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シリコンバレーのレストラン~「猿も木から落ちる」の謎

2013-09-12 | アメリカ

アメリカやイギリスには美味しいものはない、なんて誰が言ってるんでしょうか。

食べ物で評判の悪いイギリスですが、イギリス人の知人二人が結婚し、
築1000年の古城で結婚式を挙げたのに出席をしたとき、
泊まった田舎のホテルのレストランでは、とんでもなく美味しい鳥料理を出しましたし、
逆に何を食べても美味しかったフランスで、とんでもなく不味いものを出す店もありました。

どんな国にも、探せば美味しいものも不味いものもあるということなんですが、
アメリカ、とくにここ西海岸はジャンクフードも溢れている代わり、
カリフォルニア産のおいしい野菜や果物がふんだんにありますし、
センスのいい料理店も、雰囲気のいいレストランも山のようにあります。


わたしたちはアメリカ滞在中ほとんど外食しません。
美味しいレストランは高いのが当たり前ですし、さらにチップを加えると、
日本のちょっとした食事と
全く変わらない値段になってしまうので。
(その点安くておいしいものがあって、しかもチップなどで「評価」しなくていい日本は
あらためていい国だと思ったりします)


というわけで滞米中の外食は日本からTOが来たときと、現地の友人に会う時だけです。
まだこのシリコンバレー地区には土地勘すらないので、通りすがりによさそうなレストランを見つけては
入ってみただけなのですが、そのどれもが「アタリ」でしたのでご紹介します。



クラシックなリッツとは対極のモダンな雰囲気は、
「フォーシーズンズ・シリコンバレー」。
東京丸の内のフォーシーズンズとはわりと雰囲気が似ています。
こちらは東京の5倍くらいの面積はありそうですが。



夕方まだ明るい時間だったので、誰もいません。
机が一列に並んでいますが、団体の予約が入っていました。
いかにもIT企業の社員、という雰囲気の団体でした。





インテリアも実にシリコンバレーっぽい。
息子はリッツの「古臭い」雰囲気よりこちらが好きだそうです。





待ち時間にipadを見なければいけない用事があったのですが、
アメリカのほとんどの飲食施設と同じく、wifiはフリーです。
キャッシャーに行って、フロントのお姉さんにパスワードをもらいます。



前菜の「桃のサラダ」。

これはサラダというよりデザートではないのか、と思ってしまいそうですが、
食べると甘くないのでやっぱりサラダなんですね。

息子はラテックス・アレルギーで、桃を食べると耳がかゆくなるのですが、
にもかかわらず食べてしまいました。
我慢してでも食べたいくらい美味しかったようです。



これは冷たいスープ、ビシソワーズです。
白い塊は甘くないクリーム。
しつこそうですがそれが実にあっさりとしたお味で絶品。

アメリカ、とくに東海岸でレストランに入ると、サラダと言えば日本の5倍の大きさで出てくるので
とても食べきれない、ということが多々あるのですが、ここシリコンバレーでそのような
「野暮」なお料理の出し方は決していたしません。

このお皿のくぼんだ部分に、少ししか盛り付けられていないので、まさに一口サイズ。
ちなみに浮き身のように見えるのは、ジャガイモなどという無粋なものではなく、
なんとブドウでございます。

アメリカ人は果物をほとんど野菜のように扱う傾向があります。



これも前菜。
グレープフルーツの乗ったイベリコハム。
生ハムと果物って合うんですよね。



メインはこれもほんの少しのニョッキ。
たしか中身はカニだったような。



もう一つのメイン、イカ墨のスパゲティ。



そして、家族三人で一皿だけ頼んだデザート。
これも桃がメインのブラマンジェかムースです。
見た目が美しい。

「リッツよりセンス良くない?」
「俺こっちの方が好き」(息子)
「さすがはIT長者なんかが利用するホテル」



食事が終わってロビーに出ると、ジャージの団体がうろうろしていました。
背中に書かれた字を見て

「ユベントスって・・・・・聞いたことあるけどなんだっけ?」(エリス中尉)
「サッカーチーム」
「どこの?」
「イギリス」

お恥ずかしい話ですが、サッカーに全く興味のないわたしは
ユベントスと言われてもすぐにはぴんと来なかったわけですが、
なにしろそのユベントスの選手がここに泊まっていたというわけです。



もしかしたらこのジャージの男が世界的に有名な選手なのか?



この二人も、サッカーファンならサインをねだってしまうのか?

しかし、実際に実物を見て思ったんですが、サッカー選手って意外なくらい
皆背が低いですね。

昔一時の気の迷いで通っていたトータルワークアウトで、
トレッドミルの上をものすごいスピードで延々と走っている背の低い男性が
あの「キング・カズ」であると知った時には

「わたしと背丈が変わらないんじゃ・・・・」

とびっくりした覚えがあります。
ついでにここにはやたら有名人の客がいるジムだったのですが、
一度、あの清原選手もお見かけしました。
この人はなにしろでかかったです。
体面積が無駄にでかい、という感じで、圧迫感ありまくりでした。

それはともかく、ユベントス、親善試合にでも来ていたんでしょうかね。
ちなみにアメリカ人は総じてサッカーには全く興味を持ちません。


さて、ここスタンフォードで、一度朝ごはんを紹介した、
「メイフィールド・カフェ」。

スタンフォードの教授らしい人たちが両側に座っていたあのカフェですが、
去年初めて行って以来、あまりにも美味しくて雰囲気も気に入ったので、
今年は朝、昼、晩と三回別の日に行ってきました。

時間によって全く雰囲気が変わり、出すものも変わります。



夜に行ったとき。
去年夕食を外で食べて寒さに震えあがったので、今年は室内をリクエストしました。



ここの自慢は生産者と契約して送ってもらう美味しい野菜と自家製のパン。
この野菜は日本ではあまり見たことがありませんが、アメリカではポピュラーで、
「アルグラ」という香草です。
癖があって好き嫌いもあるせいか、このようにアルグラだけで出すところはあまりありません。
しかし、ここのアルグラサラダは、桃のコンフィと合わせて出してきて絶品でした。

向こうはカボチャのスープです。



わたしが頼んだ、「今日のおすすめ」、
アトランティックサーモンのグリル。



そして、家族三人で一つ頼んだデザート、パンプディング。

これは美味しかった!

さすがはベーカリーカフェ、もともとのパンが美味しいのですから、
こういうものが美味しいのも当然かもしれませんが、
何しろ、何を食べても甘すぎるアメリカで、奇跡のように「甘さ控えめ」の日本人好みの味。


ところで、このお食事の時、TOはまだ日本から来たばかりでした。
さあ食べよう、というころ、ちょうど日本はビジネスアワー。
しかもちょうど食事が始まったころ、日本から仕事の電話がかかってきてしまいました。

美味しいお料理が、外で国際電話をし続けるTOの席でどんどんと冷めていきます(´Д`;)

「テイクアウトの箱に詰めましょうか?」

お店の人が見かねて気を遣ってくださる始末。
結局、ぎりぎりになって戻ってきて、いったんつめた箱から出して温めてもらい、
それを食べていました。

いくらなんでもこれでは全く味が落ちてしまったと思われるがどうか。



さて、もう一度ここに訪れたのは、アメリカの友人がLAから会いに来てくれた時です。
このときはランチタイムでした。



にぎわう店内。



お昼には外で食べる人もたくさんいます。



ここはなんといっても「ベーカリーレストラン」という名前が付いているだけあって
パンが自慢。



隣にはパン屋さんが併設してあります。
ランチの後デザートにケーキを買って帰って部屋で食べました。
ケーキは少し甘すぎだったかな。



「TISAN」というのをメニューに見つけました。
フランス語では「チザーヌ」と言いますが、これは生のハーブティーです。
農薬が使えないので、オーガニック農家と契約しているところしか
こういうものを出すことはできません。

ところで、友人と話をしながらわたしは店内を忙しく動き回る一人のウェイトレスの脚に
目が釘付けになってしまいました。



彼女の脚線美に、ではありません。
彼女が左足に入れていたタトゥーです。
それを見た途端

「これは写真に撮るしかない!」

彼女に気づかれないように、カメラをさりげなく向けるのですが、
客のアテンドをしているためなかなかじっとしてくれません。



こんな感じで何枚も隠し撮りをしていたら、知人が、

「もう頼んで撮らせてもらったら?『あなたのタトゥー、クールね』とか言って」

 しかし、この日、日曜日のブランチタイムで外に何組も客が待っている状態、
それをさばくのに文字通り脚を止めるのも時間が惜しいという風情の彼女に
声をかけることは、気の弱い日本人にはとてもできませんでした。

そして、幾多もの失敗を経て、ようやく・・・・。



なぜ彼女がこの文句を選んだのか。
彼女にこのタトゥーを奨めた彫り師は、何人で、意味をちゃんと説明したのか。
なぜこの文句なのに図柄が桜の花なのか。


日本人としては聞きたいことが山ほどありましたが、
日本人だからこそどうしても聞けませんでした。 


 

おまけ*ホール・フーズの日本食品コーナーで見つけたなごみ商品。

中身によって招き猫の色が違う・・・・。

 

おまけその2*
ホールフーズで見つけた豆腐コーナーのサイン。
牛や豚肉みたいに、「部位別」の名前がかいてあります。