■ 陰謀論は真面目な人には嫌われる ■
陰謀論は真面目な方達には嫌われるので、最近は他人のブログにはあまりコメントをしないのですが、グッチさんのブログで「政治と金」の問題について皆さんが真面目に議論していたので、思わず茶々を入れてしまったら「小学生かよ」「少年ジャンプのコメントかよ」とさんざん叩かれました。
やはり、陰謀論というのは、自分のブログでコシコシと楽しむのもですね・・・・。
ただ、『闇株新聞』さんも結構陰謀論的な記事が多く、『池田信夫ブログ』の資本主義の歴史に関する記述は陰謀論の王道の様に思われます。(池田氏は陰謀論はお嫌いですが)
■ 消費税増税の目的は何か? ■
本日の妄想のお題は「消費税10%増税」。
消費税8%増税以降日本の景気は明らかに悪化しています。特に個人消費の落ち込みは車や住宅購入など大型の支出で顕著です。それでも消費税を10%に増税するならば、その目的は何か?
「法人税減税の財源」というのは一般的に言われている所でしょう。これは経団連の悲願でもあり、海外企業を日本に誘致する時にも有利に働きます。日本では複雑な税法によって、法人税の実効税率低く抑えられています。それでもシンガポールや香港などインフラと治安が整った国の低い税率に魅力を感じる企業は日本国内にも少なく無いはずです。
さらに、日本企業の株式を大量に保有する海外の投資家達にすれば、法人税率が下がる事は投資効率の向上に繋がり大歓迎のはずです。
一方、「財政再建の財源」を財務省は目的としていると言われています。しかし、法人税率の減税を行えば、増税と減税は相殺し、さらには消費の落ち込みが景気を悪化させるので、税収は今よりも悪化します。これを頭の良い財務官僚が理解出来ないハズは無く、もし、法人税の減税が実行される様であれば、財務省は財政再建に本腰では無いと思われても仕方ありません。
■ 景気回復の危険性 ■
色々と腑に落ちない事の多い消費税増税ですが、常識的に理解出来ない事は、非常識に考えると合理性が見えて来る事が有ります。(「財務官僚は増税原理主義者のバカだ」などという思考停止が最も危険です。)
1) 日銀は実質的な財政ファイナンスに踏み込んでいる
2) 税収で財政をバランスさせる事は不可能なので財政ファイナンスが合理的選択
3) 日銀は毎月7兆円の国債を市場から買い上げ、資金を供給している
4) 不景気で資金需要が低下した状況では、資金は日銀の当座預金に積上がる
5) 異次元緩和で日銀は107兆円国債残高を増やした
6) その間、日銀券(現金)は3兆円しか増えていない
7) 日銀は金融機関から預かった当座預金を日本国債で運用している
8) 景気が回復して金融機関が当座預金を引き出すと日銀は日本国債を売却せざるを得ない
9) 日銀が国債を売却すれば、国債金利は上昇する
10) 金利上昇を防ぐ為に、当座預金に0.1%の利付けを行っている
11) 実体経済で運用するより、日銀の当座預金で金利を稼ぐ方が楽で安全
12) 0.1%の金利は決して高く無いが、実体経済が冷えていれば実質金利は高まる
13) 日銀が安定して日本国債をファイナンス出来る条件は、市場金利が低い事が前提
14) 景気回復や資産市場の過熱で市場金利が上昇すると日銀のシナリオが崩れる
15) 実体経済が回復しそうになった時には速やかにそれを冷却する必要がある
16) 消費税率引き上げは、即効性が高く、将来的に渡って長期に経済を低迷させる
17) 追加緩和で実体経済が回復基調に乗る可能性があるなら消費税を引き上げる
18) 追加緩和により資産市場が過熱する可能性がある場合も消費税を引き上げる
19) 12月までに追加緩和しても景気が回復しないと予測されたなら増税は先送りされる
日銀が景気回復を優先するならば、ECBの要に日銀当座預金の金利をゼロにするか、マイナスにすれば良いはずです。一気に市場に資金が供給され資産市場はバブル化します。しかし、日銀の目的は出来るだけ長期間、異次元緩和を継続する事ですから、金利上昇を招く景気回復の芽は早め早めに摘み取る必要が有ります。
「政府や財務省や日銀が景気回復の芽を摘んでる」という発想は非常識ですが、税収でバランスする事が最早不可能になった日本の財政を、国民の負担を尤も軽くした状態で継続するには、日銀の適度な財政ファイナンスが最適です。
確かに過度の財政ファイナンスは通貨の価値を毀損しますが、適度な財政ファイナンスは通貨の価値をある程度維持しながら、ある程度の期間継続する事が可能です。(この点、三橋貴明氏の主張は間違えてはいません)
■ 財政ファイナンスの継続性 ■
問題は、日銀のファイナンスがどこまで許されるかと言う点に尽きます。
現在の様に短期国債の金利がマイナスやゼロならば、永遠に借り換えが継続出来ます。それこそ「永久機関」みたいなものです。
但し、永久機関は存在しませんから、どこかから熱を奪わなければなりません。それが実体経済では無いかと私は考えています。
ゼロ金利やマイナス金利の国債ですら魅力的に見える程、実体経済に資金需要の無い状況・・・現在の日本は少子高齢化の進行で、潜在成長率がマイナス基調になりつつあるので、放っておいても資金は日本国債に集まって来ます。これが白川時代まで続きました。
一方、極端な緩和政策の元では、流動性が過剰に供給されていますから、資産市場は直ぐにバブル化します。内外金利差が十分に大きければ円はキャリートレードで海外でバブルを生み出しますが、金利差が縮小した状況では国内がバブル化する恐れがあります。
実際に異次元緩和下実行以来、日本株や高層マンションなど資産市場はプチバブルを次々と生み出しています。又、低金利を利用して、東京の再開発も加速しています。従来ならば、東京限定のバブルになっても不思議では無い状況でそれを抑制しているのは、消費税増税という経済のブレーキでは無いでしょうか。
一方で景気回復が封じられた状態では、財政赤字は雪だるま式に膨らんで行き、国債の利払費が税収を上回る様な事になれば、日本の財政は破綻したと判断れるでしょう。ここまで10年か15年程度の猶予が有りそうですし、このまま超低金利が続けば、さらに延命も可能です。ただ、財政の前に実体経済が崩壊するでしょうか・・・。
■ 現状は皆得状態の異次元緩和だが、結局は問題の先送りに過ぎない ■
経団連的には「法人性減税」の財源である消費税増税は、実は日銀にとっては財政ファイナンスを継続させる為のツールなのかも知れません。
アメリカからすれば、消費税増税は米国への資金流入を後押しし、さらに法人税減税がセットになれば言う事無しです。
一見、「皆得」の増税ですが、損をするのは日本の中小企業や庶民です。そして将来世代が負担を負う事になります。
政治とは、強い者の利益の代弁であり、「善良な政治家」を装う政治家こそ国民に負担を強いるのでしょう。アベノミクスのメッキも大分剥がれて来ましたが、一部の信望者の目が覚めるのはいつなのでしょうか・・・・。
本日も非常識な妄想を垂れ流してしまいした。ネタとしてお楽しみ下さい。