2006年 アメリカ作品 123分 東宝東和=東北新社配給
原題:MARIE ANTOINETTE
STAFF
監督・脚本:ソフィア・コッポラ
CAST
キルステン・ダンスト ジェイソン・シュワルツマン リップ・トーン ジュディ・デイヴィス
史劇=陰気くさいという私の勝手なイメージの元、あまり好きなジャンルではありません。
でもこの作品は実際にいた人物、マリー・アントワネットという人物の半生を描きながらも、決して史劇ではないです。一人の女性の話、ガールズ・ムービーです。それが中傷の元にもなりうる要素なんだろうけど、自分はそこが気に入りました。
初めて観たのは劇場公開前の試写会。事実の出来事を並べて歴史を語られただけだったら、いつものように眠気に誘われて夢の中へ落ちていったでしょう…(‐‐).。oO けど教科書で習った人物でありながら、「孤独」という自分もよく感じることのある感情に苦悩する女性、そしてその逃避の仕方も自分に重なるものがある、という親近感が沸く作品で、強烈に印象に残ってた。だから、先日フランスのベルサイユ宮殿へ観光に行った際、「ココが彼女がすごした宮殿かぁ。あ!映画で出てきたあの部屋だ!」と興奮して見学。どんなに有名な美術館や博物館に行っても歴史や芸術に無知なばかりに何も感じられない、という自分には珍しい体験でした。その後に行ったルーヴルはいつも通り。(笑)というわけで、ベルサイユ宮殿へ行った後また観たくなって観ちゃいました。
ソフィア・コッポラは「ロスト・イン・トランスレーション」もそうだけど、「大勢の中にいる孤独」を描くのがうまい。
その孤独って、感じる人・感じない人それぞれいると思う。「周りに誰かいれば孤独じゃない。」と言う人も多い。
でも、自分はそう思わない。物理的に多くの人に囲まれていたって、孤独と感じればそれは孤独だ。むしろ時に、「一人でいる孤独」より「大勢でいる孤独」のが孤独感は強い。
「ロスト~」もこの作品も、主人公は人数では多くの人間に囲まれている。特にこのマリーは24時間誰かに見守られている。でも、彼女の立場になって物を考え、庇ってくれる絶対的な味方は一人もいない。オーストリアにいる実の母でさえ、手紙でさらに追い込むような言葉ばかり寄越してくる。これじゃ逃げ場がどこにもない。
そこでショッピングやパーティー、スイーツやお酒に逃避するっていうのは、自然な流れだと思う。もちろん私のように個人のお財布の範囲内でやってるのとは立場も桁も違っていて、国をつかさどる王の妃が国民から徴収しているお金でそれをやるっていうのはもちろん許されない。だから彼女が辿る末路をかわいそう、とは思わないんだけど、立場が違えばそんな自然な心境と行動を責められることなかったのに、と残念な気持ちになった。
実際にベルサイユ宮殿を観て尚更思ったんだけど、あれだけ広くて煌びやかな宮殿に住んでても、普通のマンションやアパートに住んでても、人間は自分の感情をごまかせない。すべて自分自身の内面にかかっているんだなぁ、と思いました。
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