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経済の最新情勢から、世界の裏側、そして大人の為のアニメ紹介まで、体当たりで挑むエンタテーメント・ブログ。

ロスチャイルド + ロックフェラー連合? ・・・ 陰謀論者を刺激する記事

2012-05-31 09:29:00 | 時事/金融危機
 

■ ジェイコブ・ロスチャイルドとロックフェラーのタッグ ■

ロイターの地味な記事ですが、
歴史は確実に動いています。


「ロスチャイルドとロックフェラー、資産運用事業で資本提携」(ロイター 2012.05.30)http://jp.reuters.com/article/mostViewedNews/idJPTK814146220120530

<全文引用>

[ロンドン 30日 ロイター] 英ロスチャイルド家のジェイコブ・ロスチャイルド氏が率いる投資会社RITキャピタル・パートナーズ(RCP.L: 株価, 企業情報, レポート)は30日、米ロックフェラー・グループの資産運用事業の株式37%を取得することで合意したと発表した。運用事業で、大西洋を挟んだ名門による提携が実現する。ロスチャイルドにとっては、米国に基盤を築くことにもなる。

 RITは、仏ソシエテ・ジェネラル(SOGN.PA: 株価, 企業情報, レポート)の投資銀行部門から、ロックフェラーの資産運用事業株式を取得する。取得額は明らかにされていない。

 ソジェンは2008年からロックフェラーの資産運用事業の株式を保有していた。

 ロックフェラー家のデビッド・ロックフェラー氏(96)と、ロスチャイルド氏は過去50年にわたって交友関係を築いてきた。

 

 ロックフェラー・アンド・カンパニーは1882年、ジョン・D・ロックフェラー氏が自身の資産を運用するために設立。運用資産は340億ドルに拡大した。

 一方のロスチャイルド財閥は、18世紀後半にマイアー・アムシェル・ロスチャイルド氏がフランクフルトで始めた事業が起源

<引用終わり>


■ この記事をどう読むか? ■

さて、非常に意味深な記事です。

表向きはロックフェラーとロスチャイルドという
米欧二大財閥が手を結ぶ様に見えますが、
問題がジェイコブ・ロスチャイルドと、
ジェイ・ロックフェラーの立ち位置。

ジェイコブ・ロスチャイルドはイギリスロスチャイルド家の
正当な流れを組みますが、
実は父親から家督を継ぐ事が出来ませんでした。

イギリス・ロスチャイルド銀行は、フランス・ロスチャイルド家の
ダビット・ロスチャイルドが引き継いでいます。

一方、ゴールドマン・サックスのオーナーである
ジェイ・ロックフェラーは、ロックフェラーの嫡流ですが、
家督を叔父であるデービット・ロックフェラーに奪われています。

共に、ロスチャイルドとロックフェラーの嫡流でありながら
家督を継げずに、傍流に甘んじていた二人が
デービット・ロックフェラーの影響力の後退で、
手を結ぶというのが、この記事の本質だと思います。

■ 50年来の親交があったデビットとジェイコブ ■

ここで面白い記述に気が付きます。
デビット・ロスチャイルドとジェイコブ・ロックフェラーは
50年来の親交があったという事です。

ロスチャイルド一族から弾き出されたジェイコブが、
敵の敵は味方とばかりに、デビットを頼ったとしたら、
この関係は頷けるのかも知れません。

■ 日本の繋がる3人 ■

デビット・ロックフェラーが日本贔屓であった事は良く知られています。
と言うよりも、自分の持ち物である日本を大切にしていたと言った方が妥当でしょう。

一方、ゴールドマンのオーナーであるジェイ・ロックフェラーも
大学時代の一時期を日本で過ごすなど、
少なからず、日本に所縁のある人物です。

さらに、ジェイコブ・ロスチャイルドも日本で暮らした経験があり、
ホテル○○○の令嬢と結婚まで考えた事のある日本贔屓として知られています。
彼の息子のオフィスは帝国ホテルにあるそうです。

まあ、偶然とはいえ、日本に所縁の深い3勢力の連携は、
今後に日本と世界を占う上で、無視できない事件です。

■ 2通りの見方が出来る ■

この連合に意味する所は何なのでしょうか?

1) ロックフェラーがロスチャイルドに吸収された

2) 欧州ロスチャイルド VS ジェイコブ・ロスチャイルド + ジェイ・ロックフェラー

この二通りで検証する必要がありそうです。

ロックフェラーがロスチャイルドの軍門に下ったならば、
ユーロが延命して、ドルが崩壊する流れが生まれるかも知れません。

一方ロスチャイルドの内紛が発生しているならば、
ユーロVSドルのバトルが繰り広げられる事になりそうです。

■ 小沢一郎の動きに注目 ■

小沢一郎の後ろ盾は、ジェイコブ・ロスチャイルドと
ジェイ・ロックフェラーという事になっています。

その意味で、デビット・ロックフェラーの執拗な攻撃に曝されていました。

もし、ロックフェラーの家督を嫡流であるジェイ・ロックフェラーが引き継いだのなら、
日本国内で小沢一郎に対する処遇に変化が現れるはずです。

しかし、未だに小沢一郎は裁判の渦中に居ます。
ただ、先日の無罪判決でだいぶ身軽に動ける様になりました。

■ 小沢氏の対中戦略が今後の日本とアジアを占う ■

小沢氏は親中で知られています。
これは、デビット・ロックフェラーのアメリカを牽制する意味が大きいでしょう。

ところが、アメリカでデビットの影響力が排除されつつあるので、
次はジェイ・ロックフェラーが米中関係をどう描くかに興味が集まります。

ゴールドマンサックスはBRICSを提唱して、
中国の経済成長を後押しして来ました。

普通に考えれば、米中融和が進む様に思われます。
しかし、BRICS政策が、中国バブルの仕掛けであるならば、
米中関係は今後距離を取り始める事になるでしょう。

TPPからのアメリカのアジア戦略の変換が、
はたして中国外しなのか、今しばらく観察が必要です。

■ イギリスはどっちの味方? ■

イギリスはユーロ危機を煽って、EUを牽制しています。
しかし、イギリス・ロスチャイルド銀行は、
フランス家のダビットが支配しています。

イギリス国家とロスチャイルド家の関係が不明なのですが、
中央銀行制度でロスチャイルド家がイギリスの国家の首根っこを押さえているならば、
イギリス政府がユーロを牽制するのは、ある種の茶番の様にも思えます。

一方、イギリス国家がイギリス・ロスチャイルド嫡流のジェイコブと繋がっているならば、
イギリス・アメリカ連合とEUという図式も見えてきます。

■ 資本を強化する欧州ロスチャイルド銀行 ■

先日、欧州のロスチャイルド銀行が自己資本を強化するニュースが報道されています。
これが、窮地に陥っての行動なのか、
それとも来るべき金融危機への備えなのかも気になります。


いずれにしても、陰謀論者の想像力を刺激して止まない事態が
色々と進行している様で、
陰謀論フェチの私としては、ワクワクする状況が続いています。

デオニソスの正等なる末裔・・・税金を払わないギリシャとラガルド

2012-05-30 18:46:00 | 時事/金融危機
 





パパデモス  ちくしょう、あの女狐め。
       俺たちギリシャ人に税金を払えと言ったくせに
       自分は4400万円も貰っていながら
       税金を払わねえなんて信じられねー。

ツィプラス  これでギリシャ国民が税金を払わないからといって
       IMFがとやかく言う事が無くなって良かったじゃないですか。

パパデモス  しかし、これじゃあ、オレの面子は丸つぶれじゃねえか!

ツィプラス  どうです、直接電話をされてみては?



ラガルド   アロー

パパデモス  パパデモスだ。

ラガルド   あら、ご機嫌いかが?

パパデモス  ああー、最高だ。
       あんたが税金払ってないって聞いたからな。

ラガルド   お耳のお早いこと。

パパデモス  とぼけてんじゃねーよ。
       これまで散々、ギリシャ人をコケにしやがって、
       テメーとオレらは結局同じゃねーか。

ラガルド   あら?そう。
       私は税金を払わないのが悪いとは言っていないわ。
       債務を削減しなさいとは言ったけど・・・。

パパデモス  おんなじ事じゃねえか!

ラガルド   じゃあ言い直すわ。
       貧乏人が税金を払わないのは悪だけど、
       金持が税金を払わないのは美徳よ。

パパデモス   てめー、この後に及んで、まだそんな事を!!

ラガルド   ではお聞きするけど、あなた税金払ってらっしゃる?

パパデモス  ウッ・・・・・。

ラガルド   ほらね。
       ギリシャの神々だって税金は払わないわ。
       だって彼らは国民の守護者だもの。
       その為に貰うお金は、貢物よ。
       そこから税金を納めるなんて、変よ。

パパデモス  そりゃー、オレも馬鹿な国民相手で疲れるから
       その報酬を貰うのは当然だと思っちゃいるが・・。

ラガルド   私は通貨の守護者だもの。
       当然税金なんて払わないわ。

パパデモス  まあ、税金なんてもんは貧乏人の為にあるもんだからな・・・。

ラガルド   でもね、メルケルは払っているみたい。
       やっぱ、ドイツ人は真面目よね。

パパデモス  まあ、あんなもんは払いたいやつが払えばいいのさ。
       忙しいところ邪魔したな。




ツィプラス  どうでした。ギャフンと言わせてやりましたか?

パパデモス  おう。ラガルドのヤツ、ビビッてたぜ。

ツィプラス  それで、IMFはどんな譲歩をしてくれるんですか?

パパデモス  譲歩って、そりゃー税金を減らしてくれるんじゃねぇか?
       ラガルドだって払ってねえんだから。

ツィプラス  それで支援の方は何と?

パパデモス  そりゃ、国民が支援してくれるさ。
       税金は現代の供物だからな。

ツィプラス  ・・・・・

パパデモス  ところでお前さん、ギリシャの神で誰が好きだい?

ツィプラス  いきなり何ですか?

パパデモス  良いから言ってみな。

ツィプラス  強いて言うならば、私はアポロンかな・・・。

パパデモス  そう来ると思ったぜ、この色男が。
       オレはバッカスだ。

ツィプラス  それとIMFとどんな関係が?

パパデモス  ラガルドが言うには、神は税金を納めなく良いそうだ。

ツィプラス  なる程。
       ギリシャ国民は神々の末裔だから、税金を払わなくて良いと。
       これは吉報ですいね。
       国民が早まってユーロ離脱を選択しない様にしなければ・・・。



パパデモス (ツィプラスのヤツ、何か勘違いしてねえか?
       まあ、いいか。
       ヤツが国民を丸め込んでくれれば、大助かりだ)




■ クリスティーナの優雅な生活 ■ 

「高額所得でも税金免除=ギリシャ説教のIMFトップ-英紙」(時事)
http://jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2012053000111


さすがはクリスティーナ様。
4400万円の所得がおありで、
税金も外交官特権で免除されているとは、
何と優雅な事でしょう。

情報の出所がイギリスというのが、
またイギリス人のケツの穴の小ささを象徴しています。

ユーロに揺さぶりを掛けて、
ドルとポンドに有利に事を運ぶつもりでしょう。

いずれにしても、ギリシャ国民としては怒り心頭といった所でしょう。
尤も、税金を払わない事では、どっちもどっちなのですが。

さすがは、デオニソスの末裔達。

中国は太らせても食えない・・・独裁国家は外敵に強い

2012-05-29 09:01:00 | 分類なし
 

■ 自国通貨建ての債務は債務では無い? ■

中国の地方政府の債務がヨーロッパの債務を上回るという報道がされています。
しかし、中国のバブルはなかなか弾けません。

これは、債務が元建てだからではないでしょうか?
足りなくなったら、刷ればいい。
自国通貨建ての債務は、いくらでも通貨の増刷で穴埋め出来ます。

■ 世界とは異なるルールで運用される中国経済 ■

バブル崩壊が常に噂される中国はなかなかシブトイ。
不動産投資が経済を牽引する中国では、
既に不動産バブルが崩壊寸前ですが、
これが、崩壊しそうでなかなか崩壊しない。

経済の透明性の低い中国では、
お金が足りなくなっれば、人民元は刷り放題でしょう。
ドルにペックしている人民元は、ドルがばら撒かれる度に
人民元も大量に増えるとも言えます。

一方、インフレ抑制の必要性から、
金融引き締めも行っていますが、
その直後から不動産市場に黄色信号が点るので、
何ヶ月かすると又直ぐに、金融緩和に舵を切ります。

この微妙なアクセルワークで中国はバブル崩壊を回避しています。
元々、日本のバブル崩壊を研究し尽くした中国が、
そう簡単に、国際金融資本の罠に落ちるとも思えません。

人民元が自由化されず、中国共産党が一党独裁を続ける限り、
たとえ中国バブルが崩壊しても、
国際金融資本家達が、中国国内の資産を手に入れる事は望みが薄いでしょう。

かりに融資の担保として不動産を差し押さえたとしても、
中国政府が法律を改正して、接収されてしまう可能性は低くありません。

これは、ロシアでプーチンが既に行ったことで、
ユダヤ系財閥が、石油やガス資源を私物化した時、
プーチンは強権を持って、彼らを逮捕し、
資源の利権をロシアの国家のものとしました。

■ 中国にある工場や設備が人質? ■

もし国際金融資本家達が中国に攻撃を仕掛ければ、
中国は欧米に企業を中国市場から締め出すでしょう。

工場や設備は撤収する事が出来ないので、
技術と共に、中国にプレゼントされる形になります。

ベンツやアウディーやフォルクスワーゲン、
GMや日産が中国に進出していますが、
これらの人質を取られていては、
欧米諸国も、不用意に中国には手が出せません。

しかし中国は技術やブランド構築の方法を手に入れたら、
国内から海外勢力を駆逐する傾向にあります。

既に、ダノンやネッスルなどが中国国内で「コピー商品」のレッテルを貼られ、
中国から撤退しています。

この様に、技術の低い産業から中国企業の独占が始まり、
やがては電気や自動車という分野で外国資本が駆逐されてゆくのでしょう。

■ 中国企業の為の中国市場 ■

世界は中国市場に期待していますが、
中国市場の成熟と平行して、
中国企業に技術力も向上してゆきます。

かつてアメリカは日本に市場拡大を迫り、
日米貿易戦争の様な状況になりましたが、
規制を緩和しようが、関税を撤廃しようが、
アメリカ車が日本の市場を奪う事は出来ませんでした。

中国でも同様に、欧米諸国がいくら中国市場を狙おうが、
中国企業の技術成長とブランド確立に伴って、
だんだんと、欧米の企業が中国から撤退を余儀なくされる可能性があります。

■ したたかな中国 ■

中国は巨大な外貨準備の70%をドルで持つなど、
アメリカのドルの命綱を握っています。

アメリカは中国に人民元の切り上げを迫っていますが、
日本のバブル崩壊のプロセスを研究した中国は、
人民元を大幅に切り上げる事は絶対にしません。

その代わり、米国債を米財務省から直接買い入れる市場操作で、
米国債の価格安定に貢献する事で、
アメリカに貸しを造っています。

アメリカはこの状態では中国に強気に出る事は出来ません。

■ 米中関係は融和に向うのか、離反に向うのか? ■

リーマンショック直後、
世界はデカップリングという新興国経済の成長を期待しました。

しかし、中国の成長が先進国の経済を救うかと言えば、
長期的に見ると、中国の成長と先進国の衰退がバランスすて起こります。

中国企業の資本を、国際金融資本家達が抑えているらば、
これも悪くないシナリオですが、
中国があくまでも、開放を拒んでいる限り、
中国は先進国にあまり利益をもたらす存在とは言えません。

結局は、世界の工場としての役割は、
ベトナムやラオスといったアジアの後進国や、
アフリカといった地域に移されて行くはずです。(既にそうなっています)

■ 中国と一線を引くであろう欧米諸国 ■

中国が市場として閉鎖的になれば、
アメリカとヨーロッパは中国と一線を引くでしょう。

その前触れが、TPPだと思われます。
アメリカは明らかに中国の排除を意識しています。

■ 日本は中国とどう付き合うべきか? ■

日本は地理的にも、歴史的にも中国と繋がりの深い国です。

民主党政権発足時の、小沢氏や鳩山氏は、
アメリカ一辺倒の政策を改め、
中国と関係改善を図る事で、
アメリカの影響力をコントロールしようと試みました。

しかしこれはアメリカの逆鱗に触れ、
小沢氏と鳩山氏は失脚します。

これは、ロスチャイルドがロックフェラーから
日本の利権を奪う為に仕掛けた事でしょうが、
既に米国内でのロックフェラーの影響力が後退した現在、
日米中の関係は微妙に変化するはずです。

中国の資本がロスチャイルド勢力の傘下に組み込まれるならば、
中国市場は世界に開かれたものに成り、
日本や韓国は、中国市場の拡大の恩恵を受けるでしょう。

一方、中国が頑強に共産党の一党独裁を続けるならば、
中国は海外からの干渉を嫌って、
国内市場の成熟と共に、次第に内向きの政策に転じて行くでしょう。

■ 13億人の人口は、独立した市場として充分である ■

中国の最大の強みは13億人という人口です。

比較的富裕な層はその内の2億~3億程度ですが、
これとて、日本市場よりは既に充分に巨大です。

中国は改革開放政策で、欧米の資本と技術を取り入れて、
遅れていた産業レベルを、充分世界で通用するレベルに引きげる事に成功しています。

しかし現状、中国の産業は欧米の需要に支えられているので、
デカップリング出来ないのは、先進国では無く中国自身です。

しかし今後金融危機によって先進国市場が壊滅的な状態になった時、
中国は一時の停滞を経験した後に、
必ずや、内需中心の経済構造に変化するはずです。

その時、中国市場が世界に開かれた市場である保障はありません。
中国は自国の13億の人口と、近隣アジア諸国、
そしてロシアという、上海協力機構の国々で巨大市場を形成するはずです。

事、ここに至って、口うるさいアメリカの機嫌を伺う必要は無くなります。

■ 米国経済の崩壊が、米国債売却のタイミング ■

問題は中国の保有する米国債です。

多分、米国市場が中国にとって魅力を失うタイミングで、
中国はアメリカへの打撃を決定的にする為に
一気に売却して、米国にトドメを刺すでしょう。

口うるさいアメリカとの手切れ金だと思えば安いものです。
どうせ手元に置いておいても紙切れ同然に成るならば、
最も効果的は方法で、売却を仕掛けて来るでしょう。

■ ブロック化する世界 ■

陰謀論者達は「イルミナティーは2012年にワンワールドを実現する」と言っていました。
しかし、どうも現在世界で置きつつある事は、
過剰なグローバリゼーションに対する反動の様に見えます。

ユーロ危機を例に取るまでも無く、
ワンワールドに必要な統一通貨は、
財政統合を抜きにしては成立しません。

文化や生活レベルが比較的揃っているヨーロッパでさえ、
通貨統合と財政統合の道のりは長く険しいものがあります。

ですから、世界は一つにまとまる前に、
必ず、地域毎の統合というプロセスを踏むはずです。

その為には、一つの経済圏として自立できる
「需要」と「生産量」と「資源」と「労働力」を持つ地域単位で、
ブロック経済圏を確立し、その中で通貨と財政統合が先ず行われるでしょう。

その意味でTPPは興味深い枠組みです。

同様にユーロ危機からEUが崩壊に向うとい予測に私は懐疑的です。
大きな金融危機が発生した場合、EU諸国はユーロの元に終結するはずです。

ギリシャ問題をヨーロッパがどの様に処理するかで、
今後の世界の枠組みが何となく見えて来るのだと思います。

バブル崩壊はバーゲンセールの為に仕掛けられる?・・・ゴールドマンサックスが日本の不動産投資を増額

2012-05-29 07:24:00 | 時事/金融危機
 

■ ゴールドマン・サックスが東京のオフィスを買い叩きに来る ■

「ゴールドマンが日本の不動産投資再開、4年で4000億円目指す」(5/28 ロイター)
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTJE84R00420120528

ゴールドマンサックスが3~4年の間に
日本の不動産に4000億円程度出資する事を明らかにしています。

バブル崩壊以降、ハゲタカファンドなどと呼ばれ、
日本のゴルフ場やリゾート施設を買い漁ったゴールドマンですが、
今度は、東京のオフィスを中心にお買い物の様です。

■ 東京のオフィスは空室が増えている ■

日本橋、京橋辺りを歩いているとい、
オフィスの新築現場が沢山あります。

不景気でオフィス需要は低迷していますが、
東京の中心部のオフィスビルは老朽化したものも多く、
立て直さなければ、テナントは新しいオフィスに流出してしまいます。
そこで、金利の低い現在、建て替え需要が発生しているものと思われます。

ところで、新たに供給されるオフィスにどの位の需要があるか不透明です。
とあるデベロッパーの新築したオフィスは、
上層階を、会議室だとか、セミナー室という名目にして、
空室率を低く見積もるような努力までされていると言います。

現在、東京で新築されている大小さまざまなオフィスビルは
はたして入居者を確保できるのでしょうか?

■ ゴールドマンの投資発表は景気回復を見込んでいるのか? ■

ゴールドマンは東京のオフィスは底値に近く、
これらの物件は世界的に見ても利回りが良いと言っています。

この説明を鵜呑みにすれば景気が今後多少なりとも上向くと取れます。
しかし、現実の日本の景気の先行きは悲観的な状況です。

今後、電気各社が牽引する形で、日経平均株価も下落の一途を辿りそうですし、
シャープ、ソニー、NECなど、経営に赤信号が点滅し始めた大企業がゴロゴロしています。

そんな経済状況にあって、オフィス需要が期待できるのでしょうか?

■ ゴールドマンサックスは景気の底割れによるバーゲンセールを狙っているのでは? ■

この様な状況でゴールドマンが進出してくるということは、
バーゲンセールを狙っているいのでは無いかと疑われてなりません。

建て替えを躊躇っているビルオーナーに融資を持ちかけ、
お金を貸し込んで、ビルを新築させた所で、
景気が底割れして、返済困難に・・・。
担保としてビルと土地はゴールドマンが美味しく頂く。

まあ、ゴールドマンが直接融資できるかどうか分からないので、
日本のダミー開発会社を介して融資が行われるかも知れません。

一見、投資が回収できなければ大損とも思えますが、
ビルの建て替え資金で、土地がオマケに付いて来れば損はしないでしょう。

■ 経済の崩壊プロセスはバーゲンセール ■

日本のバブル崩壊を思い出せば分かる様に、
大規模な経済の縮小過程においては、
資産や企業が破格の値段で手に入ります。

1920年のアメリカのウォール街の株価暴落に始まる世界恐慌でも、
アメリカの企業の株が、国際金融資本家に買占められています。

この様に、バブルの崩壊は意図的に仕掛けられて
国際金融資本家達に将来的な利益をもたらします。

ロイターの報道を見ていると気付くのですが、
現在、ロイターは日本の電気各社のネガティブ報道に余念がありません。

確かにルネサスやエルビーダなどは、青色吐息ですが、
シャープやソニー、NECやパナソニックは
実際よりもネガティブに報道されている気配を感じます。

この結果、各社の株価が低迷し、
経営状態はさらに悪化するという負のスパイラルが発生します。

そこで台湾や韓国の企業に救済させますが、
それらの企業の資本は、国際金融資本家達ではないでしょうか?

■ 今後発生する金融危機こそが、「収穫」の時期 ■

4月まで楽観的だった経済報道も、
5月に入って悲観的な論調に変わっています。

多くのアナリスト達が、今後大きなリセッションが発生する事を懸念しています。

しかし、これこそが「収穫」の時期なのかも知れません。
リーマンショックによって企業の業績を低迷させ、
真綿で首を絞める様にジワジワと体力を奪った挙句に、
景気が底割れして、多くの企業を倒産させる・・・。

私はリーマンショック以降、世界が延命している事が意外でした。
どうせ破綻が訪れるならば、速かろうが、遅かろうが同じでは無いか?

しかし、リーマンショック時に世界経済が崩壊したら、
円安特需で潤っていた日本企業は生き残ってしまったかも知れません。
そこで、ジワジワと弱らせてて、最後にトドメを刺す。

結局、リストラが遅れた事が、
日本企業の衰退を加速してしまいました。

リストラも地獄、経営破綻も地獄。
日本の製造業は、蟻地獄にはまって抜け出せないようです。



・・・悲観的観測になってしまいましたが、
既に日本の製造業の多くが、外資に支配されています。

利益は株主に優先的に還元され、
社員が二の次に企業に明るい未来は期待できません。

アメリカはベンチャー企業が新たな雇用を生み出していますが、
日本の金融は保守的で、ベンチャー企業の台頭を阻害しています。
ここら辺にも日本の低迷の原因があります。

電気大手が一度解体する様な状況になって
優秀な技術者達がベンチャーを立ち上げる状況が発生すれば、
日本の再生も始まるのかも知れません。

その意味においては、今後予想される金融崩壊も、
悪い事ばかりでは無い気もします。

若者達よ、(オジサン達も)、ここは気合を入れて頑張りましょう。





子供達に問われた「命の等価性」・・・「ぼくらの」は正座して読むべし

2012-05-27 12:00:00 | マンガ
 




■ 作品との縁 ■

現代は毎日大量の本が出版され、
名前も知らないマンガが日々書店に並びます。
或いは、クラシック音楽から歌謡曲まで、
膨大な量の音楽CDが発売されます。

それらの中には優れた作品が数多くありますが、
私の限られたお金と、時間の中では
全てを読んだり、聞いたりする事はとうてい不可能です。

ですから、私は作品との出会いを「縁」に任せています。

日頃、絶対に「書評」を読んだり、
音楽の「レビュー」を読まないようにしています。

運悪く、何かの拍子で開いた雑誌で目に留まってしまった物を除き、
音楽雑誌や書評誌で評価を読んでしまった作品は、
私の中では「アウト」の分類になります。

何らかの「先入観」が付いた状態で作品に触れる事は不幸な事です。
CDの冒頭、どんな音が飛び出して来るのかドキドキする感じ・・・
マンガの1ページ目をめくる時の、眩暈のする様な高揚感が
私は何よりも好きです。

そして、それが予想に反するものであったとしても、
書店やCDショップの膨大な作品の中で、
私に買わせたいと思われるオーラを出していたのだから、
何か「特別なもの」があると信じて、
じっくりと作品に付き合うようにしています。

すると、今まで自分が触れた事も無かったジャンルでも
きっと面白い「何か」を見つける事が出来ます。

「作品」と「私」を繋ぐ「何か」を、私は「縁」と読んでいます。

■ 「ぼくらの」との不運な出会い ■

鬼頭莫宏の「ぼくらの」と私は不運な出会いをしています。

書店に平積された、「ぼくらの」を見た時、
私はこの作品を「買わなければ」と即座に思いました。
しかし、店員がそこに付けていた感想のカードが
私の決断を鈍らせました。

「子供達は自分の命を犠牲にして、
 巨大ロボットに乗って
 地球と大切な人の為に戦う」

多分、こんな書評だったと思います。

私はひねくれ者なので、「子供」と「動物」をダシにした作品が嫌いです。
まして「子供」が「命を掛ける」というのは、
設定として「あざとい」。

子供が死んで、読者に感動を強要する様な作品ならば
それは、私的には読むに値しません。
ですから、表紙が強烈な「買ってよ」オーラを放っていたにも関わらず、
私は、「NARUTO」の新刊を買ってしまいました。

アニメ版、「ぼくらの」を見た時、
私のこの選択は大きく間違っていた事に気付きます。
この作品は、近年稀に見る名作の一つだったからです。

■ 「ぼくらの」との幸運な出会い ■

先週、買い物のついでに近所の古本屋の店先を覗いたら、
「ぼくらの」の1~8巻(7巻を除く)が、
1冊50円で売られていました。

ブックオフではたまに見かけますが、
それは「売られているのが当たり前」の古本屋です。
ここには、作品と私の間に「縁」は存在しません。

ところが、1冊50円という破格の価格で、
店頭で紫外線にさらされている「ぼくらの」は、
私の救出を待っていたとしか思えません。

今を逃すと、急な夕立で水浸しになってしまうかも知れない・・・。

これは「縁」だ!!
やはり「ぼくらの」と私は「縁」で結ばれていたのです。


・・・すみません。前置きが長くなりました。
「作品の内容を知っていたら購入しない」という自分のルールを破った事に
自分で自分を納得させる必要があったので・・・・。



ここからはネタバレ全開!!

■ 巨大ロボットの高さは500m ■

夏休みの自然教室に集まった中学1年生の14人の男女は、
海辺の洞穴の中で不思議な人物と出会います。

彼は洞穴の中にパソコンを持ち込み、
ゲームソフトを製作しています。
洞穴の中で良いインスピレーションが得られる、と彼は語ります。

ゲームはほぼ完成しているので、
君たち試しにやってみないかと、彼ココペリは誘います。

好奇心旺盛な子供達は、金属板に手を置いて、
ゲームにエントリーします。

と、次の瞬間に子供達は浜辺で気を失っています。
誰もが先程の事は、夢だったのでは無いかと疑います。

ところが、子供達の目の前に、
突如、真っ黒な巨大ロボットが出現します。

その高さは何と500m。

■ 命を代償にして地球を守る ■

次の瞬間、子供達はロボットのコクピットの中に転送されています。
そこには、先程のココペリが椅子に座っています。

そして巨大ロボットの前に別の巨大ロボットが出現します。

ココペリは、先ず手本に自分が、あのロボットを倒して見せると言います。

ぶつかり合う2体の巨大ロボットの戦いは壮絶です。
沖合いで戦っていても、その被害は陸地にまで及びます。

力で勝る子供達のロボットは、敵のロボットを倒し、
内部から球体のコアを取り出して、それを破壊します。
それが、戦いの決着を付ける行為だと、ココペリは説明します。

戦いが終わるとココペリの姿は消えています。
子供達は狐にツママレタ様な面持ちで、宿舎に帰ります。

最初にパイロットに選ばれたのは、
県の選抜にも選ばれたサッカー少年です。
しかし、彼は中学に入ってサッカーを止めています。
かつて全国大会にも出場した彼の父親が、
現在はサッカーより野球好きである事が、
彼がサッカーに熱中する事を、躊躇させています。

少年は劣勢の戦いの中で
サッカーの要領でピンチを脱し勝利を得ます。
勝利の高揚感の中で、少年は再びサッカーを始める決意をします。
ところが、少年はその直後に死にます・・・。

コエムシと名乗る謎の生き物が現れ、
このロボットは、人の命をエネルギーに動いていると告げます。
パイロットは戦いが終わると必ず死ぬのだと。
そしてこのロボットが負けた時、
地球は消滅するのだと・・・。

子供達は自分の命を代償に、地球を守る戦いを強いられるのです。

■ 死と向き合う事で、生に目覚める子供達 ■

子供達はそれぞれ様々な境遇で暮らして来ました。

裕福な家庭の子。
親が居ない子。
母親が風俗で働いている子。
先生に騙されて子供を妊娠した子。
不良のパシリの子。
親友との友情に悩む子。
養子でありながら親を大好きな子。
親に構ってもらえない子。

14人の子供達は、それぞれ現代の縮図とも言える
様々な生活を送って来ました。

その子達が、核爆弾にもビクともしない強大な力を得、
その代償として命を賭して地球を守れと言われる・・・。

「お前はもうすぐ死ぬが、地球や人類は生き残る」
なんとも理不尽な要求に、子供達は為すすべもありません。

彼らは彼らなりに生と死について深く考え、
最後に残された時間を、有効に使おうとします。

巨大な力を復讐に使う者。
逃亡する者。
仲間の為に時間を使うもの。

そしてコエムシの告げる事実はさらに子供を苦しめます。

彼らの戦っている相手は、無数に存在する平行宇宙の地球なのだと。
無限に分岐する平行宇宙の枝葉の「剪定」こそが
この戦いの目的であるのだと。

そして負けた「地球」は消滅するのだと・・・。

■ 命や存在の絶対性すら否定されて、子供達が選択する事 ■

自分達が1回勝つ毎に、
自分達が100億人の別の地球の人命を奪っている事に
子供達は恐怖します。

戦いは、相手の地球を舞台に行われる事もあり、
そのあまりにも自分達の「地球」に似た光景は
子供達を困惑させます。

自分達が「生きる」事で、相手に「死」を与えている事。
そこには「地球を守る」という正義すら存在しません。

学校で苛められていた者は、
普段自分を襲う暴力を、相手の地球に行使する事に躊躇します。
そもそも、相手の地球が残る事と、自分達の地球が残る事に
如何ほどの違いがあるのか、彼には判断が出来ません。

そんな彼に、彼らの世話をする女性の軍人はこう言います。
自分の近しい者、大切な者を守って他人を傷つける事は
利己的ではあるけれど、それは間違った事ではないのだと。
命とは利己的な選択の中でしか実感出来ないのだと。

子供達は命を代償とした戦いの中で、
それぞれの悩みの答えを見つけて、
そして淡々と死んでゆきます。

■ 「子供の死」という「アザトイ」設定でしか描けないもの ■

私が「ぼくらの」を買えなかった最大の理由は、
「子供の死の代償による正義」はマンガのテーマとしては安直に思えたからです。

人の死はマンガの中と言えども悲しい出来事です。
ましてや「子供の死」は強い感情を喚起します。

しかし、それが14人分繰り返されるのですから、
凡庸な作家の作品では、その「アザトサ」が際立ってしまいます。

「ぼくらの」の初期のエピソードは、
やはり「子供の死」という設定に安易に依存する傾向が見られました。
「子供の死」にバランスする「子供の事情」は過剰になりがちでした。

担任の先生に騙されて妊娠し、
その復讐にロボットの力を借りる女の子の話は
前半のハイライトではありますが、
どうしても、「巨大な力を復讐に使う子供」という設定を描きたい為に
少々、ショッキングな設定をし過ぎた感があります。

作者もそれを意識してか、
彼女の戦いの後に、
彼女と彼女の家族のほんの日常を描いたエピソードを載せています。
過激な行動を取ったこの子も、普通の女の子であった事を印象付けます。

中盤以降、作品は血が通い始めます。
一人ひとりが、作者にとっても、読者にとっても
愛おしい存在に思えて来ます。

そして、そんな彼らの死を通してしか
描く事の出来ない境地に作品は突入して行きます。

■ 何度も問われる「命の等価性」 ■

作者は死に行く子供に苛烈な選択を突きつけてゆきます。
子供達は戦いを繰り返す度に、
戦っている相手も、自分達と同じ思いを抱いている事を確信します。

作者は繰り返し「命の等価性」を問いかけます。

戦闘の犠牲になった人々の命と、自分達が守ろうとした人の命は同じではないのか?
自分達が戦っている別の地球の人達の命と、自分達が守ろうとする命は同じでは無いのか?

子供達は、繰り返しこの壁に突き当たりながらも勝利して行きます。
「自分の大切な人を守りたい」という思いが、
子供達を勝利に導きます。

それは、「命の等価性」を否定する事でもあります。
命の重みが、「相対的」である事に気付いた時、
子供達は、初めて自分の生きる意味を知るのです。

一方、大人がパイロットを務める他の地球では、
度々、パイロットが逃亡します。
パイロットの逃亡は、その地球の消滅に繋がりますが、
彼らは、自分達が奪おうとする100億の命に耐えられないのです。

そして作者は、最後の戦闘で、もう一度、この問題を子供に突きつけます。
彼に化せられた課題は、あまりにも苛烈です。
無数の殺戮を繰り返しながら、彼は自分の選択の代償に向き合うしかないのです。

「生」と「死」を、圧倒的な「理不尽」の中に置く事で、
「ぼくらの」はこの使い古されたテーマの本質に
リアルに迫ろうとする意欲作です。

文化庁はメディア芸術祭の優秀賞をこの作品に与えています。

■ 「死の強要」を「美化」する日本 ■

「ぼくらの」はSFとしても出色の出来です。

しかし、多くの人はこの作品をSFとして意識しないでしょう。
これはあくまでも子供達とそれを取り巻く大人達の日常のストーリーです。

そして、このある種残酷な作品を優しく包み込んでいるのが、
「死」に対する一種の美意識です。

これは日本人独特の感性かも知れません。

キリスト教の犠牲は、信仰の強さを証明する行為で、利己的行為とも言えます。
イスラム教の「ジハード」も、信仰の証明という意味ではキリスト教と同根です。

ところが「日本人」の自己犠牲は、「自己憐憫」と「自己陶酔」の感覚の上に成立しています。
「大切な人を守る為に死に行く自分は、儚く、美しい」
「散り行くサクラの如く、見事な最後を遂げたい」

但し、実際に死に行く者達が、そう感じていたかは別問題です。
「自己犠牲」を強要する同調圧力に屈して、
止む無く死を選択せざるを得ない状況であっただけとも言えます。

日本において「犠牲による死」は、意外にも同調圧力によって強要される物で、
キリスト教やイスラム教の様に、自己実現の手段では無いのです。

後に残された人達が「美しい死」という概念を創って、
「死を美化」する事によって、「死の強要」を「自発的死」に昇華させるのでしょう。

「ぼくらの」は、「子供の死」によって「死」を極限まで「純化」する事で、
やはり、日本人の「死の美化」のプロセスに、強く働きかける作品であるとも得ます。

「ぼくらの」は日本人の死生観の上に成立する物語であると言えます。

■ 正座して読むべし ■


子供達が命を代償に地球を守る話ですから、
この作品は当然、正座して読むべきですが、
我が家では、娘も私もいつもながら、
寝転がって読んでしまいました・・・。
きっと、バチが当たります・・・。


■ マンガとアニメでは大きく異なる ■



「ぼくらの」はアニメ版も名作です。

しかし原作マンガとアニメでは、そのテーストが大きく異なります。
これはマンガとアニメの表現様式の違いを良く表しています。

マンガは絵と文字のメディアです。
ですからマンガ版は、哲学や倫理的問題を、
大量の文字を用いて問い詰めてゆきます。
少々、中学校一年生には難しい内容を、子供に語らせ、
そして大人顔負けの行動を彼らは取ります。

一方、アニメは映像のメディアです。
映像はマンガと異なり、一定のリズムを刻む時間の上に成立します。
ですから、セリフの比重が重すぎると、作品の魅力が薄まります。
映像は、ちょっとした仕草の積み重ねで、
言葉では表現できない、心の深層にメッセージを伝える力を持っています。

ですから、「ぼくらの」のアニメ版は、
原作マンガの内容を、いく分省略して、
その分、生身の子供達を描く事に力を注いでいます。

どちらが良いという話では無く、
メディアの違いによって、魅力的な2作品を私達が楽しめるという事です。


最後にアニメ版のOPのフルバージョンを紹介します。
誰かがアニメ本編のシーンを編集してくれています。

作品の世界に少しだけ触れてみて下さい。





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