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半島の先へ・・・聖地巡礼と地震

2023-05-17 04:53:03 | アニメ

GWライド、3日目は能登半島の山中の宿泊地から、『君は放課後インソムニア』の前半のハイライト、能登町と北端にある「縄文真脇遺跡」に向かいます。

能登半島は複雑な地形をしており、様々な地層が複雑に入り組んでいます。輪島がある西部が高く、富山湾に面した東部は低く傾斜した地形です。宿泊地のある能登町は、国道が山地から再び海沿いになる七見の辺りでは弓状のゆるやかな海岸線が続きますが、それより北に進むと、小さな入江と岬が連続する複雑な海岸線になります。東部は浸食を受けやすい凝灰岩などの地層で、小さな河川による浸食で、入り江の奥に小さな平地があります。

 

縄文真脇遺跡もこの様な小さな入江の平地に位置し、縄文初期から晩期まで定住型の集落があった事が分かっています。低湿地で土中の酸素が遮断されるために、木や骨などが腐食せずに土中に残っていて、縄文各時期の土器なども、保存状態が良い。

ここでは大量のイルカやクジラの骨が見つかっており、入り江にイルカを追い込んむ「追い込み漁」をしていたと推測されています。昭和の時代まで、この近辺ではイルカの追い込み漁が行われていました。(今は和歌山県大地町だけに残る漁法)

『君は放課後インソムニア』では、ゲームセンターの店長の白丸先輩が高校生の時に、この遺跡で撮った星景写真がコンテストで賞を撮った他、主人公の中見君と曲さんが、夏合宿の最後にここで夜明かしして星の撮影をしています。作品前半のハイライトシーンの舞台です。

上の写真は「環状木柱列」と呼ばれる石川県を中心に見つかる縄文時代の遺構で、祭祀場後と考えられています。真脇遺跡の環状木柱列は規模が大きく、同じ場所で何度も建て替えられています。木材は腐食に強いクリの木が使われ、丸太をカマボコ状に切った丸い側を内側にして、環状に並べられ、入口も設けられています。

この他、縄文時代の家の復元されたもの(想像復元)も実物大で展示されており、中では火がたかれています。地元のボランティアの方が火の番をしていますが、能登の地酒のお勧め銘柄を教えてくれました。

博物館は土器やイルカやクジラの骨などが展示されており、全てレプリカでは無く実物展示なので、一見の価値がある。受付のカウンターの上の『君は放課後インソムニア』の単行本が置かれていたので、学芸員の方に「ここ聖地ですよね」とお聞きしたら、実写版とアニメのプロモーションビデオを流してくれました。それからは、その学芸員の方と、アニメトークで色々と盛り上がりました。

かなり遺跡で時間を使ったので、路線バス輪行が出来ないかとバス停に行くと、バス停にバイクパッキングの外人が居ました。自転車乗り同士、自然に会話が始まりますが、彼はどうやらカフェの開店を待っていた様です。実は能登半島の先端付近はコンビニは皆無で、自販機も能都町役場のある宇出津の町でしか見かけませんでした。私も遺跡に到着した時にハンガーノックで、補給食を貪りました。二人で「ノー コンビニ」「ノー ベンディングマシン」「オーノー!!」って盛り上がっちゃいました。彼はオーストラリア人で長野にしばらく住んでいるという事で、今回は七尾を起点に時計周りで能登半島を一周しているとの事。

バスの時刻表はスカスカだったので、中身君達が乗った路線バスに乗る事を諦めて、鉄道に乗れる穴水を目指して半島を南下しますが、あまりに景色が美し過ぎて、写真ばかり撮っているので、全く進みません。宇出津まで戻って来て、町役場近くのバスステーションで時刻表を見ると、10分後に穴水方面のバスが出る。バスの輪行は普通は出来ないのですが、地方のバスは、空いていると輪行できると読んだ事があるので、ダメ元でバス会社に電話して確認したら、この時間は空いているから大丈夫だろうとの回答。バスの発車までに慌てて輪行の支度をして、来たバスの運転手さんに確認したら、空いているので自転車を持ち込んでも大丈夫との事。最後部の座席に自転車を納めました。

バスは浦々を一気に通過して、1時間程で穴水に到着しました。峠越えもバスなら楽々・・・。穴水からは「のと鉄道」で七尾に向かいますが、乗った車両は『君は放課後インソムニア』のラッピング車両。そして、途中で『花咲くいろは』のラッピング車両とすれ違うという幸運。

七尾の駅に降り立つと、「でか山」が駅前通りに繰り出していました。祭り見物もしたかったのですが、とりあえず今回の目的は聖地巡礼です。そして2次を回っているので、お腹もペコペコです。昼は、中見君が親友と良く行く、七尾高校近くの「8番ラーメン 七尾西店」と決めています。「8番ラーメン」は富山と石川中心に展開するチェーン店で、野菜がどっさり入っているのが特徴です。富山と言えば富山ブラックを連想しますが、この地域の人たちにとっては「8番ラーメン」が郷土の味だとか。

お昼時は過ぎていますが、祭りの最中なので、店はカウウター席以外は満席。カウンターに座って、店員さんに「しょうゆ、塩、味噌のどれがお勧め?」と聞いたら「塩と味噌が人気です」との事なので、塩ラーメンとチャーハンのセットを注文。すると、しばらくして店中の客の携帯電話から緊急地震速報のブザーが鳴りだした・・・数秒後にグラグラグラと大きな揺れが襲います。ガスを使っている店内は危険と判断して、咄嗟に外に飛び出します。近くの山を見ると、大量のカラスが一斉に空に舞い上がって世紀末の様な光景。揺れはすぐに収まりましたが、震度は4でした。体感では震度5に近い揺れ。震源を確認すると能登半島北端の珠洲市の北の海底。珠洲市の震度は6強です。

実は本日の最初の予定では、『君は放課後インソムニア』の聖地の珠洲市の「物見島」と、『スキップとローファー』の聖地の珠洲市の「蛸町(作中では烏賊町)」まで行く予定だった。遺跡で時間を使い過ぎたので、中止しましたが、予定通り行っていたら、電車やバスも止まってしまうでしょうから、大変な事になっていた。

 

地震でラーメン屋のガスが自動停止したので、ラーメンが來るまで結構待ちましたが、サービスで半額にして頂きました。ありがとうございます。こんな大きな地震で、でか山だ大丈夫かと心配しながら、街の中心部に戻ると、地震など無かったかの様に、祭りは普通の続いていました。それからは御祓川の橋を一つ一つ写真に収め、名シーンの舞台となった桜川の小島橋と、その脇のバス停に巡礼して、中見君の親友の受川君がバイトをしている「道の駅 能登食祭市場」に向かいます。

 

この道の駅、巨大ですが、中は物産品店と、フードコート。干物屋がその場で干物を焼いていますが、ここが受川君のバイト先。店先にインソムニアの内輪や、ポップが張られています。残念ながら閉店準備でホタテ焼きは食べられませんでしたが、店主が「これ知ってる?今アニメでやってる『夜の放課後インソムニア』、来週辺り、うちの店出るから見てよ」「知ってますよ、聖地巡礼で来ました」「そう、受川君、あの子、うちのバイトだからよろしく」って、もう嬉しくなっちゃう会話。せかっくなので、この店で干物を見繕って、クール宅急便で家に送りました。「フグの卵巣の糠漬け」というの名物。

 

空模様が怪しくなってきたので、祭り見物もそこそこに、和倉温泉駅前のビジネスホテルに向かいます。和倉温泉は駅から少し離れていて、駅の周りは完さんとしています。温泉に行こうかとも思いましたが、入浴中に大きな地震に襲われると、裸で逃げる事になるので、止めました。これは次回の楽しみにします。

余震が続いているので、手早くシャワーを浴びて、ウェルシア薬局で夕飯と酒を買って、早々に布団に入りますが、夜10:30頃に再び、緊急地震速報で飛び起きます。震度4の余震。ちょっと危ないかなと思い、服を着て、荷物を枕元に並べてから、布団に戻ります。その後は大きな余震はありませんでしたが、熟睡は出来ず朝を迎えました。

昨日は地震で北陸新幹線が金沢-富山間で運転を見合わせていたので、早めに宿を出ます。7時の特急で金沢に向かいます。金沢まで来て観光をしたいのはヤマヤマですが、地震で運休になると帰れなくなるので、駅の物産売り場で、能登の地酒6本を買って宅配便で送ります。あとは、適当に土産を見繕って、新幹線に乗り込みます。・・・あれ、自由席が無い・・・。全席指定の車両の様です。まあ、自転車を持ってデッキに立っているつもりだったので、問題は在りませんが・・・。同様の自転車乗りが、たまたま近くに居ました。彼はベトナムから来日して、7年目だそうで、今回は自転車で直江津から金沢まで走ったとの事。自転車乗り同士、話がはずみ、あっという間に東京駅に着きました。

GWライド、今回は非常に密度の高い旅行となり、地震というスパイスも・・・。

 

 

 

 


『君は放課後インソムニア』聖地巡礼ーPart1

2023-05-12 09:18:01 | 自転車/マラソン

 

GWライド2日目は、この旅の目的である能登半島の七尾市を目指します。

先ずは、新幹線で能登半島の根本にある、富山県新高岡駅を目指します。そこからは自転車で、『truetears』や『ほしのふるまち』の聖地巡礼で以前にも訪問した氷見を抜け、能登半島の中央部にある七尾市を目指します。

『君は放課後インソムニア』より

七尾は今季放映アニメの『君は放課後インソムニア』の聖地です。七尾高校に通う不眠症の男女が、眠れない夜を天文部として活動する話ですが、これがせつなくてオジサンの心にキュンキュンと刺さる。作品紹介は別の機会に改めますが、とにかく七尾や周辺の能登の風景が忠実に描かれているので、聖地巡礼には最高の作品でもあります。

能登半島は自転車乗りの聖地としても知られています。海沿いに能登半島を一周する「能登いち」は人気ですが、伊豆に比べて高低差が少なく、透明な海を絶えず見ながら走る事が出来るので。初心者でも楽しめるコース。ただ、問題は景色が美し過ぎて、写真を撮りだすと、なかなか先に進めない事・・・。

七尾の町に着くと、観光客が大勢居て驚きました。なんと、「青柏祭」で「でか山」が繰り出していた。『君は放課後インソムニア』の4月に発売された12巻で描かれた七尾の祭りですが、とにかく曳山が「でかい」。高さ12m、重さ20tの日本最大級の曳山3基が街中を引き回さされます。民家よりもはるかに大きい曳山は、Zガンダムに出てくるサイコガンダムの様で圧巻です。

「でか山」を堪能したかったのですが、宿が七尾から50km先の能登半島の山の中なので、七尾の町を軽く一巡りして、聖地巡礼のロケハンをした後に、のと鉄道の西岸という駅に向かいます。西岸とその近くの深浦は、この作品の重要な聖地です。そして、日没に追われる様に、穴水を超えて、標高150mの峠の先にある、廃小学校を改装した宿泊地へと向かいます。

到着した頃には、すっかり日も暮れて、辺りは真っ暗。穴水で夜間装備の準備(大光量LEDライトですが)をしておいて正解でした。集落に入ってから少し道に迷いましたが、どうにか廃小学校を見つけ、夜は校庭にある不思議なBARで、この地に移住して6年目の方と、楽しく語らいました。

昨日、眠気でパワーを抑えて走ったので、本日は120km、850upの行程は、楽に走る事が出来ました。

旅の様子をYoutubeにアップしました。お楽しみ下さい。

 

 

 


GW恒例・・・東京→直江津 C to C

2023-05-10 06:59:31 | 自転車/マラソン

 

GW恒例となっている「東京→直江津 C to C」。東京から新潟県直江津まで、自転車で1日で到達できるかという勝手チャレンジ。2019年に1度達成していますが、今回は3回目のチャレンジ。

 

前回は、浦安→川越→高崎→二度上げ峠→軽井沢→鳥居峠→菅平→小布施→飯山→直江津 と約300km、獲得標高 2650mもコースでした。今回はもう少しレベルを上げて、昨年自走で到達した渋峠を越えのルートを引いてみました。草津の前に暮坂峠を超えると、320km。獲得標高4200mという結構ハードなチャレンジになります。

浦安を夜22:30に出発しましたが、夕方まで仕事だったので、3時間程度仮眠してから出発する予定でしたが、「遠足の前の日症候群」が発祥して、全然寝れませんでした。朝4時から起きているので、かなり不安でしたが、とりあえず出発です。

 

川越までは快調でしたが、そこから高崎まで、とにかく寒い、眠い、ダルイの三重苦。標高2000mを超える渋峠のダウンヒル様に準備した冬用の装備が、埼玉の平地で役に立ちました。

 

夜が明けて、朝日を浴びると、眠気は取れて、元気も回復しましたが、ペダルを漕ぐ脚は重い。暮坂峠をパスして、草津高原駅から草津に登ろうと思いましたが、ヒルクライムで体温が上がると、眠気とダルさで意識が飛びそうになります。危険なのでどこかで仮眠したいのですが、暗くなってからの渋峠のダウンヒルは避けたい。

 

ロングライドにおいて「撤退は勇気」なので、草津を諦め、国道144号線で、鳥居峠を越えて上田に出る事にしました。上田まで行けば新幹線でホテルを予約している上越の高田まで短時間で行くことができます。体調が回復したら、前回の菅平超えのルートで、直江津まで自走する事も可能。

 

しかし、草津の分岐点から鳥居峠までの23kmの登りが長い・・・。すでに34時間寝ていないので、どこかで仮眠したいのですが、適当な場所が見つからず、結局、ボロボロになりながら、鳥居峠に到達。そこから上田まではダウンヒル。この時はアドレナリンがバンバン分泌されるので、眠気は感じませんでした。

 

上田で新幹線まで1時間程待ち時間があったので、上田城を見学する事に。細田守のアニメ映画『サマーウォーズ』で城内家の門が、上田城の城門だったので、一度は行きたいと思っていた。

 

渋峠、直江津自走は断念しましたが、上田城をゆっくり見学して、妙な達成感を覚えた、「東京→直江津 C to C」チャレンジでした。