、ほとんど実際の事件の経緯通りです。
映画で散々ブライを悪として描いているのに、なぜ多くの乗員が
彼の側に立ったのか、映画でしか事件を知らなければ混乱するでしょう。
「バウンティ」の航行ができなくなるという理由で船に残されています。
これは、ほとんど実際の事件の経緯通りです。
映画で散々ブライを悪として描いているのに、なぜ多くの乗員が
彼の側に立ったのか、映画でしか事件を知らなければ混乱するでしょう。

そして、ブライらを乗せたボートは海に放たれました。

「バウンティ」を離れるボートから、ブライは叫びます。
「私は死なない。このボートが沈まない限り。
もし私の運命がそうすべきと決めたなら、必ず英国までたどり着く。
生きて諸君全てと再会し、英国艦隊の一番高い檣から諸君を吊るす!」

バイアムは「バウンティ」に残されましたが、(残ったのではない)
ここで現実的な彼はクリスチャンに抗議します。
艦長だけでなく、他の乗組員も死ぬかもしれないと。
「私がこれを好きでやっていると思うか?」
彼は叛乱の際暴動には加わりませんでした。
この期に及んでバイアムは今更ブライに着いていくと言い、さらに
「諸君、国王の名において任務に戻ってくれ!」
と必死で乗員に訴えかけますが、乗組員の中から
「コケコッコー!」
とまぜっ返す声に激昂して思わず殴りかかろうとします。
クリスチャンはそんな彼を手荒く扱い、船底に閉じ込めさせるのでした。
実際の事件もそうであったように、この叛乱は、善悪で論ずるまでもなく、
肝心の叛乱の動機が曖昧で、やり方が間違っている以上、
いくらクラーク・ゲーブルに演じさせようと、正当性の説得力は皆無です。
生きて諸君全てと再会し、英国艦隊の一番高い檣から諸君を吊るす!」

バイアムは「バウンティ」に残されましたが、(残ったのではない)
ここで現実的な彼はクリスチャンに抗議します。
艦長だけでなく、他の乗組員も死ぬかもしれないと。
「私がこれを好きでやっていると思うか?」
彼は叛乱の際暴動には加わりませんでした。
この期に及んでバイアムは今更ブライに着いていくと言い、さらに
「諸君、国王の名において任務に戻ってくれ!」
と必死で乗員に訴えかけますが、乗組員の中から
「コケコッコー!」
とまぜっ返す声に激昂して思わず殴りかかろうとします。
クリスチャンはそんな彼を手荒く扱い、船底に閉じ込めさせるのでした。
実際の事件もそうであったように、この叛乱は、善悪で論ずるまでもなく、
肝心の叛乱の動機が曖昧で、やり方が間違っている以上、
いくらクラーク・ゲーブルに演じさせようと、正当性の説得力は皆無です。
もっとも、この根本的な理由の曖昧さこそが、この事件を歪め、
クリスチャンという人間を主人公として描くことを許したといえます。

今や舵取りを行うことになったクリスチャンは、針路をタヒチに向けました。
行き先を聞いて、タヒチを離れたくなかった皆は大喜びです。
早速船からパンノキの苗を海に投棄し始めました。
実際の「バウンティ」はこの後タヒチに戻り、島民に対し、自分とブライ、
そしてクックが近くの島に入植地を作るつもりだと虚偽の申告をしました。
クックは10年前にすでに亡くなっていましたが、彼の名前を出すことで
タヒチの酋長たちから物資や贈り物を取れると思ったからです。
そして30名のタヒチ人男女を騙して「バウンティ」号に乗せ、
(これは原住民を色々と利用するためだったと考えられる)
タヒチの近くの小さな島ツブアイに定住する計画を立てます。
しかし、タヒチの人々は訪問中だった別のイギリス船の乗組員から、
クリスチャンの言葉が嘘であることをすでに聞かされていました。
この頃には残留乗組員からのクリスチャンへの信頼は失われつつあり、
結局24名のうち16人は彼と別れて、タヒチに残ることを選択しました。

クリスチャンという人間を主人公として描くことを許したといえます。

今や舵取りを行うことになったクリスチャンは、針路をタヒチに向けました。
行き先を聞いて、タヒチを離れたくなかった皆は大喜びです。
早速船からパンノキの苗を海に投棄し始めました。
実際の「バウンティ」はこの後タヒチに戻り、島民に対し、自分とブライ、
そしてクックが近くの島に入植地を作るつもりだと虚偽の申告をしました。
クックは10年前にすでに亡くなっていましたが、彼の名前を出すことで
タヒチの酋長たちから物資や贈り物を取れると思ったからです。
そして30名のタヒチ人男女を騙して「バウンティ」号に乗せ、
(これは原住民を色々と利用するためだったと考えられる)
タヒチの近くの小さな島ツブアイに定住する計画を立てます。
しかし、タヒチの人々は訪問中だった別のイギリス船の乗組員から、
クリスチャンの言葉が嘘であることをすでに聞かされていました。
この頃には残留乗組員からのクリスチャンへの信頼は失われつつあり、
結局24名のうち16人は彼と別れて、タヒチに残ることを選択しました。

映画に戻ります。
クリスチャンは船底に閉じ込めているバイアムのところに行って、
逆らわないと約束すれば自由にすると言いますが、彼は返事しません。
「殴ってすまなかった」
「いえ・・本当に辛いのは、もう二人が友人に戻れないことです」

ブライとその部下の漂流は続いていました。
実際の彼らは、小さな島を見つけては立ち寄っていましたが、
島民に敵対的行動を取られ、一人を殺害されるということがあって、
彼らはティモールのオランダ人入植地を目指すことになりました。

彼らは1日の水と食料の分量を綿密に計算し、航海を続けました。
このMGMのスタジオでタンクを使って撮影されたハリケーンシーンでは、
屋内にも関わらず、ロートンと共演者は水に濡れ、ケーブルに揺すられ、
スタジオの焼け付くような照明にさらされることになりました。
クリスチャンは船底に閉じ込めているバイアムのところに行って、
逆らわないと約束すれば自由にすると言いますが、彼は返事しません。
「殴ってすまなかった」
「いえ・・本当に辛いのは、もう二人が友人に戻れないことです」

ブライとその部下の漂流は続いていました。
実際の彼らは、小さな島を見つけては立ち寄っていましたが、
島民に敵対的行動を取られ、一人を殺害されるということがあって、
彼らはティモールのオランダ人入植地を目指すことになりました。

彼らは1日の水と食料の分量を綿密に計算し、航海を続けました。
このMGMのスタジオでタンクを使って撮影されたハリケーンシーンでは、
屋内にも関わらず、ロートンと共演者は水に濡れ、ケーブルに揺すられ、
スタジオの焼け付くような照明にさらされることになりました。
撮影では死者も出ています。

ブライは航海中ずっと士気を保つため、西に進みながら
観察、スケッチ、海図を記し、日記を書き続け、

ブライは航海中ずっと士気を保つため、西に進みながら
観察、スケッチ、海図を記し、日記を書き続け、
語り合い、皆で歌い、そして繰り返し祈りを捧げました。
映画でも、ネガティブに陥りがちなクルーに対し、ブライは
やることさえやっていればなんとかなる、海と戦おう、と励ましています。
このとき彼らはヨーロッパ人として初めてフィジー諸島を通過しましたが、
島民が人喰いという情報があったため、上陸を諦めています。

実際もそうだったのですが、この漂流シーン、ブライがもう立派すぎて・・。
皆で捕まえたカモメを、全員で分けるため自分が預かり、
今にも死にそうな男にまず血を飲ませてやろうとするのです。
「飲め、艦長命令だ」
言っちゃなんですが、クリスチャンごときでは、ここまで皆を統率して
諍いもなく航海はできなかったのではないでしょうか。
映画でも、ネガティブに陥りがちなクルーに対し、ブライは
やることさえやっていればなんとかなる、海と戦おう、と励ましています。
このとき彼らはヨーロッパ人として初めてフィジー諸島を通過しましたが、
島民が人喰いという情報があったため、上陸を諦めています。

実際もそうだったのですが、この漂流シーン、ブライがもう立派すぎて・・。
皆で捕まえたカモメを、全員で分けるため自分が預かり、
今にも死にそうな男にまず血を飲ませてやろうとするのです。
「飲め、艦長命令だ」
言っちゃなんですが、クリスチャンごときでは、ここまで皆を統率して
諍いもなく航海はできなかったのではないでしょうか。
7mのボートで漂流することを覚悟の上で半数の乗組員が彼についてきた、
というのは、彼らがそれを知っていたからでしょう。
というのは、彼らがそれを知っていたからでしょう。
元からブライは船乗りとして大変な実力者だったと言いますし、
おそらくクリスチャンにはない人望があったのだと思われます。
おそらくクリスチャンにはない人望があったのだと思われます。
現にタヒチ残留組の半数はクリスチャンを見限って彼の元を去っています。

5月2日から始まった漂流から1ヶ月以上経った6月12日。
前日まで続いた荒天で船はほとんど崩壊し、乗員は全員倒れていました。

それでも舵を取り続けていたブライの目に、陸地が映ります。
”We’ve beaten the sea itself.”
(我らは海に勝利した)
MGMのタンクプールで辛いハリケーンの撮影が終わった時、
チャールズ・ロートンはこれと同じセリフを呟きました。
前述のように過酷な撮影を終えたクルーは、彼の言葉を聞くなり
感動して歓声を上げ、ロートンは声を上げて泣き崩れたということです。

その頃、バイアムの実家では、息子のいないクリスマスを祝っていました。
豪邸の外で歌われる「God Rest Ye Merry, Gentleman」のキャロル。

同じキャロルが遠く離れた南のタヒチで歌われていました。

5月2日から始まった漂流から1ヶ月以上経った6月12日。
前日まで続いた荒天で船はほとんど崩壊し、乗員は全員倒れていました。

それでも舵を取り続けていたブライの目に、陸地が映ります。
”We’ve beaten the sea itself.”
(我らは海に勝利した)
MGMのタンクプールで辛いハリケーンの撮影が終わった時、
チャールズ・ロートンはこれと同じセリフを呟きました。
前述のように過酷な撮影を終えたクルーは、彼の言葉を聞くなり
感動して歓声を上げ、ロートンは声を上げて泣き崩れたということです。

その頃、バイアムの実家では、息子のいないクリスマスを祝っていました。
豪邸の外で歌われる「God Rest Ye Merry, Gentleman」のキャロル。

同じキャロルが遠く離れた南のタヒチで歌われていました。

タヒチに戻ったバイアムはテハニとどうやら結ばれ、

クリスチャンはマイミティと結婚し、

子を成したという話になっていますが、事実は
そんな単純な話ではありません。

ある日、沖合にイギリス船の姿が見えました。
海軍本部は、フリゲート艦「パンドラ」を派遣し、
叛乱者を捉えて裁判にかける決定をしたのでした。
実際の「パンドラ」は1791年3月23日にタヒチに到着し、
数日内に「バウンティ」の生き残り14人を捕えました。

映画では、「パンドラ」に捕まったエリソンと、架空の人物
バイアムが島に残って英国に帰る決意をしたとされています。

バイアムとスチュアートが英国船に乗り込むと、
そこで待っていたのは、なんとブライでした。
これはもちろん史実とは違い、実際のブライは捜索船作戦の時、
別のパンノキ輸送の任務中でした。

ブライは彼らを叛乱者として拘束するように命じます。
これは実際と同じで、「バウンティ」の生存者は、
「パンドラの箱」と呼ばれた「パンドラ」の区画に閉じ込められました。
バイアムが島に残って英国に帰る決意をしたとされています。

バイアムとスチュアートが英国船に乗り込むと、
そこで待っていたのは、なんとブライでした。
これはもちろん史実とは違い、実際のブライは捜索船作戦の時、
別のパンノキ輸送の任務中でした。

ブライは彼らを叛乱者として拘束するように命じます。
これは実際と同じで、「バウンティ」の生存者は、
「パンドラの箱」と呼ばれた「パンドラ」の区画に閉じ込められました。
実際の「パンドラ」艦長エドワーズは、自分たちは潔白であると信じて
投降してきた彼らを逮捕し、監禁して監獄に閉じ込めています。
ところがここで予想外の(いや海ならありがちか)海難事故が起こりました。
「パンドラ」は「バウンティ」を5週間に亘り捜索しましたが
結局見つけられないまま、グレートバリアリーフで座礁し沈没したのです。
投降してきた彼らを逮捕し、監禁して監獄に閉じ込めています。
ところがここで予想外の(いや海ならありがちか)海難事故が起こりました。
「パンドラ」は「バウンティ」を5週間に亘り捜索しましたが
結局見つけられないまま、グレートバリアリーフで座礁し沈没したのです。
座礁は「パンドラ」艦長エドワーズの無能による失策と言われており、
有能なブライが指揮していたら、事故は起こらなかった可能性もあります。
「バウンティ」の乗組員4人が、この沈没で溺死することになりました。
「バウンティ」の乗組員4人が、この沈没で溺死することになりました。

「パンドラ」は軍艦なので、海兵隊によって非常時のドラムが鳴らされます。
この鼓手は最後の最後までドラムを打ち続け、
見かねた乗組員にボートに引き摺り込まれています。

この鼓手は最後の最後までドラムを打ち続け、
見かねた乗組員にボートに引き摺り込まれています。

拘束されている反乱者たちは、ブライの命令で解き放たれました。
ここで彼らを見殺しにするという展開にならなかったのは、
実際は「パンドラ」にブライは乗っておらず、下手な創作をしたら
ブライの名誉を回復しようとする彼の子孫が黙っていないからでしょう。
ここで彼らを見殺しにするという展開にならなかったのは、
実際は「パンドラ」にブライは乗っておらず、下手な創作をしたら
ブライの名誉を回復しようとする彼の子孫が黙っていないからでしょう。
タイタニックの件もそうですが、実在の人物を創作上うっかり悪人に描くと
当人の遺族親族からクレームがつく可能性は避けられません。
当人の遺族親族からクレームがつく可能性は避けられません。
現に「バウンティ」叛乱事件の件でも、長きにわたってブライの子孫は
実際の彼の名誉について戦ってきたということです。

実際の彼の名誉について戦ってきたということです。

助けてくれた礼をいうバイアムに、ブライは叫ぶように言います。
「ミスターバイアム、旗艦のためにも君を失うわけにはいかん。
ボートに乗りたまえ!」
「バウンティ」関係者はこの後、漂流を強いられ、10名が生還しました。
クリスチャンはというと、英海軍の追手から逃れるためタヒチを脱出し、
ピトケアンという島に定住しましたが、その後リーダーシップを失ってゆき、
そのうち、イギリス人に所有物扱いされて不満を抱いたタヒチ人たちに
今度は彼自身が叛逆を起こされ、虐殺されたという説があります。
「ミスターバイアム、旗艦のためにも君を失うわけにはいかん。
ボートに乗りたまえ!」
「バウンティ」関係者はこの後、漂流を強いられ、10名が生還しました。
クリスチャンはというと、英海軍の追手から逃れるためタヒチを脱出し、
ピトケアンという島に定住しましたが、その後リーダーシップを失ってゆき、
そのうち、イギリス人に所有物扱いされて不満を抱いたタヒチ人たちに
今度は彼自身が叛逆を起こされ、虐殺されたという説があります。
詳細は歴史の中に埋もれてしまい、不明だそうです。


「バウンティ」では乗組員がタヒチ女性に我慢ができなくなって手を出し、
彼女の恋人であるらしい男性と掴み合いの喧嘩が始まりました。

裁判は19792年9月12日、ポースマス港のHMS「デューク」で行われました。

彼女の恋人であるらしい男性と掴み合いの喧嘩が始まりました。

裁判は19792年9月12日、ポースマス港のHMS「デューク」で行われました。

叛乱発生時、このバーキット、エリソン、マスプラットの3名が
武器を持っていたということを航海長フライヤー准尉が証言しました。

エリソンは、自分は武器を持ったが使っていないと訴えますが、
航海長は、あったことを淡々と証言します。
「武器を振り翳して、艦長を酷いあだ名で呼びました」

「酷い名前とはどのように?」
軍法会議の裁判長は、海軍提督サミュエル・フッド子爵でした。

「・・・青っ鼻のバブーン(ヒヒ)と」
思わず下を向いて笑いを堪えるのに必死な裁判官たち。
エリソンにしたらこれで死刑かどうかなので笑い事ではないんだが。

武器を持っていたということを航海長フライヤー准尉が証言しました。

エリソンは、自分は武器を持ったが使っていないと訴えますが、
航海長は、あったことを淡々と証言します。
「武器を振り翳して、艦長を酷いあだ名で呼びました」

「酷い名前とはどのように?」
軍法会議の裁判長は、海軍提督サミュエル・フッド子爵でした。

「・・・青っ鼻のバブーン(ヒヒ)と」
思わず下を向いて笑いを堪えるのに必死な裁判官たち。
エリソンにしたらこれで死刑かどうかなので笑い事ではないんだが。

最後にブライが呼ばれ、証言します。
叛乱の前日、クリスチャンとバイアムがデッキで話しているのを聞いたが、
バイアムが「任せてくれ」と言い、クリスチャンは「よし、決まりだ」
そして二人は握手していた、と。
これはクリスチャンがもし自分に何かあったら、
故郷に行って自分のことを話してくれ、と頼んでいたわけですが、
ブライは後からあれが叛乱の打ち合わせだと合点がいったというわけです。

バイアムは、それは故郷の家族に会ってほしいという話だった、と言い、
ブライ艦長はその前後を聞いていたはずだと問い詰めますが、
彼は頑なにノーと言い続けます。
映画的には、これがブライの策略だということのようです。
叛乱の前日、クリスチャンとバイアムがデッキで話しているのを聞いたが、
バイアムが「任せてくれ」と言い、クリスチャンは「よし、決まりだ」
そして二人は握手していた、と。
これはクリスチャンがもし自分に何かあったら、
故郷に行って自分のことを話してくれ、と頼んでいたわけですが、
ブライは後からあれが叛乱の打ち合わせだと合点がいったというわけです。

バイアムは、それは故郷の家族に会ってほしいという話だった、と言い、
ブライ艦長はその前後を聞いていたはずだと問い詰めますが、
彼は頑なにノーと言い続けます。
映画的には、これがブライの策略だということのようです。
バイアムは必死で、わたしは島に残りはしたが、武器もなく、
そもそもクリスチャンには叛乱を止めるように言った、と言い訳をします。
まあでも・・・結果が結果だし、これは本当に言い訳に過ぎないよね。
「私は叛乱を企てていません!」
そもそもクリスチャンには叛乱を止めるように言った、と言い訳をします。
まあでも・・・結果が結果だし、これは本当に言い訳に過ぎないよね。
「私は叛乱を企てていません!」

「じゃなぜ艦長と一緒にボートに乗らなかったのかね」


「スチュアートと一緒に船を反逆者から取り戻す準備をしていたからです」
えー、それ本当なの?
裁判官たちも同じような顔をしたところで、ブライが冷酷にも言い放ちます。
「スチュアート候補生は『パンドラ』の事故で亡くなりました」
つまりそれを証言する者はいないということです。

えー、それ本当なの?
裁判官たちも同じような顔をしたところで、ブライが冷酷にも言い放ちます。
「スチュアート候補生は『パンドラ』の事故で亡くなりました」
つまりそれを証言する者はいないということです。

収監されている区画で、妻子に会うために帰ってきたのに、
と取り乱すエリソンを、バイアムは慰めていました。

そこに判決が出され、彼は呼び出されました。

裁判長の前に短剣が置かれていました。
無罪であれば短剣は横向き、被告人の方を向いていれば有罪です。

と取り乱すエリソンを、バイアムは慰めていました。

そこに判決が出され、彼は呼び出されました。

裁判長の前に短剣が置かれていました。
無罪であれば短剣は横向き、被告人の方を向いていれば有罪です。

有罪を悟ったバイアムは、もうどうにでもなーれ、とばかり、
言いたいことを言うことにしました。
ここに及んで、艦長の体罰の実態を訴え始めたのです。
「その暴虐を許せない男が一人いた。
艦長の負けです。フレッチャー・クリスチャンは未だ自由のままです」
「反逆者となった者は言うでしょう。
”奴隷ではなく、自由な英国人として進んで仕事をしたい”と」
言いたいことを言うことにしました。
ここに及んで、艦長の体罰の実態を訴え始めたのです。
「その暴虐を許せない男が一人いた。
艦長の負けです。フレッチャー・クリスチャンは未だ自由のままです」
「反逆者となった者は言うでしょう。
”奴隷ではなく、自由な英国人として進んで仕事をしたい”と」

しかし判決は非情にも彼に絞首刑を言い渡しました。
実際の裁判において、彼のモデルと言われるトーマス・ヘイウッドも、
やはり死刑(マストに絞首される極刑)を宣告されています。

閉廷後、ブライは裁判長に感謝を述べ握手しようとします。
「ブライ艦長、私の意見ではあなたはボートでの航海において、
海軍史に記されるほど見事な指揮を執られたと思う。
そのシーマンシップと勇気は賞賛する・・・・が」
最後のbutを残し、裁判長は彼の握手に応えず去って行きました。

判決を言い渡されたエリソンが戻ってきて、バイアムに
妻子と会うことができたことを報告します。
トーマス・エリソンは故郷に帰るために「パンドラ」に自首し、
裁判では叛乱の際銃を持っていたことを証言されて死刑になりました。
妻子と会うことができたことを報告します。
トーマス・エリソンは故郷に帰るために「パンドラ」に自首し、
裁判では叛乱の際銃を持っていたことを証言されて死刑になりました。

その頃フレッチャー・クリスチャンは、「バウンティ」で
ピトケアン島に新天地を求め上陸しようとしていました。
ピトケアン島に新天地を求め上陸しようとしていました。

追手に見つからないよう、彼は「バウンティ」を燃やしました。
"She makes a grand light."(彼女が盛大に明かりを灯していますね)
"Good English joke."(ナイスイングリッシュジョークだ)
これが最後のセリフです。
どこがナイスジョークなのかわたしにはさっぱりわかりませんが。
前述のように、クリスチャンはこの後タヒチ人の叛乱で
他の5名の元乗組員とともに殺害されることになります。

そしてバイアムはというと、国王の恩赦によって赦免されました。
彼のモデルであるヘイウッドの経歴によると、その後の彼は
急に上級士官たちから寵愛を受けるようになってキャリアを再開し、
順調に出世して退職後は平穏に過ごしたということです。
彼が叛乱にどのように関わったかは当時から不明瞭と言われており、
20歳で処刑されたエリソンのような後ろ盾もお金もない下級船員と違い、
実家は裕福でコネも多く、やり手の弁護士をつけたことが恩赦の理由です。
そのほかに、彼が自分の正当化のために、ブライの人格を貶め、
叛乱を耐え難い専制政治への抵抗として理解できるとし、
その結果彼は無傷で仕事に戻ることができたとする説もあります。

映画は、再び海軍士官として英国のために頑張るぞ!と
意欲を燃やすバイアムの明るい表情で終了します。

実話を掘り下げれば掘り下げるほど、このハリウッド映画における
単純な善悪の決めつけとそのための創作が透けて見え、
ゲーブルのにやけ顔が最後になるほど胡散臭く見えてくる作品でした。
史実を踏まえた上でツッコミながら鑑賞するのも一興かもしれません。
終わり。
彼のモデルであるヘイウッドの経歴によると、その後の彼は
急に上級士官たちから寵愛を受けるようになってキャリアを再開し、
順調に出世して退職後は平穏に過ごしたということです。
彼が叛乱にどのように関わったかは当時から不明瞭と言われており、
20歳で処刑されたエリソンのような後ろ盾もお金もない下級船員と違い、
実家は裕福でコネも多く、やり手の弁護士をつけたことが恩赦の理由です。
そのほかに、彼が自分の正当化のために、ブライの人格を貶め、
叛乱を耐え難い専制政治への抵抗として理解できるとし、
その結果彼は無傷で仕事に戻ることができたとする説もあります。

映画は、再び海軍士官として英国のために頑張るぞ!と
意欲を燃やすバイアムの明るい表情で終了します。

実話を掘り下げれば掘り下げるほど、このハリウッド映画における
単純な善悪の決めつけとそのための創作が透けて見え、
ゲーブルのにやけ顔が最後になるほど胡散臭く見えてくる作品でした。
史実を踏まえた上でツッコミながら鑑賞するのも一興かもしれません。
終わり。