人力でGO

経済の最新情勢から、世界の裏側、そして大人の為のアニメ紹介まで、体当たりで挑むエンタテーメント・ブログ。

アニメ的日常とは・・・「輪廻のラグランジェ」

2012-03-31 13:46:00 | アニメ
 



■ 最後尾からトップ争いに躍り出た「輪廻のラグランジェ」 ■

今期のアニメも一通り最終回を迎えました。
毎期、自分なりのベスト、ワーストアニメを決めているのですが、
今期、期待のアニメが次々に脱落してゆく中で、
最後尾をマイペースで走っていた作品が、
最終コーナーから一気にスパートして首位争いに加わりました。

とりあえず着順をご紹介します

ベスト3


「モーレツ宇宙海賊」
とにかくオールドスタイルのSFを丁寧に造り込んでの大勝利。
放映開始直後は不人気アニメでしたが、徐々に熱心なファンを獲得。
2期26話なので、後半が期待されます。

「輪廻のラグランジェ」
日産デザインの流麗なロボットの話題が先行し、「本格ロボットアニメ」かと思いきや、
まさかの展開にファンは呆然。ところが、次第に話に引き込まれ、
気付けば首位に僅差。1位、2位ともに佐藤竜雄作品。
テーストの異なる2作品をこのクオリティーで同時進行・・・オヤジパワー恐るべし。

「Another」あまりに怖い描写が多いので、パドックから出さないつもりでしたが、
やはり水島勉の演出力には舌を巻きます。
最初は違和感のあった「いとうのいじ」によるキャラクターも、
気付けば、「オレの赤沢さんを何故殺した!!」と腹が立つ程の入れ込み様・・。

ワースト3

「ギルティー・クラウン」
最後まで煮え切らない作品、主人公。
無駄に高いクォリティーのキャラクターデザインや作画、音楽。
むしろ、ギャグアニメにすれば良かった・・・。
「エー、オレのヴォイドってこれぇーー!?」みたいな・・・。

「あの夏で待ってる」
「あの花」の長岡龍雪だけに期待度は大きく、失望も大きい。
最終話で全てぶち壊しええてくれました。
主人公二人がく魅力無かったからどうでもイイかな・・・。
「オレのカンナが振られっぱなしって、悲しすぎないか!!」
・・・あ!、これって多分個人的恨みでワーストに入りました。

「未来日記」
前期から連続の2期作品です。
「ピングドラム」でも特殊シーンを担当していた細田直人の絵の動きにはシビレます。
携帯電話で予知する未来が、行動によって刻々と変化する設定も素晴らしい。
でもね、女子中学生がナタ振り回して人殺しは無いでしょう。
エッジが効いて好きな作品だけに、もう少しキャラクターがまともならベストに選びたい。
「オレのミネネを返せーーー」と言いたい。
・・・あれ、これも私怨でワーストに。

敢闘賞

「パパの言う事を聞きなさい」

ターゲットは明らかに「幼児を愛する大きなお友達」のラノベ原作作品。
ところが、なぜか妙に丁寧に作られていて、良作と言ってもいいのでは?

姉夫婦が航空事故で無くなり、ばらばらに親戚に引き取られそうになる姪の3人姉妹。
かつて両親を亡くして姉に育てられた主人公は、3人を思わず拉致して自分の下宿へ。
バイトで生活を支えながら、次々に訪れる日常生活というハードルを、
周囲の助けもあって、一つ一つ乗り越えていく4人の物語・・・。

大学生がアパートワンルームで3人の姪を育てるという設定に無理がありますが、
その共同生活を、悲観的にならずに温かく描いた所が勝因では。
商店街のオジサン、オバサン。大家さんや、お隣さん。
大学の親友や、同好会の先輩達のフォローもさる事ながら、
主人公4人が、それぞれの出来る事を一生懸命やる姿が何故か心に沁みます・・・。
これを見て、ブヒブヒ言ってる君・・・反省しなさい!!
「Another」と「未来日記」の解毒剤として、今期欠かせないアニメでした。

「うさぎドロップ」とは比較するまでも無い作品ですが、
アニメを製作する者の「良心」が感じられる一作として「敢闘賞」を差し上げたい。


■ 千葉県鴨川にロボット出現 ■


ここからはネタバレ全開です。ご注意を!!




輪廻のラグランジェは日産デザインのロボットがあまりにもカッコ良く、
ファンは久々の本格ロボットアニメの登場に胸躍らせていました・・・。

ところが、第一話でこのロボットが披露したのは・・・バックドロップ。
それも、ルー・テーズも真っ青になる程、背中が見事にアーチを描く完璧なバックドロップ。

そこら辺の解説は、私などよりも下のブログが適任かと・・。

「しゃよならストレンジャー・ザン・パラダイス」、
一風変わったアニメブログですが、これ、とても面白いブログです。

「[anime][プロレス]「輪廻のラグランジェ」を見て、バックドロップについて学んでみよう!」
http://d.hatena.ne.jp/tunderealrovski/20120112/p1

■ ロボットは刺身のツマ ■

ロボットアニメの常識を打ち壊したのは勿論「エヴァンゲリオン」です。
ロボットのデザインや世界設定だけでなく、
日常にいたるまで、それまでのロボットアニメの概念を粉砕しました。
エヴァこそロボットアニメのニューウェーヴでした。

その後、ロボットアニメが低迷するのは、
「エヴァというあまりにも高いハードル」を超える事が出来なかったからです。

そこでラグランジェは「萌えアニメ」という常套手段でこれを回避しようと試みています。
かつて「カワイイ美少女キャラ」が搭乗するロボットアニメは掃いて捨てる程あります。

そこで佐藤竜雄が用いたのは、「ロボットよりも魅力的なキャラクター」です。
要は、ロボットは始めから刺身のツマ程度の存在で、
ロボットに搭乗する「人間」に焦点を絞って作品を作ったのです。

「普通の女子高生がロボットにイキナリ搭乗したら、いったいどうなっちゃうの?」
こんな単純な興味から、女子高生をロボットに乗せちゃいました・・・って感じ。

だから近接格闘戦で思わず繰り出した技がバックドロップ。
プロレス好きな従姉妹のお姉ちゃんの影響が、モロに反映されたのでしょう。

■ 「ジャージ部」ってどんな部活 ■

突然ロボットに載って戦う事になった「京乃まどか」は鴨川女学園に通う女子高生。
そして「ジャージ部の部長」。

え、「ジャージ部」って何?ってお思いでしょう。
これは、まどかの友人達にも意味不明な部活です。
「困った人が居れば、何がなんでも助ける」というのが一応モットーの様です。

海で溺れた人が居れば、制服を防波堤に脱ぎ捨てて、助ける。
部活でメンバーが足りなければ、助ける。

だから、ある日友達になった「ラン」が助けてと言えば、助ける。
「あなた、ロボットに乗れる?」
こう言われたならば、「無理!!」だと思っても、とりあえず乗る。
敵が攻めてきたら、とりあえず戦う!!

「まどか」にとっては、相手が友達でも宇宙人でも困っていたら助ける。
そこに面倒な理由などいらないのです。これこそが「ジャージ部魂」。

だからロボットが再び鴨川の街を襲えば、怖くても出撃して戦う。
空き地、公園、廃屋を足がかりに、極力、街に被害が及ばないように戦う。
オジーちゃんのピーナツ畑を踏みつけたら、謝る。
避難する友人達に自動販売機が落ちてきたら、ガードレールでフルスイングして打ち返す。

劣勢になっても「ジャージ部の歌」を熱唱して、
未知の敵に果敢に挑みかかります。
これが「ジャージ部流」

これには戦闘管制官達も唖然として言葉もありません。
でも、「まどか」は強い。
いえ、「まどか」では無く、乗り込んでいるロボットが圧倒的に強いのです。

■ 最強のロボットにまつわる忌まわしき記憶 ■

まどかが乗るロボットは伝説のロボット、「ウォクス・アウラ」。
かつて地球に栄えた文明に、「鬼」と恐れらた3機のロボットの1台。

「まどか」をロボットに乗せた「ラン」は、地球から遠く離れた惑星「レ・ガリテ」の王女。
彼女は同じく、「ウォックス・リンファ」のパイロットです。
パイロットはウォックスと契約を結びます。
これは1対1の契約なので、他人はウォックスを操る事は出来ません。
ところが、「ラン」はウォックスが怖い。
伝説を知るからこそ、ウォックスが覚醒して文明を滅ぼす事を恐れています。

だから彼女はウォクスに乗っても戦えません。
ウォクスに心を開かないランに、ウォクスは応える事はありません。

しかし、鴨川の戦闘において「まどか」は2体の敵機を前に苦戦します。
「友達を救う」という気持が恐怖に打ち勝ったとき、ウォックス・リンファが目覚めます。

■ 女子3人の出会い ■



ウォクスは3体あります。
では残りの一機には誰が乗るのか?

突然ラン達の前に現れた謎の転校生ムギナミは、ウォクス・イグニスの契約者です。
しかし、彼女は勝手に契約をした、望まれざる契約者です。

彼女は積極的にランと「まどか」に接近し、
まどかの家に、居候します。
友人として嫉妬に駆られるランも「まどか」の家に押しかけます。

一つ屋根の下、3人の奇妙な生活が始まります。
ムギナミの友情を疑わない「まどか」と、
ムギナミの行動を疑う「ラン」。
それでも3人はジャージ部として活動し、「まどか」は初の部員に大喜びです。

ところが、そこに敵のリーダー、ビラジュリオが現れます。
かつて彼は「レ・ガリテ」の友好国「デ・メトリオ」の王子として、
ランとも親交があり、人望も厚い人物でした。

しかし、何かが彼の運命を狂わせたのです。
ムギナミはビラジュリオを「お兄ちゃん」と呼び慕います。
しかし、そんなムギナミにビラジュリオは冷たい。
「オマエが学校で楽しく過ごしている間に、オレたちがどうしていたか・・・」

敵の仲間とは言え、友人のムギナミを傷つけたビラジュリオを「まどか」は叱責します。
そんな「まどか」を見て、ビラジュリオは呟きます。
「あいつは、お前にそっくりだよ。ユリカノ・・・。」

ビラジュリオの憂いを帯びた表情が、彼が悪人で無い事を暗示させます。
そして、「まどか」の伯父、ヒロシはビラジュリオの真意に気付いている様です。

ところが戦闘でビラジュリオは容赦なく自分を慕うムギナミを殺そうとします。
彼は全てを捨ててもヴォックスを破壊する決意をしているのです。

その時、「まどか」のヴォックスが発動します!!
そして空からはラグランジェの花が降り注ぎます。

■ 「神回」に見るアニメ的日常 ■



7話は辺境の惑星でのムギナミとビラジュリオの出会いからスタートします。
暗い空が垂れ込める貧しい流刑惑星に生まれたムギナミは
その日の食べ物を市場から盗むような生活をしています。

そんなムギナミがある日浜辺で助けたのがビラジュリオです。
彼らは、互いに助けあいながら、日々を凌いでゆきます。
そんな妹同然のムギナミが、兄と慕うビラジュリオに殺されかけたのですから
彼女は深く傷付きます。

一方、ムギナミ抜きのジャージ部はいまひとつ盛り上がりません。
そんな所に担任が仕事を依頼します。
プールに逃げたウナギの回収です。


イヤーはっきり言って、サービスショットの為だけのストーリーかと思いきや、
先生(かつての隠れジャージ部員)の一言で「まどか」は気付きます。
ムギナミに本当の気持をぶつけていなかったと。

部室に戻るとムギナミが居ます・・・。
彼女達は、素直な気持を互いに伝え合います。
いつの間にか、ムギナミにも「まどか」はかけがえの無い友人になっていたのです。

しかし、ムギナミは夜中、一人部屋を後にします。
海辺をとぼとぼと歩くムギナミに「まどか」追いつきます。
ランも追ってきます。
「自分たちはもう家族だ」という「まどか」の言葉に
家族を知らないムギナミはもうボロボロと涙が止まりません。




そして、何故かランはムギナミと「まどか」が一緒にお風呂に入った事に拘ります。
家族は一緒にお風呂に入ると服を脱ぎだします。
オオーー、視聴者全員モニターに釘付けです。

まどかは「お風呂ならあるよ、こんなに大きいのが」と
こちらも服を脱いで海に飛び込みます。
月の照らす中、3人は海で戯れます(ハダカで)。・・・・視聴者、昇天。

と、サービスはこれでだけでは収まらない。
家に戻ったムギナミ達3人にヒロシはウェートレスの服を揃えています。
(ヒロシの家業はサーファー向けのレストラン)

そして3人は制服を着て学校に!!



イヤー、いい最終回でした。
いえいえ、まだまだ7話です。

このサービスてんこ盛りで、そして感動の嵐は何なんだろう?
今回はとうとうロボットは一回も登場しませでした。

でも、「アニメ的日常」が詰まった回として永遠に私の記憶に留まるでしょう。

■ アニメ的日常とは? ■

「アニメ的日常」という言葉を唐突に使いましたが、
「日常」と「アニメ的日常」の違いは何なのでしょう。

今期のアニメ「あの夏で待ってる」と比べる分かり易いかも知れません。

現代の若者の日常を描かせたら随一の長岡龍雪の魅力は
「あの日見た花の名前をまだ僕らは知らない」で堪能できます。

「あの日見た・・」に描かれる彼らの日常は、非常に現実に近い日常です。
非現実的要素は、死んだ友人の幽霊がいるかも知れないという事だけ。
だから、「あの日見た・・」は実写でも十分にいける内容だと私は思っています。
ただアニメは「キャラクターの存在感が強い」ので、
しっかりキャラクターが動き出すと、下手な映画など足元にも及ばない作品になります。

ところが同じ長岡作品の「あの夏で待ってる」の日常は少し中途半端です。
そこは長岡作品ですから男女の高校生達の日常シーンは水準を遥かに超えています。
でも、そこに介入してくるSF設定が物語りから完全に浮いてしまっています。
日常パートとSFパートに完全分かれてしまっているのす。
無意味にSF的要素を物語に持ち込まずに、
「短期転校生の先輩とのひと夏の出来事」にすれば素晴らしい作品になったでしょう。
しかし、それには少し主人公のキャラ立ちが弱い。

同じ長岡作品のSFでも「とある魔術師お超電磁砲」は素晴らしい。
これは「とある魔術師の禁書目録」のスピンオフ作品ですが、
完全にオリジナルを喰っています。
「学園都市」という科学サイドに話を限定して、
ハードなSF設定の上で、個性的な女子中学生が難事件を解決していくという設定は
「アニメ的日常」の最適な例だとも言えます。

「アニメ的日常」とは、現実から乖離していても何ら構わないのです。
登場人物達にとって、それが普通の日常だと認識されていれば、
魔法の世界だろうが、未来科学の世界だろうが、宇宙人が現れようが、
ストーリーの中でなら、それは現実であり、日常なのです。

優れた「アニメ的日常」の描写とは、登場人物達が作品世界の中で、
私達と等身大で悩んだり、喜んんだりする姿が魅力的に思える描写で、
「ラグランジェ」は宇宙という壮大なスケールを背景に設定しながらも、
話の舞台を「鴨川」や「学校」に限定する事で、
優れた「アニメ的日常」のステージを獲得しています。

そして「アニメ的日常」に中にキャラクター自体のリアリティーは重要ではありません。
ツンデレであったり、ボクキャラであっても構わないのです。
但し、リアリティーのスパイスが効いているかどうかが需要です。
人はあるパターン化されたシチュエーションにリアリティーを感じ取ります。
それは、ちょっとした心に機微なのですが、
言いよどんだ言葉の端や、宙に泳ぐ視線や、さり気ない指先の動きに
人はリアリティーを感じ取るのです。

優れた脚本や演出は、「アニメ的日常」の中の「リアリティー」に表現に長けており、
私はプロダクションIG.が現在尤も苦手とする事がこの「リアリティー」だと思っています。
図らずも「輪廻のラグランジェ」はIGの企画の作品ですが、
社内製作の「ギルティー」に最も欠如した「アニメ的リアリテイィー」がここにはあります。
そして、私達が求めてやまない「人の心に力」に勇気付けられるのです。

■ バカトリオ3人の暴走が止まらない ■



優れた作品には優れた適役が不可欠ですが、
ラグランジェの敵は目下の所、デメトリオ率いるテロ集団「キッス」です。

「キッス」の先鋒として地球に送りこまれた男子3人は、
物語の序盤、連戦連敗で「デ・メトリオ」をもじって「ダメトリオ」とネットで揶揄されます。

ところが9話のダメトリオ主役の回で評価は一変。
女子3人組みを凌ぐ勢いです。

暴力バカと、真面目バカと、不思議バカの3人が、
鴨川の近くのアパートを借りるところからスタートするこの回では、
ダメトリオの一人が「まどか」を個人的に殺そうと決意する所から面白くなります。

先ず、異星人ですから色々と文化ギャップに苦しみます。
電車に乗れば前に座った婆さんがお菓子を薦めてくれて、無下には断れない。
学園に乗り込めば、「まどか」の彼氏と勘違いされ、
彼の発言は、女子達に曲解されるばかりで好奇の対照になります。

そして、まどかの友人から聞かされる「ジャージ部」の由来は
異星人の心にもしっかりとした何かを残すのです。

あまりこれを書いてしまうと、見る楽しみが無くなりますのでこの辺にしますが、
鴨川の街を訪れたダメトリオ達は、3人3様にまどかの真実を知り、
そして彼らの中での何かが大きく変容します。

女子回の7話に続き、男子回の9話も傑作として私の脳裏に刻まれました。

■ ダメ押しの第一期最終回 ■

ここから先は見てのお楽しみなおですが、
第一期最終回は、スーパー脚本と演出が炸裂します。

11話のヴォクスアウラの再覚醒というクライマックスに続く12話ですが
冒頭、まどかとランのユリ展開で視聴者は度肝を抜かれます。

先週の続きはどうしちゃったの????

そしてランの送別会に進むにつけ、これが後日譚である事に気付きます。
視聴者のユリ展開願望を見事に逆手に取った設定に、もうビックリです。

そして、レ・ガリテに帰るランをまどかが連れて行くのが「約束の丘」。



鍵に約束を書いてこの丘に結べば、
約束を守らなければなりません。

「まどか」の手にする鍵にはこう書かれています。
「またいつか、鴨川で!!」

二人はしっかりと手を握り合って再会を誓います。
レ・ガリテは遠く、いつ又逢えるかは分からないのですが・・・。

丘の上から見送る「まどか」に坂を下りながらランは何度も振り返り手を振ります。
まどかはお約束の「まーる」をやりますが、丸は収束する事無く・・・まどかは泣き出します。

これは近年アニメの「神シーン」の殿堂入り間違いなしでしょう。
実写でも充分通用するシーンですが、アニメの空気感の中でやられると涙腺直撃です。
ズルイです。佐藤竜雄。

そしてここでシーンは、前回の戦闘の続きに戻ります。
ここからは言えません。

ただまどかはヴォックスアウラの覚醒の最中、
見知らぬ浜辺にたたずむ女性に出会います。
彼女こそが、ユリカノ。
ヴィラジュリオの妹であり、バカトリオが忠誠を誓う人物です。

7月からの第2期で、ユリカノとビラジュリオの過去が描かれるのでしょうが、
7月までが待ち遠しい。

そうそう、言い忘れていまいたが、バカトリオは結構良い活躍を見せています。
後期でも見逃せません。



本日は、長々とストーリーを書いてしまいましたが、
「ラグランジェ」を見ていると、何故46歳の男がアニメなぞを見るのか、
自分なりに分かるような気がします。

「アニメ的日常」への逃避と言われるかも知れませんが、
このワクワクする感じや、心がほころぶ感じは
普通のドラマや映画からはなかなか得られないものです。


バルセロナは燃えているか?・・・やっぱりラテンの血は熱い

2012-03-30 12:18:00 | 時事/金融危機
 


■ 今度はスペインだ!! ■

ギリシャはしばらく休戦状態ですが、
今度はスペインが騒がしい。

先日イタリアのモンティ首相が来日して、
「ユーロ危機は過ぎ去ったから、イタリア国債買ってね」ってアピールしてましたが、
どうもユーロ危機が過ぎ去った過去とは思えません。

ギリシャ市民の姿を見て、スペイン人のラテンの血が騒ぐのでしょう。


 


[[youtube:S-j08r4k1Q4]]
さながら、ゴミ箱を押すマタドールといった所か?






若年失業率が50%を超える様な状況ですから、
若者がデモでストレスを解消するしかやる事が無いとも言えます。

日本の若者よりもエネルギッシュ?




こちらは2011年の映像ですが、
スペインの警察はギリシャ程甘くないみたい。
今回もゴム弾を使用している様ですし・・・。



阿修羅で討論・・・いつもながら無限ループ

2012-03-29 16:51:00 | 福島原発事故
 

■ 福島で中性子を検出 ■

阿修羅の記事で、「福島で中性子を測定・・・」というのがあったので、
ちょっと書き込してしまったら、また無限ループになってしまった・・・。

「中性子の検出」が本当ならば、3号機の爆発か、
ベントによるものなのだと思うのですが、
問題はウランやプルトニウムの危険性がどれだけあるかです。

ウランやプルトニウムは放射線をあまり出さないので、
浸透性の低いα線の外部被曝は心配はいらないでしょう。

一方、プルトニウムの肺の内部被曝を心配する方が多いでしょうが、
これも程度の問題だと思います。

中性子は浸透力も破壊力もありますが、
これもどのくらいのレベルかによります。


もし、本当に中性子が頻繁に観測される様ならば、
大学などしかるべき研究機関がしっかりと測定すべきでしょう。

しかし、プルトニウムの危険性をさんざん煽ってきていすから、
国も発表出来るかどうかは、疑問ですね。
それこそ、発表の仕方によっては、日本経済に影響が生じるかもしれません。

いまさら、「プルトニウムは飲んでもへっちゃら」とか、
「ウランなんて素手で掴んでも平気!でも食事の前は手を洗おうね」
なんて、絶対に言えませから・・・。

いずれにしても、重大な真実は「安全」も「危険」もいつも「闇の中」。
ついでに、経済の未来はいつも誰かの「手の中」。


どうも、ハガナイ・・・・間違えた、ハガユイ。

<再録シリーズ>知っている様で知らない日本国債

2012-03-27 14:32:00 | 時事/金融危機
 

朝日新聞が報道した三菱東京UFJ銀行の、日本国債のリスク管理が問題になっていますが、
他行はとっくにそんな対策は済ませている事は意外と皆さん口にしません。

2010年11月7日の「人力でGO」を再録します。
この時点でメガバンクは日本国債のリスクを充分に意識しています。

そして日銀が金利抑制の為に景気を犠牲にしてる事も自明の理です。
日本は20年間、「延命」を続けているのであって、
アメリカや欧州が同じ罠に嵌ろうとしています。

アメリカや欧州はかつての日銀と同様に量的緩和で崩壊を引き伸ばしていますが、
日本だけが緩和政策を行っていた時期は、円キャリートレードが発生して、
アメリカで住宅バブルを引き起こしました。
サブプライムショックの遠因は、日銀の金利引き上げにあると言われています。

日米欧の中央銀行は低利の融資をジャブジャブ行っていますが、
「出口戦略」という言葉すら聞かなくなりました。

アメリカは一見、ダウが13000ドルを突破して景気が上向いている様に見えますが、
その前提にはFRBがさらなる金融緩和やQE3を実行するであろうという思惑があります。

既に世界の金融はドラック漬けのジャンク患者と化しており、
日米欧ともに金利上昇が、「薬切れ」の劇的副作用の引き金となります。

一方で原油市場はジワジワと値上がりしており、
ガソリン代を始めとする消費者物価も上昇しています。
アメリカは雇用が回復していないので、
物価の上昇は国民に大きな不安を抱かせます。

大統領戦を前に、FRBがさらなる量的緩和を行う可能性がありますが、
そろそろ、「望まないインフレ」という副作用が出始める頃です。

しかしイラン危機をアメリカ自身が煽って原油価格を高騰させている事からも、
「望まないインフレ」すらも計画されていると私は考えます。

「金利上昇」という「出口」が「崩壊の入り口」である可能性に注意が必要なのです。



<再録>
「知っているようで知らない日本国債」(2010年11月7日の「人力でGO」)







■ 加速度的に増大する国際残高 ■

物事の実態はグラフ化すると分かりやすいものです。「日本国債の発行残高がが900兆円、GDPの200%に達する」と言われても、それがどの位酷いのか実感出来ません。しかし、上のグラフの様に、国債発行残高の推移をグラフ化すると、その異常さが明確になります。失われた20年の間に、日本はこんなにも国債を発行し続けていたのです。

赤色の部分が国内保有分、青色が海外保有分です。黄色は政府短期証券で、これは為替介入などの時に発行されます。

グラフからは2006年以降、国債の増加が鈍っている事が分かります。2006年9月に安部内閣がスタートしています。小泉時代の終焉と共に、国債発行が鈍化した事に何か意味がありそうです。政治主導で緊縮財政路線に変更されたのか、大蔵閥の小泉の退場で、財務省が政治に対してNOと言い始めたのは興味が持たれます。

■ 長期国債を手放した三井住友銀行 ■

先日、「景気の先を見通したければロスチャイルド系の企業をウォッチすべき」と書きましたが、フィナンシャル・タイムスが面白い記事を載せています。

<フィナンシャル・タイムスより引用>
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/4788

失われた20年、まだ日本を待ち受ける苦境

大手商社、三菱商事の年金基金の大部分は日本国債に投資されている。10年物国債の利回りが現在の約1%という水準まで低下してきたため、国債は長年、利益の出る投資だった。

 だが、日本国債の長い上昇相場は今後も続くのだろうか? 現時点では、これ以上の価格上昇余地はあまりない。そして、利回りが低下するに従って、潜在的なマイナス側面が大きくなっている。

 三菱商事の年金運用に携わっているある人物によれば、国債利回りの低下によって同基金は多額の利益を享受してきた。だが、将来は利益を上げるのが非常に難しくなると同氏は認める。

多額の利益を生んできた国債投資だが・・・
 実際、日本国債への投資は先々、以前よりずっとリスクが高いものになると懸念する市場参加者が増えている。

 外国人投資家は長らく、日本の国債市場を疑ってかかってきた(もっとも、彼らはそのおかげで損をしてきた)。しかし今初めて、日本人投資家の間でも懐疑的な向きが増えている。一部の財務省、日銀関係者さえも、警戒の言葉を口にするようになった。


三井住友銀行は投資戦略を変え始めた

 ある日銀関係者は、今は国債利回りが低位で安定していると指摘する。しかし、日本はこの状況が永遠に続くことを当てにしてはならないと警告し、人々が日本には財政赤字に取り組む意思がないと考えるようになれば、国債利回りに影響が出るとつけ加える。

 例えば、厳格なリスク管理文化を持つ三井住友銀行は最近、投資戦略を変え始めた。今では同行が保有する日本国債は、ほぼすべてが1年ないし2年の短期保有となっている。今のような国債の低利回りは永遠には続かないと考えてのことだ。

 ある政府高官は、国債市場は今後1~2年間は安定した状態が続くと考えているが、数年後には財政状況が崩壊すると警鐘を鳴らす。

5年後には民間貯蓄で財政赤字を埋められなくなる

 数字を見ると、真剣にならざるを得ない。JPモルガン証券のチーフエコミスト 菅野雅明氏によれば、日本の債務残高は今年末までに国内総生産(GDP)の約200%に達し、2014年までに約300%に膨れ上がるという。ただ、これまでは、家計と企業の貯蓄がこうした憂慮すべき数字を埋め合わせてきた。

 だが、2015年までには国内の民間貯蓄が不足して財政赤字を埋められなくなると菅野氏は言う。実際、現在の貯蓄率は2%と、伝統的に浪費家の米国家計の貯蓄率を下回っている。さらに菅野氏は、(かつて米国との大きな摩擦の原因となっていた)日本の経常黒字がその後間もなく完全に消滅すると予想している。

(後略)

<引用終わり>

三井住友銀行が短期国債以外の日本国債を手放したようです。この事はロスチャイルドが日本国債を長期的に信用していない事を示しています。

■ 国債に誘導される国内資金 ■

この記事にもあるように、日本国内の資金は意図的に国債へと誘導されています。BISの規制が厳しくなる中で、自己資本の制約を受けない国債保有へと金融機関は益々傾倒していくでしょう。

さらに日銀は、マネーサプライを絞って景気浮揚を阻害している疑いがあります。金融緩和で低金利政策を取ったり、量的緩和を実行する傍らで、市場から資金を回収しているのでは無いでしょうか?リーマンショック後、世界の多くの国がマネーサプライを増大させる中で、日本は増加率が105%と低水準です。

市中金利が上がっては、国債の魅力が薄れます。国債の入札が不達のような事態が生じれば、日本国債が暴落する可能性もあります。

■ 国債金利とはどうやって決まるのか? ■

国債が原則的の年2回、金利が支払われます。
2010年の10年物の国債金利は1.186%です。

額面100円の10年国債を所有していれば、毎年1.186円の利息が得られます。
10年後には額面の100円も手元に戻ってきます。

ところで、国債は市場で売買されるもので、価格も市場が決定します。
借りに額面100円の国債が90円に値下がりしていれば、金利は1.317%に上昇します。

新規に発行される金利も市場の国債金利を参考にしますから、国債価格が下がると国債の金利は上昇します。

■ 国債金利と金融機関 ■

国債の金利は低い方が、政府は金利負担が少なくて済み、より多くの国債を発行する事ができます。

民間の金融機関は国債金利が低くても、不景気で他に安全で魅力的な資金運用先が無ければ、安全資産としての日本国債を購入します。

900兆円にも上る国債残高を抱える日本現在の日本では、国債金利の上昇は財政を破綻させかねません。ですから、政府日銀は金利が上昇するような思い切った経済政策を取ろうとはしません。

景気の改善で税収増加は見込めますが、税収が増えるまでにはタイムラグがあります。それ以前に金利上昇によって国内の金融機関が国債離れを始めれば、国債の金利が上昇し始め、ある時点で「日銀の国債の直接買い入れ」に陥る可能性があります。

中央銀行の国際の直接買い入れは「禁じ手」ですが、FRBもヨーロッパ中央銀行も既にこの禁断の領域に踏み込んでいます。

しかし、国債の発行残高がGDPの200%という日本でこの様な事態が発生した場合、はたして民間の金融機関がリスクを犯してまで国債を保有し続けるでしょうか?

現に三井住友銀行は長期国債を手放しています。

■ 国債金利は低下し過ぎてもいけない ■

現状は非常に低金利でも他の資金運用先が無いので、日本国債は人気があります。

しかし、あまり人気が高まると国債金利が低下します。

銀行も郵便局も、年金基金も国際の利払いから預金者の利息を払ったり、年金を支払ったりしています。国債の利回りがあまり下がると、彼らは逆ザヤが生じる為、国債を手放さざるを得ないケースも発生します。

国債の入札が未達に終わるような事態が生じれば、今度は国内の金融機関が一気に国債を手放すかもしれません。

国債金利はあまりに低すぎてもダメなのです。

■ 現状、日銀は上手くやっている ■

日銀の経済政策は、「国債の安定消化」に主眼を置いているようです。
ですから、景気は程ほどに悪い方が良い。

輸出企業の多くも、日本国債の金利が上昇すると、アメリカとの金利格差が逆転して、ドル安-円高が一気に加速するので、日本国債の金利上昇は望みません。

こと国債金利だけに注目するならば、日銀はなかなか上手い運営を行っているとも言えます。

■ いずれ訪れる終焉 ■

日本国債が安全だという方々の根拠は、「日本国債は日本人が所有している」という事です。

しかし、景気低迷が長引けは、預金残高は減少し、金融機関の国債購入力も低下します。この様な事態が訪れるまで、5年程猶予があるようですが、5年以内に景気が回復する保証はありません。

一方、世界に目を転ずれば、アメリカの広義の失業率は20%に迫り、リバタリアン(ティーパーティー)が台頭するなど、暴動が発生する下地が整いつつあります。アメリカが再び一つにまとまる為には有事が必要です。中東や東アジアの安全が脅かされるリスクも高まっています。

三井住友銀行で無くとも長期国債を手放したくなる理由が目白押しです。まして、今後の世界が予見できるとすれば・・・。

迷走する日の丸家電・・・SONYの再生は成るのか?

2012-03-26 10:24:00 | 時事/金融危機
 

■ 苦戦を強いられるSONYと日の丸家電 ■

「世界のSONY」の凋落がこんなにも早いとは誰も予想しなかったでしょう。
SONYの将来を占う記事がロイターに掲載されていたので紹介します。

「特別リポート:ソニー盛衰の時、平井新社長が担う「ゲーム」の結末は」
(2012.03.26 ロイター)
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE82P00F20120326?pageNumber=1&virtualBrandChannel=0

プレイステーションの生みの親、久多良木健氏から見たSONYをめぐる情勢の記事です。
ストリンガー氏が退いた後に、ソニーのCEO引き継ぐのは平井一夫氏です。
平井氏はソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)出身ですから、
言わばゲーム分野から初のSONYの社長が誕生した訳です。

■ SONYはアップルになれたはずなのに・・・ ■







SONYの迷走の始まりは、出井氏が打ち出したカンパニー制でしょう。
消費が高度化して、消費動向が読めなくなる時代に、
事業ごとの経営判断を高速化して、より素早く環境変化に適応するという
カンパニー制や事業部の独立採算制は当時の流行の経営手法でした。

ところが、SONYのみならず日本ではこの手法は全く機能しませんでした。
カンパニー制の良い所は、不採算部門の切り捨てが可能な事です。

ところが日本型の経営形態では、不採算部門の切り捨ては出来ず、
結局、不採算部門同士を統合したり、採算が取れている部門と統合させて
気が付けば、旧来の経営形態に逆戻りしていました。

SONYにおこるカンパニー制の失敗の顕著な例がHDレコーダー/DVDプレーヤーでしょう。

当時SONYは家電系の「スゴ録」を担当するホームストレージカンパニーのDVD事業部、
「PSX」や「ブルーレイレコーダ」の企画開発などを行なっている
BBNCのブロードバンドシステムカンパニーに分かれて、
同じカテゴリーの「HDレコーダー/DVDプレーヤー」を開発していました。

さらには、ホームサーバーと称する「コクーン」なる商品も開発し、
同じカテゴリーで、まったくデザインも操作感も異なる商品群を乱立させていました。

これは非常に非効率で、この分野でSONYは立ち遅れ、
事業部を統合して「スゴ録」を商品としては残しました。

実はSONYはここで大きな間違いを犯しています。
「スゴ録」は他社と全く差別化出来ない商品でした。
ところが「PSX」はデザインもSONYらしく、
さらにプレイステーションのゲームもプレイ出来たのです。

さらに「コクーン」先鋭的で、「チャンネル・サーバー」という概念を提唱していました。
基本的にはHDレコーダーーなのですが、学習機能を備え、
ユーザーの録画する番組の傾向を学習して、
関連番組を自動録画するという機能を有していました。

私はデザインで「PSX]を購入しましたが、
録画機能などの操作感がゲームの様に感覚的に操作出来、
まさに今のアップルのiPodやiPhonのインターフェースを辿れば、
実はSONYのPSXでは無かったと思います。

一方、実家は「スゴ録」を使用していますが、
こちらの操作は、従来の家電品に操作感で、非常にSONYらしくありませでした。

ところが、SONYはこれらの商品から、一番SONYらしさの薄い「スゴ録」を選択しました。
家電量店で従来のユーザーにアピールするのが「スゴ録」だったからです。

結果的には「スゴ録」はそれなりのヒット商品になったので、
短期的にはSONYの利益に貢献しましたが、
それとは引き換えに、SONYはappleになる道を自ら捨てたとも言えます。


■ スマートTVの時代が来る? ■

日本の家電各社は次はスマートTVの時代が来ると読んでいる様です。
appleやgoogleもスマートTVに興味を示しているので、
ことさら、スマートTVが次世代家電の決定版の様に言われています。

しかし、スマートTVとはいった何なのでしょうか?

インターネットに接続できるTVなら実用化されていますが、
そもそも画像が荒いインターネットのコンテンツを大きなTVで見る必要性はありません。
むしろ、スマートフォンを皆さんが活用している様に、小さな端末の方が便利です。
さらに、家にPCがあれば、わざわざ操作性に劣るTVで
インターネットを楽しむ必要性はありません。

それではオンデマンド放送に対応したTVという事でしょうか?
これなら、今のTVに一枚基盤を装着するだけで事足りますから、
韓国製や中国製に市場は席巻されるでしょう。

スマートハウスのコントロールセンターとしてTVを活用するという考え方もあります。
しかし、家中の消費電力をTV画面で確認しても嬉しくありません。
さらに全ての家電をホームネットワークに接続するメリットがあまり思いつきません。

20年程前に「トロン住宅」というのが六本木にありました。
東大の坂村教授の提唱するOSのトロンで家電を集中管理するというショールームです。
それから20年、トロンは家電用のOSとして定着しましたが、
トロン住宅の様な流れはには向かっていません・・・。

日本の様な狭い住宅では、必要性が薄いからです。
確かに出先から携帯でお風呂が湧けば便利です。
しかし、風呂の栓が抜けている場合もありますし、
昨日の残り湯が残っている場合もあります。

携帯からご飯を炊こうにも、洗米してセットしてなければ炊けません。
せいぜい、電気の消し忘れが無くなるとか、
エアコンを帰宅前の付けて、帰ったら適温の部屋が待っている程度しか思い浮かびません。

生活とは以外とドロクサイ作業の連続で、
超便利な家電品が存在しても、料理には下ごしらえが必要で、
自動化には限界があります。
むしろ、料理は手間を掛ける事に喜びがあるのであって、
手間を惜しむならスーパーかコンビニかデパートの惣菜コーナーで十分です。

そもそも、HDレコーダーの録画設定だって大変なのに、
家電とTVをリンクする設定をして、さらにそれぞれを操作を覚えるのは面倒です。

さらに、TV自体が衰退の一途を辿っています。
我が家はTVが無いので家族全員のコミニュケーションが増えましたし、
つまらないニュースに突っ込みを入れるストレスが減りました。

■ ホームサーバーとしての apple TV ■

スマートTVをホームサーバーと位置付けるならば、
その先鞭を付けたのは、SONYのコクーンでしょう。
しかしコクーンは早すぎたのか、市場に受け入れられる事はありませんでした。

appleもこの分野は地道に商品開発をしていて、
appleTVという映像サーバーを昔から発売しています。
PCベースの映像コンテンツをサーバーにアップして家族で共有する様なイメージでしょう。
さらに、iTunseのデータを他の部屋から再生出来る無線機器の
AirMacExpressなる商品も存在します。




■ guogle画像検索から家電各社を眺めてみる ■

google画像検索は時代の縮図です。
キーワードに対する画像情報が抽出させれ事により、
感覚的にキーワードを取り巻く環境を把握する事が可能です。

それでは、世界の家電各社の画像検索結果上位を見てみましょう。




SONYはロゴとカメラ、テレビ、ゲーム機、ヘッドホン、ラジカセが表示されます。
一見、様々な商品がラインナップされて良い傾向に様に思えますが、
SONYとしての代表的商品が存在しない事を端的に表しているとも言えます。



appleはロゴが抽出されます。
iPhonやiPadで無い事に驚きを覚えますが、
要はブランド自体に魅力を感じてるといいう事の顕れでしょうか?



AMSONGは圧倒的に携帯端末が抽出されました。
日本の家電メーカーはサムソンのTVに負けたと悔しがりますが、
サムソンの主力商品は携帯電話だという事が良く分かります。

TVは一度買えば、10年近く使いますが、携帯電話は2年から3年で買い替えます。
商品の回転率を考慮すれば、耐久商品でありながら値崩れしたテレビ市場は
既に全く魅力を失った市場と言えます。
一方で、携帯端末でリードを奪われた日本の家電メーカーの復活の道は閉ざされています。



韓国の2番手メーカーのLGは、テレビも表示されますが、
ほとんど携帯電話が抽出されました。
ロゴが多く抽出された事も特筆されます。
多分、ブランドイメージを拡散する為の戦略の顕れなのかも知れません。



家電が衰退したアメリカのGEはどうでしょう。
ジェットエンジンがドーンと現れます。
意外だったのはGEブランドのデジカメが存在している事。
多分OEMなのでしょう。

家電産業が国内で成り立たなくなったアメリカの姿は
日本の将来像に近いかも知れません。
この姿はSONYでは無く、日立の姿ですね。
家電から撤退して、インフラ系の危機に集中する日立や東芝の選択は正しいのでしょう。
日立はGE系列でした・・・。



日本では補聴器メカーと思われているドイツのSIMENSは、
ドイツでは揺るぐ事の無い、総合電機メーカーです。
鉄道や環境関連まで扱い、日立やGEに近い会社ですが、
googleでは意外にも携帯電話が沢山抽出されています。



さてもう一つのヨーロッパの家電の雄、オランダのPHILIPSはどうでしょうか?
オー、SONYそっくりの商品攻勢が抽出されました。
・・・という事は、SONYの将来はPHILIPSを見れば占えるという事でしょうか?
SONYブランドの電気シェバーが登場する日も近いのか??




最後に往年のSONYファンとしては、こうなって欲しかったという例。
デンマークのオーディオメーカーB&O(バング&オルフセン)です。
音なんて二の次、三の次・・・。
音も音楽の楽しみ方も含めて、デザインされています。

これこそが、「成熟」なのですが、SONYはあまりにも大きくなり過ぎました。

SONYと日の丸家電に未来はあるのか?
多分、価格競争からは各社逃げたいはずですが、
あまりにも巨大になり過ぎた為に、
日銭を稼ぐ為に既存ジャンルを捨てきれないというジレンマに陥っています。

尤も、appleだって倒産の危機がありました。
スティーブン・ジョブスを呼び戻していなければ、
appleはとっくに市場から消えていたはずです。

消費者は非常に移り気です。
しかし、スマホの猿と化した息子を見るにつけ、
こいつ等が今更TVやPCに回帰するとはどうも思えません・・・。

家電メーカーもそこ等へんは分かっていながらも、
バッサリとTV事業から撤退は出来ずに、
退却戦で消耗していくのが目に見えています。

TV偏重の著しいシャープの株価が全てを物語っているのでしょう。