人力でGO

経済の最新情勢から、世界の裏側、そして大人の為のアニメ紹介まで、体当たりで挑むエンタテーメント・ブログ。

「地球経営」から見た「温暖化」・・・誰が得するの?

2012-02-29 05:26:00 | 温暖化問題
 





■ 「温暖化」は陰謀? ■

  「温暖化ってウソなんだって知ってた?」

  「エー、だってテレビとかニュースで毎日やってるじゃん?」

  「あれ、全部ウソだってネットに出てるよ。」

  「ネットなんかウソばっかりじゃないの?」

  「それはそうだけどさぁ・・・きっとアレだよ、イルミナティーの陰謀ってやつ?」

  「何それ?頭おかしいんじゃない?それ、何とかレンジャーの悪の組織?」

  「いやぁ、だから世界的な陰謀組織だって、フリーメンソンとか・・・」

  「だったら、その悪の組織が「地球が暑くなる」ってウソついて、何の得がある訳?」

  「そりゃ、あれさ・・・皆なびびるって言うかぁ・・・まあ、怖がらせるんだよ。」

  「あんたって、本当にバカね。」


■ 温暖化で誰が得をするの? ■

「温暖化が陰謀だ」などと軽々しく口にするとバカにされます。
それは「温暖化」が「全くの正義」と信じられているからです。
しかし「温暖化」の目的を知れば、きっとアナタも「正義」を疑うはずです。


1) 最初は日本潰しが目的だった

2) 京都議定書を批准して、削減義務を負ったのは日本だけ

3) ヨーロッパは東欧の旧型の発電所が稼動していた1990年を基準年とする事で
   京都議定書が発効する時点では、既に目標を達成できていた

4) アメリカ、カナダは議会が批准せず、京都議定書の削減義務を負っていない

5) 中国などの途上国は京都議定書で削減義務を負わない 

現在世界で唯一有効な「温暖化防止の為の削減基準」は京都会議で可決された為
「京都議定書」と呼ばれます。
当時に川口環境大臣の奔走で、合意に至ったと言われており、
日本人は、日本の環境外交の成功例として、
「京都議定書」をある種、ホコリに思っています。

川口大臣は、アメリカの隆学歴も長く、外交畑の人材でした。
ハードネゴシエーターとしても知られており、
京都議定書同意の為の、環境大臣起用だったと思われます。

ところが、「京都議定書」を批准したのは削減義務を負わない国ばかりで
二酸化炭素の大量排出国であるアメリカや、排出義務を負うカナダは
条約を批准しなかったり、脱退したりしています。
結局、「京都議定書」によって削減義務を負ったのは日本だけでした。

川口大臣は「京都議定書」をまとめた人として脚光を浴びますが、
留学経験の長いキャリア官僚は怪しい人材の宝庫です。
「新型インフルエンザ騒動」で脚光を浴びた厚生省の女性官僚や技官も
今になってみれば、内部から騒動を拡大して厚生官僚の弱体化を狙っただけに見えます。

■ ヨーロッパの目的は排出権ビジネス ■

ヨーロッパは環境先進国と思われていあます。

ヨーロッパでは早くから「排出権地取引」が行われています。
削減義務を負う企業が、削減目標を達成して余剰がある企業から
二酸化炭素の排出権を買うようなビジネスが成立していました。

1) 二酸化炭素の排出権を売買しても二酸化炭素は減らない

2) ヨーロッパやロシアは1900年を基準年とする事で排出権に余裕がある

3) 日本はロシアから排出権を買っている

二酸化炭素は人間が生きているだけでも日々放出されます。
森林も落葉や倒木が分解される過程で大量の二酸化炭素を発生します。
海は温度が高まれば、勝手に大量の二酸化炭素を放出します。

こんな何処にでもある「無害の二酸化炭素」がお金になるのですから、
これ程美味しい商売はありません。


■ 自然エネルギーは儲かる=エネルギーを浪費し二酸化炭素を増やす ■

温暖化問題で脚光を浴びたのは「自然エネルギー」です。
「再生可能エネルギー」とも呼ばれます。

「風力発電」や「太陽電池発電」が代表的です。

これらは一見「エコ」に見えますが、
こららの施設が稼動している間に生み出すエネルギーは、
これらの施設を製造・建設する為に使用されたエネルギーと同等かそれ以下です。

様は、「再生可能エネルギー」は製造時に大量の二酸化炭素を放出し、
将来的徐々に二酸化炭素の帳尻を合わせて、最後にチャラになる技術です。


太陽光発電や風力発電の効率が高くなれば、この問題は若干は改善されますが
一方で電力供給に中での自然エネルギーの比率が高まると、
電力の供給にムラが生じます。

このムラを解消する為には、電力の「一時保管庫=蓄電設備」が必要になります。
自然エネルギーは時間変動や地域変動が激しいので、
ストレージも分散設置が必要で、従来の揚水ダムは利用できません。
結果として大量に蓄電池が必要になり、その時に放出される二酸化炭素によって、
自然エネルギーは将来に渡って、二酸化炭素を増加させるだけの結果を生み出します。

■ 石油から原子力へ ■

温暖化問題で密かに脚光を浴びているのは「原子力発電」です。

スリーマイルやチェルノブイリ事故以降
欧米の環境活動家達は「原子力発電」を目の敵にしてきました。

しかし、近年フランスなどでは「環境活動家」が
「原子力はクリーンエナジー」と言い出しました。
原子力発電は二酸化炭素の放出が少ないからです。

酸素を吸って、二酸化炭素を放出する人間が良く言います。
「てめーら、葉緑体を細胞に埋め込んて酸素を吐き出せ!!」と言いたい。

■ 原子力利権 VS 石油利権 ■

温暖化の広告塔と言えば「アル・ゴア」です。
「不都合な真実」という「トンデモ映画」を作って、世界を行脚していました。

さて民主党、クリントン政権の副大統領であったアル・ゴアは、
彼の祖父の代から、ウランビジネスの利権を持っています。

結局、「温暖化問題」とは「石油から原子力」への隠れミノであり、
「石油利権=ロックフェラー」と「原子力利権=ロスチャイルド」の戦いであったのです。

■ 新興国によって崩壊した「温暖化ビジネス」 ■

「京都議定書」では中国やインドなどの新興国は削減義務を負っていません。
しかし経済発展してエネルギー需要の高まったこららの国々では
現在、大量に二酸化炭素を排出しています。

「世界温暖化会議」はこれらの新興国にも削減義務を負わせようとしました。
ある意味、それは新興国の成長力を削ぐものです。

世界は金融危機の最中で、新興国の経済成長に一縷の望みを掛けています。
それなのに新興国の成長力を削ぐとは、本末転倒です。

ですからCOP15(デンマーク会議)において、
新興国の参加は絶望的となります。

「アメリカなどが参加しなのならば参加しない」
「今までさんざん二酸化炭素を排出してきた先進国こそお金を負担すべき」
「新興国が二酸化炭素を削減する為に、カネと技術をよこせ」

彼らの主張は横暴でも何でも無く、正論です。
自分の国力を削ぐような条約を批准する物好きは、日本くらいしか居ません。

既に「温暖化」は暗礁に乗り上げているのです。

■ 石油高騰の為の布石では無いか? ■

私は「温暖化」とは石油高騰時の代替エネルギー産業を育てる布石だと考えています。

世界の経営者達が「石油高騰」を起す計画があるのなら、
「原子力発電所」も「ECOビジネス」も大化けします。

何故、日産がハイブリットを飛び越して電気自動車は発売したのか?
現在では全くコストメリットの無い電気自動車が普及するならば、
石油価格の高騰が不可欠です。

ルノーはロスチャ陣営ですから、
本来は昨年辺りに原油高騰が仕掛けられた可能性を私は疑います。

電気自動車のバッテリーは、家庭用のストレージとして有用です。
ソーラーパネルで昼間発電した電力を、
車搭載のバッテリーに蓄え、夜間の電力として活用するのは合理的です。

■ イラン戦争が勃発すれば、エコビジネスが花開く ■

何かと胡散臭い「温暖化」と「ECOビジネス」ですが、
全ては原油価格に依存します。

イランとイスラエルが戦争して中東で戦火が広がれば、
原油価格があっと言う間に2倍、5倍と跳ね上がります。
当然ガソリン価格も、電気代もウナギの滝登り状態になります。

そういう事態が生じた時、

「ウチは太陽電池があるから電気代は掛からないのよ」とか、
「ウチは日産のリーフだから、ガソリン代が掛からなくて嬉しいよ」
といった勝ち組の笑い声が聞こえて来るのかもしれません。

原油が高騰すれば太陽電池も電気自動車も製造費が高騰し、
現在の様な価格では変えません。

さらには、現在は太陽電池も電気自動車も国が補助してくれます。
他人の納めた税金で、将来のコストを削減できるのならば、
こんなに良い事はありません。


陰謀論を信じるか信じないかは個人の自由ですが、
陰謀論を非難ばかりしていても利益は少ないでしょう。

陰謀に積極的に乗る事で、将来の勝ち組になるのは、
案外悪くないのかも知れません。

人は騙されやすい・・・温暖化の呪縛から未だに解放されな人々

2012-02-27 06:30:00 | 温暖化問題
 

■ 「二酸化炭素由来の温暖化仮説」を信じている人はまだ居るのだろうか? ■

私も7年程前までは「温暖化」を信じていました。
確かに真夏の気温は年々上昇している様に感じられました。

しかし一枚のグラフを見た瞬間、
私は温暖化がウソであると直感しました。



その当時このグラフには次の様な説明が付けられていたと記憶します。
「二酸化炭素が増加すると、海水温が上昇します」

しかし、このグラフを良く見ると
海水温の上昇が、二酸化炭素の上昇に先行しているのです。

これは至って普通の話で、二酸化炭素は低温で水に良く溶けます。
従って、海水温が上昇すれば海水に溶けていた二酸化炭素が
空気中に放出されるのは当たり前の話なのです。

二酸化炭素が温暖化の主原因で無いとすると何が原因なのか。
色々調べてみて、一番納得出来る仮説が、
スベンスマルクの主張する説でした。

「太陽の磁力に変化によって宇宙線の飛来量が変化し、
宇宙線は雲の発生に影響を与え、雲は太陽光を反射するので
結果として、太陽の磁力の変化が気温に影響を与える」

この説は、長年に渡り黙殺されて来ましたが、
近年、欧州の加速器セルンの実験「クラウド」によって
宇宙線が雲の発生に関係する事が実証されましえた。



最近ではTVでもスベンスマルクの説を紹介しています。



この番組では、太陽の北極の地場が反転する事で、
太陽風が地球に吹き寄せなくなり、
結果的に雲の量が増えて寒冷化が進行する事を心配しています。

■ 未だに「温暖化」を信望するメディア ■

国際温暖化パネルの主要メンバーのメールが流出し、
その主要メンバーが温暖化データを捏造し、
さらには、温暖化を否定する論文を握り潰していた事が明らかになっています。
これを「クライメート・ゲート事件」呼びます。

欧米ではメディアで多く取り上げられましたが、
温暖化防止を国策として掲げる日本では、あまり報道されていません。

今年の冬は例年になく寒冷で、雪も多く降っています。
欧州に至っては、大寒波で大陸が凍りついています。

さて、この「寒波」を日経新聞は「温暖化が原因」と報道しています。

「「地球温暖化のせいで寒冷化…」 なぜそんなことが起こるのか (日経・  2012/2/6 7:00 )
http://www.nikkei.com/tech/ecology/article/g=96958A9C93819499E2E3E2E0908DE2E3E2E0E0E2E3E0E2E2E2E2E2E2;p=9694E3E3E2E7E0E2E3E2E0E0E2E7

<一部引用>

(1)まず、温暖化によって北極海の氷が解ける。実際のところ、このところ特に夏の海氷面積が縮小している(図6)。


(2)海氷は太陽光の反射率が海よりも高いので、その面積が縮小すると、従来よりも太陽の熱を吸収しやすくなる。さらに海氷は海から大気への熱伝達を遮断する“断熱材”としても働いているが、海氷面積が小さくなることで大気への熱放出が増え、北極海周辺の大気が暖まる。


(3)大気が暖まると、そこの上空で気圧が高くなる。

(4)偏西風帯のジェット気流がスカンジナビア半島北東、北極海の一部「バレンツ海」付近で北側に押し上げられ、その反動でシベリアから中国大陸に向かって、南側に大きく蛇行する。

(5)蛇行によってシベリア高気圧を強める作用が働き、強い寒気が中国大陸から日本列島に南下しやすくなる。


 もちろん、気候システムは多くの要素が複雑に関連し合って成り立っているので、北極海の海氷の減少だけで日本の冬の寒さが説明できるわけではない。また、さらに温暖化が進めば、こうしたメカニズムも働かなくなって、一気に暖冬傾向へと局面が転換する可能性もある。

<引用終わり>

大気は温まると膨張し、密度が低くなるので気圧は低下します。
台風なども海水温の上昇によって発生する大型の低気圧です。

はっきり言います。勉強不足です。
仮に北極海の海水温の上昇が、寒波の原因であったとしても、
日経に書かれているメカニズムでは発生しないでしょう。

むしろ次の記事の方が、現象を正確に伝えているでしょう。

バレンツ海の海氷減少がもたらす北極温暖化と大陸寒冷化
―日本の冬の寒さを説明する新たな知見―

(独立行政法人 海洋研究開発機構 プレスリリース より)
http://www.jamstec.go.jp/j/about/press_release/20120201/

尤も、こちらも「温暖化ありき」の思考に凝り固まっていますから、
現象の説明としては正しくても、メカニズムの考察を誤っている可能性はあります。

■ 1940年代には夏場に北極点に氷が無かった ■



上の写真は1959年の夏に北極点に浮上した潜水艦の写真だそうです。
実は夏場の北極海の海氷が消失する事は別に珍しい事では無く、
1940年代では普通に発生する事でした。

2011年の夏は観測史上2番目に北極海の海氷面積が小さいという報道があります。

北極海氷の面積 観測史上2位の小ささに(密接度は過去最小) (宇宙航空研究開発機構)
http://www.eorc.jaxa.jp/imgdata/topics/2011/tp110920.html

ところが、この観測史上がくせものです。
彼らの観測は2002年からスタートしているのです。
これで「観測史上」と書いてしまう神経を疑います。


■ 真夏にブリザードが吹き荒れる南極・昭和基地 ■

さて、それっでは北極の反対側の南極はどうなっているでしょうか?



(産経ニュースより)

南極の姿(2) 進む寒冷化 異例の「外出注意」発令(産経ニュース)
http://sankei.jp.msn.com/science/news/111124/scn11112414570001-n1.htm

現在真夏の南極では、極端に日照が少なく
真夏だというのに、ブリザードが吹き荒れているそうです。

こちらは昨年に続き、観測船「しらせ」が厚い氷に阻まれて
昭和基地近くに接岸できない事態が生じています。

■ 問題は「温暖化」や「寒冷化」では無く、人々が「科学のウソ」に騙され易い事 ■

世の中の多くの人が、「温暖化」に疑いを持つ中で
学校では必死に「温暖化」の授業が行われています。

この事を問題と思う方も多いでしょう。

それでは現在、学校で一番力を入れている事は何かご存知ですか?
それは「放射線の恐怖を生徒に植え付ける事」です。


中3の娘は理科の授業で、放射線測定をしています。
そして教師は生徒達に、東海村の臨界事故で死亡例を説明しています。
中性子を直近から浴びた被曝事故の例を挙げて、
福島と同列で語る事が、授業という名目で行われているのです。

人々は「科学のウソ」に騙され易いものです。
特に、「温暖化」や「インフルエンザ」や「放射線」といった、
ある目的を持って一大キャンペーンが成される「ウソ」に無防備です。


最近明らかになってきた「温暖化の嘘」を検証する事で、
「放射線の嘘」も疑う目を持ちたいものです。

デフレかインフレか・・・住宅取得に関する考察

2012-02-26 10:50:00 | 時事/金融危機
 

■ アメリカ人も住宅取得に慎重になっている ■

Wallstreet Jounal の次の記事はとても含蓄の深いものがあります。
離婚した女性が住宅を取得すべきかどうかを、
弁護士である記者の父の助言を元に考察しています。



【コラム】女性が家を買うのは賢明な選択肢か
http://jp.wsj.com/Life-Style/node_396497?mod=WSJFeatures

日本のジャーナリズムには、こういう文体の記事は皆無です。
フィナンシャル・タイムスなどの日本語訳を読んでいても、
このような、ちょっとしたエッセイの様な記事を良く見かけます。
日本の新聞記者は、高校生でも書けそうな文章で、
正確さだけを重視して文章を書きますが、
あれはジャーナリズムでは無く、単なる連絡や報告です。
そんな物のお金を払う時代は、そろそろ終わるのではないでしょうか。

さて、この記事で書かれている事は、日本人では既に骨身にしみています。

住宅を購入するメリット

1) 「所有者としてのえも言われぬ喜びが得られる事」

住宅を購入するデメリット

1) 移動の制限
2) 投資リターンの喪失
3) 継続的な支払い(税金、保険、修繕・維持費)
4) 集合住宅では厄介な住人が一人居ればトラブルになる

筆者は「家を持たなければならない」という社会通念が変化するであろうと見ている。

■ 家を所有する事が、「打ちでの小槌」であった時代は終わった ■

リーマンショック以前のアメリカの住宅バブルは、
日本では理解し難いシステムの違いによて生み出されました。

アメリカは住宅を購入した後に住宅価格が上昇すれば、
上昇した価格に応じた担保価値が新たに生まれるのです。

ですから、比較的貧しい人達が無理をして住宅を購入して、
住宅価格の上昇分で新たなローンを組んで返済に充てていました。
ですから、住宅価格が下落すれば、後には借金だけが残ります。

一方、中間層では住宅価格の上昇分によって新たに生まれる担保で
自動車ローンを組んだりして消費に勤しみました。
ですから住宅価格の下落は、アメリカの消費の冷え込みに直結したのです。

リーマンショック後、アメリカの住宅価格は下落し続けています。
ですから、アメリカの消費が復活する事は無く、
当然、実態経済は縮小こそすれ、拡大する事はありません。

■ デフレに隠されたインフレ ■

上の記事はデフレで住宅価格が下落する中で住宅を取得する危険性を指摘しています。
これは、現在のアメリカ人の常識でしょから、
安定した収入が継続的に約束された人以外は、
いくら金利が低くても、ローンを組んで住宅を買う事をリスクと考えています。

実際にはFRBはインフレターゲットを採用していて、
アメリカの物価は年率2%で拡大しています。
ところが、この2%の大きな要因は原油価格の高騰と、
ドル安による輸入物価の上昇に負うところが大です。

一方、消費は低迷していますので、コストアップを商品価格に載せられない状況です。
ですから、消費者物価は原油など輸入物価の上昇が無ければ
明らかにマイナスになります。

新聞記事などでは、FRBは盛大にお金をばら撒いて
2%のインフレを実現しているのだから、
日銀は一層の緩和をすべきだという意見も見られます。

しかし、FRBがキチガイの様にお金をばら撒いても、
輸入物価高騰の影響を除けば、アメリカはデフレに陥っています。

緩やかなスタグフレーション状態ですが、
さならる原油高などで、物価上昇の圧力が高まれば、
住宅価格などは下落するのに、ガソリンや生活必需品が値上がりします。
これは、アメリア国民のとっては、生活に対する直接的脅威となります。

■ アメリカに訪れる偽りの回復 ■

日銀の金融緩和は、円キャリートレードの形でダウを押し上げています。
円が売れらるので、為替レートも円安になります。

世界は偽りの回復に浮かれています。

かつて日本にもこの様な時期がありました。
しかし、日銀が金利を上げた為、この弱い回復の芽は枯れてしまいました。

FRBは日本の状況を良く研究していますので、
今回の偽りの回復で、景気が若干上向いても、
金融緩和を緩めることはしないでしょう。

寧ろ、積極的にQE3という荒業を打ってくるかも知れません。
しかし、それらのマネーが商品市場に向かった時、
原油価格や穀物価格が上昇して、アメリカの物価に更なる上昇圧力が掛ります。

物価上昇率が2%を超えて上昇する時、
FRBは金利引き上げに踏み切れるでしょうか?
答えはNOでしょう。

■ 長期金利は上昇するか ■

物価が上昇し始めた場合に、長期金利はどうなるでしょうか?

長期金利は資金需給よりも、経済の先行きに左右される傾向を持ちます。
さらに長期国債の金利と密接な関係を持ちます。

既にFRBも日銀も長期国債の買い支えに踏み切っています。
明らかに長期金利に上昇圧力が掛かっています。
市場は長期的には、経済が悪化すると見ているのです。

長期金利の上層は住宅市場を直撃します。
アメリカ政府は住宅市場復活を最大の目標としています。
ですから、長期国債の金利をなりふり構わず抑制する政策を打つでしょう。

■ ダウに加熱感が生じた時、お金は何処へ向かうのか ■

ダウはリーマンショック後の最高値を上抜けて上昇しています。
しかし、ダウが上昇する好材料はあまり見当たりません。

市場は売り時を模索しながら、買い上げているはずで、
どこかでドカンと来る可能性は、頭の片隅に入れておく必要があります。
ダウが下落すれば、日経平均もつられて下げます。

ところで、株式市場を逃避したマネーは何処へ向かうのでしょうか。
ギリシャ危機がさらに悪化していれば、国債市場は低調でしょう。

多分、マネーは現物市場に流入します。
これはリーマンショック前夜の状況に似ています。
あの時も、原油価格が上昇しています。

既に原油価格の上昇は顕著です。

■ インフレを抑える事ができるのか? ■

FRBは2%,日銀は1%をインフレターゲットとしています。
現在の世の中はデフレ基調なので、インフレターゲット=金融緩和 です。

ところで、物価が上昇し始めてインフレターゲットを上抜けしたら
FRBや日銀は、緩和政策を止める事をアナウンスするのですしょうか?

それとも何か理由をつけてターゲットを上方修正するのでしょうか?

いずれにしても、物価上昇が金利上昇圧力となった時、
アメリカと日本の最終章が開かれる事になりそうです。

中央銀行の自国国債の大量購入です。
これでも、市場が混乱しなければ、
私達の心配など虚構だったという事になります。

しかし、その先は「中央銀行不要論」です。
「政府通貨で問題無いじゃん」となります。
果たして、こんな結末を、世金融マフィアが許すのでしょうか?




東京を駆け抜けろ!!・・・東京マラソンの参加者のみなさん、ガンバレ

2012-02-26 07:53:00 | 自転車/マラソン
 

■ 東京マラソン参加の皆さん、東京の街を駆け抜けろ!! ■

9.6倍の倍率にも関わらず、
幸運にも東京マラソンに出場される皆さん
出場おめでとうございます。

まさにプラチナチケットを手にされた皆さんは、
大会に向けて、様々な努力を積み上げていらした事でしょう。

さて、いよいよ本番です。
天気は、雨にはならず、暑くも無く・・。
スピードランナーにとっては、むしろ好条件でしょう。

私が出場した第一回大会は雨の中のスタートでした。
スタート前にリタイアしたくなる寒さの中、
周囲の広島や九州からいらしたランナーと、期待に胸を膨らめながら
スタートの号砲を待った事を思い出します。

さて、本日の皆さんの走りはどうなるでしょう。
マラソン、特にフルマラソンは色々なドラマが起こります。
調子が良すぎても後半に崩れます。
調整が乗らなくても、20Kmくらいから復活する事もあります。

初めてマラソンに挑戦する人。
記録の更新を目指す人。
着ぐるみで、沿道の声援を一身に集める人。
様々な人達のレースが始まります。

さあ、東京の街を駆け抜けろ!!




「一人で出来るかな?」・・・楽器の限界を超える現代のバチューソ達

2012-02-25 08:33:00 | 音楽
 

■ 一人で出来るかな? ■

音楽の楽しみは、仲間と一緒の何かを作り出す楽しみです。
その一方で、ソロで黙々と孤高の領域に到達せんとする試みもあります。
キース・ジャレットのソロピアノのプロジェクトなどは後者の最たるものでしょう。

本日はそんなソロ音楽の最前線を紹介します。
題して「一人で出来るかな?」


さてトップバッターはアメリカのロックミュージシャン。
彼、Andrew Bird(アンドリュー・バード)はバイオリンを弾きます。
ロックバンドでバイオリンを導入した例は過去にもあります。
ベルベット・アンダーグランドのエレクトリック・ビオラも印象的でした。
しかし、Andrew Birdのバイオリンプレーは一味違います。
先ずはYoutubeの映像を見ていただきましょう。



おっとビックリだぁ!!
デジタル・サンプリングとディレーを用いて、
次々に色々なパートをサンプリングしつつ、
それをループして、さらにその上にサンプリングを積み上げています。

普通なら、ただのビックリ映像なのですが、
音楽のクォリティーが非常に高い。
先日、このブログで1本のギターを5人で演奏したものを紹介しましたが、
サンプラーを用いる事で、それを一人でやってのけます。

さらに、それぞれのパートの提示の仕方がとても素晴らしい。
ステージで、ミュージシャンが一人現れて演奏し始め、
次々に新しい奏者が表れてそれに加わって最後は一つの音楽になる・・
そんなイメージです。
まさに、「アート・ロック」の名にふさわしいミュージシャンです。
(何だかマジシャンの様でもありますが。)

Andrew Birdとの出会いはCDのジャケ買いでした。



インコちゃんの後ろ姿一発!!
こういうジャケットに弱いんです。

中身も素晴らしい。
ただ、普通に聞いていると最後の曲以外は
リアルタイムにオーバーダビングしながら演奏しているなんて事は分かりません。
だから、普通に良質なロックアルバムと思って聞いていました。
ところが、Youtubeの映像を見たらビクリだぁー!!

結構ロックミュージシャンとしてもカッコイイですよ。



そして、こんな拾い物も。
NYのソーホー辺りのカフェではこんな刺激的なセッションが
日々繰り返されているのでしょう。うらやましい。






■ チェロの概念を破壊するハンク・ロバーツ ■

2番手はHank Roberts(ハンク・ロバーツ)という人を紹介します。
画質は悪いですが、先ずはその驚きの演奏をご覧ください。

[[youtube:5-hPMknSlH8]]

フリージャズ系のミュージシャンですが、
現代の白人のフリージャズ系の人たちは、ジャズという枠には既に収まりません。
むしろフリー・ミュージックと呼称すべき音楽ジャンルの一員です。

私がHank Robertsを知ったのは「ミニアチュール」という
アルトサックス、チェロ、ドラムスという変則トリオのアルバムでした。
「ミニアチュール」はティム・バーンという現代最高の音楽家(アルトサックス)と、
その仲間のハンク・ロバーツとジョーイ・バロンによる奇跡的なトリオです。



それまでのフリージャズは既存の音楽のフォーマットを破壊する事に専念するあまり
エモーションを優先して構造的美学を欠いていました。
ティム・バーンとその周辺の音楽家達が、80年代の後半以降NYで試みた音楽は、
「綿密に構成されたノイズミュージック」でした。
これはジョン・ゾーンの一連の活動に触発されているのでしょうが、
ティム・バーンの音楽の特徴は、全体の構成の緻密さにあります。

例えばセクステッドの演奏であれば、
ソロ、デュオ、トリオ、カルテッド、クィンテッド、といった人数うの変化や、
あるいは組み合わせる楽器の種類によってバンドは多彩に変化します。

それらの楽器の組み合わせによて作られた「あるシーン」に、
次の楽器群がだんたと侵入してきて、気づけばそれが乗っ取られている・・・
そんな音楽の展開の仕方をします。

そして演奏スタイルも、完全なフリーフォームであたり、
ロックであったり、ブルースであったり、マーチングであったり、
まるでターンテーブル奏者、クリスチャン・マークレーの演奏を
生のバンドで再現しているような印象を受けます。

そして、それぞれの音楽の対比がとても印象的です。
混沌としたフリーフォームの演奏の彼方からドラムのリズムが忍び込んできて
気づけばバンド全体がユニゾンでテーマを力強く演奏している。
すると次の瞬間に、ノイジーなギターが全てを粉砕してしまう・・・。

こんな演奏が30分近い長尺でCDに録音されています。
普通なら飽きてしまうのですが、個々の演奏力の高さと、
綿密に計算された構成力によって、最後は恍惚の世界に連れ去られます。
(多分、一部の変態ファンだけだと思いますが)

話が大きく逸れましたが、ハンク・ロバーツはミニアチュールにおいて
変幻自在なチェロをプレーし、一人でありながら何人もの役割を果たしています。

彼のプレーの特徴はピックアップを取り付けたチェロを、
アルコ(弓)で弾くのは勿論の事、
ピチカート(指で弦を弾く)でまるでベースの様にチェロを操ります。
普通のチェロで、スラッピングベースの様な演奏までこなします。

さらに、ハーモナイザーやディレーなどを使い、
そしてボーカルまでこなします。
そして。そのボーカルが良い味を出すんです。
素朴なメロディーも魅力的です。

そんな彼の初期の映像がありました。
Black Pastelsという彼のリーダーグループですが、
ギターはビル・フリゼール、ドラムスはジョーイ・バロン、
アルトサックスはティム・バーン、トロンボーンの一人はフティーブ・スウェルでしょうか。
現在では実現不能な豪華メンバーです。





このBlack PastelsというCDで、私はビル・フリゼールを初めてスゴイと感じました。
それ以前に斑尾のニューポット・ジャズ・フェステバルで、
ベース・デザイアーズの演奏を見ているのですが、
その時は、変なギター程度の印象で、
専ら、ジョン・スコフィールドを見てました。

ティム・バーンやハンク・ロバーツのCDは
当時「JMT」というレーベルから発売されていました。
そのジャケットも前衛的で、かつてのジャズが持っていた熱気を
現代のジャズシーンで再現する、素晴らしいレーベルでしたが現在は無くなっています。
JMTの経営者だったウィンター兄弟はドイツでウィンター&ウィンターというレーベルを興し、
当時のCDの復刻と、当時シーンを賑わしたミューシシャン達の新作を発表しています。
凝った紙ジャケットの素晴らしいレーベルです。

こんなマイナーですが素晴らしいミューシャン達が、
90年代初頭に来日してコンサートを開いていました。
バブルのおかげ以外の何物でもありませんが、
彼らのほとんどを、東京で間近で見れた事は、良い思い出です。




■ ベースの限界を超越すると・・・あれベースの必要性があるの? ■

だんだんと「一人で出来るかな?」というテーマから外れてきましたね。
ここらで軌道を修正して、今度はベーシスト。

ベースという楽器は本来地味な楽器で、
バンドの血液として黙々とコードとリズムを支える役割のハズでした。

しかし目立ちたがり屋のべーシスト達が様々な奏法を編み出し、
現代のバンドにおいては、結構ベーストがギタリストより目立っていたりします。
意外とベーシストには目立ちがりやが多い様です。

ジャコ・パストリアス以降、ベースという楽器は全く別の楽器になりましたが、
ラリー・グラハムやブッチー・コリンズという超目立ちたがり屋の存在無くして、
現在のベースシーンは語れないでしょう。

さて、そんな現代ベースの到達点がこれ。

[[youtube:pYV-MS5WzJ0]]



スエーデンのベースプレーヤ、Jonas Hellborg(ジョナス・エルボーグ)です。
渋いですね。エレアコベース一発で、完全に音楽してます。
低弦でコードを演奏しながら、高弦で弾きまくってます。

フラメンコギターをベースでやればこんな感じでしょうか?
ジョナスはアップライト・ウッド・ベースという、
言わばアコースティックギターを大きくした楽器も弾きますが、
こちらは、本当に、低音のフラメンコです。

そんなジョナスにもこんなヤンチャな時代もありました。



ツインネックのベースもトレードマークでした。



でもこうなるとベースである必要性がどこまであるのか・・・ギターで良くねえ?
という事で、最近はエレアコでベースらしいプレーをしているのでしょう。



本日は「一人で出来るかな?」と題して、
現代の超絶技巧ミュージシャンを特集してみました。

彼らに共通している事は音楽性を追求する過程で、このスタイルに行き着いた事。
ですから彼らのアルバムは、ジャズのCDにありがちな、
技巧を前面に押し出したものでは無く、
豊な音楽性に溢れた音楽が記録されています。

特にハンク・ロバーツの作品は、心に響きます。