2009年8月に在米韓国人(イリノイ工科大卒業で、IT関連会社勤務)と極秘結婚したことで話題になった韓国女優のイ・ヨンエさん(이영애、李 英愛)にお子さんが誕生予定なのだそうです。おめでとうございます。彼女の所属事務所が7月23日に明らかにしました。2005年7月に公開された映画「親切なクムジャさん(親切(친절)한 金子氏(금자씨))」でクムジャ役を演じた後に、女優としての活動を休止し、入籍後の2009年9月に漢陽大学演劇映画科大学院の博士課程に入学し、学業に専念してきたイ・ヨンエさんは、日本では「宮廷女官チャングムの誓い」のヒロイン役で知られています。
韓国の民放局「MBC(文化放送(문화방송、ムナバンngソン))」が2003年9月から2004年3月まで半年間放送した韓国ドラマ「宮廷女官チャングムの誓い、原題:大長今(대장금、テジャングム)」」は日本では幾度かNHK-BS2で放送されていますが、最近では2007年1月から2008年2月まで放送されました。いまGyaO!”では、毎週3話ずつ無料視聴ができます。
「反正(반정、パンジョンng)」という言葉があります。「正しい道へ反す」こと、「正しい状態に戻す」ことをいいます。1506年(燕山君12年)9月2日に起った「中宗反正(중종반정、チュンngジョンngバンジョンng)」は、暴虐な君主であった「燕山君(연산군、ヨンサングン)」を追放した出来事です。このときに、「任士洪(임사홍、イム・サホンng)」は反乱軍(反正軍)に誅殺されています。
任士洪は、朝鮮王朝第9代君主「成宗(성종、ソンngジョンng)」の在位期間には閑職に甘んじていましたが、第10代国主「燕山君」が即位すると、息子「任崇載」のつてで、位を上げます。側近となった任士供は、権力の掌握を狙って、燕山君に生母尹氏の死去(強要されて服毒自殺、1482年)の経緯を先王「成宗」によって口外を禁じられていたにもかかわらず告げます。亡き母の遺品を見せられた燕山君は激怒し、母の死にかかわった関係者の処罰を命じます。多くの要人が死刑や流刑に処されることになります。1504年(燕山君10年)のこの出来事を「甲子士禍(갑자사화、カッチャサファ)」といいます。
成宗の側近であった「朴元宗(박원종、パク・ウォンジョン)」は、燕山君の治世のときにも位階を上げて行きますが、姉の死に関して、燕山君を恨むようになります。燕山君に左遷されていた「成希顔(성희안、ソンng・ヒアン)」や「柳順汀(유순정、ユ・スンジョンng)」を誘い、クーデターを起こします。このクーデターは成功し、燕山君は廃位・追放され、燕山君の異母弟で18歳の「晋城大君(진성대군、チンソンngデグン、中宗)」が即位し、後世「中宗反正」と呼ばれることになります。
反正軍(반정군)은 燕山君(연산군)을 밀어내고 晋城大君(진성대군)이 即位(즉위)하니 그가바로 中宗(중종)임금이다. (反乱軍は燕山君を追放し、晋城大君が即位し、彼は中宗となった。)
この「中宗反正」が「宮廷女官チャングムの誓い」第3話の背景となっています。上記の文言は、ドラマの中で、字幕として表示されます。
「禁軍」とは、王の住む所「禁中(禁裏)」を守った近衛軍を総称していいます。軍の精鋭を選抜して近衛軍を構成するが通常です。朝鮮王朝(李氏朝鮮)では、第3代国主「太宗(李成桂の5男、태종、テジョンng、Taejong」が1407年(太宗7年)に王の傍について王を護衛する「内禁衛(내금위、ネグミ、naegumui)」を設置しました。その兵力は、60人から200人と変動があり、第9代国王「成宗(燕山君の父、성종、ソンngジョンng、Seongjong」の時に、「経国大典」の「兵典」では、190人であったようです。
ドラマの中で、ヒロイン「チャングム(長今、장금)」の父親の「徐天壽(ソ・チョンス、서천수)」は、この「内禁衛」の軍官でした。王の命を受けて、尹氏に自害を強要する場に立ち会うことになってしまいます。チョンスは、職を辞して、人の目を避けて、最下層の階級であるとしての「白丁(ペクチョン、ペッチョン、백정)」として暮らしています。しかし、「甲子士禍」における官憲の追及の手は迫っていました。
チャングムは、学ぶことの好きな娘でした。母親の「朴明伊(박명이、パク・ミョンイ)」は、王宮で王や王妃に出す食事を調理する「水剌間(수라간、スラッカン)」に勤める女官でしたが、「仁粹大妃(成宗の母親で燕山君の祖母、(인수대비、インスデビ))」に差し上げる食事に生のトリカブト(鳥兜)の根とセンキュウ(川弓)が混入されているのを目撃します。上司である「崔尚宮(チェ・サングン)」に報告しますが、それは「犯人」に通報したことになってしまい、秘密の露見を恐れた「崔尚宮」らに毒を飲まされます。
命を取り留めた「朴明伊」は逃げ延びて、「徐天壽」と出会い、夫婦となります。二人とも身を隠すことでその命を狙われずに済んでいたのでしたが、幼い「チャングム」が2人を死に追いやることになってしまいます。父親の「徐天壽」はチャングムにせがまれて祭りの相撲に出たことで身分が露見し、官憲に捕まってしまいます。都に引き立てられていく夫に会おうとした「朴明伊」は、人前にその姿を晒すことになってしまい、「崔尚宮」の放った刺客に殺されてしまうのです。
天涯孤独となったチャングムは、ふとしたきっかけで醸造業を営み宮廷にお酒を納入している「姜九、강덕구、カンng・ドック)」夫妻の養女になります。後の中宗である「晋城大君」(任士洪の監視下にあった)にクーデターの企てをお酒の瓶に貼ってあるラベルによって伝える役を引き受けることになります。この功により、チャングムは母が勤めていた「水剌間」で働く「女官」になるチャンスを与えられることになったのです。
普段、連続ドラマを見ない私がこのドラマに嵌っていると、妻に冷やかされました。「お父さんは、人より早いか、人より遅れているか、どちらかなのね。ブームに乗るセンスがないのかもね。韓流がブームだったのは、随分昔よ。」「子供が出ているから、また見ながら泣くんでしょう。そういえば、日テレのマザーというドラマも見て泣いていたわよね。泣くの好きなんでしょ。」
ああうるさい。妻にからかわれて、泣きたい気分です。
(この項 健人のパパ)
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