かつてのひまな野球人の記

野球が好きだった医者が書きたいことを書き散らすブログ。今は保健センター教員をしつつ神経内科医と研究者もやっています。

最初の3連戦~外科1・外科3・外科2本試験

2006年08月25日 20時40分51秒 | 試験
昨日危惧していた通り、出かける頃に見事に天気は雨になった。まったくふざけてもらっては困る。しかも、地下鉄で行ったら本郷三丁目に着いたときにはもちろん雨はやんでいる。
さっそく出鼻をくじかれたようになってしまったが、今日は外科5科目のうちの3科目の試験があった。外科学系統講義の試験なのだが、担当する医局によって別々の試験を作るので3つあるわけである。外科1=血管・腫瘍外科、外科2=肝胆膵・移植外科、外科3=乳腺・内分泌外科なのだが、何でこんな分け方になっているかというと要するに旧第一外科、旧第二外科、旧第三外科というわけで。
さて、久々に学校に行ったわけだが、臨床講堂に何も変わりはなかった。当たり前だが。午前中に外科1と外科3の試験があった。
外科1は血管外科から記述2問(慢性下肢動脈閉塞症の症状の分類と診断、深部静脈血栓症の診断)と腫瘍外科から記述4問(良性腫瘍と悪性腫瘍の生物学的特徴を列挙、結腸癌の部位による症状、汎発性腹膜炎の診断と治療、外科的感染・SIRS・敗血症の定義)だった。こういう出題形式というのは事前にあまり把握していなかったので、この試験はけっこう大変だった。試験時間は1時間半だったが、半分ほどで退出した。
外科3は面食らう問題が多かった。バセドー病の手術適応を5つも知っているはずがない。せっかくNissen法とToupet法を覚えたのに出なかった。BilrothⅠ・Ⅱ法もしかり。乳癌と甲状腺癌の型も出なかった。原発性アルドステロン症の血液所見なんてシケプリにはなかったような気がするのだが・・・。乳癌のところは選択問題になっていた。他に出題されたのは、食道癌の治療法3つ、再建経路3つ、再建に使う臓器3つ、胃癌の治療法とその適応を4つ、胃周辺の動脈の図示、甲状腺乳頭癌の手術の際の頸部リンパ節郭清の後におこった眼瞼下垂の徴候名と傷害したと思われる神経の名前、etc.であった。前の試験にくらべると比較的楽な試験だった。だいぶ肩すかしはくらったが。
午後に外科2の試験があった。外科2は外科の歴史、肝臓・門脈・脾臓、肝移植、胆嚢、膵臓から各20点ずつの出題である。問題の記憶が残っているうちに記しておきたい。
外科の歴史はハーヴェイがとなえた理論とその根拠、リスターのやったこととその内容、その基礎になった仕事とそれをやった医学者の名前、ヒポクラテスが消毒に用いたものの4つだった。
肝臓・門脈・脾臓からは3つの症例が出て手術適応があるか、あれば切除形式を述べる問題、肝臓の外科的解剖(血管や亜区域の番号)、前類洞性肝前性門脈圧亢進症を起こす疾患。
肝移植からはレシピエントの合併症3つ、ドナーの左肝グラフト摘出手術の簡単な手順、肝移植の適応となる疾患3つ。
胆嚢からは少なくともここ2年出題されていた胆管系の解剖学的位置についての問題と多肢選択問題。
膵臓からは膵臓の発生が出題されず、膵頭部癌と膵体尾部癌それぞれの特徴的な症状と膵頭十二指腸切除術と幽門輪温存膵頭十二指腸切除術それぞれの利点・欠点。
といったところである。実はこの試験は過去問からの部分が結構大きく、他の問題も単語を覚えていれば何とかなるものが多かったので、意外に楽だったような気がする。
土曜日と日曜日をおいて、次は脳神経外科と胸部外科の試験が待っている。あともう一息。