POWERFUL MOMが行く!
多忙な中でも,美味しい物を食べ歩き,料理を工夫し,旅行を楽しむ私の日常を綴ります。
 





講談社刊(2005年)、「泉 麻人」著の「お天気おじさんへの道」という本があります。コラム二スト「泉麻人」さんが以前から興味を持っていたという「気象予報士」の免許取得を目指して、格闘する模様を「イン★ポケット」に2年間にわたって綴ったものを単行本にしたものです。その序章に「気象予報士試験」を受験する動機が書かれています。

発端は至ってピュアなものなのだ。子供の頃から、お天気予報が大好きだった……のである。正確な年頃は定かではないが、六時台のニュースの途中にやる「ヤンボー、マーボーの天気予報」、それから七時のゴールデンタイムの直前にやるキリンレモン提供の「お天気ママさん」などを日々熱心に観るようになった。そして、徐々にそういったゆるいつくりの天気予報番組ではなく、まじめな気象庁のおじさんが朴訥とした調子で天気概況を解説する、NHKのものが贔屓になった。

「子供の頃から、お天気予報が大好きだった」から「気象予報士試験」を受験してみようというのです。講談社刊(2002年)、「真壁 京子」著の「気象予報士になりたい!」を最近たまたま読んで「気象予報という仕事」に興味を持った私とは「年季」が違うのです。引き続き、この本から泉さんがどのように気象予報士試験に備えたかを引用してみましょう。

僕がこの“気象予報士の道”を思いたった去年(2003年)の秋頃、たまたまラジオの仕事で行ったTBSの帰りがけ、千代田線の赤坂駅の入り口で、ばったりM氏と遭遇したのである。ちょっと立ち話がてら、「予報士の試験、チャレンジしようかと思ってるんです……」
言ってみたら、
「だったらウチ、講座やってますから。泉さんみたいな“文系”の人向きですよ」
勧められた。


ここで“M”氏と紹介されるのはTBSテレビのニュース番組「イブニング・ファイブ」で天気予報のコーナー「森田さんのお天気ですか?」を担当している「森田 正光」さんです。森田さんの経歴を新潮社刊(1997年)の彼の著書「雨風博士遠めがね」から拾ってみましょう。

「ぼくは家庭の事情云々のために、結局大学へは行かなかった。とりたてて理由もなく、ただ高校の先生が勧めるままに気象協会の東海本部へ就職することにした。それが18歳の時だ。」
「東京へ転勤して2年目から、ぼくはお天気キャスターの仕事をするようになった。最初はラジオだった。ただ、お天気キャスターとはいっても、ぼくが今やっているようなものではなく、決まりきった天気予報の原稿を読み上げるだけの単純なものだった。気象協会の建物の中には各ラジオ局から回線がひかれており、そこから生放送するのである。」
「転勤からすでに3年が経とうとしていた。そろそろ名古屋に帰るのかなあ、とぼんやり考えていた矢先に、TBSラジオからの仕事が舞い込んできたのである。」
「番組の司会者は、土居まさるさんだった。天気予報はいつも通り気象協会のマイクを通してオンエアされるのだが、今回は土居さんと会話しながら天気予報をすることになっていた。」
「土居さんとのトークが評価されて、テレビからも声がかかるようになった。TBSテレビである。『アップルシティ500』という夕方の若者向けの番組に出演しないか、と誘われたのだ。」
「テレビに出始めると、雑誌の取材や原稿依頼などが頻繁に来るようになった。すると、気象協会という組織にはだんだん居づらくなってきた。フリーになったら、という周囲の声が少しずつ聞こえるようになり、大して迷うことなくそうした。1992年のことだった。気象協会を辞めた時、ぼくは41歳だった。」
「1994年の秋、「ウェザーマップ」という気象会社の旗揚げをした。最初の社員は、30歳代前半の男が1人だけだった。翌年になって、事務の女の子を採用した。」


森田正光さんは、「気象予報業務及びそれに付随する業務 、TV・ラジオ等の気象サポート業務、番組制作スタッフ等の派遣業務、各種メディアへの気象情報、コンテンツ配信業務、講演会等への講師派遣業務」を事業内容とする「株式会社ウェザーマップ」の「代表取締役」なのです。さらに「株式会社クリア」(気象予報士資格取得のための受験講座を開講している)の「代表取締役」でもあるのです。

例えば、「株式会社クリア」が行なっている「初心者の方への受験指導から、合格後の実務までを見据えた、一貫したカリキュラムで講義を行」う「気象予報士通学講座 総合クラス」ならば、平日夜コース(19:20~21:40、休憩20分をはさんで60分2コマ)全48回で315,000円 (消費税込)がかかります。2009年度は、2009年4月~2010年1月という日程になります。



財団法人「気象業務支援センター」でも「気象を学習する講習会」を行っていて、「入門気象学(¥38,850、日曜日9:30~12:30、全12回)」、「気象学(¥44,100、土曜日9:30~12:30、全13回)」、「気象解析・予報(¥72,870、土曜日コースと日曜日コース14:00~17:00、全14回)」などがあります。私の場合は、好奇心のなせる業なのですから、いずれ飽きるかも知れないので、このコストをかける気持ちはありません。すべて本で勉強しようと考えています。

気象予報士はあくまでも予報をする人であり、お天気キャスターはその予報をわかりやすく人に伝える人なのだ。また、人に伝えるということは、予報内容をただ単に読みあげることではなく、自分の人柄や個性のすべてを伝えることでもある。というより、伝わってしまうのである。テレビというのは恐ろしいものなのだ。また、お天気キャスターは気象そのものにも増して、お天気の周辺領域に詳しくなければならない。気象予報士は気象のことだけ知っていればよく、それが経済や生活やスポーツなどと、どのように関わり合っているのかを知っている必要はないが、お天気キャスターにはまさにそれが生命線となる。つまり、気象を軸とする広範な知識か、少なくとも好奇心が必要なのだ。実際、96年に開校したお天気キャスターを育てるための私塾、「森田塾」の塾生たちも、気象の専門知識以上に、好奇心の持続や伝え方に四苦八苦している。 (「雨風博士遠めがね」から)

「気象そのものにも増して、お天気の周辺領域に詳しくなければならない。」という記述は私を励ましてくれます。ひこばえ社刊(1990年)、「白根 白風子」著の「季語と気象」、丸善刊(1997年)、「宮尾 孝」著の「雨と日本人」などといった「気象予報士」の試験とはほとんど関係のない本に手を出しているのも無意味ではないのでしょう、「お天気キャスター」になろうと(当然なれない)するのでなくても。

   (この項 健人のパパ)

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