pure's movie review

鑑賞した映画の感想です。

愛を読むひと

2009-06-30 01:08:58 | アメリカ映画(あ行)



2008年 アメリカ・ドイツ作品 124分 ショウゲート配給
原題:THE READER
STAFF
監督:スティーヴン・ダルドリー
脚本:デヴィッド・ヘア 原作:ベルンハルト・シュリンク『朗読者』
CAST
ケイト・ウィンスレット レイフ・ファインズ デヴィッド・クロス レナ・オリン


戦争を経験したわけでもなければ、歴史にも疎いので、時代背景を考えた難しい感想を語ることが出来ないのだけれども、ただただ驚いたのはオスカーを受賞したケイト・ウィンスレットの演技と存在感。「レボリューショナリー・ロード」のエイプリルと併せて神経が磨り減ってしまいそうな複雑なキャラクターを、同じ年に演じたというのが驚きです。

この作品のキーワードは「信念」になるのかな。
ハンナの、不当な罰を受けてでも明かすことの出来なかった秘密。そして、そんな彼女のプライドを何よりも尊重したマイケル。二人で語り合う事はなく、朗読という形でしか交わらない二人の強い信念が、この余韻を残す美しい物語を作り上げたのだけれども、やはり語り合ってほしかったと思ってしまう。彼女の秘密を表沙汰にしてでも、罪を軽くしてほしかったと思ってしまう。彼女が文字を学び、自分の気持ちを短文だけれども必死に手紙で投げかけた時、マイケルに応えてほしかったと思ってしまう。「過去のことを考えたことあるか?」という質問に、はにかんだ表情で「私たちのこと?」と訊き返した彼女に、「私たちのことではない。」と突き放したような口調をして欲しくなかった。幼稚な感想だけど、エイプリルの最後の悲しい決断を思うと、どこかでどちらかが感情を爆発させてればっ!と思ってしまう… んまぁ、それじゃあ悲哀なストーリーが成り立たないんだけど。(苦笑)ケイトの演技のおかげで好感がもてたハンナに入れ込んでしまっただけに、そんな現実的なことを思わざるをえなかったです。

ハンナが裁かれるきっかけになってしまった本の執筆者でもあり、原告でもあるイラナ・メイザーとマイケルのラストのやりとりも感慨深かったです。決してハンナを許すわけではないけれども、お金はハンナと同じ様な境遇の人に寄付し、缶は受け取るという誠意が溢れた対応に感動しました。

【字幕翻訳:戸田奈津子】


ハニーVS.ダーリン 2年目の駆け引き

2009-06-21 15:05:19 | アメリカ映画(は行)



2006年 アメリカ作品 106分 劇場未公開
原題:THE BREAK-UP
STAFF
監督:ペイトン・リード
脚本:ジェレミー・ガレリック ジェイ・ラヴェンダー
CAST
ヴィンス・ヴォーン ジェニファー・アニストン ジョーイ・ローレン・アダムス ジョン・ファヴロー


今年に入ってから、ベン・スティラー、オーウェン・ウィルソン、そしてジェニファー・アニストンと、ラブコメを得意とする3人の出演作品をピックアップして観てるのですが、同じジャンルを見てると必然的に共演者も同じ人なことが多い。どさくさに紛れてヴィンス・ヴォーンの作品も何作品目になるだろ?

今回も劇場未公開のジェニファー・アニストン作品なのでちょっと不安はあったけど、「ベガスの恋に勝つルール」を思い出す作品で面白かった。毎日勃発する喧嘩の要因は1つ1つを見れば取るに足らないくだらないことばかりなんだけど、一度スイッチが入ってしまえば歯止めがきかないんだよね。もう何を言ってもやっても無駄。すべてが気に入らない。なんなら息してるだけでも気に食わない。(苦笑)相手を説得させるためだったはずの話し合いや行動が、いつの間にか相手を傷つけることが目的になってしまう。やっと冷静になって譲歩してせっかくコンサートに誘ったのにそれもすっぽかすだなんてもう絶対許せない!!!∑( ̄皿 ̄;; ンガァーーー!!!と、ブルックに感情移入しまくり。(笑)

よく同じ状態に陥ってしまう彼と観てみるといいかも。(苦笑)
まぁ陥ると言っても、勝手に自分だけブルック状態になってるだけなんだけど。(苦笑)やさぐれちゃう時、たまにあるんだよねぇ。

ジェニファー・アニストンはやっぱりキレイ

【字幕翻訳:?】


ターミネーター4

2009-06-21 14:26:48 | アメリカ映画(た行)


2009年 アメリカ作品 114分 ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント配給
原題:TERMINATOR SALVATION
STAFF
監督:マックG
脚本:ジョン・ブランカトー マイケル・フェリス
CAST
クリスチャン・ベイル サム・ワーシントン アントン・イェルチン ムーン・ブラッドグッド ヘレナ・ボナム=カーター


なんじゃ、こりゃ。ターミネーターシリーズをおさらいして楽しみにしてたのになんじゃこりゃ~~~~ヾ(*`Д´*)ノ" これはもはやターミネーターシリーズというよりはターミネーターの設定を借りた戦争映画としか思えない。いくら今までのシリーズとは別の新三部作(になるのか?)とはいえ、もう少し今までのシリーズの雰囲気を大切にして欲しかった。T3がセルフパロディが過剰と言われてるみたいだけど、続編を作るのであればこんな一切雰囲気を残さない作品よりセルフパロディが過剰なくらいなほうが許せる。これじゃ宇宙戦争かトランスフォーマーじゃないかー。SFや戦争映画が苦手な自分が楽しめるドラマがこのシリーズにはあったのに、今作はまさにその苦手なジャンルの作品になってしまってた。

未来からターミネーターが送られてきて大暴れという今までのスタンスではなく、初めて審判の日以降の「現代」を書くのだから、ストーリー展開の仕方が異ならざるを得ないのは分かる。でも、ジョン・コナーやケイトなど、登場人物は同じなのだから、まぁ、キャストを変えるのはいいとしても、もうすこし性格とか前作までの面影を残して欲しかった。どのキャストに対しても全然愛着が湧かない。ちょろっとCGで出てきたシュワちゃんが一番愛着湧いたしワクワクしちゃったよ。(苦笑)T3のジョン・コナー(ニック・スタール)より今回のジョン・コナー(クリスチャン・ベイル)のが確かに容貌はカッコいいけど、好きになれなかったなぁ。クリスチャン・ベイルの生意気な発言連発なインタビューを見て本人が好きになれないのも大きな要因かも?自分の命をかけて蘇生したマーカスの命なのに、ラストの彼の申し出にあっさり受けてしまうのも、「あれ?( ̄  ̄;)」なんて肩透かしを食ってしまいました。

これからも続くであろう続編は観ないかもなぁ。でもジョンがカイルを1984年に送る、T1に続くシーンがあればぜひとも観たいし、マックGがインタビューで「リンダ・ハミルトンに出演してもらいたい。」なんて発言してたのが気になります。

【字幕翻訳:菊地浩司】

ターミネーター3

2009-06-19 00:15:26 | アメリカ映画(た行)


2003年 アメリカ作品 110分 東宝東和配給
原題:TERMINATOR 3: RISE OF THE MACHINES
STAFF
監督:ジョナサン・モストウ
脚本:ジョン・ブランカトー マイケル・フェリス
CAST
アーノルド・シュワルツェネッガー ニック・スタール クレア・デインズ クリスタナ・ローケン


大体世間で面白いと評判の映画は観てみると確かに面白いし、評判の悪いものは同じくつまらないと思えるものですが、例外的にこの作品だけは世間の評判と相反して自分にはすごく楽しめてしまいました~ 5年くらい前に観たときも「なんだ、面白いじゃん。」と思えたし、今回も「やっぱり面白いじゃん。」と。SFアクションはあまり観ないジャンルだから免疫がないのかも~。(笑)

その評判の中には、ジョン・コナーのキャストの不満と、サラ役のリンダ・ハミルトンの不在=クレア・デインズでは普通過ぎと、主演二人に対しての酷評が多いようですが、自分は全然気にならなかったなぁ。確かにエドワード・ファーロングが成長してニック・スタールは無理があると思うけど(笑)、生まれた頃から「あなたは未来の人類の統率者なの。」と重すぎる責任を背負わされ、その重荷に耐え切れなくなり人生を謳歌出来ない青年、という設定にはぴったりのくたびれ感を出してたと思います。褒めてるのかけなしてるのか分からないコメントですが クレア・デインズも、いきなり悲劇に巻き込まれてしまった普通の女性なんだから、変にでしゃばらなくて良かったと思う。むしろ、婚約者も父親も失ってしまった後半には、ジョンの銃を奪い取って敵を打ち落とすというサラに通じるたくましさも出てきたし。女は強い!

女ターミネーターのクリスタナ・ローケンは本当に美しかった!映像特典の出演者のコメントで、シュワちゃんが「(登場シーンの)彼女のヌードがあれば、自分のヌードはいらないだろうと思った。」なんて言ってましたが(笑)、確かにすばらしい肉体美でした でもシュワちゃんあまかったね。シュワちゃんの素っ裸の登場シーンもターミネーターシリーズには欠かせないシーンなのデス。というわけでシュワちゃんのヌードで登場シーンも引き続きあったわけですが、1から20年経ったと思えないほどのこれまた肉体美 そのコメントで「すごくプレッシャーだった。」と5分くらい熱く語ってたけど(笑)、確かに1よりも未来型の機械のターミネーターが老化してたらがっかりだもんね 本当にものすごいプレッシャーだっただろうなと思います。

最後に「また会おう。」とジョンに言うシュワちゃんだけど、ジョンに言わせてみれば未来にシュワちゃんに殺されるという情報を聞かされてしまったんだから会いたくないよなぁ。(笑)

これで4へのおさらいバッチリじゃー!観に行くぞーー!!

【字幕翻訳:?】

ミッドナイト・ラン

2009-06-14 01:48:14 | アメリカ映画(ま行)



1988年 アメリカ作品 126分 UIP配給
原題:MIDNIGHT RUN
STAFF
監督:マーティン・ブレスト
脚本:ジョージ・ギャロ
CAST
ロバート・デ・ニーロ チャールズ・グローディン ヤフェット・コットー ジョン・アシュトン


自分はあまりバラエティ番組を観ない方なのですが、たまたま観ていたしゃべくり007という番組で、確かネプチューンの原田さんが大絶賛してた作品。しかも原田さんだけではなくスタジオにいた他の芸人さんも皆大絶賛。「ならば観てみよう!」と思うも皆同じこと思うのでしょうか、番組OA翌日からオンラインレンタルもTSUATYAも全然借りられやしない(^^;)

それでやっと観ることが出来ました!
う~~~ん。男の人が好きそうな作品・・・。そして女のあたしから見れば、同じ監督の「ビバリーヒルズ・コップ」や「リーサル・ウェポン」とあまり相違ない 凹凸コンビが繰り広げるアクション映画って80年代多いよねぇ。そしてそれらはどれも大ヒット。ちなみにあたしにとってはどれもイマイチ

とぼけた会計士、いい味出してるなぁ。デ・ニーロ、若いなぁ。


・・・以上。(苦笑)

【字幕翻訳:岡枝慎二】


ターミネーター2

2009-06-14 00:55:15 | アメリカ映画(た行)



1991年 アメリカ作品 137分 東宝東和配給
原題:TERMINATOR 2: JUDGMENT DAY
STAFF
監督:ジェームズ・キャメロン
脚本:ジェームズ・キャメロン ウィリアム・ウィッシャー
CAST
アーノルド・シュワルツェネッガー リンダ・ハミルトン エドワード・ファーロング ロバート・パトリック


裸で登場、車で突っ込む、I'll be backのキメ台詞などなど、
前作からお馴染みのシーンが多々あるも、全然規模が違います 制作費が10倍になっただけあるねぇ~! 多分前作を製作したときにはシリーズ物にする予定がなかったためか、後々の作品で必要になる知識は今作に詰め込まれてるね。この前、前作を観た時、「審判の日」や「スカイネット」の説明がないなぁ~(・_・?)と思ってたんだけど今作でバッチリです。3をおさらいしなくても4平気かな!?すごく評判がいいみたいだから、早く劇場へ行きたい

前回完全無敵に思えたシュワちゃんが頼りなく見えるほど、ロバート・パトリックの執拗さにも驚かされたけど、一番驚かされたのはリンダ・ハミルトン演じるサラのたくましさ。ただのウエイトレスだったのにねぇ。役作りのためにあれだけの筋肉をつけたのかな?ちなみに金網ごしに子供と遊ぶサラを見つめるサラ、というシーンがあるけど、あれはリンダ・ハミルトンの一人二役ではなく双子の姉?(妹?)だとかいう情報を今ネットで見つけました。本当でしょうか??

今回はたまたまTV放送されたのを観たため、16分の未公開映像が追加された特別編ではありません。大分前に特別編を観てるんだけど忘れちゃったし、大事なシーンもあるようだからまた観たいなぁ。

【吹き替え翻訳:鈴木導】


改訂新版 死ぬまでに観たい映画1001本 対象作品
(スティーヴン・ジェイ・シュナイダー著/ネコ パブリッシング)


ウエディング・クラッシャーズ

2009-06-12 00:07:30 | アメリカ映画(あ行)



2005年 アメリカ作品 119分 劇場未公開
原題:WEDDING CRASHERS
STAFF
監督:デヴィッド・ドブキン
脚本:スティーヴ・フェイバー ボブ・フィッシャー
CAST
オーウェン・ウィルソン ヴィンス・ヴォーン クリストファー・ウォーケン レイチェル・マクアダムス


ドッジボール」ではハチャメチャな連中の軌道修正役だったヴィンス・ヴォーンが、今作ではオーウェン・ウィルソンよりはっちゃけてるっ でも、はっちゃけてるヴィンス・ヴォーンより、やっぱりオーウェンのがウザイ。(苦笑)ウザイけど愛嬌のある顔のせいでついつい許してしまい、結局振り回される。そんな犯人役をやらせたら彼の右に出る人いないんじゃないか???タイトルがウエディング・クラッシャーズ(結婚式荒らし)とあり、そのタイトル通り二人であらゆる結婚式に潜り込んでは女漁りをする二人なんだけど、一番の荒らしは最後のジェレミーの結婚式のジョンの行動だと思う。親友の結婚式に遅れてやって来た上に、出席者全員の前で新郎新婦の誓いを無視して自分の愛を大告白。大迷惑じゃい。

まぁ、気軽なコメディなんだけど、お葬式に参列して女を落とすとか笑えないネタも多くてあまり楽しめなかったのが正直なトコ。ウィル・フェレルの笑わせ方って苦手かもなぁ…。なんて言いながら「俺たちフィギュアスケーター」はツボだったんだけど。(笑)

【字幕翻訳:?】


明日の記憶

2009-06-06 23:30:32 | 邦画



2006年 日本配給 122分 東映配給
STAFF
監督:堤幸彦
脚本:砂本量 原作:荻原浩『明日の記憶』
CAST
渡辺謙 樋口可南子 吹石一恵 坂口憲二 水川あさみ 香川照之 大滝秀治 及川光博


今、荻原浩さんに夢中になり、彼の作品を片っ端から読んでるとこです。本当に引き出しの多い作家さんで、ユーモアに富んでいるのは共通して言えることだけれども、どの作品も全然世界観が違う。特にこの「明日の記憶」は「ハードボイルド・エッグ」を読んだ直後のせいもあると思うんだけど(笑)、同じ作家が書いたものとは到底思えなかった。この原作に渡辺謙さんが自身の闘病生活と照らし合わせて共感し、荻原氏に「映画化したい」と熱烈アプローチをしたそうです。多分、ただのお涙頂戴ものではなく、絶望に陥ってみたり希望を持ってみたりの繰り返しの不安定な心境や、周りの人々の裏切りや冷たさ、そして温かさがリアルに描かれている所が謙さんの心に触れたのではないかな?家族と闘病生活をおくっている自分もその点にすごく好感が持てた。映画やドラマの中の「病気」って、ともすれば感動や涙を誘う道具として軽々しく使われがち。そういう意味で、今上映されている余命1ヶ月の花嫁は本には感動したけれども映画はどうしても観る気になれません。

前置きが長くなってしまいましたが、原作で感じた好感を映画でも感じる事が出来るのか?「トリック」や「自虐の詩」の堤監督がどう映画化するのか?と不安と期待を持って観てみましたが、よかったです。原作に引き続き、好感のもてる作品でした。謙さんはやっぱりうまい。謙さんが涙を流すシーンは必ず涙を誘われてしまいました夫の前では涙を見せないように献身的に支える妻の姿にも涙 でも原作同様、悲しいだけではなく、前向きになれて希望を持てるエピソードも忘れない。記憶をなくして妻の姿を見ても素敵と思えたり。過去に思ったように、名前もいい名前だと思えたり。

ところで実は謙さんの出演してる邦画って初めて観たかも? 「ラストサムライ」とか「SAYURI」とか、気付けばハリウッド映画の出演作ばかり観てました。でも余談ですが、実は仕事で彼が出演している某CMの撮影現場の見学をさせてもらったことがあるんです。その時お会いしたのですが、ものすごくいい方でしたよ。本番中は勿論真剣な表情でも、「カット!」のひと言と同時に笑顔になり、スタッフと気さくに話し、待ち時間もスタッフが立ってれば座らずに一緒に立ってる。挨拶もスタッフ全員に笑顔で。思わず惚れそうになりました(笑)そんな、本人を目の前にして好きになってしまった俳優さんが、この主人公を演じてくれて本当に良かったなぁ~。