2008年 アメリカ作品 119分 パラマウント配給
原題:REVOLUTIONARY ROAD
STAFF
監督:サム・メンデス
脚本:ジャスティン・ヘイス 原作:リチャード・イェーツ『家族の終わりに』
CAST
レオナルド・ディカプリオ ケイト・ウィンスレット キャシー・ベイツ マイケル・シャノン キャスリン・ハーン
男性と女性では、評価が分かれる映画だろうなぁ。
なんて感想を書き始めてしまったら、
マディソン郡の橋や
いつか眠りにつく前にと同じ感想で、「ボキャブラリーがないね。」なんて言われてしまいそうですが
でもその通りだった。実際、あたしはもう感情移入し過ぎで2時間全神経集中の映画鑑賞だったのに対して、一緒に観に行った彼は「で?結局何が言いたいの?つまらない。」との感想でしたからね(^^;)
おそらく、男性から見れば、エイプリルの言葉や行動はすべて突発的で狂気沙汰に見えたと思うのだけれども、女性から見ればすべて理解出来るし計算ずくの行動だったと分かる人も多いはず。エイプリルの感覚や感性や考え方は、恐ろしく自分にそっくりだったため、自分は尚更だった。「自分も含めてみんな偽者の人生を送っている。ただ自分がみんなと違う点は、そこに正直に目を向けて、どうにかしようと思えるとこだ。」「とにかくここから抜け出したい。環境が変われば上手くいくはず。」というエイプリルの言い分は、正直図星だった。頭のどこかでは、「自分も凡人。みんなと同じ。」「どこに行っても上手くいかないものは上手くいかない」と分かっているのだけれども。
そして、この手の作品は、語弊があるかも知れないけど「死者は勝利」だと思った。だって、なかなか理解されない言動だからね。ただ毎日の生活の中でグチを言ってるだけでは、「ワガママな人」「狂ってる」と、それこそ精神科受診を勧められてしまうから。自分に正直なだけなのに。だから「死ぬ」ことによって、いかに本気だったかを人々の心の中に刻み込めるのだと思う。結局「死んでしまったら何にもならない。」という結論に毎回達するのだけれども、自分も何度か考えた道だな。このテーマは、短大時代に「女性史」のクラスで論文を書いた、ケイト・ショパンの「目覚め」を思い出させる。このご時世でもまだ「女性の幸せは男性次第」という考えが根強い意識なのだから、ケイト・ショパンの時代やこの映画の50年代なんて尚更だったと思う。「普通」に染まれない女性にとっては生きづらい時代だっただろうな。
ところで、公開前から期待大にして公開日に意気揚々と観に行ってしまったのはやっぱりこの
タイタニックのキャスト。主演二人だけに留まらず、キャシー・ベイツまで出てるのだから監督の遊び心を感じる。しかもこの監督は実際のケイト・ウィンスレットの夫。そしてレオは、タイタニック以降はスコセッシ監督作品を始めとする男臭い作品ばかりで、こういう「普通の男性」を演じるのは本当にタイタニックぶり?んもーそんなサイドストーリーだけで盛り上がっちゃいました!
こういう内容だとは知らず、ジャックとローズのその後が見れちゃうのかな~♪なんて軽い気持ちで観に行ってしまったんだけどね。(笑)でもすっごくいい映画でした!
観てる途中から、書きたいことがボロボロ出てくる作品だったので予想はしてたけど、やっぱりめちゃくちゃ長いレビューになった
【字幕翻訳:戸田奈津子】