pure's movie review

鑑賞した映画の感想です。

東京タワー オカンとボクと、時々、オトン

2011-11-30 19:26:57 | 邦画



2007年 日本作品 142分 松竹配給
STAFF
監督:松岡錠司
脚本:松尾スズキ 原作:リリー・フランキー
CAST
オダギリ・ジョー 樹木希林 内田也哉子 小林薫 松たか子


原作だけ刊行当時に読みました。原作は徹夜で読んで泣き明かしてしまい、翌日会社を休んでしまったほどです。
一人っ子、母親の癌、時々出てくる破天荒な父親、、、すべて私自身が経験していることなだけに、書かれていることすべてに共感以上のものを感じました。
今思えば、この作品で、「母親が死ぬこと」の予行練習をさせられたように思う。
やっぱり「宇宙人の到来」よりも恐ろしい、この事態はやってくるんだ、という恐怖を当てつけられ、
そして、これを経験した人でもその先生きていけるんだ、という、勇気をもらえた。
それから三年後の2010年、私も経験してしまった。

TVシリーズや二時間ドラマは観てません。そしてこの劇場版も今回初めて。
本で読んでも、映像で観る気にはなかなかなれなかった。理由は「おくりびと」でも書いたけど、死の匂いのするものを見たくなかった。そして、癌や闘病をお涙頂戴の手段として使う作品は毛嫌いをしているから。そういう作品に触れると、そんなキレイなもんじゃない、と叫びたくなる。この作品も原作は素晴らしくても二時間映画になればそういうものになってるんじゃないか、と思ってた。
でも大丈夫だった。淡々と描かれていて、嫌悪感は感じなかったです。キャストもいい。若い頃のオカンを演じた内田也哉子だけ、さすが親子で樹木希林の若い頃という説得力はあったんだけど、演技力がちょっと×。母性本能を感じさせなかった。
その若い頃のオカンの演技力の問題からなのか脚本の問題なのかは定かではないけど、開始一時間はかなりダレた。
原作では微笑ましい時間で、この頃からのオカンの深い愛情が、後半に行くにつれて胸に突き刺さることになる描写なはずなのに、映画版ではかなり退屈。リリー・フランキーの少年時代の子役にもしっくり来なかったかも。小林薫だけが存在感を放ってました。こういう役どころの小林薫って初めて見た。「秘密」のような、気弱なお父さんのイメージしかなかった。すごい役者だなぁ、と感心。
後半は文句なし。涙こそ出なかったものの、リアルだなと思った。

でもやっぱり心境って、一番本、文章が表現できる手段だと思う。
闘病中のあの葛藤、怒り、そして亡くなった後の喪失感、孤独感、悲しみ、謝罪、それは映像では表現に限界がある。
文章には文章の、映像には映像の利点があるものだけれども、この作品はやっぱり文章の利点が大きくて、原作にはどう映像化しても適わない。そう思いました。

 
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ステキな金縛り

2011-11-06 01:40:40 | 邦画



2011年 日本作品 142分 東宝配給
STAFF
監督と脚本:三谷喜幸
CAST
深津絵里 西田敏行 阿部寛 竹内結子 中井貴一 浅野忠信 市村正親


よくもまぁ、こんな設定でこんな面白い脚本が書けるなぁと、もちろんいい意味で呆れました。
最近この映画の宣伝で三谷さんをやたらとTVで見かけ、どこまでがネタで、どこまでが地なのかと疑ってたけど、すべてが地なんだろうなぁ。
数年前、友人が品川のお蕎麦屋さんで偶然三谷さんを見かけたらしいのですが、思いっきり「三谷幸喜」と書いた封筒をこれ見よがしに抱え、あのいつもの背広姿で、「気付いてくれ」と言わんばかりの存在感を醸し出してたらしいです。(笑)

話が反れましたが、今まで観た三谷作品の中で一番好きかもしれない。
冒頭で、深津絵里ことエミが自分の部屋で朝目覚め、彼氏に「おはよう」の挨拶もそこそこに、家を飛び出すシーンでは「あれれ??」と思った。
主人公のプライベートが書かれるのも、場所が限られた空間じゃないのも、何だか三谷作品らしくないぞ??と。
何だかフツーの映画っぽーい!ヤダヤダ、三谷さんしか出せない、舞台を見てるようなあの独特な技法じゃなくなっちゃったのー!?とがっかり。
でも物語が進むにつれてそれは無駄な心配だったとすぐ考え直した。だって、いつも通り三谷節炸裂だもん。
ご臨終のシーンであんなに笑わされた作品も初めて。死後の世界もほんとタイトルどおり「ステキ」に絡まれていて、何だか死ぬのも悪くないなぁなんて思える。

ザ・マジックアワー」では、「深津絵里が三谷作品に馴染んでない。」だなんて書いてしまったけど、今回撤回です。
すごくよかった。
そして西田敏行、唐沢寿明、戸田恵子、佐藤浩一など、お馴染みのメンバーもしっかりと脇役を固めていて、とにかく豪華すぎ。
ただの憶測なんだけど、三谷さん、映画、そして面白いことが好きな人たちが集まって、全力でバカを演じてるんだろうなぁとすごく好感が持てる。目の前にあんな個性的な落武者(西田敏行)がいるのに、見えない設定のキャラを演じた俳優さん達の技量がすごいと思う。

映画館から帰ってきたらTVで同じキャストで作られた「ステキな隠し撮り」がやってたので、続けてそちらも観てしまいました。
同じキャストだけど、設定やキャラクターはまったく映画と関連性なし。けどしっかり映画の宣伝を織り込ませてる。三谷さんお得意の限られた空間での群集劇。こちらも面白かった。そして意外な三谷さんの演技力も垣間見れた。演技自然すぎです。変な人だけど、いろんな才能に恵まれた人なんだなぁ。

あー面白かった!!!


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ナイト&デイ

2011-11-03 21:31:30 | アメリカ映画(な行)



2010年 アメリカ作品 109分 20世紀FOX配給
原題:KNIGHT AND DAY
STAFF
監督:ジェームズ・マンゴールド
脚本:パトリック・オニール
CAST
トム・クルーズ キャメロン・ディアス ヴィオラ・デイヴィス ピーター・サースガード ポール・ダノ


久々に映画鑑賞するといいことが一つだけある。
それは、どんな映画も面白く感じること。
一ヶ月ぶりの映画鑑賞で、すごく興奮しちゃいました。最近忙しくてなかなか観れなかった。も~一ヶ月も観ないと体が映画を求める!!

なんて言ってしまうと、実際はあまり面白くない作品だと言ってるようなもんですが、この主演二人ならどんな映画も華やぐよね。
似たような内容で、タイトルまで似てる「キス&キル」より私は好きです。
最後にはジューン(キャメロン・ディアス)がロイ(トム・クルーズ)を出し抜くのも気が利いた脚本で面白かった。
眠りこけてる間にビキニに着替えさせられただなんて、女としては大ショックだもん!

でもちょっとこの内容の主演を演じるにはちょっと二人ともお年が…。
ビジュアル的には「キス&キル」のアシュトン&キャサリン・ハイグルのコンビの方が違和感はなかったな…。


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