十数年前のイタリア旅行で嵌ったのがカプチーノ。カプチーノ(カップッチーノ、cappuccino)は、エスプレッソ(espresso、深煎りの微細に挽いたコーヒー豆を圧力をかけて短時間で抽出したもので、コクがある)に、クリーム状に泡立てた牛乳を加えたものをいいいます。シナモンやココアパウダーで風味付けされていることもあります。駅のバール(bar、喫茶店)などで立ち飲みをしていました。最近では、毎朝カプチーノを1人で楽しんでいます。
コーヒーの淹れ方は食物栄養専攻であった学生の頃、厳しい教授から本格的に習ったので、素人ながら香り高いものを楽しんでいるのですが、タリーズでコーヒー・スクールが開催されているというので、自分の知識を更に深めたいと参加してきました。タリーズコーヒー(Tully's Coffee)は、1992年にシアトルで発祥し、高品質を追求して、世界各国の厳選した豆を使用しているコーヒーショップです。
コーヒー・スクールは3コースに分かれており、私は今回は、コース1「簡単!おいしい!<コーヒーの淹れ方・楽しみ方>」に参加しました。コース1は、コーヒー豆の知識、ハンドドリップの方法、アレンジコーヒーを扱っていました。アレンジコーヒーとは、コーヒーにいろいろな物を混ぜ加えて味わいを変えたものです。
コーヒーや器具を見て、触って、淹れて、飲んでという体験する内容でした。コーヒーの知識は、神戸のUCCの「コーヒー博物館」で勉強した経験がありますので、ちょっと物足りない部分もあったのですが、実技は久しぶりなので楽しめました。その内容は、UCCのサイトで「コーヒーの淹れ方」の動画見て知ることができます。
神戸に私たちが行ったのは、4月でしたが、普段見られないというコーヒーの花の開花を楽しむことができました。次回は、本格的なコーヒースクールに参加したいね、と夫と話していましたが、ここ数年、日常に追われ、実現していません。
タリーズのスクールでは、ペーパードリップのセットの仕方からという基本的なことも習うのですが、人によって淹れたコーヒーの味や香りがこんなに違うのかしらという経験をして来ました。
これも、近々訪れるイタリアの事前準備です。今回は、イタリアのエスプレッソ・マシンを購入してこようと思っています。イタリアのマンマたちが家庭で使用している「モカ・エクスプレス (Moka Express、部品のゴムパッキンを交換すれば、半永久的に使用出来るそうです)4人用(日本で3,700円程度で買えます。ゴムパッキンは340円)」を購入して使用してみたいと考えています。実は前回、時間の余裕がなく、購入し損ない、苦い思いをしています。
「極楽イタリア人になる方法」や「パスタとワインと豚のシッポ」などの著作のある「パンツェッタ・ジローラモ(Panzetta Girolamo)」さんのお話しを「食べちゃおイタリア!」(光文社、1998年)から聞いてみましょう。
聞くところによるとバールの原型は、カッフェだそうだ。きっと観光でイタリアにいらした皆さんが、史跡見物や買い物に疲れて、よいしょっと腰掛けてカプッチーノなぞ召し上がった、グランカッフェなんたら、バールなんとかこそ、実際には今僕のお話ししているバールより由緒正しいんだろう。イタリアのカッフェ第一号店といわれる、ヴェネツィア、ピアッツァ・サン・マルコの“カッフェ・フロリアン”。その昔多くのインテリたちが出入りしたという、ローマの“カッフェ・グレーコ”、ナポリの“カッフェ・ガンブリヌス”。歴史に名が登場するのは、全て“カッフェ”なのである。
それが戦後、アメリカの影響で“バール”と呼ばれるようになった時、同じバールでも、カッフェ時代の名残も色濃い酒落たバールと、今では庶民の間にすっかり根をおろした泥臭いバールに枝分かれしていったらしい。そして後者での話題は、かつての文学、芸術、政治談議からは遥か彼方、この前の日曜日のカルチョ(サッカー)、近所の噂、新聞の受け売り合戦へと進化(?)を遂げたのである。
そういえば、バールでパニーニも食べ損なっています。「パニーノ (panino、複数形はパニーニ (panini)) 」は、パン(pane、パーネ)で具材を挟んだイタリア料理です(パニーノ・インボッティート(panino imbottito、具材の詰められたパン))。ヨーロッパで言うところのサンドイッチです。ヨーロッパのサンドイッチは、食パンに具材が挟みこんであるとは限りません。パンに深い溝を切り込み、そこに具材を挟んであります。日本のような、パンを薄く切り、その間に具材を挟んだ物は「トラメッツィーノ(tramezzino。tramezzoは部屋を区切る仕切り、tramezzinoはそれの小型版。仕切られたパン)」と言われます。
東京でパニーニが流行り始めてから、かれこれ一年ほどたつだろうか。皆さんにも、もうすっかりお馴染みのことでしょう。でも例えば紀ノ国屋なんかで「パニーニ一つください」、なんて注文してるのを見ると笑っちゃう。だってパニーニはパニーノの複数形だ。一つだったら「パニーノ」と言わなくちゃあいけません。
まあそんな文法的なことはさておいたとしても、高級スーパーやお酒落なカフェのパニーノなんて、僕にはまるでピンとこない。だってパニーノは、僕らイタリア人にとって最も日常的な軽食の代表だからだ。酒落た場所なんて緑のない子供の頃から大変お世話になってきた、マンマの味の次に控える懐かしい心のよりどころ、そして発育期には欠かせないバランス栄養食なのだ。
今回のイタリア旅行は、イタリアの庶民の生活を旅行者ではあっても、じかに感じる旅にしたいと考えています。
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