かつてのひまな野球人の記

野球が好きだった医者が書きたいことを書き散らすブログ。今は保健センター教員をしつつ神経内科医と研究者もやっています。

経験上「知っている」

2006年08月05日 20時43分59秒 | 雑談
ふと考えていたのだが、ヒーローとは完全無欠でなければならないのだろうか。だが、完全を追求すれば現実味は薄れていく。完全と現実は相容れないからである。となれば、現実との乖離もまた甚だしいものになる。神話に出てくる人間の英雄はそうではなく、欠点がありそれだからこそ現実に近くて受け入れやすいのかもしれない。
そう、人は追求はしても究極に到達することを望まないのかもしれない。極限値はあっても、そこには永遠に到達しない数列のように。究極に到達してしまえば、もはやそれは人ではないのである。なぜなら、「完全な人はいない」と知っているから。経験上ありえないと思っているからである。
人間業とは思えないような仕事を成し遂げる人もいる。その仕事だけをとらえれば確かにそうだろう。だからといって、その人が人ではないように思えるかといえば、そんなことはないと思う。やはりどこかで「人間らしさ」が現れているのだと思う。
人が人としてみられるには、やはり「人間らしく」なければならないということだろうか。