人力でGO

経済の最新情勢から、世界の裏側、そして大人の為のアニメ紹介まで、体当たりで挑むエンタテーメント・ブログ。

米利上げのブースター・・・円安・ユーロ安

2014-07-31 10:36:00 | 時事/金融危機
 

■ 米テーパリングの後の世界 ■

FRBはテーパリングを順調に進め、今年10月頃には米国債やMBSの直接購入を停止する見込みです。市場は、その後の金利上昇時期を2015年前半と見ています。

金利はグローバルな資金移動のポンプの役割を果たします。日米金利差が2%以上広がると、円キャリー-トレードのポンプが周り始め、円売り、ドル買いが発生する事から円安に拍車が掛かります。ユーロも同様にドルとの金利差が開けば、キャリートレードの調達通貨となり、ユーロはドルに対して下落します。

■ 出口戦略を成功させる為には ■

ゼロ金利に支えれたいる現在の市場で金利が上昇すれば、当然リスクオフや信用収縮の動きが生まれます。大規模な金融緩和の出口戦略が難しいのは、金利を正常化する局面で、これらの動きをどう抑制するか、具体的な方法が明確では無いからです。

確かに実体経済が上向いていれば、資金需要の高まりが金利上昇の影響を相殺してくれます。しかし、現状、アメリカの実体経済は力強くは回復しておらず、雇用も低賃金化によって拡大している為に消費の拡大も限定的です。

結局、現在のアメリカの経済も金融市場もゼロ金利の資金に支えられており、実体経済の回復が限定的な中で、資金需要は主に金融市場で発生しています。金利が高まれば、マネーゲームに投じられた資金の回収が始まる事は必至と言えます。

アメリカが出口戦略を成功あせる為には、FRBに変わって低金利の資金の供給先が求められます。要は、円とユーロに期待が高まります。

この時、日本経済やヨーロッパ経済が活況を呈していれば日銀やECBは緩和政策を停止せざるを得ません。ですから、2015年前半頃、ヨーロッパ経済や日本経済が低調である必要があります。

■ 消費税の10%アップとウクライナ危機 ■

日本においては消費税10%アップで景気は低迷しているはずです。このタイミングで多分日銀は追加緩和に踏み込まざるを得ない状況に追い込まれます。

ヨーロッパ経済も減速していますが、ウクライナ危機がロシアからのガス供給問題の発展すればヨーロッパ経済の足を引っ張る事は必至です。この為にもウクライナ問題は長期化し、ロシアとヨーロッパの表面的対立は徐々に深まって行くものと思われます。

■ 年金積立金運用基金GPIFは外債の比率を高めるのでは? ■

アメリカの出口戦略を成功させる為には、現在FRBが購入しているアメリカ国債を新たな相手に売却する必要が生じます。円キャリートレードが進めば円安が進行するので、為替介入の様な手法で日本に強引に買わせる事は出来ません。

金利の正常化に伴って米国債金利も上昇しますが、国債発行に伴う財政負担も拡大するので、米国債金利の上限は10年債で4%、30年債で5%位かと思われます。一方、米国債金利が上昇するという事は、大量に米国債を保有している機関で含み損が発生するという事になるので、需給が不安定化して、金利上昇の圧力も高まります。

FRBに変わる米国債の受け皿として中国や日本が注目されまますが、米ロ対立が高まっていれば、中国も大っぴらに米国債の保有高を高める事は出来ません。さらに、中国は国内経済の減速と言う問題が拡大しているはずです。(米国の消費回復は限定的なので)

そこで期待が集まる日本ですが、国内の資金がどの程度日米金利差に炙りだされて来るかに注目です。老人達もリーマンショックで懲りているので、投資信託を信用しなくなっています。個人の投資資金がどの程度アメリカに流れるかは未知数です。

次に注目されるのは年金資金でしょう。麻生発言によって年金積立金の日本株の運用比率が高まる事が期待されていますが、前回の見直し同様に、日本国債の枠を減らして日本株、外国株、外国債の比率がそれぞれ上昇すると思われます。日本国債は日銀が完全に買い支えていますから、年金の比重を軽くしても国債金利に影響は有りません。

■ ゆうちょ資金が使われるだろう ■

最もアメリカが注目しているのはゆうちょ資金でしょう。日本国債金利で金利が稼げない以上、ゆうちょ銀行は安全で安定した金利が得られる投資先を探さざるを得ません。

米国債ならば信用力も高く、流動性も高いので、ゆうちょ銀行の様に運用ノウハウの低い金融機関は米国債運用の比率を高めるはずです。

実際にリーマンショック直後、米国債を支える為に小沢一郎はゆうちょ資金で米国債を大量に購入しています。今回もアメリカの利上げをサポートする為にゆうちょ資金が使われる可用性は低くありません。

■ ドルの安定は世界の金融の安定に利するが、結局バブル化して自壊する ■

米国の出口戦略が日本やユーロに先駆けて成功すれば、アメリカの一人勝ちの時代が始まり、金利差に引かれて世界の投資マネーがアメリカに集まります。

株価も債権価格も上昇し、再びリーマンショック前の様な状況が生まれるでしょう。一方で、市場はその好景気の継続性に疑問も抱いくはずです。リーマンショックの教訓は、簡単には忘れ去られはしません。誰もが、「今度の宴はいつまで続くのだろう」という思いを抱きながら踊り続ける事になります。

「勝ち逃げ」を狙う投資家達は、過度のリスクを取り、人よりも早く稼いで撤退しようと考えるはずです。こうして、過剰なリスクが拡大して行き、バブルの拡大が始まります。そして何かの切っ掛けで崩壊する・・・。

■ 中東やウクライナ、東アジアの仕込みが意味を持つのはその後では? ■

もし仮に再びリーマンショックの様な金融危機が発生した場合、ドルを始めとした通貨や、米国債や日本国債を始めとした多くの国債の信用問題に発展する可能性は低くありません。

世界的な金融緩和前に起きた危機と、緩和を経験した後に起きる危機とではその性質が異なるからです。金融緩和が金融危機の抜本的解決にならない事が明らかになれば、次の金融緩和の効果も限定的になり、一方で通貨や国債の信用は大きく揺らぎます。

現在、世界では中東、ウクライナ、そして東アジアと紛争の種がまかれています。これらの種が芽吹くのは、通貨の信用が揺らいだ時では無いかと思われます。

この時、世界は有事のドル買いでドルを支えるのか、あるいは紛争という危機を利用してガラガラポンが発動されるのか?

例えば、中国との交戦が発生したとすれば、米国政府は中国が保有する米国債を凍結するはずです。これだけで巨大な債務が帳消しになります。こうして、危機を利用して世界はブロック経済に移行し、ドルやユーロや元は地域覇権通貨に姿を変えて行くのかも知れません。


円はどうなるのか?
現在の財政状況と人口動態を鑑みれば、おのずと円や日本国債の末路は予測出来るかと。


尤も、これは最悪のシナリオで、米経済の回復が世界経済を刺激して、世界経済も復活。日本はオリンピック景気で復活なんてハッピーな予測も出来る訳で、いずれにしても市場は「極端な予測」は無視して淡々と利益の機会を探し続けるのでしょう。

熱中症との戦い・・・熱風のサイクリング

2014-07-30 09:12:00 | 自転車/マラソン
 



■ 鵜原時代祭を見に行こう ■

「清和ゆめの丘牧場」で生まれて2週間の子ヤギです。一見、のどかに見える写真ですが、今回の房総ロングライドは熱中症との戦いでした。

27日の日曜日は、勝浦で行われる「鵜原時代祭」を見に行こうと決めていました。江戸時代から伝わる伝統的な大名行列が見られます。海の男達の勇壮な神輿も繰り出す有名な祭りです。

当然ビールなども飲んでしまうので、帰りは輪行くになります。鵜原に直行したら100Kmしか走れません。そこで、鹿野山をヒルクライムしてから鴨川に出て、海の景色を満喫して鵜原で終点というコースを取る事にしました。

■ 向かい風・強風 ■

日曜の朝、風の音で目が覚めました。6時に家を出て南に進路を取ると強い向かい風。市原を過ぎて国道16号に入ると、工業地帯の煙突の煙は、ほぼ水平に流されています。風速は10mに近いでしょう。

下ハンドルを持って必死にもがいて、鹿野山への入り口の常代の交差点にはメーター読みで時速25km/hで到着。もうヘトヘトです。

■ 鹿野山の登りはクリアーしたが・・・ ■

鹿野山には宝竜寺口から登ります。本日は勝浦に到着する事が目的なので、足を残せるようにゆっくり登ります。最高点の郵便ポストまで25分。到着した時には「滝汗」です。しばらく休憩して、水道の水で濡らした手ぬぐいで身体を拭きますが、体温は下がりません。30分位休憩してから、鹿野山を下ります。

鴨川へは房総スカイラインから鴨川有料で行こうと思っていましたが、山の中で給水の心配です。そこで、410号を清和経由に変更しました。この道、君鴨トンネルまで登り基調でアップダウンを繰り返すので、結構ジワジワと足に来るコースです。

途中、冒頭の写真の「清和ゆめの丘牧場」でソフトクリーム休憩。体の中から冷やさないと結構ヤバい感じがしています。



地下水をくみ上げている水は冷たく、とても美味しいので、ペットボトルに詰めさせて頂きます。

■ ヤバイ、熱中症だ・・・ ■

風が強いから熱中症にはならないのでは無いかと思っていましたが、吹き付ける風はドライヤーと言うよりは、スチームサウナの様。汗が容赦無く吹き出します。もう滝の様に自転車のフレームに滴り落ちます。

国道410号線に出ると道は君鴨トンネルまで登り下りを繰り返します。途中、斜度7%くらいの長めの坂がいくつかありますが、もう心拍が上がってしまってフラフラします。こういう時は熱中症一歩手前なので、木陰でしばらく休憩しないと危険です。

スポーツドリンクを適度に補給しているので、電解質不足による足つりは起きていませんが、頭は少しボーとしますし、体もダルイ。視界が少し白くなってきたらかなりヤバイ状態です。

自転車、長時間筋肉を使っているので体温上昇はしています。ただ、ランニングに比べ風に当たっている分涼しく感じられ、熱中症になるまで気づかない事も多い。

ランニングの場合は、キツイ時は立ち止まって直ぐ休みますが、自転車はついつい切の良い所まで走ってしまおうとして無理するのも熱中症に掛かり易い原因かも知れません。

君鴨トンネルまで、少し長めの休憩を木陰で取り、体温が下がるのを待ちますが、気温が高いので・・・あまり下がりません。こういう時は、サイクルウェアーのまま水に飛び込むのが一番なのですが・・・。少なくとも、ペットボトルの水を頭からかぶって冷却すべきです。

ボトルホルダーは2個付けているのですが、鹿野山の登りを軽量で登る為にワンボトルにしてしまった事が悔やまれます。やはり、夏場のロングライドは1本をスポドリ、1本を真水のダブルボトル体制がベストです。

■ 下りは爽快、ガリガリ君で回復して鴨川までも絶好調 ■

君鴨トンネルからは鴨川に一気に下ります。この下りは道も良くて爽快です。あっと言う間に長狭街道の交差点に到着。そこのコンビニでガリガリ君タイム。店内のクーラーで身体を冷やして回復を図ります。

長狭街道は鴨川まで緩い下り。東に進むので南風の影響も無くなり、時速30km/hで一気に鴨川市街に到着。



前原海岸は海の家が建ち並び、すっかり夏休みモードです。浜辺にある文理開成高校はドラマのGTOのロケが行われています。講堂に大量に機材を運びこんでいる最中でした。大道具さんが何か作っているので、文化祭のシーンの撮影準備をしてうる所かも知れません。

■ この時期房総の浦々ではお祭りの真っ盛り ■







この時期房総の浦々ではお祭りに行き当たる事が多いです。本日は安房天津で賀神社天王祭が開かれていました。街中を山車が練り歩き、大漁旗がはためいています。道の上に渡された縄には、大きな日の丸が2枚ずつ垂れ下がっています。

神輿はちょうど休憩時間でしたが、随分と大きくて立派な神輿です。後で調べたら、房総最重量級の神輿だそうです。暑い中、これを担ぐのはさぞ大変でしょう。

東京近郊の祭りでは、神輿担ぎの同好会(連)の人達が繰り出して来ますが、南房総までは彼らもやって来ない様です。あるいは、地元の結束が固いので、外者は神輿に入れなうのかも知れません。

■ 鵜原に着いたけど、時代祭はどこ? ■

鴨川から勝浦までは追い風でヒャッハー状態かと思いましたが、山に囲まれた入り江に吹き込んだ風は複雑に変化します。得に風下の山に吹き付けた風は、逆風となって吹き戻して来ます。丁度、上り坂になる所が多いので、楽は出来ません。

鵜原には3時頃に到着しました。



海岸は海水浴客で賑わっていますが、大名行列の姿は見えません。神輿もいません。

それどころか、先週まであった祭りの飾りが一切取り払われています。あれ、場所を間違えたかなと思い、スマホで検索すると・・・何と、鵜原時代祭は25日(金)、26日(土)の開催でした。エエーー!!土日開催じゃないの!?

これで一気に心が折れました。暑さで朦朧としてきたので、千葉県立海の博物館で涼む事に。200円と安いだけあって、展示室もコジンマリしています。展示内容は自然の展示が多いのですが、実は向かい側にある海中展望台側の無料の展示館の方がマニアックな展示で私的には好きです。

最近の博物館はアミューズメント化していて展示内容が薄いのが気になります。学芸員のマニアックさが伝わる展示が好きなのですが・・・。

■ あいかわらず何も無い勝浦 ■

鵜原から勝浦までは目と鼻の先。お祭りの屋台でたらふく飲み食いしようという目論見が外れたので勝浦で空腹を満たす事にします。ただ、暑さとスポーツドリンクの大量摂取で、タンタン麺や海鮮丼の類はパスしたい・・・。結局、駅前の立ち食いソバを食べましたが・・・。

勝浦はカツオの水揚げ日本一を誇る漁港の街です。青葉の頃、黒潮に乗って北上して来る初鰹の多くは、勝浦で水揚げされ、大消費地の東京に運ばれて行きます。その他に朝市も有名ですが、流石に日曜日の午後3時を過ぎると観光客もまばらです。

土産物屋も駅前に漁協の直配所がポツンとあるだけで、鴨川などに比べると観光客が少ない事が分かります。街のコジンマリしています。

本日は勝浦から輪行なので、お土産を買う事にします。やはり勝浦タンタン系は欠かせません。タンタン煎餅と瓶詰のタンタンの元(食べるラー油系)を購入。コンビニでビールを買う次いでに勝浦タンタンのカップラーメンも購入。(これ、浦安のコンビニでも売られてました)。

後は鈍行列車でトロトロと浦安に戻ります。休日なので特急列車に2本程抜かれます。電車の中はクーラーが効きすぎてして、汗が引いた後は寒くてたまりません・・。

18時30分にようやく新浦安に到着しました。

■ 熱中症は翌日からがキツイ ■

ところで、熱中症は当日よりも翌日からがキツイ。頭がボンヤリして、耳鳴りがしたりします。お腹の調子も崩します。下手をすると1カ月程度、調子が上がらない事もあります。

熱中症に掛かった後は水分と塩分補給が大事です。特に塩分が重要で、少し濃い目の塩水を飲むとダルさが改善します。

私は塩分20%の塩辛い梅干しを沢山食べる事にしています。梅干しはカリウムも豊富なので、汗で流れ出たナトリウムとカリウムの補給には欠かせません。ただ、一般的に売られている「減塩梅干し」は、一度、塩で漬けた後、水にさらしてミネラルが抜けたカスに調味料とい保存料と塩で味付けした代物です。あれは梅干しとは言いません。

昨晩、梅干しを大量ドーピングしたので、本日はブログを書く気力が戻って来ました。毎年、夏になると何度と無く軽い熱中症になるので、対処方法も年々向上して来ました。

■ 『輪廻のラグランジェ展』を見に行かなければ ■



ところで、天津小湊で見つけたこのポスター。鴨川市郷土資料館で『輪廻のラグランジェ展』が開かれている様です。これは何があっても会期中にもう一度鴨川に来る必要があります。

今度は熱中症対策を万全にして、朝4時前に出発したいと思います。お昼お暑い時間は、ラグランジェ展とビーチでまったりして、夕方から帰路に付けば、熱中症にはならないでしょう。
それまでに体調を万全にしておこう!!

肩の力を抜いて楽しめる今期アニメ

2014-07-26 08:00:00 | アニメ
 

■ 息子からメール・・・「今期アニメのお勧めを教えて?」 ■

今年の春から就職して東京で1人暮らししている息子から珍しくメール。「今期アニメのお勧めを教えて?」

・・・オレ、50歳を目前とした親父としてどーよ・・・。

しかし、アニメトークは息子との重要なコミュニケーンとなっているので、次の様な作品を勧めしました。社会の荒波に揉まれる息子のリフレッシュの一助になれば・・・。

月刊少女野崎くん


夕暮れの教室。女子高生の佐倉 千代(さくら ちよ)が片思いの男子に勇気を出して告白します。「野崎くん、ずっとのファンでした。」告白された長身で寡黙な男子が差し出したのはサイン色紙。思いがけないリアクションにテンパった佐倉は「ずっと一緒に居たい!!」と思わず言ってしまいます。「じゃあ、俺んち来る?」

・・・軽い、軽すぎるぞ、野崎くん。

野崎君の部屋に連れ込まれて覚悟を決めた佐倉。「野崎くん、私頑張ります!!」そう宣言した佐倉の前に差し出されたのはマンガの原稿。「そこ、ベタ塗っといて」。

実は野崎くんの隠れた素顔は、売れっ子少女マンガ家。月刊誌で人気作品を連載しています。野崎くん、密かに佐倉さんに目を付けていました。佐倉の描いた美術部のポスターの、はみ出しの少ない「塗り」に注目していたのです。

4コママンガ原作のアニメ化ですが、少女マンガを題材にした小気味よいネタがポンポン飛び出して来ます。早速、娘が友人に原作マンガを借りて来ましたが、これ、原作も結構面白く、4コママンガのリズムをアニメは上手く再現しています。

このテンポは、昨今の漫才のボケ・突込みのスピード感に似ています。ヒネリのセンスも似ています。「起承転結」で語られる事の多い4コママンガですが、漫才の呼吸をTVのお笑い番組で自然に身に着けている現代の若い作家にとっては、「起=振り」「承=受け」「転=ボケ」「結=突込み」といった感じでリズムを取り易いのかも知れません。

ところで、背景の音がやけにリアルだと思ったら、音響は『ローゼンメイデン』や『革命機ヴァルヴレイヴ』の監督の松尾衡。そして、オープニングの演出は『鉄腕バーディーDECORD
』の神作画?で注目されたりょーちも。色彩は『夏雪ランデブー』で松尾衡と組んだ石黒けいという贅沢なメンバーです。


LOVE STAGE


「BL」と聞いて「ボーイズラブ」ととっさに思い浮かぶのは、ちょっと腐った方かと思いますが、これはそんな腐女子向けの作品。

普通なら、生理的に受付ないハズなのですが・・・この作品は抵抗感が少ない。「お前は俺無しでは生きられないんだよ・・・」といったBLものの定番の展開とは180度違う方向に突っ走っているので、男性でも面白く見れるのかも知れません。

俳優の両親、兄も人気ミュージッシャンの和泉(いずみ)は、マンガ家を目指す普通の大学生。相当シャイな性格。ところが、子供の頃に両親と出演したCMの続編のオファーが来たからさあ大変。だって、和泉は女の子の役で当時CMに出演していたからです。無理やり花嫁姿にさせられて撮影に臨む和泉でしたが、撮影で彼のファースト・キッスがいきなり奪われます。相手は、成長して人気俳優となった一条竜馬。彼は子供の頃に出会った和泉を忘れられずにいます(もちろん女の子だと思い込んで)。念願の再開を果たした竜馬が和泉が男である事を知った瞬間・・・「この変態女装野郎が、俺様にフォローさせてんじゃねーぞ」と悪態の数々。超オレ様野郎だったのです。

ところが、和泉が男と分かっても、長年の恋心は冷めません。モヤモヤとした気持ちに踏ん切りを付ける為、再び和泉に合う竜馬でしたが・・・・!!

BL物の先入観の斜め上と言ううか、斜め下を行くこの作品、シリーズ構成と脚本が横手美智子だったりして、意外に面白い。(引きの悪さは、ゴールデンタイムと似ていますが)。

生理的に受け入れられる間は、なんだかんだ言って見てしまいそうです。

六畳間の侵略者

父親の海外赴任で1人暮らしを始めた高校1年生の里見孝太郎。彼は親に負担を掛けない為に家賃5千円のアパート暮らし。ところが、このアパート安いのには訳があります。そう、出るんです幽霊が。

幽霊は自分のテリトリーを侵されてラップ音やら何やらで孝太郎を追い出しに掛かりますが、彼は一向に気づきません。ある日孝太郎が学校から帰ると、部屋の中に見知らぬ少女が・・・彼が部屋から追い出すと、何とドアをすり抜けて戻って来た!!彼女はこの部屋の幽霊だったのです。「私の部屋から出て行きなさいよ」「家賃5千円のこの部屋は絶対に渡さないぜ!!」と一歩も譲らぬ二人。すると窓ガラスを突き破って、魔法少女が落ちてきた。「この部屋には悪い魔女達が集まろうとしているんですぅ。」とたどたどしく訴える魔法少女に「コスプレパーティーなら他所でやれ!!」と言い放つ二人。

ところが、今度は畳の1枚がまくれ上がって、地下から地底人の巨乳女が現れた!!「この地は地底に追いやられた我が一族にとって重要ば場所、どうぞお譲り下さい」と金塊を差出し、色香で孝太郎を籠絡に掛かります。

と、今度は壁から宇宙人の少女が現れた!!「この部屋はワラワの物じゃ」

・・・・もうこれ以上アホらしい展開があるかというオープニングですが、「宇宙人、未来人、異世界人、超能力者がいたら、あたしのところに来なさい。」という「ハルヒ」のあの名セリフを見事に踏襲しています。

普通なら1分で切る内要ですが、演出の上手さからついつい2話、3話と見てしまいます。監督は『ココロコネクト』『私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い』『のうりん』の大沼心。『のうりん』でも見せた、バカバカしい作品でも面白くしてしまう手腕は流石としか言いようが有りません。

大沼心の昭和歌謡趣味全開のEDは最高です。

OPの曲も演出も、萌えアニメとしては神掛かっています。特に2話のOPへの繋ぎの演出は神。

残響のテロル


『カーボーイビバップ』『坂道のアポロン』『スペース☆ダンディー』の渡辺信一郎と菅野よう子のコンビと来れば、多くの人達が今期の大本命に上げるでしょう。

東京で爆弾テロを起す若者二人と警察の対決はスリル満点で、ドラマも重厚で見応え十分です。都庁をテルミットで爆破解体するシーンは、911の米国自作自演説を元にしたもの。

見ない訳にはいかない作品である一方で、どうもリズムが悪い。『東のエデン』や『サイコパス』同様に、リアルが故に、アニメ的な匂いがどうも鼻に付いてしまいます。菅野大先生もこういう作品は苦手だと思います。音楽がドライヴしていませんし、主題歌はマクロスのセルフコピー・・・。どうも天啓が降って来ないご様子・・・。

東京人喰(グール)


本屋のマンガコーナーでオーラを放ちまくる作品のアニメ化。人を食べるグールになってしまった大学生の葛藤を描く作品ですが、ディテールで引きつける演出で見応え十分。グロテスクな描写が苦手で無ければ見て損はしません。

OPは「凛として時雨」というグループ。曇りガラスを引っ掻く様な男性ボーカルが苦手でしたが、このOPの曲はGOOD。EDも好い感じ。




烈車戦隊トッキュウジャー


先日家内が携帯のワンセグ(我が家の唯一のTV)でタマタマ見て、「今度の戦隊物、面白いよ」と言わしめた作品。

何と、シリーズ構成は小林靖子。

先日、暇な時、1話目を見て仰天。『メガレンジャー』が帰って来ました・・・そんな感じ。或いは、『仮面ライダー電王』の戦隊バージョン。

カラリと明るくオバカ炸裂の作品ですが、変身シーンの「駅の構内アナウンス」を彷彿とさせるアナウンス?からして、もうノリノリで最高です。

ロボットの特撮がCGでは無く、実写になっている所は、往年の戦隊物ファンには涙が出る程嬉しいのでは?未だ、3話しか見ていませんが、戦隊物の歴史に、新たな名作が誕生した事を確信しました。

50歳を目前にしたオッサンが戦隊物で感動なんてアホかとお思いでしょうが、子供と日曜の朝の戦隊物を見た経験のあるお父さんお母さん方ならば、きっとこの作品の素晴らしさが伝わるはず。

何故、何十年もの長きに渡り戦隊物が放映され続け、現在も地方に続々とご当地ヒーローが誕生するのか?それは、戦隊物が子供達の心にストレートな感動を刻むからでは無いでしょうか。そんな戦隊物の中でも、歴史的名作を手掛けて来た小林靖子作品だけに、目が離せません。

(いつもは戦隊物なんて見ませんよ。小林作品だけは見てしまいますが・・・)



以上、今期アニメ(特撮)で面白いと思った作品を紹介しました。
今期は肩の力を抜いて楽しめる作品が多い様に感じます。

では、アニメファンの方々、今期も存分に楽しみましょう!!

経営危機の航空会社が犯した愚行・・・責められるべきはマレーシア航空

2014-07-25 06:24:00 | 分類なし
 

■ 誰が撃ち落としたかでは無く、何故紛争地帯の上空を飛行したかを問題にすべき ■

ウクライナでのマレーシア航空追撃事件で、世界は「誰が追撃したのか」に注目しています。欧米諸国とロシアが互いに責任をなすりつけ合う泥試合になっていますが、欧米や日本のマスミ報道は、ほぼ「ウクライナの分離独立派がロシアに供与された地対空ミサイルで撃墜した」との見方でまとまっています。

しかし、この事件で最大の責任はマレーシア航空にある事は見逃されています。

1) ウクライナは紛争地帯
2) 現代の戦争で制空権は勝敗を分ける
3) ウクライナの分離独立派は航空戦力を持たない
4) 航空戦力を有するウクライナ軍は分離独立派を空爆できる
5) ウクライナ軍の航空戦力に対抗し得るのは地対空ミサイルのみである

6) ウクライナの分離独立派は上空を飛行する民間航空機のフライトスケジュールを知り得ない
7) ウクライナ上空を飛行する場合、分離独立派もミサイルの餌食になる可能性が高い


この様な事情から多くの航空会社が紛争地帯上空の飛行を控える中で、マレーシア航空はあえてそのルートを選択し、そして運悪く追撃されてしまいました。

■ 経営難から燃料費を節約して紛争地帯上空を飛行するマレーシア航空 ■

実はマレーシア航空はウクライナの事故の後、シリア上空を飛行した事で非難を浴びています。

マレーシア航空は先の航空機行方不明事件から経営が悪化しており、経費削減から燃料費を節約しています。ウクライナやシリア上空の飛行は本来ならば避けるべきですが、最短ルートを選択した結果、このルートが選ばれたのでしょう。

■ 高度1万メートルを飛行する機体を撃墜する能力を分離独立派が有する意味合いは大きい ■

今回撃墜されたマレーシア航空機は高度1万メートルを飛行していたようです。富士山の3倍の高度を飛行する機体を、分離独立派が撃ち落とせるはずが無いという慢心がマレーシア航空にはあったと思われます。

ところが、ロシアはどうやら分離独立派に高高度を飛行する機体をもターゲットに出来る地対空ミサイルであるブークを供与していた様です。

ブークの特徴はレーダーがミサイル発射機に取付られた事です。これにより単独運用が可能になり、分離独立派の様なレーダー網を持たない勢力でも高度な航空迎撃能力を有する事が出来ます。

はたして、簡単なオペレーション研修だけで、この高度なシステムを分離独立派が運用し得るのかは私には分かりませんが、分離独立派がブークを運用できるとなれば、欧米各国がウクライナに軍事支援する場合のリスクは相当高くなります。高高度からの爆撃も安全では無くなるからです。

■ 分離独立派の失敗は、一方でアメリカやNATOの牽制に役立っている ■

プーチンの失策として報道される今回のマレーシア航空撃墜事件ですが、軍事専門家から見れば、また違った意味を持つのかも知れません。

政府軍の攻撃機であるスホーイも連日撃墜されているので、軍事独立派は完全にロシアにバックアップされており、ロシアはかなり本気である事を欧米の軍事関係者に知らしめたのが、今回の撃墜事件なのかも知れません。


メディアは双方、プロパガンダを繰り返していますが、ウクライナでは連日多くの命が失われ、その一方でアメリカはウクライナ政府の保有する金を持ち去ったと言われています。


・・・・戦争に大義など無く、戦争はいつも大国のエゴと、腐敗した個人の欲によって始まります。しかし、いつしか愛国心に火が付き、純粋な信念が戦争を収拾の付かない状況へとエスカレートさせてしまいます。


「集団的自衛権」を容認しようとする日本人の多くが、戦争の怖さに本当に気づいているのか、私は疑問でなりません。

「集団的自衛権」の「本音」と「建前」そして「利用方法」

2014-07-23 11:11:00 | 時事/金融危機
 

■ 「民主的」に「集団的自衛権」は否定出来るが国民がそれをしないだけ ■

本来ならば憲法改正が必要とも思える「集団的自衛権」ですが、閣議だけで決定してしまう力技で、完全に国会を無視した安倍政権。

日本は民主主義国家ですから、国会で自民党が過半数を占めていようと、安倍政権を退陣させる事は不可能ではありあません。大規模なデモでも、ストライキでも暴力以外の政治的活動は規制されていません。地元選出の自民党議員に圧力を掛ける事も出来ます。国民が本気になれば内閣だって集団的自衛権を強硬する事は不可能です。

ただ、国民が行使し得る実力を行使しない限り、「国会を無視している」とか「民主主義の冒涜」といった言葉も何ら意味を持ちません。

この問題に関しては、労組も大規模なストライキやデモの動員をしていませんので、労組や野党も同じ穴のムジナ以外の何物でもありません。普段、いくら勇ましい事を言った所で、国の将来を左右する大問題で、国民を煽動出来ないメディアも労組も野党も存在意義が有りません。

あまりに国民が静かなので、私は「集団的自衛権を国民が仕方無く受け入れている」と解釈しています。ですから、安倍政権の政治手法をここで糾弾する事はしません。

■ 「建前派」と「心配派」の不毛な議論 ■

今回の集団的自衛権に関する議論の中で気になるのは、「建前」と「心配」が対立軸になっているので、議論が全くかみ合わない事です。

「建前派」の主張は、「集団的自衛権は国連も認める国家の権利であり、戦争を抑止する為にもをれを放棄すべきでは無い」というものでしょう。これはもっともな意見です。

「心配派」は「集団的自衛権を認めたら、米軍の不毛な戦争に付き合わされる。地球の裏側の紛争に自衛隊がわざわざ出動して犠牲者を出す事は無いではないか」と主張します。実はこれももっともな意見です。

「建前派」と「心配派」の議論がかみ合わないのは、彼らの「前提」がそもそも食い違っているからです。

「建前派」は、「集団的自衛権の行使は法的手続きに則って行われ、国民の意思を無視した所で戦争に巻き込まれる事の無い様な法整備が行われる事」を前提にしています。

「心配派」は「国民の意思が無視された形で、アメリカやその他の国の戦争に巻き込まれるる可能性がある」という事を前提としています。これは法律がきちんと運用されないかもしれなと心配しているのです。

「建前派」の前提は「法律がきちんと運用される」事で、「心配派」の前提は「法律がきちんと運用されない」ことです。

彼らの前提は180度正反対なので、議論は対立したまま、お互いを説得する余地はありません。両者の議論は不毛なのです。この噛合わなさは、戦後の護憲派と自衛隊容認派の論争に似ています。ただ、今回はどちらかと言えば集団的自衛権の行使に積極的な「建前派」が護憲派と同様に杓子定規な傾向が有り、どちらかと言えば「心配派」の方が現実的スタンスかと思います。

■ 「中立」を維持する事は難しい ■

集団的自衛権を否定する方法としては、「永世中立」を宣言するという方法もあります。

以前は自衛隊不要論者の中にも、「日本も永世中立国になればいい」と主張する人も見受けられました。さすがに、最近はあまり耳にしな意見です。

永世中立国で有名なのはスイスですが、その他に国際的に承認されている国はオーストリア、ラオス、トルクメニスタンがあります。国際的に認められているとは言え、永世中立国を侵攻した場合、国連軍が制裁する様な制度がある訳では無いので、「永世中立」とは「自称」に等しい制度と言えます。

実際にスイスは強力な軍隊を持っていますが、実はスイスの最大の武器は「金融」です。海外の資産を大量に預かるスイスを攻撃した場合、資産を凍結される恐れがあるので、どの国もスイスを攻撃する事をしません。いえ、「金融の裏」にしっかりと根を貼るスイスは、どの国にとっても不可欠な存在なので、そこを攻撃する事はあり得ないのです。

一方、オーストリアやラオス、トルクメニスタンは微妙です。彼らは自国を守る「武器」
がありませんから、「国際世論」だけが頼みの綱です。これは頼りにならない「武器」である事は歴史が証明しています。

日本が中立を獲得する為にはスイス並みの「武器」が必要ですが、残念ながら日本にはそんな武器は有りません。「サプライチェーンの寸断」や「円暴落」は、一時的には世界を混乱させますが、その後は日本抜きでどうにかなるので「武器」とは言えません。

■ アメリカに頼らざるを得ない日本 ■

日本は戦後、アメリカの主導の元に自由主義国家(民主主義)として歩んで来ました。国民は現在の民主主義に価値を見出していますから、中国型の社会主義も、ロシア型のプチ独裁主義も好みません。

中国、ロシア、アメリカの中からパートナーを選ぶとすれば、大多数の日本人が「仕方無いけどアメリカ」と答えるでしょう。

中国とロシアに近接した極東に地で、日本が民主主義国家として独立を保つ為には、日本には「武器」が必要です。日本はアメリカをこの武器として選択しました。「ボクをいじめたらジャイアンが黙ってゾ!」といった所でしょうか。ドラえもんのスネ夫君作戦です。この作戦は戦後しっかりと機能し、日本の独立は中国にもロシア(ソ連)にも脅かされる事なく現代に至っています。

一方、ジャイアンとの付き合いはお金も掛かるし手間も掛かります。「お小遣いをクレ」と言われれば渡さざるを得ませんし、「オレばっか攻撃されるのは損じゃん。お前も加勢しろよな」と言われれば、無理しても集団的自衛権を認めざるを得ません。

安倍政権は相当無理をして集団的自衛権を認めさせようとしていますが、その背後にはアメリカからの強い要望がある事は間違いありません。

■ 集団的自衛権の「利用方法」 ■

もし仮にアメリカが日本に集団的自衛権を強要しているのだとしたら、こそには目的が存在し、集団的自衛権の「利用方法」が有るはずです。

まあ、だいたいこんな筋書きかと思います。

1) 台湾海峡や東シナ海、南シナ海で中国と周辺国の軽い戦闘が発生する
2) アメリカ軍が支援に駆けつけ、紛争は膠着状態となる
3) 集団的自衛を理由に自衛隊も対中国の多国籍軍に加わる様に要請される
4) 自衛隊が多国籍軍に加わる(多分、後方支援など)

5) 米軍が前線から退く
6) 米軍以外の多国籍軍が中国に対抗せざるを得ない状況になる
7) アジア有数の戦力を持つ自衛隊はだんだんと後方より前線にシフトせざるを得なくなる。
8) アジアに鉄のカーテンが降り、NATOに相当する軍事連合が設立される

■ アメリカの行動を止める事は出来ない ■

日本がいくら戦争に巻き込まれたく無くても、アメリカとそれに加担する国が戦争を起せば、集団的自衛権が発動して日本も戦争に巻き込まれます。これは不可避です。

これを防ぐ為には、集団的自衛権を否定するしか無いのですが、既に国民の多くにとっても集団的自衛権は既成事実化しています。

一方、国民が行動を起さない限り「集団的自衛権の容認」が不可避なので、日本は今後、上記の様な巻き込まれ方戦争に陥いる可能性は低くは有りません。


メディアは集団的自衛権の是非を、「建前」と「心配」でしか語りませんが、実は国民が最も知る必要があるのはその「利用方法」なのでは無いでしょうか。」

もっとも「利用」するのは日本では無く、世界の経営者である事をメディアが伝える事は有りません。



本日は集団的自衛権に関する雑感を書いてみました。