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経済の最新情勢から、世界の裏側、そして大人の為のアニメ紹介まで、体当たりで挑むエンタテーメント・ブログ。

安倍政権への恫喝?・・・メディアが支配する民主主義

2017-02-26 02:53:00 | 時事/金融危機
 

■ 森友学園問題のメジャーメディアの報道が少ない? ■

森友学園の大阪市豊中市における土地取得に関する疑惑について、メジャーメディアでの報道が少ないと話題になっています。私はTVを持っていないので、ニュースはネットでTBSを見ていますが、TBSは毎日系列だけに、結構報道している様に思います。

ネットの書き込みなどでは読売新聞ではほとんど記事が掲載されず、NHKのニュースでの扱いも小さいとか・・・。

■ 朝日新聞のスクープだけれど、問題自体は昨年から ■

豊中市の土地売却における疑惑は、昨年から豊中市議会の木村真議員が昨年から疑惑を追及していました。

市が公園予定地として国に売却を希望していた土地が、昨年5月に突然囲われ『瑞穂の國記念小學院 児童募集 / 学校法人・森友学園』のバナーが取り付けられた。「森友学園」は幼稚園児に戦前教育を施すなど問題が指摘されていた学校だけに、不審を抱いた市議が近畿財務局に情報資料請求した所、売却金額が黒塗りされた売買契約書が送付されて来ました。

国有地の売買の価格は公開が原則の為、不審を募らせた市議は2月8日に大阪地裁に提訴し、これを9日に朝日新聞が紙面に掲載したのが事の経緯だそうです。

■ 安倍首相のアキレス腱になると言われていた昭恵夫人 ■

今回、名誉校長になる予定だった首相夫人の昭恵氏は、以前より「安倍政権のアキレス腱」になるのではないかと噂されていました。

首相夫人らしからぬ奔放な言動が問題視され、リベラルな人達とも交流がある事から「家庭内野党」などと揶揄されています。

政治的にはタブー視される「医療用大麻の解禁」をホームページなどで積極的に支持しています。医療用大麻解禁を訴えて参議院選挙に立候補したミュージシャンの三宅洋平氏と会うなど首相夫人としては「脇が甘い」というか、ちょっと不思議ちゃんな感じがします。

ただ、リベラル好きやスピリチャル好きの側面と、今回の「名誉校長」の件は一貫性が無くしっくりきません。森友学園は戦前教育の復活を求める、いわゆる「日本会議」系の人達の絡む学校法人ですが、経営する「塚本幼稚園」では教育勅語を園児に暗唱させるなど、かなり右寄りな思想を押し出しています。昭恵夫人は塚本幼稚園も訪問しており、園児達の姿を見て涙ぐんだとか・・・。

右なのか、左なのか、それともスピリチャルなのか、イマイチよく分からない不思議ちゃんキャラの昭恵夫人ですが、今回の事件はむしろ安倍晋三首相側の交流人脈の問題だと思います。昭恵夫人は「首相夫人」としての名前を使われただけかと。さすがに現職の安倍晋三首相を名誉校長とする訳にもいかないので・・・。

■ 朝日新聞の役割と、アメリカの恫喝 ■

今回の事件、世間的には「リベラルな朝日新聞が、宿敵の安倍政権に一矢を報いた」と見るでしょう。

しかし、陰謀論者の私は、朝日新聞などリベラル系のメディアも「民主主義の虚構」に重要な役割を担っていると考えています。報道が極端に偏ると「メディアは政府の犬だ」などと言われるので「左」と「右」の報道機関を適当に作る事が民主主義が機能していると見せる為には重要です。これは一種の国民のガス抜きです。

一方で、政府と対立するメディアにはいろいろと利用価値がありあす。「従軍慰安婦問題」をでっち上げたのは朝日新聞ですが、その影響は「日韓が協力出来ない」という地政学的なクサビとして、結果的にアメリカに利益を与えています。

又、今回の「森本学園」問題も、トランプ政権が今後日本の強い要求を出して来るであろうタイミングでクローズアップされており、この問題のメディアの扱い方次第では安倍政権の命取りにもなります。

世間では「安倍政権はメディアに圧力を掛けて報道の自由を奪っている」と言われますが、私はむしろ民主主義において最大の権力はメディアであり、メディアの報道が世論を形成して政治を支配していると考えています。

ですから、根幹の事件の報道がエスカレートするならば、メディアの背後に居るアメリカが、「安倍政権を恫喝」しているのだと解釈します。アメリカの要求を飲まないならば、この問題を大きく報道して、政権基盤を崩すぞ・・・と。


今回の事件で「朝日新聞はよくやった!!」と溜飲を下げているリベラルな人の多くは、「民主主義の罠」にどっぷりと浸かっているのです・・・。疑うべきは政治家では無くメディアなのです。

作られたポピィリズムとファシズム・・・国家社会主義の復権

2017-02-24 05:09:00 | 時事/金融危機
 

■ トランプの主張は「リベラル」だ ■

一見、保守的に見えるトランプですが、彼の主張の多くは彼を嫌悪するリべリストの目標に近いものがあります。リベラリストの目標とは「誰もが豊に平等に生活できること」。

ところが、リベラリストは「誰もが」という枠を「世界の人類が」と捉えており、それが資本家の目的である事に気付きません。

1) 国境を越えて安い労働力の国で生産する
2) 途上国を発展させて生産力と市場を拡大する
3) 労働市場を開放し、移民による安い労働力を確保する
4) 金融の発達により、途上国や新興国の富を吸い上げる

最後の金融の発展の効果にはリベラリストも抵抗を示しますが、しかしユーロの様な「富の簒奪システム」を一つのヨーロッパの象徴として彼らは看過しています。

最近になってさすがにリベラリスト達も「過度のグロー張りゼーション」の弊害に気付き、多国籍企業を非難していますが、それでもトランプの移民排斥には条件反射のごとく反対の意を唱えてしまいます。

トランプは「誰もが」の定義を「アメリカ国民が」に縮小した事で多くの不満を持つアメリカ人の心を掴みました。これ、中韓を非難する事で若者の心を掴んだ三橋貴明氏に似ています。彼は「保守主義」的が言動をする一方で、彼の思考は民進党よりもある意味「リベラル」です。財政を拡大して豊かさと平等を実現しろと言っているのですから、これは社会主義者の発言です。トランプも公共事業を拡大するという点で彼と同質です。

■ トランプは独裁者では無いが、ファシストだ ■

トランプにヒットラーの姿を重ねて批判するリベラリストも多く見かけますが、彼らは「独裁者」と「ナチズム」、或いは「ファシズム」の違いすらも理解していません。

「ナチズム」とはドイツの『国家社会主義』=『Nationalsozialismus』の蔑称から世界に広がった言葉です。
『ファシズム』はイタリアの「ファシスト党」を語源としていますが、「ファッショ」の語源はラテン語の「束ねる」で、「三本の矢」同様に「国民の力を束ねる」という意味を持ちます。「ファシズム=全体主義」というのが正しい解釈で、決して「独裁主義」では無い。

『ナチズム』も『ファシズム』も日本の戦前の『翼賛体制』も目指していたのは『国家社会主義です』

『国家社会主義』と『ソビエト型社会主義(共産主義)』の違いは何かと言えば、「私有財産権」を認めるかどうかです。

『ソビエト型社会主義』は原則的には私有財産を認めません。生産設備や農地、家屋や土地も国家のものである、貯蓄も認めません。家電品ですら国家が支給したという立場を取ります。

一方、『国家社会主義』は私有財産を認めています。企業が生産設備を私有する事も、国民が土地や家屋を保有して貯蓄する事も認めています。ただ、統制経済によって経済活動を政府の管理下に置く事により、物資や人や財の利用効率を最大化する事を目的としています。

イタリアにおいてはムッソリーニは巨大な力を持つ財閥を否定して政権を維持する事は出来ず、日本においても翼賛体制は政治家と官僚と財閥の合作であったといえます。

その思想に背景には「バカな国民に勝手をさせるより、エリートが国家を統制した方が良い」という官僚の優越意識が働いていたと思われます。

就任以降のトランプの言動や、企業との距離感はファシスト的とも言えます。独裁者という意味では無く、国家社会主義者的という意味において。彼は企業を「統制」してアメリカの利益を最大化しようとする一方で、TPPやFTAの交渉においてはアメリカ企業の利益を最大化しようとしています。

選挙中、彼はグローバル企業やウォール街を口撃していましたが、政権発足後は2人3脚で国家運営を行っている様に感じられます。

■ トランプを大統領に仕立て上げたコンサル会社 ■

実は選挙戦機関、トランプの選挙戦略を担当していたのは「ケンブリッジ・アナリティカ(Cambridge Analytica)」というイギリスの新興のコンサル会社だそうです。

「ケンブリッジ・アナリティカ(Cambridge Analytica)」はビックデータを駆使して社会動向や世論を分析する会社で、実際にトランプの選挙戦ではフェイスブックなどのSNS企業から情報を買っていた様です。

フェイスブックの「いいね!」は、人々の興味や評価の基準として世論調査よりも正確に又迅速に人々の意思を集める事が出来ます。トランプのTwitterなどでの発言は、フェースブックの「いいいね」やTwitterの「いいね」によって瞬時に反応が吸い上げられ、有権者がトランプのどんな発言に強く共感するのか分析され、次のTwitterの発信やスピーチの内容にフィードバックされます。これがポジティブ・フィードバックを生み、トランプ現象を生み出していったのです。

「ケンブリッジ・アナリティカ」はブレグジットにおいてもバックアップをしていた様で、まさにネット時代の世論操作が機能した結果が、イギリスのEU離脱という国民投票の結果に繋がったとも言えます。

■ 台頭させられるポピィリズム ■

ここまで書いてきて、私はふと疑問を感じます。

「ポピィリズムは作られたものでは無いか?」・・・・・。

三橋貴明氏に代表される「ネトウヨ」的ポピィリズムは、チーム世耕を発端とする自民党のネット対策部隊が生み出したムーブメントです。同様に海外のポピュリズムもネットに先導されて広がった感が強い。

確かに国民の間に漠然とした不満は溜まっていましたが、そのはけ口の方向性を決定してうるのはネット言論による誘導の様に思えてなりません。

その結果が何を生み出したかと言えば、安部政権であり、トランプ政権であり、イギリスのEU離脱であり、ヨーロッパにおける一つのヨーロッパへの反発では無いのか・・・。

■ ポピィリズムの目的 ■

日本では既に国会は機能していません。野党はお飾りであり、その気になれば自民党はどんな法案でも強硬採決可能です。

アメリカにおいてもトランプは大統領令を乱発して議会の機能を半ば無視しています。

有権者の多くは選挙によって「民意が反映されている」と錯覚していますが、選挙によって有権者は白紙の委任状を提出した事になります。これ、一種の『国家社会主義』が実現したとも言えます。

「トランプはファシストだ」という批判は、ある意味間違いでも在り、深い所では正解とも言えます。

問題はなぜ今、世界が強い指導者を求めるかという点。「無理が通れば道理が引っ込む」様な事態が起きる予兆なのか・・・。

日本では既に日銀が新発国債の全量を買っているので、「統制経済」がスタートしたとも見る事が出来ます。日銀が長期金利までコントロールしようとしています。

アベノミクス化するトランプノミクス・・・ダウの高値の裏で流動性が失われている

2017-02-23 10:13:00 | 時事/金融危機
 

■ ヘッジファンドの保有する米株のる流動性が失われている ■


Bloombergの記事によると、米株高の裏ではこんな事態になっているのだとか・・。

<引用開始>

多数のヘッジファンドが同じ銘柄を一斉に売ろうとした場合に、市場がそれをどの程度容易に吸収できるか。分析会社のノバス・パートナーズがこれを数値化してみた。ヘッジファンドが好む銘柄の売買高を基に算出した「流動性」指数は過去最低であることが分かった。

<引用終わり>


1) ダウ平均やS&P500に影響を与え易い銘柄をヘッジファンドが好んで保有
2) その結果、米平均株価が上昇する
3) 一方で、これらの銘柄をヘッジファンドを手放そうとすると暴落する危険が生じる
4) ヘッジファンドがこれらの銘柄の売りを控える事でボラテリティーが低下する
5) 株価はボラティリティーの低下の影響で小動きで上昇を続ける


■ アベノミクスにおける日本の株式市場に似ている様で違う ■


この構造、アベノミクスがスタートした後の日本の株式市場に似ています。

1) 日経平均に影響を与え易いソフトバンクやファーストリテーリング株が好んで買われる
2) 日銀やGPIFの資金流入もあって、株価は上昇一辺倒になる
3) 〇〇ショックで人気銘柄の株が売られると相場が一気に下落する

日本の場合は、日銀やGPIFの買い支えによって下落局面は長続きせず、市場が沈静化すれば株価は知らぬ間に元の水準を回復してきました。

一方、現在の米株式市場ではこの様なビルトインスタビライザーの役割が見つかりません。だから、ヘッジファンドが偏って保有し過ぎた銘柄の流動性が記録的なまでに低下しているのです。

■ 「囚人のジレンマ」を抱えながら膨らむバブル ■

トランプ政権の打ち出す様々は「無理難題」に対して株式市場は本来はネガティブに反応するはずです。ところが、少し値下がりする事はあっても、大きな調整は起こりません。

これは「市場がトランプ政権に期待している」というよりは「売るに売れない状況に陥っている」のでは無いでしょうか?

誰もがトランプ政権下での株価上昇に???な感じなのですが、一方で「誰かが売ったら今の相場は大きく崩れる」と考えるが故に、結果的に誰も売りを仕掛けられない状況。そう、「主人のジレンマ」に米株市場は陥っているのです。

■ 誰もが逃げ出そう明確なサインが現れるまで崩壊は起きない ■

米株市場は既に「爆弾」を抱えて乗り合わせたプレイヤー達が船底で息を殺している様な状況なので、ダウ平均株価が2万円を超えても、市場にバブル特有の迫力がありません。むしろ、出来高を見れば分かる様に、徐々に低下しています。

では、すぐに暴落が起きるかと言えば、答えはNOでしょう。

トランプ政権は減税案や公共事業の拡大など、株価にプラスになる政策を小出しに出しています。それらを市場が「好感」している間は「まだ行ける」と誰もが考えているはずです。

すでにプレーヤーがそれぞれ市場を崩壊させるカードを持っているが故に、そのカードを切って儲けの機会を失う事を牽制し合う状況になっているのです。

この様な場合、誰かが裏切って一人だけ売り抜けるか、あるいは誰もが逃げたくなる様な事件が起こるまで相場は大きくは崩れません。

■ FRBの利上げテクニックの見せ所 ■

「誰もが逃げたくなる事件」で必ず起きるのはFRBの利上げです。イエレン氏は利上げに前向きな発言をしていますが、少なくとも年2回の利上げを実行しそうな気配です。

利上げに株式市場はネガティブに反応しますが、今までの経緯を見ると0.25%程度の小幅な利上げを適時に行う事で大きな混乱は抑えられています。「利上げするぞ、いやまだだぞ、いや利上げしようかな、でも未だだよ、そろそろ・・・」こんなシグナルをFRBは送り続け、市場が「そろそろ利上げしろよな・・」と利上げに耐性ができた頃にチョロリと利上げする。

「市場との対話」などとカッコイイ言い回しをしてはいますが、実際には「じらしプレイ」が実に上手い。(インサイダー的な調整も当然在るとは思いますが)

■ 物価や資産価格が過熱し過ぎなければしばらくバブルは膨らむ ■

FRBが0.25%程度の利上げを適時に行える環境は、物価が緩やかに上昇する事が肝心です。さらには米国債金利が安定している事も重要。

為替相場がBOX圏で推移しているので米国債金利は安定しています。物価も2.5%の上昇率ですが、原油の値上がり分を差し引けば比較的安定しています。

これはFRBとしては利上げし易い条件が揃っている訳で、「追い詰められて利上げした」のでは無く「米国経済がゆるやかに拡大しているから利上げした」と市場を安心させる事が出来ます。

こうして、あと何回かの利上げは順調にこなせると市場関係者が読んでいる間は、爆弾を抱えながらも米株市場は堅調に推移する事でしょう。

■ 次のサプライズは何? ■

こういう好環境で怖いのが「サプライズ」ですが、これだけは予測が難しい。

例えばイエメンでサウジアラビアがシーア派を虐殺して、イランがブチ切れてミサイルをリヤドにぶち込む・・・なんて事態は、誰かが起こそうとして起こす訳で・・・まあ、そんな事が起きれば市場参加者の9割はカモられる側になる。

ただ、今はカモをデコイで集めている状況なので・・・当面サプライズは起こりそうにありません。

え?トランプがサプライズだって・・・。いえいえ、トランプはシタタカですから。見せかけの「多国籍企業虐め」の裏で多国籍企業にもっと有利な貿易協定を作るでしょう。当然、アメリカの雇用が回復しても所得が期待以上に上がる事は無い。これもアベノミクスに似ています。

人々がそれを実感するのに2年は掛かる。それまでに、世界情勢は大きく変わっているかも知れません。


まあ、「逆指標」で名高い当ブログだけに、これを読んで不安になった方もいらっしゃるとは思いますが・・・。(あなたですよタカヤマンさん)

陰謀論好きの食指が全く動かない・・・金正男暗殺

2017-02-21 06:56:00 | 時事/金融危機
 

「陰謀論好き」の私は、「見えそうで見えない事件」が好きです。

その意味において金正日の暗殺事件は、全くと言って食指が動きません。

ソソラレないのです。



ただ、利用価値の無くなったモノの再利用・・・程度の事件だと思っています。

同様に豊洲問題における石原元都知事も、リサイクルの好例では無いかと。

要はワイドショー的なネタに過ぎない。



陰謀論の奥深い所は、もっと世界の秘密に迫る様な事件。

それも全然派手さが無くて、でも、世の中の流れが変わるきっかけになる様な事柄・・。



トランプ大統領も派手ですが、その裏で蠢く人たちや事柄にこそ興味が在ります。

何だかトランプ大統領の登場を合図として、世界は変質しつつ在る。

それは表面的はポピィリズムの台頭の影で、

ひそかに次の時代のシステムを構築する原動力を溜め込んでいる様に思える。

ただ、それが何なのか、いまいち見えない。


だから陰謀論は密やかで楽しい。


劇坂チャレンジ・・・千葉県 富山(とみさん)

2017-02-20 06:31:00 | 自転車/マラソン
 



■ 激坂を目指して ■

前回の激坂記事の最後に書いた「富山(とみさん)」。あれからネットで色々と情報を集めてみたが、かなりハードなコースらしい。「和田峠越え」とか「筑波山の風返し峠よりもムリゲー」みたいな書き込みが・・・。「体感的には延々20%超えが続く」とか、もう関東最強の激坂じゃね?

という事で、とにかくチャレンジしてみる事にします。浦安から富山までは、どのルートで行っても100km近くあります。なるべく足を使いたく無いので、内房を真っすぐ南下する事に。当日は朝から強風でしたが北風なので追い風です。

五井の辺りで右からの横風に。海沿いの産業道路は路肩が荒れていて、さらに大型車と並走するので普段でも怖いルート。本日は横風にトラックなどが煽られるのでかなり怖い。そこで養老川を渡った所で内陸にルートを変更します。養老川添いのバイパスから住宅街を通って姉ヶ崎まで出ます。後半は道幅が狭いので時速40km/h超えでタクシーの後ろに張り付きます。姉ヶ崎に着いた時には腿がパンパン・・・。

姉ヶ崎からは久留里街道で一路久留里を目指します。途中の田圃の中の平坦区間は超追風で40km/hオーバーで楽々進みます。

久留里でコンビニ休憩の後、410号線で一気に鴨川市へ。長狭街道との交差点を直進して、一つ峠を越えたら南房総市に入ります。

■ 日本酪農発祥の地 ■



自衛隊の嶺岡山駐屯地への上り口を過ぎると直ぐに「酪農の里」が現れます。ここから先はコンビニが一軒も無いので、お昼ご飯はここで済ませる事に。

「酪農の里」は日本の近代酪農の発祥地だそうです。元々「嶺岡牧」は里見家が軍馬を育てていた「牧場」でした。房総半島を横断する嶺岡山地一帯、周囲75kmの広大な牧場は1614年に里見氏が幕府に難癖を付けられて改易された事で、幕府直轄の「嶺岡牧」となります。

8代将軍吉宗は積極的に軍馬の育成をし、さらにインドから「白牛」を導入して、バターに似た食べ物を作りました。下の写真が「白牛」です。



最近、嶺岡山系を発掘して「野場土手」や「木戸」が発見されています。馬や牛を牧内に囲い込んでおく為の建造物です。当時の牧畜の飼料を主に草ですが、嶺岡牧では植生管理もされていた様です。



その後時代は明治に移り、新政府の「嶺岡牧場」として管理され、アメリカから優良なホルスタインを導入するなど、日本の近代畜産の基礎を築きます。その後、千葉県の管轄に移され、民間に売却されるなどして、牧場の面積は次第に減少してゆきます。

千葉県は当時の牛乳の大消費地の東京や横浜から離れていたので、生乳の出荷は出来ませんでした。そこで、東京近郊の畜産家に乳牛を貸したり、或いは子牛を預かったりしていた様です。バターや練乳の生産にも着手していた様です。資料館には当時の畜産の飼料が多数展示されています。興味が在る人には貴重な資料です。



そんなこんなでじっくりと資料館を見学し、うどんセットと名物のソフトクリームを食べてエネルギーを充填しました。

富山へは国道410号を途中で右折して県道89号線に入ります。89号線の入り口に棚田が広がっていますが、これは「蓮田」。ここの蓮根は生で食べても美味しいらしく「サラダ蓮根」の看板が出ています。



■ いよいよ、富山に挑む ■

県道89号はしばらく御殿山を眺めながら、小さな川沿いを緩やかに下ってゆきます。道端には菜の花が風に揺れています。県道88号と分岐してしばらく上り坂が続きます。その頂上付近に「富山入り口」の看板を見つけます。

そこからは細い畑の中の道のアップダウンが続きます。所々の分岐に看板が無ければ完全に道に迷うでしょう。

「富山ってこんな楽なんだ・・・・」って思い始めた頃、急角度で道がターンする箇所が現れました。そこからは激坂区間が始まります。

その入り口に馬が三頭歩いていました。麓の観光牧場の乗馬用の馬だそうです。狭い道で馬を追い越すのは少し怖い。「馬、大丈夫ですかね・・・?」「自転車見るのは初めてでちょっと驚いてるけど、基本オトナシイから・・・」そう言われ、足付きしないでどうにか馬をパスします。



その直後から激坂が続きます。何度かフロントタイアが浮きました。道が分岐してさらに斜度が上がる所で心臓が限界です。危険なので足付き・・・。



しばらく休んで、再スタートしますが、もう坂のキツイ事といったら・・・。何よりもフロントが浮き上がるので怖い。体をハンドルの前方に出して前輪に体重を掛けると今度がリアが簡単にスt-リップする。さらに路面が荒れています。落ち葉、枯れ枝、小石、グレーチング、舗装が荒れた所・・・もうトラップの連続。

そうそう、途中で馬に抜かれました。馬は登りは得意だとか。(下りが苦手)。「1馬力」にも適わないとは屈辱。

■ 富山の激坂に散る・・・ ■

ちょっと登ると道端に「登山用の杖」が置いてありました。何だかこれを見た時点で心が折れました・・・・。



しばらく進んで、転倒寸前でビンディングをギリギリ外す事数回・・・。結局、乗車を諦めて「押し」が入ります。押すたって・・・登山道を自転車を押して進んでいるんですから・・・楽ではありません。

「押し」で一番傾斜のキツイ処をクリアーして、どうにか乗車できる斜度になったので再度自転車の乗りますが、路面の荒れた所を避けて前輪が谷側に落ちそうになってここで完全に心が折れました。後は山頂まで再び「押し」ます。

・・・・この荒れた急坂を自転車で降りる事を考えると心が重い。

どうにか山頂らしき広場に到着しました。



■ ノーマルクランクではムリゲーだった ■




斜度はキツイですが、決して登れない斜度ではありません。ただ、前輪が浮く、或いは後輪がスリップする、蛇行しようとすると坂の下側に自転車が倒れそうになる・・・それが怖くて挫折しました。

帰りの電車の中で「激坂の登り方」をググってみた所、前輪と後輪に均一に体重が乗るポイントを探し、ペダルは回転を意識してトラクションにムラが出ない様にする事が肝心とあります。

しかし、ノーマルクランクの39t-27tで、私の体重の70kgだと、ペダルを踏みこまなければ登れないので、自然と「グウ~ン、グウ~ン」というムラムラのペダリングになります。さらに力を掛ける際にハンドルを引いてしまうので前輪が持ち上がります。これを避ける為に前輪に体重を掛けると後輪がスリップする・・・・。

これを防ぐ為にはギアー比を軽くするしか無いのですが、39t-27tでギアー比は1.44。リア側を29tにしても1.344。やはり素人が激坂を登る為にはコンパクトクランクが必要そうです。34t-27tで1.259になりますから、1.44よりは回転をスムースに出来そうです。

ただ、こんな激坂は滅多に無いので・・・その為だけにコンパクトを導入するメリットは・・・。遊びで105のクランクを付けて再トライするなんてのは在るけど、その前に体重を落とさないと・・・。


■ 八犬伝の聖地巡礼 ■

実は本日のメインイベントは激坂ではありません。

安房・富山と言えば「南総里見八犬伝」の序盤の聖地。

時は戦国、里見義実率いる里見軍は隣国・安西景連に責められ籠城します。しかし折からの飢饉で食べ物は無く、敗戦は濃厚。義実は目の前をふらつく飼い犬の八房に「お前が景連の首を取ったら娘の伏姫を嫁にやろう」と戯言を口にします。するとアバラの浮き出しやせ細った八房の目に生気が宿り、どこへとも無く消えてゆきました。

戻って来た八房の口には、何と敵将の景連の首が加えられていまいた。大将を失った安西軍は敗走し、里見家は滅亡を免れます。

さて、大手柄を立てた八房は丁重な扱いを受けますが、なぜか彼は不機嫌です。すると伏姫が義実にこう言います。「犬畜生と交わした約束でも、約束は約束。それを違えるとは畜生にも劣る所業です。父上、わたくしは八房の妻となります。」こうして、伏姫を背に乗せた八房は、空を掛けて里見の城を後にします。

義実の家臣、金碗大輔は伏姫と将来夫婦になる事を期待されていましたが、姫が八房と出奔した後に出家して、安房の隅々を歩き周り、姫と八房の消息を負います。そうして彼はとうとう、富山の人が立ち入らぬ山奥の洞窟に、姫と八房が住んでいる事を突き止めるのです。

八房は姫の傍を離れず、時折姫に近づこうとしますが、伏姫はその都度、八つの水晶の大玉がある数珠をかざして法華経を唱えます。すると八房はその場で静かに法華経に聞き入ります。こんな一人と一匹の隠遁生活を一発の銃弾が終わらせます。金碗大輔が放った鉄砲の弾は、八房を殺した後、伏姫にも当たってしまうのです。

金碗大輔そこに来合せた義実とともに洞窟に駆けつけますが、横たわる伏の腹は大きく膨らんでいました。「畜生を交わって子を成したとあっては里見家の恥・・・」と言う義実に伏姫は「私は決してそのような行いをしておりません・・・」と自らの潔白を証明する為に、その膨らんだ腹に自ら刃を突き立てて、ずいーっと切り裂きます。

何と、その時、伏姫の腹の中から八つの水晶玉が飛び出して、すごい勢いで四方八方の空に散っていったのです・・・・。

かなり以前に読んだので怪しい記憶ですが・・・南総里見八犬伝序盤のハイライトの舞台が、ここ富山です。そう、富山は江戸文学のベストセラーの聖地なのです。

■ 伏姫籠穴 ■

富山の山頂には「里見八犬士終焉の地」とあります。八犬伝は最後は里見氏に集った八犬士が、北条との戦で大手柄を立て、里見家の8人の姫をそれぞれ娶って「めでたし、めでたし」のハッピーエンドだったハズ。

ただ、実際の里見氏は北総まで勢力を拡大しますが、1564年、現在の市川市国府台にて北条氏に敗れ、千葉県の北部での権勢を失い安房地域を治めるのみになります。館山城を居城として江戸時代を迎えますが、1618年に改易となり、房総里見氏は終焉を迎えます。

実は里見氏の改易は徳川の謀略だと言われています。東京湾の入り口の千葉側の里見氏と、神奈川県三浦半島側を治めた本多氏。外様で10万石を超える里見氏は江戸の入り口にとっては本多氏同様に邪魔な存在でした。

1618年の幕府内での政争「大久保長安事件」において里見氏と本多氏はそれに連座した罪で改易されてしまいます。その後、里見氏は各地を転々と改易されますが、歴史の表舞台に登場する事をありませんでしが。里見の居城、館山城の跡には八犬士のモデルともなったと言われ里見の家臣達の墓があるそうです。



そんな歴史?(フィクションですが)に思いを馳せながら、海側を望むと、かつて里見水軍と北条水軍が覇を競った東京湾の入り口が陽光にキラキラと輝いています。



山頂から「伏姫籠穴」まではどうやら未舗装の遊歩道が続いているらしい。山頂の地図では距離はそれ程離れていない様なので、自転車を押して行く事に。



途中、皇太子と雅子様がかつて富山に登られたのを記念した「愛の鐘」なるものを横目に見て進みます。




■ おいおい、これって登山道じゃないか・・・ ■

しばらく遊歩道を行くと、道案内は急な下り坂を示しています。???と思いましたが、少し下ったっら在るのだろうと、自転車を担いで急坂を下ってみます。





急坂は次第に木製の階段に代わり、倒木が道を塞いでいるわ、ちょっとしたガレ場があるわで、完全に登山道ですね、これ・・。シューズカバーをしていては危険なんで、カバーを外します。



登るのも難儀する急な階段を自転車を担いで降りるのは一苦労ですが、MTBの人達は、重いバイクをよく担いでいますよね・・・それを思えばロードは軽いからマシかもしれません。

そういえば、以前も山を自転車を担いで登った事があったな・・・。そうそう、あれは直ぐ近くの犬掛の古戦場にある「滝田城跡」を行った時だった。今回は登山道が整備されているだけ楽かもしれません。



ようやく登山道の入り口に到着です。登りで45分掛かると書かれています。25分で降りて来たので、45分は「老人の足で」でしょうか。



■ いよいよ聖地 ■

自転車に「乗って」しばらく下ると、「伏姫籠穴」という山門が現れます。山中に忽然と現れる山門は、「三遊記」の妖怪が住んでいそうな佇まいです。



山門からは登りが続きますが、幽山なんて言葉が浮かぶ不思議な雰囲気があります。

登り切った所に鉄扉が在り、その奥に岩屋が在る様です。八犬伝はフィクションですから、ここの伏姫と八房が居た事実はありません。誰が何の為に、いつ頃、岩屋を掘ったかは不明ですが、富山は修験道の山だったとも言われています。確かに山深く、修験道の僧が修行をしていそうな雰囲気があります。

館山には修験道の開祖、役 小角(えんの おずめ)が空から降り立ったと言われる場所が在り、房総には古来修験道が広がていたのかも知れません。

薄暗い岩屋の中には白い「玉」が置かれ、奥の方に目を凝らすと「仁、義、礼、智、忠、信、孝、悌」と書かれたボーリングのボールが・・・失礼、珠が置かれています。







「伏姫籠穴」は、「聖地巡礼に行ったら、キャラクターの看板がたっていた
・・・」って感じの、何だか微妙な聖地でしたが、房総の地では、八犬伝はフィクションでありながら、史実の様な存在になっているのです。

入り口の山門で振り返ると、塀の上に「犬塚」が建てられている事に気付きました。八房の靈を鎮める為の塚なのでしょう。



■ 岩井の名所を巡る ■

何だかすっかり観光気分になってしまったので、電車の時間まで岩井の名所を散策します。

「岩井の蘇鉄(そてつ)」という看板を道路脇に見つけました。住宅地の中を進んで行くと、県の文化財の看板が出現。樹齢1000年って、まさかね・・・。



ところが大蘇鉄、葉が一枚も生えていません。まさか枯れてしまったのでしょうか?ネットで調べると、冬は葉を切り落とした方が夏に葉の出が良いそうです。



海の方角と思しき方にハンドルを切ると、しばらくして砂浜に出ます。





野太い声と太鼓の音がしたので祭りでもやっているのかと見に行くと、海に向かって応援団の高校生達が声を張り上げていました。

風も収まってきて、東京湾の波も穏やかです。



帰りは岩井の駅から輪行します。本日は観光三昧のロングライドでした。(いつもですが・・)