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経済の最新情勢から、世界の裏側、そして大人の為のアニメ紹介まで、体当たりで挑むエンタテーメント・ブログ。

トランプノミクスとアベノミクスの違い・・・「金利上昇」がキーワード

2016-11-30 07:55:00 | 時事/金融危機
 

■ アベノミクスに似るであろうトランプの政策 ■

トランプの政策はポピュリズムの政策ですから、基本的にアベノミクスと似ると思われます。

1) 負担の軽減

   法事税の引き下げ
   所得税の簡素化と引き下げ

2) 財政拡大

   公共事業の拡大(国境の壁など?)
   軍事費の拡大

但し、トランプは保護主義的貿易政策を取りそうなので、この点はTPPで自由主義貿易を推進するアベノミクスとは違う様です。

■ 実は公共事業を縮小していたアベノミクス ■

2013年に安倍内閣が発足した時こそ、大型補正予算で公共事業を拡大したアベノミクスですが、その後は緊縮財政路線に方向転換し、消費税増税も実施しています。

その原因はひとえに「金利」にあると思われます。「景気回復」を目標としている様に見せかけたアベノミクスですが、財務省の目的は日銀による「異次元緩和」と言う名の「隠れ財政ファイナンス」

少子高齢化が進行する日本においては既に税収で財政を支える事は不可能となりつつありますから、日銀による財政ファイナンスが不可欠な状況。但し、増え続ける国債の利払いの増加をどうにかしないと財政は発散してしまいます。

そこで考えだされたのが「異次元緩和」によって10年債までの金利をゼロ以下に抑えるという戦略。これならば国債残高が拡大しても利払いは増えません。償還期日を迎えたら政府は日銀にお金を払いますが、日銀はそのお金を国庫に納める仕組みになっているので、問題在りません。

そう、現在の日本は「無限国債」が実現しているのです。尤も、財政赤字が拡大し続けるので、どこかの時点で為替の下落に歯止めが掛からなくなり、それをきっかけに金融機関は国債を手放すので、破綻はいずれやって来ますが・・・。

■ 金利を上昇させない事がアベノミクスと異次元緩和のキーポイント ■

1) 「無限国債」を継続させる為には国債金利はゼロ以下である事が好ましい
2) 国債金利は市中金利の影響を受けるのえ、市中金利もゼロ近傍が望ましい
3) 金利上昇の原因は景気回復とインフレである
4) 日本は少子高齢化の進行で潜在成長率は0近傍であり、金利上昇圧力は生じ難い
5) 異次元緩和で供給された資金は金利差によって海外に流出(米国債)し、国内景気を刺激出来ない

上記の理由によって、アベノミクスと異次元緩和は「景気回復とインフレ率上昇」という問題亭をクリアーする事で、継続的な財政ファイナンスを実現しています。

■ トランプの政策が軌道に乗る前に米国債金利が上昇するだろう ■

日本とアメリカの最大の違いは「潜在成長率」にあります。

日本はゼロ近傍ですが、人口動態が日本よりもマトモで、移民による労働力が流入するアメリカでは潜在成長力は少なくとも2%は在りそうです。

1) トランプの財政拡大路線は一時的でも米景気を拡大させる
2) 減税政策も景気拡大を後押しする
3) アメリカの金利が2%を超えて上昇する

この予測の元に米国債金利が急上昇しています。現状は10年債金利が2.3%程度まで上昇しています。

■ 1%台の金利の米国債を買っても為替差益で儲かる日本 ■

金利1%台の米国債のババ抜きが始まっているとも言える状況ですが、米国債金利はいずれ頭打ちになるはずです。

1) 米国債金利の上昇に伴てドルが他国通貨に対して高くなっている
2) 金利の低い米国債を保有していても、為替でドルが高くなれば金利は実質の価格は下がらない
3) 日本を始めとする米国債を大量に保有する国の為替が下がる間は米国債の大量売りは起きない
4) 現状、中国やサウジが米国債を手放し、日本が買っている状況だろう
5) ヨーロッパの資金の新興国やEU圏内の国債を手放し米国債を買っているだろう

多分、現状はヘッジファンドなどが米国債を売って株式に資金を移す一方で、為替が下落している国が米国債を購入していると考えられます。

■ ドル高にブレーキが掛かると米国債金利の上昇ペースが速まる? ■

「ドル高が先が、米国債金利高が先か」という「卵と鶏」の問題はあるとしても、ドル高が進行している間は米国債の需要は確保され、金利の上昇は抑制されます。

問題はドル高が反転した時で、先の円高局面で日本国内の金融機関が慌てて米国債を手放した様な事態が発生します。この時は、世界的に金利水準が低下していたので、米国債金利はゆるやかに低下していましたが、今は金利は明らかに上昇トレンドに変化しています。

もし、仮にドル高にブレーキが掛かるとすれば、米国債金利はそれを合図に一層の上昇をすると思われます。

■ トランプに金利上昇を抑制する秘策は有るのか ■

日本は異次元緩和によって国債金利をゼロに抑え込んでいます。

一方、FRBはテーパリングを終え利上げに踏み込んでいるので、米国債を大量に購入して金利を抑え込む事が出来ません。むしろ、適切な利上げによって景気の過熱を抑制し、金利上昇にブレーキを掛けなればならない。

これでは市中金利に引っ張られて、FF金利(FRBの政策金利)もスパイラルに上昇してしまいます。

日本では「消費税増税」が景気回復を抑制し、金利上昇を阻止しましたが、トランプは減税のアクセルを踏もうしています。これでは景気が刺激され、金利がさらに高まります。

■ 低金利でバランスした世界の終わり ■

「FRBも金利を上げたがっているのだから、金利が上昇して何が悪いのか?」との疑問は当然あるかと思います。これが、通常の景気循環における金利上昇局面であれば何ら問題はありません。むしろ好感すべきです。

しかし、リーマンショック以降、世界中の中央銀行が狂った様に資金を提供した為に、あらゆる債券、金融商品などの金利は非常に低くなっていました。これらの金利の低い資産は、金利上昇によって巨大な「含み損」を生む事になります。

米国債が、新興国の国債が、シェール企業を始めとしたジャンク債が、クレジットかカーローンの債券を加工した金融商品が・・・これらの金利が見すぼらしい物に見えた時、人々は我先に金利の低い債券や金融商品を手放そうとします。

そう、リーマンショックの原因となったサブプライムローンの破綻に端を発したMBSやそれを合成したCDOの破綻と同じ状況が起こるのです。

■ 最後の饗宴 ■

ダウが19000ドルを超え、日経平均も18000円台を回復しています。多くの市場参加者は、トランプ就任までに利確しようと考えていますから、この相場は年末にかけて調整されるでしょう。

ただ、市場参加者の多くは、その後に「トランプ・バブル」を予測しています。トランプ政権のスタートダッシュに乗じてもう一儲けと考えているはずです。

そうなると資金がアメリカに一気に還流するので、新興国市場やヨーロッパの市場で絶対に破綻が起こります。上海ショックのもっと大規模な下落が発生するはずです。

はてさて、ドイチェバンクがイタリアの諸銀行がこのショックに耐えられるのか・・・。世界の金融市場は密接に繋がっていますから、アメリカの一人勝ちで終わるとは思えません。


はてさて、トランプ(或いは彼を担ぎ上げた人達)にどんな秘策が有るのか・・・陰謀論的な興味は尽きません。


とりあえずは確実視されているFRBの12月利上げが実行されるかどうかが焦点。FRBが利上げを見送った場合は・・・かなりヤバイ。

ガラパゴス進化する日本のアイドル歌謡・・・変態的なコード進行

2016-11-28 12:03:00 | 音楽
 

■ 『恋するフォーチュンクッキー』って名曲ですよね ■



K-popや洋楽と日本の楽曲を比べた場合、日本の楽曲の特徴と言えるのは「コード進行の複雑さ」。
特にアイドル歌謡は、複雑な進行を感じさせる事なく、親しみ易く可愛らしさを見事に表現しています。

私はAKB48の『恋するフォーチュンクッキー』なんて、もう神曲だと思うのです。

イントロとAメロは少し古めのポップスを思わせる単調な進行、そこからBメロは「王道進行」と呼ばれるJ-Popsで多様されるコード、そしてサビはバロック時代からの王道のカノン進行。もう、「売れるポップソング」のテクニックを総動員した様な曲なのですが、それをアザトク感じさせず、ノスタルジックなのに現代的に仕上げている辺りは、アレンジャーの才能としか言いようが無い。


■ 単純なコード進行の洋楽 ■

それに対して洋楽って単調なコードの曲が多いってご存知でしたか?特にロックやヒップホップなんてジャンルは、元が黒人音楽ですから基本は「シンコペーション(繰り返し)」。ただ、これが悪いのかと言えば、「グルーブ」を生み出す為には、複雑なコード進行よりは単純で明快な方が良い。

ロックでもプログレッシブロックやAORなどは複雑なコード進行が当たり前。スティーリー・ダンの曲なんて、もうウナギみたいで掴み所が無い・・。

■ J-Popが重視する「物語性」 ■

日本のポップスは元々は洋楽をコピーしたものですが、日本独自のガラパゴス進化を遂げてJ-Popsという独特なジャンルを生み出しています。

その最たるものが「物語性」では無いかと思います。Aメロ、Bメロ、サビ、大サビ、間奏、・・・などという構成をする曲が多くありますが、曲全体を通して感情の流れや物語を綴る傾向がありる。日本のリスナは「詩の感受性」が強い傾向にあり、アーティストも歌詞を重視して曲を作る傾向が強い。J-Popsは音楽であると同時に「文学」なのかも知れません。

欧米でこの手の曲を作るアーティストとして先ず思い浮かぶのがビリー・ジョエルです。『ピアノマン』が最も分かりやすいと思うのですが、物語の展開に合わせて曲調も変化します。ただ、アメリカではこの手のアーティストは衰退し、今では「ノリ一辺倒」の曲がチャートを席巻しています。

だから、日本人は洋楽を聞かなくなってしまった。つまらないから・・。


■ ガラパゴス進化の最終形態としてのアニソン ■

AKB48の面白い処は、アイドルであると同時に「アイドルのパロディ」でもある所。もう、アイドル育成ゲームをリアルでやって、ファンをその物語の中に取り込むというメタフィクションな展開は、ポストモダンとしてもかなり尖がっています。

一方、「perfume」=「リアル・ボーカロイド」。「ももいろクローバーZ」=「リアル・アニキャラ」と言った所で、ことアイドルに関しては日本は世界最先端を爆走していますが、ガラパゴス進化の結果とも言え、欧米の市場で受け入れられる事は今までありませんでした。(パフィーがアメリカでブレイクしましたが、クール・ジャパンという背景では無く、よい子のアイドル的な取り上げられ方だったと思います。)

ところが最近BABYMETAL(ベビーメタル)が欧米が大ブレークしています。



ハードコアなメタルとアイドル歌謡のミスマッチが新鮮なのです、欧米の若者にしてみれば、「リアルなアニメキャラ」そのもので、彼女達が「日本語で歌う」事にこそ「萌え」要素があるとも言えます。徹底して「記号化」した事が成功の秘訣では無いかと。

ちょっと面白いのがバックが相当ハードな演奏そしている点ですが、実は日本のハードコアシーンは世界と長年互角に渡り合って来ました。歌詞が関係無いジャンルなので、音のパッションが強ければ何処の国のミュージシャンだろうがOKなのです。

日本人は真面目なので、ノイズミュージックにも真面目に取り組みます。演奏テクニックがメチャメチャ高いのです。そして、とことんクレージーさも追及します。これも一つのガラパゴス進化なのでしょう。

ベビーメタルは「アニメ」と「アイドル」と「ハードコア・ミュージック」という3つのガラパゴスが混ざり合う事で、最強のガラパゴスジャンルを作り出したとも言えます。(ももクロが元祖ですが)

そしてBABYMETALで本当に凄いのはバックバンドだった・・・ゲフン、ゲフン・・・



■ アニソンはどこまで進化するのか? ■


音楽のガラパゴス進化の最先端を行くアニソンですが、こんな曲まで登場しています。



先日、ちょっと紹介した『灼熱の卓球娘』のOPを作曲した田中秀和という作曲家の楽曲ですが、もう複雑さここに極まれりといった感じで、ヒャダイン(前山田健一)と双璧を成すのでは?

『這いよれ!ニャル子さん』という極めてアクの強い作品のOPなので、これが許されるとも言えますが、実はアニソンらしいアニソンも大量に手掛けていて、そのいずれもさり気なくて凄いコード進行で、音楽通をうならせているとか・・・。(私にはどこが凄いのかイマイチ理解できないのですが専門家からすると凄いらしい)

アニソンのルーツを辿って行くと小林亜星に行き着く訳ですが、彼が今の時代に現役バリバリだったら、いったいどんな曲を作る事やら、もう妄想が・・・。この人、作曲のみならず作詞もしちゃいますから「マハリーク、マハーリタ・・・」なんて彼の曲。

■ 欧米のガラパゴス進化 ■

こういった音楽のガラパゴス進化が日本だけで発生するのかと言えば、そうとも言えません。アンダーグランド・シーンはガラパゴス進化の実験場です。

さらに、ヨーロッパには日本と同様に「文化が腐るまで熟成される」土壌がある様です。下で紹介するのはベルギーの「X legged sally」というロックバンドですが、この複雑な演奏を生演奏でやるのには驚愕します。

ベルギーには「チェンバー・ロック」というジャンルがあります。室内楽の楽器をロックバンドが取り入れるプログレッシブ・ロックの変態進化形です。「X legged sally」はクラリネットを使っています。



「超ヘンタイだけど、スゲーカッコイイ」・・・と思うのは私だけでしょうか?

■ ガラパゴス進化が「箱庭化」する日本 ■

日本と欧米のガラパゴス進化の傾向には明らかに違いが存在します。

欧米のガラパゴス進化は実は「破壊的」です。だいたいアンダーグランドシーンで進化は進行し、様々な試行錯誤の結果、既存のジャンルを破壊する生命力を身に着けていきます。

一方、日本におけるガラパゴス進化は「箱庭的」です。日本という島国の文化の行き止まりに収納するには、日本的な語法で整理されてチンマリと棚に収まる必要があるのでしょう。古来、大陸から伝来した文化は、こうして日本的な進化を遂げ、次に流入する文化と共存を続けています。

韓国が文化の通り道として、外来の文化に在来文化が淘汰されて来た事とは対照的とも言えます。

そうした日本的な文化の最先端がアニメやアニソンである事を考えると、これらのオタク文化の変遷は、「伝統芸能」が辿って来た道なのかも知れません。





<追記>



「X legged sally]のYoutube動画を見ていたら「Flat Earth Society」なるバンドの動画に行き当たりました。「x legged sally」のギタリスト Pierre Vervloesem が立ち上げた15人編成のバンドですが、アメリカの現代のビックバンドジャズよりも余程刺激的。イヤー、カッコイイ。ちなみにチューバは金髪美女ですよ。ドレス着て足開いてチューバを吹く姿・・・痺れます。(3:11辺りから見て下さい・・・あ!!スパッツ履いてた)



ジャニオタをこじらせると韓流にハマる・・・本物ではダメなんです!!

2016-11-28 10:47:00 | 音楽
 

■ 娘がK-pop堕ちした・・・ ■

「オタクの英才教育」を施した娘であるが、親元を離れて暮らしているうちに韓流ドラマやK-Popに毒されていた。アパートの友人達の影響ではあるが、あんな物の何が良いのか・・。

自宅に帰宅した際にも私のApple musicは娘に占領され、気づけばお勧めにはK-Popアイドルの曲がズラリ・・・。試しに聞いてみたら、まんまアメリカのパクリ。どうやら、今はヒップホップが流行っているらしい。

ところで、どのグループも歌が上手い。さらにアレンジも本場アメリカと遜色ない。日本人がやるヒップホップのダサさが感じられません。言葉が分からないからという事もありますが、韓国語の跳ねる様なリズムはヒップホップやダンスミュージックに良くマッチする様だ。国策としてドラマや音楽の輸出に熱心な韓国だけに、アメリカの流行をしっかりと抑えている。

土曜日に娘を誘って新宿で映画を観た帰り、新大久保に行きたいと言うので付き合ったが、若い女の子で賑わっていた。昔は韓流ドラマ好きの中年女性が占拠していたが、すっかりファン層は若者に代わっている様だ。

「ソウル・レコード」という看板を見つけ、オーー、ソールミュージックの専門店がこんな所にあるんだ・・・と思ったら、ソールとは韓国の首都のソウルでした。「ソール・ドラキュラ」を「ソウル」と勘違いして何だか嬉しくなった小学生時代とは逆パターンだ。

■ K-Posとアイドル難民 ■

日本で流行ったK-Popの元祖と言えば東方神起だろう。或いは女性アーティストならば少女時代やKaraだ。(BOAはJ-popだ)

それから時を経て、K-Popアイドルが日本のチャートで上位に入る事はあま無い。TVで見かける頻度も減っている。世間的には「流行」しているとは思えないのだが、コアなファンの数は増えている。東京ドームを満員にするグループも多い。

実は娘は高校時代はK-Popの前はジャニーズにハマっていた。最初は友人の付き合いの一環であったが、気づけばバイト代を相当貢いでコンサートや芝居に通っていた。そのうちに無名のジュニアを応援し始めた。ところが、大学に入るとK-Popに夢中になり始めた。「ジャニオタは卒業するの」と宣言して。

実はジャニーズファン達はジャニーズの商魂をしっかり見抜いているし、ジャニーズアイドルの素顔もそれなりに知っている。NEWSやかKAT-TUNのメンバーらの日頃の素行も結構知っている。だからコアなファン程、手垢の付いていないジュニアの子たちに熱を上げる。特に、30代にもなってデビュー出来ない様な子(?)にはご執心だ。

どうも、そういったコアなジャニオタには「イケていない」子が多い様に感じる。彼氏の代用品、脳内彼氏の元ネタに使っているのかも知れない。その証拠にリア充にジャニオタは少ない。脳内彼氏にする場合、あまり手垢にまみれていない方が良い。「自分だだけの・・・」というスペシャリティー感を味わうには、ジュニアの子の方が都合が良いのだ。

しかし、日本にジャニオタは多いので、ジュニアにしても誰か他人と被る事が多い。そして、誰が良いかで友人の間で諍いが起きたりする。「〇〇君ってダサくない・・」なんてtwitterで呟いた事が知れると、友情に途端に亀裂が入る。そういった煩わしさが高じると、「ジャニオタ」を卒業して「韓流オタ」になる様だ。「ジャニオタなんてもうダサいじゃん。それよりチョ・ジョン・ソムだよね(スミマセン、適当な名前をでっち上げています)」・・・こんな感じで韓国語を習い始めたりする。

■ 意味が無い事の意味 ■

K-Popにハマる娘を少々苦々しい思いで見ているが、適当な韓国語でK-Popを口ずさむ姿を見て、数十年前の自分の姿が重なったりもする。適当な英語で洋楽を歌って悦に入っていたものだ。むしろ、ネットを通じて韓国人と交流し、韓国語を教わる娘の方が優れている様にも思える。

今になって思うと、私が若かった頃の洋楽の歌詞は、日本語に翻訳すると「つまらい」ものがほとんどだった。「君が好きでたまらない。もう夜も眠れないよ」みたいな単純か歌手ばかりだった気もする。K-Popの歌詞も似た様なものだとう言う。

そもそも、Popソングの歌詞なんて数十年前にネタが尽きている。『寿司食いねえ』が出た時点でポストモダンに突入してしまった。今のジャニーズの歌やAKBの歌も同様に意味など無い。ただ、何となく歌詞が付いているだけ。

そうなると、なまじ意味の分かる日本語の歌詞は邪魔になる。確かに私達が若い頃に洋楽に傾倒した理由の一つに日本語の歌詞に飽きた事があった。

様はK-Popにハマる若者にとって、歌詞が分からない事が重要なのかも知れない。

■ 何故、本場アメリカの音楽では無くコピーのK-Popが支持されるのか ■

そこで一つの疑問が生じる。何故、本場アメリカのPopsでは無く、コピーのK-Popsが支持されるのか・・・。

その理由はファンにとって、K-Popsが元々は日本のアイドルの代用品である事にあるのでは無いか。アメリカのアーティストでは代替にならないのだ。やはり、アジア人としての親近感は重要である。

■ アイドル育成ゲームとしてはAKBと同質 ■

さらに言うならば、立場はなるべく対等、あるいは相手がちょっと下がイイ。ジャニーズのメジャーアイドル相手では「貢いでる感」を否応無に感じてしまうが、ジュニアの子や韓国人の場合、「自分達が育てている」感じが大事なのだ。

これ、AKBに貢ぎまくる男子と全く同じメンタリティーでは無いか・・・。

■ 未完成が良しとされる日本のアイドル ■

ジャニーズやK-Popにハマる日本の若い女の子達ですが、まだまだオタク男子から見れば「未成熟」だ。

彼女達は「完成されたカッコよさ」を求めている。一方、AKBに代表される日本の女性アイドルに求められるのは「未完成さ」だ。育成ゲーム的には当然の選択だ。「自分達が見つけて育て上げた」という充実感を得るには、素材は素朴な方がイイ。だから、日本の女性アイドルは「美女」は少ない。可愛いけれど、ちょっとドンくさい・・・ここら辺の加減が大事だ。だからアイドル達んも天然を装う。



珠玉の平安サスペンス・・・『応天の門』

2016-11-25 07:51:00 | マンガ
 



■ 在原業平が歌に詠んだ「都鳥」とは・・ ■

スカイツリーの近くにある業平橋。「業平」とは平安の貴族、在原業平(ありわら なりひら)の事。彼がこの地を訪れた折、「都鳥」という名の鳥を見て、都を偲んで読んだ歌に由来します。ちなみに「言問橋」もこの歌が由来です。

名にしおはばいざ言問はむ都鳥わが思ふ人はありやなしやと
『古今和歌集』

「都に置いてきた愛しき人は今どうしているのだろう」という恋の歌ですが、ちなみに都鳥(ミヤコドリ)とはユリカモメの事。

実は現在「ミヤコドリ」と呼ばれているのは別の鳥。



チドリの仲間ですが、あまり風雅ではありません。

何故、「都鳥」がユリカモメであると言われるかと言えば、伊勢物語で「都鳥」の事を「「白き鳥の嘴と脚と赤き、しぎの大きさなる、水の上に遊びつつ魚を食ふ。」と説明しており、その姿はまさにユリカモメ。



実は現在では京都の鴨川でも普通に見られるユリカモメですが、京都に現れる様になったのは1970年代から。昔は東国特有の鳥だった。


■ 「平安きってのプレイボーイ」の業平と、「平安きっての切れ者」の道真がタックを組んだら ■

在原業平は桓武天皇の孫にあたり高貴な身分ながら、薬師の変によって嵯峨天皇の子孫に天皇家の血筋が移ってからは臣籍降下し、在原氏を名乗っています。

平安時代のプレイボーイ物語の『伊勢物語』のモデルとも言われ、様々な浮名を流した様ですが、歌の才能もひとかたならぬものが有りました。

ちはやぶる 神代もきかず 竜田川 からくれなゐに 水くゝるとは (『古今集』『小倉百人一首』)

そう、今を時めく「ちはやふる」は彼の読んだ歌だったのです。

業平の時代、都の政治は藤原氏に牛耳られていました。伊勢物語の「昔男」は藤原氏に抵抗する反体制の貴公子の物語ですが、実際の業平は藤原氏とも姻戚関係にあり、政治の中枢から外れる事無く生涯を送ったようです。(Wikipedia参照)


さてさて、ようやく本日紹介する『応天の門』の話の準備が整いました。

灰原薬さんが「コミック@バンチ」で2013年から連載するこの作品、1巻目の宣伝文句は「平安クライムミステリー」だったと記憶しています。表紙は端正な絵なが、もしや中身は・・・あんなこんなのエログロ作品かと思って買ってみたら、何と良質な歴史ミステリーだった。

平安きってのプレイボーイの在原業平と、平安きっての博識の菅原道真がもし親友だったら・・といった「もう一つの歴史」的な作品ですが、作者の灰原薬さんは元々はBL作家だけに、発案された時は「業平が攻めで、道真が受けで・・・ナリミチなんて・・・ぐふぅふぅ・・・」って感じだったのではと勝手に想像しています。(スミマセン)

年齢的には業平の方がかなり上なので、実際の歴史で二人にあまり接点は無かったと思いますが、共に「藤原氏に抵抗していた」という事が接点となって、この物語が生まれたものと思われます。

内容的には、京都の護衛の任についている業平が、京都で起こる難事件や不思議な事件の解決を道真にお願いするという、ミステリーの定石。ただ、起こる事件が今でこそ不思議で無い事が、科学的知識が無い平安では「妖怪」だの「祟り」だのと解釈された訳で、それを博識の道真が唐由来の科学知識を駆使して解決するというのが、何ともキモチの良い。

■ 平安時代をリアルに感じられる素晴らしい作品 ■

現在の私達は歴史の教科書や古典作品を通して平安時代を知るしかありません。ビジュアル的な平安はTVのドラマや映画の影響を強く受けています。そこには薄っすらと「歴史フィルター」が掛かっていて、リアリティーが欠けています。

しかし、『応天の門』はかなり現代的な表現の内容で、着物や風物、風景や単語などは歴史的な背景をしっかり踏まえていながらも、人々の感情は現代人のそれに近い。政争を繰り広げる藤原氏と抵抗勢力のやり取りも、現代劇の様でリアリティーがあります。

「歴史物」に共通していた「当時の人をそれらしく」という無意識の規制が無い事で、歴史上の人物をこんなにも生き生きと描けるという好例かと。

ただ、現代人の持つ自我と、平安時代を生きた人達が持つ自我が当然同じはずは無く、死生観や世界観も異なっている事は確かで、それを敢えて無視できるのは作者がBL的な嗜好の持ち主だから・・・なんて妄想してしまいます。

■ 女の子キャラが可愛い、業平がイケメン、道真がツンデレ ■

この作品の大きな物語は藤原氏とそれにう抵抗する業平達の勢力争い。藤原氏がいろいろとめぐらす策略を、道真の知識と機転でクリアーしていうというのが醍醐味。(実際の業平は藤原氏と宜しくやっていたらしいのですが)

単行本では各話の後に歴史研究家で東京大学教授の本郷和人氏による分かりやすくて面白い解説まで着くので歴史好きにはたまらない作品。単行本は累計で50万部を超すヒット作となっています。

一方、漫画好きには女性キャラが綺麗でカワイイ、業平がイケメンでダラシナクテ素敵。道真のツンデレがかわいい・・・なんて魅力も。

とにかく「大人の読書」に加えて頂きたい!!

パズルのピースが合う為には・・・陰謀論者のひとりごと

2016-11-24 08:51:00 | 時事/金融危機


いろいろと妄想を楽しむ癖のある私ですが、安部ープーチン会談だけが読めませんでした。ポチが主に逆らう訳が無いので、「アメリカの利益になる日本のロシア支援」というのは、ロシアと対峙していたオバマ政権下では不自然な出来事に感じていました。裏でロシアとアメリカが繋がっていたとしても、表で日本とロシアが接近するのは不自然。

ところが、トランプが大統領選で勝った事で、この不自然さが解消されます。そう考えるとトランプ大統領の計画の内だったのかなとも・・・。

アメリカはTPPを批准しない可能性が高まっていますが、そもそもTPPでアメリカの企業は妥協をしており、「それならば2国間交渉で妥協をしない協定を」となっているわけで、安部さんや官僚としてはどうにかしてアメリカをTPPの集団交渉の場に引き戻したいはずですが・・・これも一杯食わされた感じですね。

TPP交渉で農産物などは妥協の限界点をアメリカに見せてしまいましたから、2国間交渉はここがスタートラインになり、アメリカはさらに要求を高めて来る。

もう、ほとんどタチの悪い詐欺師の様ですが、さらにはロシアも何やら企んでいる様で・・・戦前の日本人の気持ちが少し分かる気がします。


ところで米株価ですが、金利上昇を無視してダウが上昇していますよね。当然、仕掛けておいて逃げるヤツが儲けをかっさらう。トランプが大統領選に勝利してから不自然さが目立つだけに・・・要注意では?ブラック○○までは行かないものの、1月までに調整されるのでは?既に市場は賭場と化していますから。