人力でGO

経済の最新情勢から、世界の裏側、そして大人の為のアニメ紹介まで、体当たりで挑むエンタテーメント・ブログ。

森友問題を捨て駒として加計問題を隠す・・・会計検査院報告のトリック

2017-11-30 06:25:00 | 時事/金融危機
 

■ 「いつまでも、モリカケじゃないだろう」という意見の問題点 

「いつまでもモリカケ問題ばかり追求していないで、きちんと予算審議やその方の重要法案の審議をして欲しい」という一見良識的な意見が増えています。

私はこの意見にピーーー!!とイエローカードを差し出したい。

「政治家が信用出来ない」のは昔からの事ですが、疑惑が発覚した場合は政治家はきちんと「社会の裁き」を受ける事は大変重要な事だと思います。

日本人の多くがサラリーマンで税金は給料から天引きされるので、自分の納税金額を把握していない方が多い。しかし、健康保険税や年金も含めると、サラリーマンの給与に占める税率は40%に近い。これだけ多くの税金を負担しているのだから、その税金が正しく使われているかをチェックするのは国民の義務です。

森友問題にしても、加計問題にしても、国家の財産や、地方の税金が正しく使われているかが問われているのであり、安倍首相がそれに関与していたかどうかを証明する事に大した意味は有りません。

安倍首相の責任問題は、税金の使い方が間違っていたと判断された時、政府の代表としての責任が生じる訳で、国民は選挙で責任を追及するなり、しないなりを決めればよいのです。


ですから予算委員会で議論すべきは、国家の財産である国有地がきちんと適正な価格で売却されたかどうかで、安倍首相に対する忖度があったとか、安倍首相が秘書官や首相夫人付きを利用して破格の値引きを強制した・・・なんて事は、国民が勝手に判断すれば良い事です。

同様に加計問題の本質も、多額の税金が補助金として投入される事の費用対効果や、提示された建設コストが正しいものであったかチェックする事に重要性があります。

ここに問題が有ったと明確になったならば、国民はおのずと「何が原因か」を想像して、選挙によって原因を排除すれば良いだけです。

■ 会計検査院の報告は加計隠しの煙幕では無いか? ■

会計検査院が森友学園への国有地の売却と価格設定に問題が有るのでは無いかとの見解を示し、森友問題に対する野党の追及が厳しくなっています。

多分、政府は「今後、この様なケースが発生しない様にルールを変更し、管理を徹底する」とうだけで、森友学園予定地を再ボーリングしてゴミの量を確認する事はしないでしょう。

森友問題で直接責任を問えるのは、価格交渉の音声データを公開された財務省の職員ぐらいで、財務省が証拠を破棄している(表向きは)以上は、佐川元理財局長の責任追及も難しいはずです。多分、ここら辺が落としどころで、但し、彼の罪を裁判で立証する事は困難かも知れません。

問題は会計検査院の報告で、野党の追及が森友学園問題に集中してしまう事です。

森友学園問題は籠池夫妻が詐欺の容疑で逮捕された事で、既に小学校の開校は中止され、国有地売却も白紙に戻っているハズ。後は登記上、学校敷地の所有者を財務省に戻し、学校の校舎を解体するか、新たな事業者が校舎コミで買い取って有効利用するかの問題となりあます。

森友問題は既に「オワコン」に近い。

一方、加計学園は、今後、今治市と愛媛県が補助金の額を決定する最重要イベントが残っているので、「税金の無駄使いを許さない」という国民の権利を行使するならば、こちらの方が重要となります。そもそも、補助金が額が96億円と、森友学園など問題にならない程大きい。

■ 今治市の第三者委員会は、案の定、「建設費用に問題は無い」との答申を出した ■

今治市も愛媛県も、今治市が設置した第三者委員会の答申が出てから補助金を予算化するとしていますが、第三者委員会は「建設業者からヒアリングして価格は適性だった」との判断を下しています。

これ、泥棒に「お前は泥棒か?」と聞いて「いいえ」と答えた返事を鵜呑みにするのと同じ状況ですが、これで今治市と愛媛県は補助金支給が正当化されたとするハズです。

■ 騒いでいるのはプロ市民で、住民は「空気」を読んで騒がない ■

本来は今治市民が大騒ぎして、住民訴訟を起こすなり、補助金の差し止めを要求するなどの行動を起こすべきですが、そうなってはいません。騒いでいるのは一部のプロ市民です。

自民党が強い地方都市では、下手に騒ぐと周囲から白い目で見られる恐れがあります。ですから、今治市民は黙っています。彼らが騒ぎ出すのは、今治市の財政が銚子市の様に逼迫して、市民病院が閉鎖されるなどの実害が生じてからになるハズです。

「ここで安倍首相に恩を売っておけば将来見返りがあるかも知れない」とか、「経緯はどうあれ加計学園が開学して若者が増えれば地域の活性化につながる」と考えているかも知れません。

そもそも、獣医学部開設の経済効果に期待しているのは、アパート経営者や、地元の商店の方々でしょう。彼ら個人事業主はあまり税金を納めていない方が多い。

今治市で補助金分の税金を実際に負担するのはサラリーマンの方々のハズです。しかし、彼らは納税意識が薄く、故に政治意識も高くはありません。自分達の税金が、一部の自営業者と学校関係者と、政治家や銀行の利益にすり替わってしまうという認識が無いのです。

■ 民主主義の根幹が問われている ■

ラフに言ってしまえば、民主主義とは、国民や住民が選んだ議員に、税金の使い方を委ねるシステムです。

「いつまでもモリカケじゃないだろう」という意見には、この視点が欠落している様に感じます。

「日本は北朝鮮のミサイルの脅威に晒されているのだから、憲法改正の方が重要」とか、「日本の自主防衛はアメリカの属国からの脱却の第一歩」と主張する最近の風潮は、「税金の使い方を検証する」という国民の義務を軽視し過ぎていると感じます。


尤も彼らは「生活保護を在日や外国人に支給するのはオカシイ」という点へのチェックは厳しい。実は私も同意見ではありますが・・・。少なくとも日本国籍を取得してから生活保護申請をして頂きたいとは思っています。


「既存通貨の価値」の裏返しとしてのビットコイン・・要はバブル

2017-11-30 02:47:00 | 時事/金融危機
 

■ ビットコインについてお題を頂いたので ■

ビットコインについてお題を頂きました。

実は、自分の為のメモ帳程度のブログですが、お題には結構悩みます。素人のブログと言えどもコメントや拍手など頂くと嬉しいもので、出来れば皆さんが喜んで下さる記事を書こう・・・そういう気負みたいなものが無くは無いのです。

本心を言うと、投資に興味を持たれる様な、少し年齢層の高い良識的な方々を「アニメ好き」に改造するという「真っ黒な野望」を持っているのですが・・・そこら辺は皆さま華麗にスルーされる様でちょっと寂しい。

■ ビットコインはバブルなのか ■

ビットコインについては過去に何度か書いています。

1) ブロックチェイン技術の実験場として通貨当局も見逃している?
2) 大量の計算に大電力を要する「マイニングコスト=価値」というのは???
3) 通貨的価値が個人レベルで手軽に国境を越える手段=資産逃避の道具として便利
4) 法的に規制されれば一瞬で消える

だいたい、こんな内容の事を書いて来たかと思います。

先般のビットコインの分裂騒ぎや、中国での規制開始によって暴落するかと思われたビットコインですが、ここに来て急激に値を上げ、「バブルだ」と言う方が増えています。

最も、私などは「無価値」のビットコインにお金が集まる事自体がバブルだと思っているので、今更ビットコインがバブルになっているとの認識は有りません。

■ 有限性の神話 ■

オランダのチューリップバブルや、香港の鉄観音バブルを引き合いに出すまでも無く、「その物本来の価値を大きく超えた値段で何かが取引される現象」をバブルと呼びます。

バブルの対象は何でも良く、肝心なのは「数に限りがある」という点です。例えば、大量に複製されるものではバブルは起こせません。そこら辺の石ころではバブルは起こせません。

ビットコインは「採掘=マイニング」にコストという制約が存在し、何となくそれが「神話化」している事によって「有限性」を担保しています。

■ 物としての尺度を持たない「仮想」の強み ■

「有限性」という意味においてはコモディテーも同じなのですが、「実用性的価値」が存在するコモディテーは、物としての受給の影響を受けるので、金とて「物」としての「現実」が価格の高騰に歯止めを掛けます。

しかし、ビットコインは「仮想通貨」と呼ばれる事で「物」としての価値を元々持っていません。だからそれが高いのか、安いのかの価値基準が無い。これがビットコインの最大の強みでしょう。

実は「仮想通貨」というビットコインの本質は、「現実の通貨」よりも「物としての特性」が薄い。現実の通貨は「一般的に流通して、物を買える」という側面によって「物」と強く結びつき、インフレ率や為替レートという形で「通貨の価値の減少」が観測されてしまいます。

■ 「儲け話」はお金を引き付ける ■

一方、ビットコインの価値は現在の所、物を買えたり、国境を越えた決済で使用したりという実用性よりも「値段が上がる」という一点により支えられています。この値段が適正かどうかの判断は保留にされ、「値段が上がるから価値がある」のです。

この「値段が上がるから価値がある」というのがバブルの本質で、一般の人達も巻き込み始めるバブルは最終段階に突入し、価値は高騰します。

■ 一般人も巻き込み始めたらバブルは終わる ■

バブルの本質として、「一般の人がその市場に参入したらバブルが弾ける」というのは真理だと思います。

ウォール街の靴磨きの少年までもが株の話をし始めた時にNY市場で株が暴落して世界大恐慌の引き金になりました。日本のバブルもNTT株に一般人が飛びついた所で弾けています。

ビットコインも、バブルだバブルだと言われては来ましたが、今までのバブルは「無価値に値段が付く」という現象に過ぎず、市場のプレーヤーはリスクにも敏感な方達でしたから、「抑制の効いたバブル」に過ぎませんでした。

しかし、一般の人達がビットコイン市場に参入し始めると・・・そろそろ。

■ 現在のビットコインの価格上昇は過剰流動性が流入しているだけ ■

昨今のビットコインの価格上昇の主役が一般人かと言えば答えはNOです。一部の投資家や、射幸心の高い人達はビットコインに手を出していますが、これらの方々はFXにも手を出す様な方で、一般時とは言えません。

ではビットコインの価格上昇の主因は誰かと言えば、ヘッジファンドなどが投入する過剰流動性です。

リーマンショック後に各国中央銀行が増刷したマネーは、過剰流動性とした市場を徘徊していますが、最近は債権市場の高値に警戒し始め、株式市場もそろそろバブルの匂いがし出したので資金が余り気味です。そんな行き場を失ったマネーの受け皿の一つがビットコインなのです。

ウォール街では多くのヘッジファンドがビットコインへの投資を始めており、彼らの資金がビットコインの値段を吊り上げています。

ステグリッツなどは「ビットコインはバブル」と言い切っていますが、ヘッジファンドのプレーヤー達は、「最後の稼ぎ時」とばかりにビットコインに群がっています。

■ 金融緩和バブルの最後の饗宴 ■

多くのアナリストが2018年危機を意識し始めています。リーマンショック以降の金融緩和バブルがそろそろ弾けるだろう・・・と。

「インフレ率を引き上げる」事を目的として各国中央銀行がばら撒いたマネーは、適切なインフレ率を達成する前に、資産市場で巨大なバブルを作り出しました。

「通過の価値の尺度=インフレ率」というのは資産市場がこれ程肥大化する前の話で、「実体経済よりも遥かに巨大な規模の資産市場」を有する現代では、「資産市場のインフレ=通貨の価値」と考える方が正しい。

要は、リーマンショックの混乱期を脱した2011年末頃から世界の資産市場は順調にバブルを拡大し続け、通貨は価値を失い続けた・・・。

その仕上げが「価値の無い通貨モドキ=ビットコインへの投資」で、これは必ずや大暴落で終焉を迎えると私も妄想します。

ただ、次のバブル崩壊はあらゆる市場で発生するので、損失はビットコインだけで発生する訳では在りません。

■ 金融危機後にビットコインはどうなるのか? ■

ここからは与太話です。

仮に世界規模の金融機が発生したとして、各国政府が資産逃避を回避する為に海外への資金の移動を制限したとします。この時、規制を逃れる手段としてビットコインの様な仮想通貨が利用される可能性は高い。

実際にギリシャ危機と並行して起きたキプロスの預金封鎖でビットコインは活用され、ビットコインの値上がりに貢献しています。中国でも海外へ資金を移すのにビットコインが使わるので、中国政府が規制の乗り出した・・のでしょう。

仮に、ビットコイン市場でバブルが弾けたとしても、システム自体が残っていれば、通貨の価値大きく棄損する時に、ビットコインは不死鳥のごとく蘇るかも知れません。

但し、国外への資産流出を嫌う各国政府がこれを規制しないハズが無い・・・とも思うのですが。


何かと話題になるビットコインですが、アメリカ開拓時代のゴールドラッシュの様で、経済と人間の関係を考える上ではは、非常に興味深いものが在ります。



本日はお題を頂いたビットコインについてですが、投資など無縁な私にとっては単なる思考の遊びの対象に過ぎないので、あまり参考にはならないと思います。ゴメンナサイ。

一発たのむ・・・

2017-11-29 07:19:00 | 時事/金融危機
 

国会でモリカケ問題の追及が厳しくなると、何故か発射される北朝鮮のミサイル。安倍政権を強力に支援しているとしか思えなタイミングで発射されます。

今回は未明の午前3時18分に発射。青森県西方250Kmの日本の排他的経済水域に落下するロフテッド軌道でした。

日本の上空を飛び越える軌道だと「Jアラート」を発令する必要がありますし、通勤時間や昼間だと交通機関に影響が出るかも知れません。午前3時に日本海に落下する軌道で発射するとは、北朝鮮もなかなか細やかな配慮を見せます。

「忖度」という言葉がまさにピッタリ。


米ソのICBM開発競争の時でも、この頻度でミサイルの発射実験は行われなかったハズ。ミサイルは高価な代物ですから、貧乏国家北朝鮮が気前よく発射するミサイルを良ーく観察すると、スポンサーロゴが付いていたりして。



「首相!!、北朝鮮の弾道ミサイルが先端を上にしてゆっくり降下しています!!」

「首相!!、ミサイルの側面にスペースX社と書いてある様に見えますが・・・」

「ウーン、さすがに予算が底を付いて使い捨て出来なくなったか・・・。」



まさかね・・。


ネットでは首相動静をチェックして官邸泊だと「ミサイルが飛ぶぞ」と噂される始末。「Aアラート」と呼ばれて居ます。Jアラートよりも高性能だと評判。


Line時代の群像劇・・・『Just Because!』は傑作だ

2017-11-28 07:00:00 | アニメ
 


『Just Because!』より

■ 今期アニメのダークホース 『Just Because!』 ■

今期アニメはダントツで『宝石の国』が素晴らしく、私的には2017アニメのベスト1は確定。

次を追うのが『アクションヒロイン・チアフルーツ』と『月がきれい』ですが、ここに来て第三コーナーから猛烈な追い上げを見せるのが『Just Because!』

■ 「群像劇の妙手」現る ■

中学時代まで過ごした藤沢の高校に転校して来た泉 瑛太。高校三年生の三学期の転校という事もあり、クラスには編入せずに自習室登校を選択します。

学校には中学時代の野球部の親友の相馬 陽斗と、クラスメイトだった夏目 美緒が居ますが、連絡も途絶えていたので再開しても直ぐには相手が分からなかった。そんな3人ですが、夏目は相馬を、泉は夏目を中学時代から思い続けている絵に描いた様な三角関係。

肝心の相馬はブラスバンド部の地味な森川 葉月に何故かゾッコンで、告白しようと迷っています。ホームランを打ったら告白する・・・そう決めてバッターボックスに立ちますが、何故かピッチャーは再会したばかりの泉。

そんな二人をグランド脇からワクワクしながら見つめるのは写真部の二年生の小宮 恵那。彼女は「謎の転校生」に興味津々で、二人の対決に夢中でシャッターを切ります。

そして、二人の野球対決を校舎の上から見つめるのはブラバン部の森川。相馬が自分への告白を掛けてバッターボックスに立っているなどとは知らず、夏の予選を思い出してトランペットで応援歌を吹き始める。すると、バラバラに練習していた部員もそれに加わって、二人だけの野球対決を盛り上げます。

「謎の転校生」という写メを写真部の小宮から受け取った夏目は「え、そんなの聞いてない」と急いでグランドに目をやります。野球対決を終えた二人がマウンドで笑い合うのを見ながら「笑えないよ」と一言。相馬への煮え切らない思いを入試を控えた苛立ちで誤魔化します。

一話のストーリーを書いてしまいましたが・・・グランドの野球対決を見つめる夏目、森川、小宮を同じ時間で捉え、次々にカットを切り替えて行く演出はスリリングです。何気なく見つめる野球対決が、その後の彼らを強く結び付けて行く。

■ Line時代の群像劇 ■

5人の高校生の群像劇の『Just Because!』ですが、この作品の特筆すべきは「同時間性」。

群像劇の多くはAが〇〇していた時、BとCは▽▽をしていた・・・といった描き方をします。この同時間性は上に書いた冒頭の演出にも表れていますが『Just Because!』で面白いのはLineのグループ会話が、離れた友人達をリアルタイムで繋いでいる所。

『月がきれい』でもLineの会話が効果的に使われていましたが、あくまでも主人公二人の会話であって電話とあまり変わりません。

ところが『Just Because!』では友人5人のLine会話と、その他の二人だけのLine会話が使い分けられながら物語が進行します。そしてそのいずれの会話も「舌足らず」なのが面白い。誰も本音を語らない。或いは語れない。

こんな感じでLineで繋がる群像劇は、離れた場所の友人達を緩やかにリンクしながら進んでゆきます。二人で居る所に、他の人のLineが着信して状況がリアルタイムで変化する。

■ 6話で繰り替えされる野球対決 ■

1話の野球対決のシーンがあまりに見事だったので2話目以降が「間延び」して感じられますが、6話で再び野球対決となります。

今度は相馬は、告白を断られて関係がギクシャクしてしまった森川からのLineに返事を出すかどうかを掛けてバッターボックスに立ちます。

これを再び異なる場所で、夏目、森川、小宮が見つめる訳ですが、前回はただ眺めていただけの彼女達ですが、今度は彼らと強い関係性を持った状態で野球対決を見守ります。夏目も森川も何かを決意し、そして小宮は恋の予兆を感じ取ります。

1話と似た構造のシーンを6話で再演する事で、お互いの関係性の変化を際立たせて見せる脚本には、ただただ唖然とするばかりです。

■ 脚本は『さくら荘のペットな彼女』の原作者、鴨志田一 ■

見事なオリジナル脚本を書いているのはシリーズ構成も務める鴨志田一。『さくら荘のペットな彼女』のラノベ原作者ですが、この作品のアニメ化以来、岡田磨里と一緒に仕事をする事が多い様です。(サムゲタン事件で闇に葬られたアニメ版。これだけでもネトウヨは万死に値する)

群像劇としての岡田脚本の良い点を吸収しつつ、さらに構造的に複雑な脚本をものにしています。

監督は小林敦という方らしいですが、あまりネットに情報が有りません。空気感を大切にした丁寧な演出を心掛けている様ですが、お手本は京アニに『響けユーフォニアム』といった感じ。

背景は実写を画像処理しているらしく、ここら辺の技術の進歩には舌を巻くばかりですが、動画の相性は悪くありません。

特に6話ラストの河原での相馬と森川のシーンなどは、夕焼けから薄暮に移ろっていく様が実に美しい。『カラフル』の原恵一を思い出しました。

制作は小さな駆け出しの会社らしく、作画が残念な回も多いのですが・・・それを補て余りある内容の作品です。

■ 「やなぎなぎ」がいっぱい ■

OP主題歌は「やなぎなぎ」。



彼女の独特の歌詞センスと、透明な歌声、私の中では「ザ・アニソン」を象徴する存在です。
今回はやなぎなぎはEDの作詞作曲と音楽プロデュースも担当している様です。



彼女は音楽集団supercellの初代ボーカリストですが、私が彼女を知ったのは『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』のOP「ユキトキ」から。

「アザレアを咲かそう・・・」という歌詞のインパクトがあまりに凄くて・・・それ以来ファンです。

作曲が石川智晶になると雰囲気がガラリと変わります。



『凪のあすから』のED「アクアテラリウム」は名曲です。


■ 「泉先輩をデートに誘っていいですか」「だめ・・・」 ■

今期ダークホース筆頭の『Just Beause!』ですが、物語は佳境に差し掛かっています。7話のラストで小宮が「泉先輩をデートに誘っていいですか」と夏目に直接切り出します。夏目の答えは「だめ・・・」

この展開で「だめ・・・」はアニメ史上に残るのでは無いか。従来ならば「別に、何で私に聞必要があるの?」と切り返すシーンです。

これまで煮え切らない夏目と泉の関係に視聴者はジリジリとモドカシイ思いをしていますから、この「だめ・・・」は爆弾級の破壊力を持ちます。脚本における「一言の力」ってスゴイ。


毎回、見事な「引き」で次週が待ち遠しい『Just Because!』、このままきっちりと終盤まで描き切れば今期アニメの上位にランクインしそうです。


・・・しかし、小宮さんが振られて泣く姿しか想像出来ない・・・。小宮ファンとしては複雑な心境です。




年金って本当に貰えるの?・・・ちょっと不安だから調べてみた

2017-11-28 03:52:00 | 時事/金融危機
 

■ 年金受給開始年齢が75才になる? ■

自民党の有識者会議が公的年金の受給開始年齢を70才以上に出来る仕組みを提言するなど、国民年金の受給開始年齢が75才に引き上げられるのではないかとの報道がされています。

正確には「受給開始年齢の選択肢を75才まで広げる事で、支給金額を増やす選択も出来る制度にする事を検討する」と言う方が正しいかと・・。

ただ、年金の受給開始年齢は世界的に引き上げられる方向に有り、日本の国民年金の受給開始年齢の65才は先進国の中では決して高い年齢ではありません。

75才の繰り下げ受給が検討されるという事は、将来的には国民年金の受給開始年齢は70才になると見て間違い無いでしょう。(厚生年金もリンクするはず)

■ 厚生年金の受給開始年齢は65才になる ■

厚生年金は出生年によって受給開始年齢が変わって来ますが、現在65才以下にも支給されている報酬比例部分は男子では昭和36年生まれ以降、女子では昭和41年生まれ以降の方では廃止されるので、私の様な昭和40年生まれは65才まで厚生年金は貰えなくなります。

以前は60才が受給開始年齢であった国民年金も、現在は原則として65才が開始年齢です。しかし、60才で国民年金をもらう事も出来ます。但し、最大で30%の減額となりますので、月額は4万5千円程の減ってしまいます。

但し、先述した様に受給開始年齢は引き上げられる方向にあり、将来的には70才まで引き上げて、65才からもらう事も出来るが減額され、75才まで支給開始年齢を繰り下げる選択も出来る制度となるでしょう。

■ 定年延長によって65才までの雇用を義務付ける ■

将来的に年金の受給開始年齢は65才となりそうなので、同時に雇用期間を65才まで伸ばす政策が実行されています。

2019年度から公務員の定年年齢は段階的に65才まで引き上げられます。民間企業は60才定年が一般的ではが、給与は減りますが「65歳までの継続雇用制度の導入」が義務付けられています。

「給料が半分になったのに、仕事量は変わらないよ」と文句を言いながらも、60才以上の方がバリバリ働いている(働かされている)のが現在の日本です。

■ 私の世代は65才まではビタ一文も年金が貰えない? ■

ここで、最初の「75才支給開始の選択肢」に話を戻しますが、現在の国民年金の受給が65才±5才という事は、将来的には国民年金の受給開始年齢が70才±5才となる事は充分に想像出来ます。

厚生年金も国民年金も65才まではビタ一文も貰えない時代は、確実に到来するでしょう。多分、昭和40年生まれの私の年金はそうなるハズ・・・。

■ 世代間格差の極みとも言える年金制度 ■

早い人は18才から年金を払い始め60才までは払い続ける義務が在ります。

滞納者が多いと言われる国民年金も、現在では年間所得が300万円以上(給与総額では在りません)の人は、14か月以上国民年金を滞納すると、資産が差し押さえられます。(本人が払えなければ配偶者の資産も差し押さえ)。

これ、ほとんど年金と言うよりは「税金」に等しいのですが・・・私達の世代の年金はどんどん遠のいて行きます。まるで逃げ水の様に・・・。

現在年金を払っている世代は確実の払った額を貰えず、現在年金を貰っている世代は確実に払った額より沢山貰える・・・まさに世代間格差の極みと言えるのが現在の日本の年金制度です。

この歪がどうして生まれたかと言えば・・・戦後、年金制度の無い時代に現役だった方々が老人になった時に「無年金」になってしまったから。そこで現役世代の払う年金を老人が受給する「賦課(ふか)方式」という年金制度が誕生した。

まともな国ならば、徐々に「積立方式」に移行して、自分の払った年金は自分で貰う制度に変更されるのですが、日本ではこれが出来なかった。

一つの理由として、日本のインフレ率がバブル時代までは高かったという事が挙げられます。「積立方式」は運用方法が悪いとマイナス運用になる恐れが有り、又、インフレ率が高いと貰う年金が「ちんけ」な額になる恐れもあります。

■ 将来的なインフレを考慮すれば「賦課方式」を維持した方が得策? ■

ここで問題となるのが「将来のインフレ率」です。

日本は既にステルス財政ファイナンスに突入していますから、どこかの時点で通貨の信用棄損によってインフレ率は急上昇するはずです。仮に10%を超える様なインフレ率が続いた場合、「積立方式」の年金は「ちんけな額」になってしまう可能性が大きい。

一方、現在の「賦課方式」の場合、マクロ経済スライド方式を少し手加減してあげれば、或いは受給開始年齢を引き上げれば、「少しちんけな額」に押さえながら、年金制度を維持する事が可能になります。

日本の官僚は優秀ですから、将来の財政破綻の事も考慮して、年金制度を「賦課方式」のままにしているのでは無いか・・・私はそう妄想しています。


70才まで現役で働く体力は維持しないとイケナイ。そんなムリゲーな時代を私達は生きて行くことになりそうです。