人力でGO

経済の最新情勢から、世界の裏側、そして大人の為のアニメ紹介まで、体当たりで挑むエンタテーメント・ブログ。

フロントシングルで奥多摩周遊・・・ムリゲーだけど暑くて無理!!

2020-08-31 19:42:00 | 自転車/マラソン
 




■ 皆んな大好き「和田峠」に行ってみた ■

暑い!!くそ暑い。標高の低い千葉県を走ったのでは熱中症は確実です。
そんな訳で、本日も標高を求めて奥多摩方面に遠征です。

朝一番に武蔵五日市に到着する時間に浦安駅から輪行しますが、何と中央線は人身事故で不通。三鷹で折り返し運転の高尾行に乗り換えて立川で乗り換えるハズが、すっかり寝過ごして気付けば高尾。ホームで天狗さんがお出迎え・・・。

急遽、予定を変更して、皆んな大好き「和田峠」にGO!!

和田峠は甲州裏街道とも呼ばれる陣馬街道にある、東京と神奈川県の県境の峠。標高690mと大した高さではありませんが、最大勾配18%という激坂コース。風張林道が東京激坂の横綱ならば、こちらは大関。アクセスの良さもから、東京の自転車乗りが最初にチャレンジする激坂では無いでしょうか。

以前、ヤビツ峠の帰りに山梨側から登った事は有りますが、東京側から登るのは初めて。本日の自転車はクロモリのレモン君。フロントシングルのフロント42t、リア12-27tです。インナーxローのギアー比が1.55ですから、ノーマルクランクの39x25の1.56とほぼ同じギア比。昔の自転車乗りは、皆さんこのギア比、クロモリフレームで和田峠を登っていたので、登れて当然・・・のハズ!!


陣馬街道の前半は、川沿いの集落を巡りながら緩やかに標高を上がて行くコース。ここが東京都である事が信じられない「のどか」な景色が続きます。和田峠の激坂区間の始まりまではバスも通っています。休日のバス停は陣馬山に登るハイカーで賑わいます

陣馬山の登山口のバス停から先は激坂区間になりますが3.5Kmの区間の平均勾配は10.1%、最大勾配は18%。まあ、キツクなったらダンシングで凌げる感じでしょう。

バス停で一休みしてからトライ開始。気温が高いので足攣りしたら終わりです。無理にダンシングせずにシッティングで丁寧にペダルを押し込みます。途中、「コイツはヤバいぜ!!」って斜度は1か所だけ。そこが18%だと思いますが、ヘアピンのイン側を通らなければ、どうって事ありません。全力ダンシングで乗り切ります。

それよりも、道幅の狭い所で後ろから車が来た時の方がヤバかった。足付きはしたく無かったので、道幅が少し広くなる所まで全力ダンシングですよ・・・。まあ、坂道アルアルでは有りますが、軽く死にました・・・。


気温が低ければ「サタデーナイト走行=オールダンシング」も可能ですが・・・本日はシッティング中心でクリアしました。のんびり登ったので「血の味指数」は低め。

■ 裏和田から都民の森に行けるか?! ■

峠の茶屋でスポドリをガブのみしてから、裏和田を下ります。峠を越えると神奈川県相相模原市です。裏和田の集落の景色は「ザ・山村」。写真だけ見せられたら「信州ですか」と聞いてしまうレベル。

裏和田を下り切った辺りから、甲武トンネル経由で都民の森に行ける事は地図で確認出来たので、それらしき標識に従って進みます。・・・と言っても手描きで甲武トンネル14Kmと書かれているだけだけど・・。


ロールプレイングゲームならばトラップだよね、この看板。

小さな峠を一つ越え、集落に入って「上野原カントリークラブ」の看板に従って進みます。・・・進み・・。おい、何なんだよ、この集落の中の激坂。道、コンクリートの丸パターンじゃねぇーか!!10%軽々越えてるよね、パターン無いだけ、ヤビツの蓑毛の方がマシだよね!!

「やっぱ、罠じゃねぇーかーーーー!!」と心で叫びながら、暑さで意識を持って行かれる寸前に自販機を発見。地獄に仏とはこの事。頭から冷たいミネラルウォーターを被って、木陰で一休み。道が有っているかネットで確認すると、ここ「上野原カントリークラブの激坂」で有名なポイントでした・・・。そして、自販機の直ぐ先がカントリークラブの入り口で、坂道のピーク・・。


カントリークラブの入り口って、どうして激坂の上の有るのでしょう?読売カントリークラブとか・・・。


そこから甲武トンネルの分岐までは、広々とした景色が広がります。冬ならば富士山が見えるでしょう。


ここ、神奈川県です・・・。


矢印にチョロリと生えたヒゲがキュート!


■ 風景ハンターの血が左折しろと囁いた・・・鶴峠って何? ■

右折すると武甲トンネル経由で都民の森に行ける交差点。でも何故かハンドルを左に切ってしまいまいた。「そっちの方が楽しいよ!」って本能が叫んでいるから。

少し下ると三叉路に出ます。「多摩川源流 小菅村」という看板が「こっちらよ、こっちだよ」と手招きしています。「源流」って言葉、チョーそそられるじゃないですか!!気付けば、ここは「山梨県」。本日、既に県境を二つも越えています!!

山梨県の県道18号線で、奥多摩湖の上流に出るらしい道は、鶴峠という「通好み」の峠に繋がっているらしい。奥多摩湖に出て、都民の森に上って武蔵五日市に出るコースにチャレンジしてみます。


標識に書かれた、「村」とか「源流」とか、ワクワク・ワードには抵抗出来ません!


山も谷も深い。秘境感がパナイっす!!



この道、大正解です。川沿いの集落を巡りながら、細かなアップダウンを繰り返して、標高が徐々に上がっ行きます。鶴峠の手前に「田和峠」というのが有る様なのですが、どれが峠なのか分からずに「西原」という集落に入ります。

蕎麦屋さんに車が沢山停まっていたので、ここでお昼にします。この先、多分、補給が出来なくなりそうですから。時間も丁度12時。


パンにしようか、蕎麦にしようか迷いましたが、蕎麦に決定。


店内にはクーラーは有りません。全開の窓から、爽やかな風と、様々な虫が入って来ます。お客さん、虫を無視です。流石は田舎・・・?




夏だなぁーーー。


食事の後に、ちょっと西原の集落を散策します。水車という看板に誘われて、川沿いの激坂を登って行くと、木立の影にひっそりと水車小屋が佇んでいます。パイプで水車の上の水を導いて回転させる仕組ですが、今は水は止まっています。この水車で挽いた蕎麦粉を蕎麦屋では使っている様です。



粉挽き様に現在も使われている水車。


「ザ山村」的な風景!!


一宮という神社を見付けたので寄って行きます。中世に武田氏が興した神社として伝わっているそうです。山梨屈指の杉の巨木(御神木)を始めとした巨木に囲まれ、小さな社が建っています。




御神木は山梨県屈指の巨木です。

■ 鶴峠って何処? ■

西原の集落を抜けると、道は再び登りになります。確実に斜度10%越えのヘアピンを曲がると冬季通行止めのゲートが出て来ます。ここから先は峠まで民家は無いのでしょう。


ゲートのヘアピンをスマホ撮影しようと、10%越えで片手運転。スマホをポケットから取り出して、ホームボタンをタップして、指紋が認証出来ないから暗唱番号を片手で入れて、カメラを起動して、ビデオ撮影。よゐこは真似しないでね・・・。



西原の集落が眼下に小さく見えます

しばらく登りを繰り返すうちに「小菅村」に到達しました。峠は越えていないと思うのですが・・・。ただ、「鶴峠って分かり難い」とはネットに書かれていたので、もしかして越えてしまったのかと不安になります。ただ、道は登りが続いているので、峠は越えていないハズ。


小菅村に入りました


気温は30℃を越えていますが、朝夕が涼しいのでしょう。ススキの穂が出ていました。標高は800m程度と思いますが、秋は一気に訪れるのでしょう。


冬季ゲートを過ぎましたが、小菅村に入ると民家が現れます。村内は除雪されるのでしょうか?



12~13%のヘアピンを幾つのクリアーして、箱根の七曲りを登っている気分になる頃、突然、公衆便所が出現します。そして、その先のヘアピンを曲がると「鶴峠」というバス停がポツリと立っています。

周囲は木々に囲まれ、バス停が無ければ、ここが峠とは分からない様な「存在感の薄―い」峠。奥多摩の外の峠に比べて人気が無いのも理解出来ます。だって、記念写真スポットが無い。


奥多摩周遊道路に比べてバイクは圧倒的に少ないですが、それでも時折、爆音を残してバイクが走り去って行きます。バス停の表紙が、ここが「鶴峠」である事を証明していますが、駐車場も無いので、車もバイクも、ただ走り過ぎるだけ。


峠を越えると、道路にローリング族(今は死語かな)のタイア後がベッタリと残されています。「頭文字D]みたいな兄ちゃんが、夜な夜なドリフトで峠を責めているのでしょう。

■ 鶴峠を越えても登り返しが結構ある。 ■

鶴峠を越えたら奥多摩まで一気に下るのかと思いきや、結構な登り返しが有ります。これは精神的ダメージが結構大きい。

しばらく下ると国道139号線に突き当たります。左は大月、右は奥多摩の表示が。一瞬、左折しようかとも思いましたが、山並みを見て、登りが有りそうなので止めにします。後で地図で確認したら、結構長いトンネルで峠をくぐり抜ける様です。その上を九十九折れの旧道が走っています。元気ならば、旧道のルートも面白そうです。

小菅の集落を抜けると、河を渡ります。多摩川の支流の一つ、小菅川です。鶴峠からの下りの途中から、河が道に並走していましたが、多摩川の源流域の一つ、白沢川というらしい。もっと秘境チックなイメージがあったので、ちょっと肩透かしですが、鶴峠が相模川支流の源流と、多摩川支流の源流の分水嶺になっている様です。源流域の風景としては、相模川の支流の鶴川の方が趣が有ました。



多摩川の支流の一つ、小菅川。マス釣り場として、賑わっていました。

■ 奥多摩周遊道路経由で都民の森は、涼しくなってからにしよう ■

奥多摩湖が見えて来ると、先週通った道です。途中、奥多摩周遊道路から都民の森へ登って、武蔵五日市経由で帰ろうか迷いましたが、明日が月曜日なので、涼しくなったらトライしてみます。15kmの登りですが、斜度が6~7%なので、脚的には十分に残っていました。(ただ、暑さで相当参っていますが)

東京都都内に入ると道幅も広くなります。奥多摩駅までノンストップで乗用車の後ろに付いて走ります。ダムを越えた辺りから渋滞が始まります。本日を先週よりも人手が多い様です。


東京都に戻って来ました。



15時以降に雨マークが付いていまいたが、天気は問題無さそう。


■ 檜原街道で都民の森に行くよりも、タフで景色の変化に富んだ素晴らしいコースだった ■

電車を寝過ごして高尾に行ってしまった事が幸いし、図らずも「和田峠」と「鶴峠」を堪能してしまいました。涼しければ、フロントシングルで全く問題の無いコース。(スピードは望めませんが、自転車は不便な方が面白い!!)

都民の森は、「整備された道路」で風景も単調です。それに比べて鶴峠を通る県道18号線は、深山と山間の集落が適度にバランスしていて、さらに景色も素晴らしい。タイムアタックとは縁の無い私としては、バイクがケタタマシク通り過ぎ、自転車乗りだらけの檜原街道よりは、断然、鶴峠の方が楽しい。

足付きしたく無いなんて考える事も無い。雄大な景色を眺め、集落の中の激坂に寄り道し、素朴な蕎麦を食べる。最高のコースです。


本日の最難関は・・・上野原カントリークラブの激坂。和田峠以上に応えました。いきなり蓑毛の坂道が住宅地の中に現れるのですから、ヒルクライムに心の準備がいかに重要か、思い知った一日でした。


重要事項なので、最後のもう一回言います。「鶴峠」最高です!!


極私的 千葉のお酒ベスト10

2020-08-29 17:14:00 | グルメ・クッキング
 
 久留里の名水の紹介記事に拍手コメントを頂きました。

名水って「まずい?!」・・・硬度と日本酒 人力でGO  2015/7/10

その記事の最期にネットで見つけた「千葉のお酒ベスト10」を掲載していたのですが、その後の「研鑽」で、このランキングは私のランキングをかなりズレていると感じています。

そこで、改めて、私の飲んだ範囲での千葉の日本酒のランキングを発表したいと思います。尤も、思うところあって1か月禁酒を継続しています。飲みたい気持ちを、記事に叩きつけてグッと堪える・・・・。

実際にノンアルビールさえあれば問題無く禁酒出来ています。飲み会でもウーロン茶で下ネタ連発・・・。アルコールって要らないんじゃねぇ?っと思える今日この頃。でも、美味しい料理に美味しい日本酒は飲みたい・・・。


・・・ところで、「禁酒すると痩せる」というのデマだから。夕飯とかしかり食べてしまうからむしろ太る。体脂肪率は下がったけれど・・・体重は殆ど減りません。



極私的 「千葉の酒」ランキング


1位  「叶」 大吟醸 東薫酒蔵  佐原   兵庫県産の1等級の山田錦を35%まで磨いた大吟醸。火入れ酒で、この香、濃厚な味わい。値段は高いけれど、千葉県の地酒の間違い無く「横綱」です。


2位  「鳴海」 純米吟醸 生無濾過原酒  東灘酒蔵 勝浦   濃厚旨口の微発泡酒。「端麗辛口」ブーム以降、人気がイマイチな甘口の日本酒ですが、このトロリとした飲み口、そしてサラリとした後味は癖になります。都内の日本酒バーでも知る人ぞ知る千葉の秘蔵酒。

3位  「福祝」  純米吟醸 生無濾過原酒 藤平酒造  久留里  「名水」の街、久留里で人気が高まっている酒蔵。麻生財務大臣の晩酌のお酒の一つとか。普通に丁寧にお酒を醸造すると、普通以上に美味しくなる見本。水も良いのでしょう。いわゆる「農大系」の華やかなお酒ですが、バランスが良いのが特徴。(コストパパフォーマンスも高い)

4位  「飛鶴」 森酒蔵   久留里  地元でしか手に入らない幻にお酒。何故かと言えば生産量が少ないから・・・。どこが美味しいのか?・・・実は私も分かりません。普通の美味しく、料理を引き立ててくれる。最近流行の華やかな日本酒と正反対の、地味だけど「美味しい」日本酒。久留里にあって、水は上総掘りの硬水では無く、愛宕山からの清水を使用。


5位  「腰古井」 吉野酒造 勝浦 これも飛鶴と並び、普通に「本醸造」が旨い。カツオのタタキとか、ナメロウなど、青魚系と良く合います。

6位  「岩の井」 岩瀬酒造 御宿 「山廃仕込」の伝統で作られるお酒は、乳酸発酵によって酸味が立ちますが、そのバランスが絶妙。「本醸造」でも「純米酒」でも充分に美味しい。「古酒」がフランスのワインのコンテストのアダムスで賞を取っていますが、普通に「本醸造」で充分。


7位  「東塊盛」 本醸造  小泉酒造 内房君津のお酒。これも普通に美味しい。

8位  「五人娘」 純米   寺田本家 神崎(こうざき)  知る人ぞ知る「自然酒」の有名な酒蔵。病気をきっかけに「無農薬米」「蔵付き酵母」の酒造りを始めた先代の努力が実を結び、手間暇かけたお酒は、自然食ファンのみならず、日本酒ファンも納得の味わい。結構しっかりとしたお酒。この他に、「日本一マズイ日本酒」を自称する「むすび」は、発芽玄米の日本酒。ヌカとビールを混ぜた様な味は一度飲んだら忘れません。これが「日本酒のルーツ」なのかも知れません。寺田本家の天然酵母はパンの生地を発酵させた時の発酵力が違うと自然食界隈でも有名だとか。

9位  「不動」 吟醸生無濾過原酒 神崎(こうざき) 成田山の近くに本店は有りますが、醸造所は寺田本店と同じ水郷の神崎。発酵の街として有名です。メインのブランドは「仁勇」ですが、特別醸造の「不動」は農大系のお酒としてもレベルが高い。最近、味が上っている様に感じます。蔵の規模が大きいので、ランキングは下にしていますが、千葉の酒、ベスト3に充分入る実力。

10位 「最上白味醂」 味醂 馬場本店 佐原  東薫酒蔵の隣に位置する馬場本店。勝海舟も逗留した事のある酒蔵ですが、ここのイチオシは宮内庁御用達の「白味醂」。砂糖など添加物を一切使わない味醂は、芳醇ですが、後味がさっぱりした甘さ。そのまま飲むと「リキュール」です。料理に使うと、家庭料理が料亭料理に早変わり。マジでスゴイです。



千葉県の日本酒は殆ど無名ですが、実は県内に酒蔵が40軒程度も残っています。そのどれもが個性豊かで、魅力的なお酒です。生産量が少ないので、全国的には流通していませんが、ネットで簡単に取り寄せが出来る時代、カツオなど臭いの強い魚に合わせると外房の酒はベストマッチです。

「岩の井」や「腰古井」などはおオススメ。「飛鶴」は手に入らないでしょうから・・・。



<追記>

あれ、何か足りないと思ったら「甲子(きのえね)」を忘れていました。井戸から酒が涌き出したという伝説が伝わる「酒々井」の名酒蔵。5位以内のどこかにランキングするハズですが・・・忘れてた・・・。千葉県では現存する最も古い酒蔵です。

あと、「竹岡」もランキングすべきお酒。


鴨川の亀田酒造はイマイチの印象が有るのですが、ワイン酵母を使った日本酒は、アメリカ人のワイン通に飲ませたら「ドライシェリーみたいだ」と驚いて、早速写真をネットにアップしていました。これ、結構、面白いお酒でした。


同様に東灘酒蔵の白麹を使った「バージニティー」は、ワインの様な味わい。フランス料理などに合いそうです。


・・・・あーーーお酒が飲みたい!!

DT男子の純情・・・『彼女、お借りします』

2020-08-28 07:49:00 | アニメ
 

『彼女、お借りします』OPより
このOP、カワイイよね。PO,EDで登場人物が踊るのはアニメから始まった演出ですが(なぜ踊るんだろう?インド映画か?) 実写ドラマでも採用され、それがアニメにフィードバックした様なOP。自撮りのカメラをクィってやる演出も実写的で可愛い。

EDもヒャダインの作曲が冴えています。



■ DT男子の頭の中は〇〇〇の事でイッパイ!! ■

今期アニメ、第二期、第三期以外の作品に、目新しいものが無いのですが、『彼女お借りします』は頭二つ程、他の作品より目立っています。

少年マガジン連載の「ラブコメ」ですが、流石はマガジン。安定した面白さです。

特にイケメンでも無い普通の大学生の和也は「DT男子」。同じサークルでイイ感じになった麻美ちゃんと〇〇〇する日を妄想して日々を過ごしています。ところが、そのギラツキをウザがられて麻美ちゃんに振られてしまう・・・。

失意の和也は、ついつい「レンタル彼女」なるサービスを利用してしまいます。待ち合わせ場所に現れた千鶴は、人々が振り返る程のお嬢様系の美女。そんな彼女が、本当の彼女の様にデートしてくれるのですからDT男子にタマラナイ。

ただ、デートの最初にお金を払って、約束の時間が過ぎれば「又のご利用を・・」をと去って行く。虚しさが倍になって押し寄せて来ますが、和也はついつい次のデートの予約を入れてしまいます。

病気に祖母に千鶴を「彼女」と紹介して事で引っ込みが付かなくなり、ズルズルと千鶴との「デート」を続ける和也ですが、だんだんと千鶴に心を奪われて行きます。しかし・・相手にとって自分はただの「客」。

一方でプロであるハズの千鶴の和也の言動にペースを乱されます。「客」相手のサービス以上の事をする羽目になります。本来なら断れば良いだけなのに、何故か邪険に出来ない。和也の必死で惨めな様に、ついつい押し切られてしまいます。

何一つ特別なものを持っていないDT男子の和也ですが、誠実なだけが取り柄。しかし、その誠実さは、和也の男友達も認める所でもあり、和也の最大の魅力なのです。

はたしてDT男子は、高根の花を射止める事が出来るのか・・・TV版は、突然和也にベタ惚れする別のレンタル彼女の登場で、俄然面白くなって来ました。


■ 二極化したラブコメ ■

少年漫画のメインジャンルのラブコメですが、その黄金期は80年代では無かったかと思います。やはり少年マガジンがこのジャンルのトップランナーだった。

柳沢みきおの『翔んだカップル』はこのジャンルの金字塔でしょう。不動産屋の手違いで同居する事になった高校生男女のアレコレを大学生になるまで描く作品ですが、「女の子といきなり二人暮らし」というDT男子には夢の様な出来事と、なかなか上手く行かない不器用な恋愛の現実実が、絶妙なバランスを保った作品です。いえ、むしろ一度付き合ってから別れたりと、今の「付き合ったらハッピーエンド」というオタクの脳内妄想的ラブコメよりも、リアルDTの現実がギッシリ詰まった作品でした。

漫画ファンにラブコメの名作はと問えば、多くの方が『タッチ』や『うる星やつら』や『めぞん一刻』を上げられると思いますが、私は『翔んだカップル』こそが、この時代のラブコメの金字塔だと疑いません。

マガジンは『胸騒ぎの放課後』とか『かぼちゃワイン』とか王道ラブコメの宝庫でしたが、サンデーはあだち充と、高橋留美子という二大巨匠がこれを迎え撃っていた。一方、ジャンプのラブコメって印象が薄いんですよね・・・『ストップひばり君』や『To LOVEる―とらぶる』の様に変な方向に尖がっているというか・・・。

いずれにしても、80年代は少年誌のラブコメの黄金期である事は間違いありません。(多分)



『翔んだカップル』より


その後も様々なラブコメ作品が発表されますが、「オタク妄想化」のベクトルと、「ドロドロ展開」のベクトルに二分れます。

ドロドロ展開は『翔んだカップル』の延長線にある作品群ですが、『君のいる街』や『ドメスティックな彼女』など、少年マガジンの伝統となっている感が強い。これらの作品は年頃の男女が付き合えば当然SEXもする・・・という現実的な視点で描かれているので、『青春の門』などの往年の青春小説の漫画版だと思えば分かり易い。

一方で「オタク妄想化」のベクトルはSEXは封印されています。何故なら読者がそれを望んでいないから。ヒロインは主人公と読者の性の捌け口であると同時に神格化しており、絶対不可侵な存在です。だから「薄い本」ではイロイロとされてしまうヒロインも、作品中でイロイロしてしまったら、ファンはドン引き、原作者にはカミソリが送られて来るでしょう。

■ シンプルなラブコメが受ける時代 ■

私も55歳になって、いまさらラブコメなんて言っているのがハズカシイお年頃となりましたが、未だにラブコメには胸キュンさせられてしまいます。

だいたい主人公達がハッピーエンドでくっ付いてしますと「ケ、リア充どもが!!」っと二度と見返す事の無いマンガやアニメのラブストーリーにあって、最近、何度も観れる作品がチラホラと出て来ています。

これらの作品の共通点は商業誌以外の媒体(ネット)から発表されている事が特徴です。(「恋は雨あがりの様に」はスピリッツでしたが)

これらの作品の特徴は「少女マンガ的」な所・・・脚に絡みつく様なネバネバしたDT男子特有の妄想が微塵も感じられない。だから商業誌の編集者目に留まらなかったのかも知れません。

しかし、ネットメディアで発表されると、読者の支持を広く集めます。男性、女性に関わらず読者が多いもの特徴では無いでしょうか。

商業誌だと読者層がかなりニッチにターゲッティングされていますが、ネットの読者は多種多様です。そんな、広く浅い層にアピールする作品がヒットするのが、昨今のラブコメの特徴かも知れません。

但し、中身が薄い訳では有りません。『Relife』のアニメなどは私は3回以上観てますし、「恋と嘘」もアニメ終了後の巻を買ってしまいました・・・。



『Relife』より

引きこもりの社会人を薬で若替えらせて、1年だけ高校生活を再体験させ、社会復帰させるという「リライフ・プロジェクト」の被検者となった海崎新。会社の先輩の自殺というトラウマを抱える彼が、高校生との触れ合いの中で、生きる活力や自分の能力を再発見する物語。同じ被験者の不器用な女子(高校生だと思っている)に28才のオヤジが惹かれてしまう・・・。ラストは「綺麗な終わり方」のお手本の様で、正座して観てしまいます。

アニメのサントラは「東京ザビヌバッハ」などで菊池成孔と組む事の多い坪口 昌恭が担当。現代ジャズの美味しい所が詰まっています。ポピュラーな一面もあるので現代ジャズファンにはお勧め。(ノイズ系では無いですよ)



『恋と嘘』より

少子化対策として厚生省のコンピューター遺伝子によってが夫婦のカップリングを決める「ゆかり法」が施行された日本。高校生になると相手が通知されます。ところが、通知された相手と違う子に恋をしている主人公は、相手も女子も自分をずっと好きだった事を知らされます。しかし、彼女は告白の後は急によそよそしくなり・・・・。もう観ていてモジモジしてしまうピュアなラブストーリーですが、そこがタマラナイ。・・・「消しゴムって最強の恋愛アイテム」じゃねと思わせる作品。


『ヲタクに恋は難しい』より

ヲタクがキモイ時代は過去の話。今ではイケメンもキレイなOLも普通にアニメやゲームトークに花が咲く時代。しかし、そんな真性ヲタクだけに恋愛は今一つ盛り上がりに欠ける・・・そんな現代のヲタク・アルアルが詰まった作品。実際に趣味が合うというだけでヲタク同志が付き合うと辛い思いをするでしょう。だって、コダワリ・ポイントは人によって微妙に違うから・・・。そこが「許せない」んだよね・・・。マターリとした現代の恋愛を上手に描いています。



『恋は雨上りのように』より

ラブコン枠からは少し外れる、オヤジと女子高生の恋物語り。怪我をして競技から離れた傷心の女子高生が雨宿りに入ったファミレスの店長のちょっとした気遣いに胸キュンしてしまう。店長からすれば娘の様な年頃の娘に告白されて、大人としてどう接して良いのやら・・・。中年オヤジのピュアが詰まった作品。実写化されていますが大泉洋がまさに適役。


映画『恋は雨あがりの様に』より
小松菜奈もいいんだよねーーー。アニメやマンガ原作の実写ってガッカリする事が多いのですが、これはイイ。(最近はamazonでドラマ「僕らがやりました」そ観てます)


■ 私、結構「恋愛脳」なんです ■

普段、「陰謀だ」「SFだ」「ノイズミュージック」だ・・・・と、ちょっとオカシな趣味全開の私ですが、実は結構「恋愛脳」です。良質のラブストーリーは大好物です。

何歳になってもラブコメやラブストーリーにドキドキ出来るって素敵じゃないですか。現実でカミサン以外にドキドキしない為にも、2次元でドキドキを解消する行為は、社会人として正しいと力説させて頂きます!!