「台湾政府交通部観光局」によると、2008年9月末までに台湾を訪れた日本人観光客数はおよそ805,000人。これは、2007年の同期比と比べると54,000人以上も減少しているのだそうです(約6%の減少)。4月から7月にかけては、各月8万人強の日本人観光客が訪台しましたが、前年比では6%ほどの減少。日本の夏休みに当たる2008年8月だけを見ると、84,200人と2007年同月比で、約14%の減少です。
この日本人観光客の減少傾向を受けて、台湾政府は日本人観光客の誘致を目的に、補助金を支給する方針を立てたようです。「馬英九」政権が打ち出した中国人観光客の誘致も期待通りの効果を上げていないようで、観光産業にとってドル箱の日本人観光客を呼び込むために、燃油サーチャージ(通常の航空運賃のほかに燃料費の高騰によるコスト増を補填するために付加される運賃)を補助する目的を持っているようです。
団体旅行客を対象として、25,000人を上限に1人3000元(約1万円)を旅行会社などを通じて支給するのだそうです。個人旅行客の誘致に対しては、これとは別に、航空会社に燃油サーチャージ代の一部を補填することも考えているようです。早ければ年内にも始める意向なのだそうです。
台湾系航空会社(エバー航空、中華航空)の「燃油サーチャージ」を調べてみましょう。まず、「エバー航空」です。
「燃油特別付加運賃」(燃油サーチャージ)について 2008年10月1日(発券分)以降分
エバー航空では、「燃油サーチャージ(燃油特別付加運賃)」を設定しております。昨今の航空燃油価格の高騰を受け、ご利用者の皆様にもその一部をご負担いただいております。なお、2008年10月1日以降日本発券分の航空券に関する燃油サーチャージおよび航空保険特別料金は、これまでの米ドル建てから日本円建てにて表示変更いたします(台北=高雄、台北=香港間を除く)。日本路線運賃額(1旅客1区間当たり) 千歳・仙台・成田・小松・名古屋=台北間 7,000円、関空・福岡・宮崎=台北間 4,800円。 往復で、1人14,000円の追加になりますね。
次に、「中華航空(チャイナ・エアライン)」です。札幌・東京-台北 7,900円、名古屋・大阪-台北 6,900円です。往復で、1人15,800円の追加になりますから、航空運賃次第ですが、こちらはさらに1,500円余計にかかります。
今回の台湾行きに利用した「キャセイパシフィック航空」を見てみましょう。台湾系ではなく、香港系の航空会社になります。
燃油サーチャージ改定のご案内 2008年10月8日以降の発券分
キャセイパシフィック航空では、全ての航空券に対して「燃油サーチャージ」を設定し、昨今の航空燃油価格の高騰による急激な費用増の一部をお客様にご負担いただいております。何卒ご理解のほどお願い申し上げます。日本発運賃で、日本-香港及び日本-台北間のフライトでは区間毎に3,200円をご負担いただきます。 ここが一番安く済みます。往復で、1人6,400円です。台湾の日系ホテルの営業担当者から聞いた話ですが、キャセイパシフィックの燃油サーチャージが低く抑えられているのは、香港行政府が観光産業の保護育成のために燃油サーチャージの一部を負担しているためなのだそうです。真偽のほどはわかりません。
日系の航空会社の燃油サーチャージは高いですね。例えば、「全日空」です。
燃油特別付加運賃(燃油サーチャージ)改定
2008年10月1日ご購入分からの燃油特別付加運賃額が改定となりました。以下の料金を、日本発着のANAグループ航空会社の国際線区間に適用します。なお、燃油価格が沈静化した場合は、「燃油特別付加運賃」を引き下げ、あるいは廃止します。日本=香港・台湾・中国 10,500円。 往復で、1人21,000円にもなるんですね。
今度の台湾旅行は、個人旅行をする私たちが、どのような恩恵を台湾政府から受けられるかよく研究して出かける必要がありますね。団体旅行者と同じように1人3000元(約1万円)の補助が受けられるとしても日系の航空会社で行くのでは足がでます。そもそも、ひと月に8万人ほどの日本人が訪台するのですから、単純に言って、恩恵を受ける25,000人というのは、10日分にも満たないことになります。「年内にも始める意向」って年末年始の観光客の確保ということなのかな。
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