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経済の最新情勢から、世界の裏側、そして大人の為のアニメ紹介まで、体当たりで挑むエンタテーメント・ブログ。

原油価格が下がり続けている・・・コモデティー市場から逃げ出すマネー

2018-11-26 04:13:00 | 時事/金融危機
 



■ 原油価格が値下がりしている ■

つい先日まで、日本でも原油価格の上昇を反映してガソリン価格が値上がりして庶民のサイフを圧迫していました。しかし、10月以降、原油価格は値下がりを始め、10月初めの75ドル近辺から、一気に50ドルになりました。

原油の価格変動の要因には需給バランスや、需要見込み、中東情勢や産油国の生産調整など、様々な要因が有ります。さらに、原油市場は投機マネーにも翻弄されます。

トランプ就任後の2017年7月頃から原油価格は値上がりを続けていましたが、これはトランプ政権の誕生に戦々恐々としていた株式市場などが、ゴルディーロックス(適温相場)と呼ばれてジリジリと上昇を始めた時期から少し遅れています。

これは、トランプ政権の誕生で委縮していたマネーが株式市場から流入し始め、さらに原油市場に流れ込んだと私は見ています。原油価格は先に書いた様に、様々な市場環境に左右されますから、予測が難しい。結果的に株式などよりリスクの高い投資となるのでしょう。だから、資金の流入のタイミングが遅れる。

一方で、リスクに敏感なので、資金が流出し始めると、一気に価格が下落します。今回も30%以上の値下がりが2か月間で起きています。トランプの対中貿易戦争で需要が減るという予測が、下落に拍車を掛けています。

■ 原油の損を株で補填? ■


原油価格の下落は、インフレ圧力を低減させるので、FRBの利上げペースを緩和する効果も有ります。ですから、一概に株価下落の要因とは言えません。

しかし、原油先物市場で損失を出した投資家は、高値になていた株を売る事で損失の穴埋めを迫られます。ダウ平均株価は9月にピークアウトした後に、10月末に値を戻し始めましたが、その後又下落に転じています。

こちらも米中貿易戦争が理由とされてはいますが、よりリアルな所では、原油先物市場で損失を出した投資家が株を売っている影響も無視できません。

■ FRBの利上げがジリジリと市場の首を絞める ■


少し前までは「米景気は堅調だ」という記事や意見が溢れていましたが、これは相場の変調を察知した投資家達の「自己暗示」だと私は妄想しています。今は原油や株価が下がり始めているけれど、相場はマダマダ回復する。米経済の実力はこんなものでは無い・・・そう、自分に言い聞かせて強気を維持していた。

しかし、相場がジリジリと下落を続けると、流石に「自己暗示」で相場を支える事は出来なくなります。そうなると、皆が下落の要因を探る様になります。お決まりなのは「米中貿易摩擦」ですが、これも「自己暗示」の一種です。

ほとんどの投資家はFRBの利上げや日欧の緩和縮小が、市場環境の変化の要因で、金融緩和バブルがそろそろ終わる事に気付いていますが、これを口にしたくは無い。

■ 最期に喰われるのは逃げ足の遅い資金 ■

市場からの資金逃避は今年の初め頃には既に始まっており、金持ち相手のファンドか解散するなど、逃げ足の速いマネーは既に市場から逃げ出していました。

現在市場を支えているのは、個人が購入した金融商品や投資ファンド、年金などを通じて運用されている資金です。これらは運用を続けざるを得ない「逃げ足の遅い」資金です。日銀マネーやGPIFの資金に至っては、相場を下支えする「しんがり」になっています。

これらの「逃げ足の遅いマネー」と、下落相場で一儲けしようと山っ気を出した投資家の資金を生贄にして、市場は最後の饗宴を演じる事でしょう。

■ 崩壊の規模は、プチか、ミニか、大崩壊か? ■

リーマンショックから10年近くが経過し、金融緩和バブルがいずれ終焉を迎える事はほとんどの投資家の共通に認識です。

問題は次なる金融危機が、プチ崩壊なのか、ミニ崩壊なのか、それとも危機的な大規模崩壊になるのかという点です。

多くの専門家は、「リーマンショックはヘッジファンドを始めとする、レバレッジを大きく掛けた投資が招いた危機だけれど、今はそれ程リスクを大きく取っていない。だから次のバブル崩壊はリーマンショック程は深刻では無い」と予測しています。

しかし、デリバティブ市場に規模は、リーマンショック前を遥かに凌ぐものとなっています。当時程の加熱感は有りませんが、リスクの総量は、金融緩和によって確実に拡大しています。

ダムを例に取るならば、リーマンショックは高低差のあるダムの決壊。一方、現在のダムは貯水量は大きいけれど、高低差は小さいダム。決壊した時に流れ出る水の量はリーマンショックを凌ぐならば、下流の被害はどちらが大きいか、素人でも予測が付きます。

ダムの高さだけを観てプチだとか、ミニだとか予測する事が果たして正しいでしょうか?

リーマンショック後の各国中央銀行の狂った様な金融緩和の結末を、もうすぐ私達は目撃する事
なるのでしょう。「東京オリンピック」や「大阪万博」で浮かれている場合では無い・・・。いや、これは不景気対策なのかな・・・。

ゴーン会長逮捕・・・東京地検特捜部の影に「陰謀」有り?

2018-11-20 04:58:00 | 時事/金融危機
 

■ 日産のゴーン会長が逮捕された!! ■

日産のカルロス・ゴーン会長が東京地検特捜部に逮捕されました。

西川社長によれば容疑は次の3点。

1)報酬額を減額して有価証券報告書に記載した
2)目的を逸脱し、同社の投資資金を使って投資した
3)同社の経費を不正に使用した

日産の内部調査で明らかになったとの事ですが、同時に西川社長はゴーン会長のワンマン経営を是正していかなければならない、とも述べています。

これ、日産社内の内部反乱じゃないですか。織田信長に明智光秀が反旗を翻した様な・・・。


■ 東京地検特捜部の影に陰謀有り ■



今回の事件、逮捕は東京地検特捜部によって行われています。これは「政治事件=陰謀」の匂いがプンプンします。

日産は経営不振に陥った時に、ウランスのルノーの傘下に入る事で窮地を脱します。ルノーが送り込んだカルロス・ゴーンは「コストカッター」として有名な人物で、日産の国内工場を閉鎖するなど、大胆なリストラで日産の業績をV字回復さます。その後は、そのカリスマ性で日産を支配するだけでなく、日本での成功を足掛かりにルノーの取締役会長兼CEOまで上り詰めます。

今やルノ・日産グループにおいて神にも近い存在のゴーン会長ですが、実はルノーによる日産の完全子会社化を望むフランス政府と対立していました。

実はルノーによって救済された日産では有りしたが、V字回復後は不振に陥ったルノーを資金面で支える存在でした。本来であれば日産がルノー株を買い上げて、ルノーを日産傘下に入れてもおかしく無い状態。

日産によるルノー買収を防ぐ為、フランス政府は日産の経営統合を望んでいたと思われますが、何故かゴーン会長がこれを阻止していました。この理由が不可解でした。

今回の逮捕で、その理由が透けて見えます。日産内部でゴーン氏にNOを言える人物は居ない事を良い事に、ゴーン会長は日産の資金で個人的な投資をして、その利益を隠していたのです。日産がルノーの子会社になると、この不正が明らかになる・・・だからゴーン会長は経営統合に反対した?

一連の報道は、日産の西川社長を始めとする社内調査チームが正義を働いた様に伝えられていますが、実はその裏側はドロドロしたものです。東京地検特捜部が動いている時点で、かなり政治的な匂いがプンプンします。

■ フランス政府の指示か、日本政府の指示かで結果が大きく変わる ■

今回の事件、西川社長らに告発の指示を出したのがフランス政府なのか、日本政府なのかで、今後の日産や三菱自動車の状況が大きく変わります。

フランス政府の指示ならば、日産はルノーと経営統合するでしょう。
一方、日本政府の指示ならば、ルノーを日産が買収するか、ルノー傘下から離れる動きを見せるかも知れません。

今回の事件で日産株もルノー株も値下がりして、両者の経営は大きなダメージを受けます。そうなると経営体質の弱まっているルノーの方がダメージが大きいかも知れません。そこで日産が一気にルノー株を・・・・なんて筋書きも考えられます。

■ 移民の星だったゴーン氏 ■

ブラジル生まれのラバノン人のゴーン氏。中学をレバノンの首都ベイルートで過ごし、フランス工業系の大学で学んだ後、ミシュランに入社して頭角を現します。

ヨーロッパ社会は家柄や人種に寛容では有りませんから、レバノン人のゴーン氏がルノーの会長に登り詰めるまでには数々の障害が有ったハズです。ヨーロッパで移民が金持ちになるには作家選手になるしか無い様な状況で、ビジネスの世界でトップに立ったゴーン氏はまさにフランス移民の星。

ただ、それ故に、ヨーロッパ社会を裏で支配する旧王族や貴族、或いは金融資本家達には目障りな存在だったのかも知れません。成功しても、上流のソサエティーの中では部外者でしか有りません。

■ イエスマンの日産経営陣がゴーン排除に自ら動く訳が無い ■

ゴーン氏の日産の資金流用は、日産経営陣も以前から知っていたでしょう。ただ、イエスマンの日産経営陣がゴーン氏の犯罪を糾弾する事は今までならあり得ません。

それが、このタイミングで起きた事が今回の事件の一番重要なポイントで、日産の買収にフランス政府が本腰を入れた事の現れかと・・・。(その反動で日本政府が防衛に動いた結果かも知れませんが)

では、フランス政府が焦る理由は何か・・・ズバリ、近い将来のルノーの経営状態です。きっとルノーが窮地に立つ自体が起きるハズ。

私は金融危機発生による世界的な株価暴落に続いて、中東戦争が起き、ガソリン価格が高騰して自動車の売れ行きが激減すると妄想しました。

東京地検特捜部が動いた事件の裏が明るみに出る事は有りませんが、特捜部が動いたという事は、この事件は単なる企業内のコンプラ事件では無いのです。


<追記>

ここまで書いておいて今更ですが・・・

東京地検特捜部って日本政府の機関だっけ・・・・。
あれ、あれ、トランプとマクローンって仲が悪いよね最近・・・。
これって嫌がらせ?
それともアメリカが電気自動車リーフの技術をチョーだい・・・って事かな?


ガンバレ!!桜田五輪担当相

2018-11-17 03:57:00 | 時事/金融危機
 

■ 実は頭良いんです ■


国会でのシドロモドロ答弁が話題の桜田義孝五輪担当大臣。千葉県柏市出身という事で、興味がわいてwikipediaで調べてみました。

柏市の農家の五人兄弟の末っ子として生まれ、決して裕福では無かったので塾には通えなかったが、地元の1番高の東葛飾高校に進学されています。

東葛飾高校と言えば当時は千葉高と並ぶ千葉県の名門県立高校。偏差値は70以上の超難関校で、東大進学率も高かった。

桜田大臣、実は親の七光りの二世、三世議員や首相など比べ物にならない程、学力は高かったみたいです。さらに、高校時代は柔道部で、柔道と空手は有段者だとか・・・。


■ 昼は大工をしながら明治大学の夜学に通った ■


ところが、大学受験に失敗して、高校卒業後は大工のアルバイトをしていたそうです。2年程して、父親や周囲から「今諦めたら一生後悔するぞ」と言われ、明治大学商学部の夜学に通い始めます。昼は大工のバイト、夜は大学の生活。

大工を7年半続け、腕もなかなかだった様で、25歳で独立して桜田建設株式会社を立ち上げています。30歳で柏青年会議所に入会し、33歳で理事長になり、その後は市議会議員、県議会議員、そして平成8年に衆議院議員に立候補して当選。現在は4期目。

2017年3月16日に施行された「建設工事従事者の安全及び健康の確保の推進に関する法律」(建設職人基本法)の制定を主導するなど、元大工として、建築作業員の安全問題に取り組んでいる。

まさに、旧田中派的な、土建業のたたき上げの議員。

■ 地元では愛されキャラ ■

桜田議員、以前から失言も多く、言い間違いも多いようですが、地元では愛されキャラ的存在だった様です。多少の失言も地元では愛嬌のうち・・・と捉えられているとか。

国会答弁でも、蓮舫氏にやりこめられているやり取りを観ていると、私などは蓮舫が悪役に見えてしまいます。

■ 桜田氏や片山氏への攻撃は、モリカケ問題からの目くらまし ■

片山さつき氏や桜田氏への攻撃を野党が強めていますが、これは国会プロレスに過ぎません。多分、片山氏の問題を雑誌にリークしたのは政府関係者でしょう。臨時国会の生贄にされた。

一方、桜田氏の起用も、政府内には国会答弁での不安があった様で、官僚の書いたアンチョコをただ読むだけで良いという指示が出ていた。

桜田大臣の起用は、本来政府として避けるべきですが、結果的に攻撃が集中する事で、安倍首相や麻生財務大臣の風除けとして機能しています。

国民がモリカケ問題に飽きている事に自覚的な野党にとっても、恰好の攻撃材料となっています。国民もTVでシドロモドロ答弁を観ながら「こんなのが大臣だったら、オレだって出来るよ」なんてニヤニヤしている事でしょう。

■ 実は悪質な野党の質問 ■

桜田大臣のシドロモドロ答弁に関して、「質問通告」の有無が問題になりましたが、大臣は「無かった」と言った後で「実は有りました」と修正しています。

この問題に関して、元財務官僚の高橋洋一氏が、分かり易く説明しています。


要約してみます。

1) 「質問通告」は国会法で定められてはいないが国会の慣例
2) 質問の二日前に提出する約束
3) 野党は質問前日の午後8時頃に提出している
4) 「質問通知」の内容によって、回答を作る部署が割り振られる
5) 官僚達が深夜まで回答作りをする
6) 翌朝(答弁当日)に担当大臣に回答集が渡される

だいたい、こんな流れです。

高橋氏によれは「質問通知」にも二通りが有り、「専門的な質問」と「概略的な質問」が存在するらしい。

「専門的な質問」をする議員は、質問の内容を官僚に説明し、事前に意見交換をするらしい。こういう質問をする議員は、官僚や政府関係者にも一目置かれていて、いい加減な答弁は許されない。

一方、「概略的な質問」とは、おおまかな質問のタイトルだけで中身が書かれていない様です。そして官僚との事前のレクは行われない。だから、どんな質問が来るのか「アヤフヤ」なので、官僚達は「想定問答集」を作成して、翌朝、大臣に渡す。

■ 蓮舫氏の「質問通知」は悪意に溢れている ■

高橋氏のブログに蓮舫氏の「質問通知」の画像が掲載されています。


<書き起こし>(色字は人力が勝手に付けました)

1、杉田水脈議員の過去の発言について
2、女性活用、男女共同参画について
3、子育て問題
  (待機児童、幼児養育無償化を中心に)
5、LGBTについて
6、東京オリンピック・パラリンピックについて
 (特に予算措置、新国立競技場(大会後の活用、収支見込等)、
  オリパラ関係府省庁会議、H27.11.27閣議決定等)


7、消費税増税について
8、財政再建について
9、その他

*総理には、主に1,6,7について質問する。

答弁要求大臣:
安倍総理大臣、宮越大臣(一億総活、行政改革、少子化、共生社会、子どもの貧困、子ども子育て)片山大臣(男女共同参画、女性活躍)、根本大臣、桜田大臣、柴山大臣、麻生大臣、茂木大臣(経済財政)、山下大臣

参考人要請:会計監査院、JSC理事長

※ 質問レクなし、問い合わせ不可
※ 答弁は要求答弁者のみ。
※ 夕刻までに追加の可能性在り

<書き起こし終わり>

こんな概略だけ、前日夕方にポンと渡される訳ですから、そこから各省庁に割り振りされて、関係部署の役人が、回答を作成する。

ところが、回答しようにも、こんな「アヤフヤな概略」しか提出されていませんから、想定される質問とその回答を準備するしか方法が有りません。


以前は専門的な質問には官僚が答弁していましたが、2000年からは、大臣や副大臣が回答する様に変わりました。これも二重にバカらしい。


1)本来はその政策や法案に詳しい大臣が回答すべき
2)政策に精通していない大臣の為に官僚が深夜まで問答集を作るのはバカらしい
  (官僚が答えた方が正確、かつ、時間の節約)


まあ、国会などは「揚げ足取り」の場でしか無く、国民が「政治モドキ」を観て、面白がってくれれば良い・・・そう割り切っているのでしょう。


■ 海外と日本の国会議員には専門性に大きな隔たりがある ■

海外の大臣は、その道にある程度精通した方が成りますが、日本の場合は国会議員が政策に疎い。これは国会に提出される法案がほとんど内閣が閣議決定して法案で、議員立法が少ない事の影響です。

国会議員は与野党ともに国会での政治プロレスを面白可笑しく演じる存在で、法案は自民党の指示で官僚が作成して、自民党内の様々な委員会で検討され、最終的に閣議決定され国会に提出されます。

結果、日本の国会議員は議員立法を提出する様名専門性も無く、又、専門性の高いスタッフを抱えても居ません。


■ 野党の質問者は、臨機応変に揚げ足が取れる人が選ばれる ■


高橋氏によれば、野党に質問者も直前に指名される事が多いらしい。これは国会プロレスの裏側の問題で、与野党の国会対策委員会で、なかなか質問内容を野党が明かさない事に原因があるそうです。

そこで、「旬な問題」を、質問の上手な議員に質問させる事になり易い。蓮舫氏や、共産党に小池氏らがこれに当たるのでしょう。

質問する議員も、直前に指名されるのですから、詳細な「質問通知」などは作る時間は有りません。なるべく「旬」な項目を羅列し、その中に答弁者がボロを出しそうな問題をとりあえず入れておきます。

その後の質問議員のスタッフは、官僚同様に忙しいでしょう。資料を集めたり、閣僚の過去の発言を調べたり・・・。

こうして迎えた国会で、質問議員は「質問通知」の範囲内で、「いじわるな質問」を答弁者に投げかけます。当然、答弁者も「ここら辺を追及して来る」と分かっていますから、無難に質問をはぐらかします。

ここで、野党議員は被告に迫る検察官の様に、「実はこんなん有りました」的にフリップを出したり、「こんなん言ゆてはりました」的に過去の回答者の発言を繰り出したりします。

今回は、片山大臣は結構ヤバイ状況でしたが、さすがは元財務官僚だけあって、きっぱりと疑惑を否定して見せましたが・・・彼女には「人徳」が欠けている様で、ますます怪しく見えてしまいます。

一方、桜田大臣は・・・・もうちょっと勉強しとこうね・・・。


■ 国会プロレスに喜ぶ国民が悪いんだよ ■


こんな幼稚な国会を観て、国民の多くが辟易としていますが、その原因を作ったのは国民とマスコミです。

国民は、専門的な政策論争など理解出来ません。ですから、仮にニュースで取り上げられたとしえても、興味を持てずスルーします。

一方、国民は議員が国会でスキャンダルを追及されると喜びます。金と女(男)の話が大好きです。

尤も、国民は飽き易いので、借りに首相の金銭スキャンダルであったとしても、繰り返し報道されると飽きてしまいます。

「クソ野党は、いつまでも同じネタやってんじゃねーよ!!」って具合に。


モリカケ問題で野党は首相を追及しきれませんが、そんな野党を「ダメ野党」と揶揄している方は、実はご自分が政治プロレスに興奮しているだけの「ダメ国民」だと自覚すべきなのです。



だから、桜田議員には是非とも頑張って頂き、専門的な回答で、蓮舫氏を逆にやり込めて欲しい。あくまでも愛されキャラ的な雰囲気は守りつつも・・・・。



外国人労働者を受け入れない選択は有るのか?

2018-11-14 07:15:00 | 時事/金融危機
 

本日は雑然とした走り書き


■ 移民を必要とする3K職場 ■

入国管理法の改正案の審議が国会で開始され、技能研修生制度や、留学生制度を利用した裏口移民の実体がようやく国民の知る所となりました。

現在の日本において、かつて「3K」と呼ばれて敬遠されて来た仕事の多くは、外国人労働者(移民)に支えられています。これは世界の先進国でほぼ同様の状況です。

ただ、ヨーロッパなどでは移民の歴史が長いので、移民2世、3世と、新しく流入した移民との間で仕事の奪い合いが発生するのに対して、日本では「3K職場」で働く若年労働者が圧倒的に不足しているので、仕事の奪い合いは現状は発生していません。むしろ労働力が不足して労働力の需要超過が発生しています。


■ 労働集約型産業は安い労働力を必要とする ■


生産を労働者の労働に頼る産業を「労働集約型産業」と呼びます。

かつては農林水産業や、鉱工業がこの筆頭に挙げられましたが、工場の自動化が進んだ事で、製造業の一部は労働集約型産業のカテゴリーからは外れています。

一方、産業構造が製造業主体からサービス業に移っていますが、物販や飲食などのサービス業は多くの労働力を必要とする「労働集約型産業」に分類されます。

「労働集約型産業」の特徴の一つが「労働生産性に低さ」です。一人の労働者が生み出す価値が少ないので利益を上げる為には沢山の労働者を必要とし、さらに利益を拡大するには賃金は低いほど好ましい。


■ 工業地帯や倉庫地帯も外国人だらけだ ■

私の住む浦安の湾岸地帯から千葉に掛けては、海沿いに軽工業の工場や、大規模倉庫が立ち並んでいます。湾岸の国道357号線を自転車で走ると、外国人の遭遇率は日本人よりも高い。特にインドネシアなどイスラム圏の方に出合う確立が高い。

実は東西線の行徳界隈は、イスラム圏の方達が多く暮らしていて、モスクが有ったり、ハラルフード(イスラム教式に処理された食材)の店があったりして、イスラム教の人が住み易い地域になっています。西葛西のインド人と並び、行徳のイスラム系住人の数は多い。


■ 外国人労働者が消えたらどうなるか? ■

池田信夫氏のブログを読むと、「利益が低いから外国人労働者が必用になるという悪循環に日本が陥っている」と主張しています。「安い労働力を必要とする産業は、元々経営が成り立っていない」と。

では、元々経営が成り立っていない企業や産業は日本に必要無いのでしょうか?

グローバリゼーションや自由貿易では、「商品はコストと技術的に最適な場所で生産される」というのは大前提ですから、日本から農業や漁業や軽工業、或いは製造業という産業は消えてしまいます。

長期的に考えれば、確かにこれらの産業は日本の中では衰退して行きますが、食料の安全保障の上からも、技術力の維持の観点からも、急激な衰退は国家として好ましくは有りません。

仮に今、外国人労働者が皆帰国してしまったら日本は産業や経済を維持出来ない国になっています。ですから、池田氏の主張は長期的には正しいのですが、短期的には合理的ではありません。


■ 自動化や機械化に向かない産業 ■

池田氏はブログで、労働力の不足が「自動化」や「機械化」を進め「生産性を高める」という仮説を紹介しています。これは正しい。

しかし、「自動化」や「機械化」は一気には達成されません。

自動化や機械化には初期投資のコストが掛かるので、儲かっている企業や産業でしか実現が難しい。さらに、同じさ作業を繰り返すだけなら良いのですが、様々が作業が組み合わさったり、同じラインで違う作業が発生する場合は、自動化のコストが回収できなくなる事が有ります。

自動化のトップランナーとも言える自動車組み立て工場ですが、テスラは生産車種が少ないの本格的な自動化にチャレンジしていますが、アメリカの日産の工場では、未だに人間がラインに張り付いて仕事をしています。様々な車種を同じラインで製造する日産の工場では、ロボットよりも人間の方が生産性が高いのです。

先に挙げた農業や漁業も自動化が難し産業です。最近では野菜の工場の様な施設も出来ていますが、作業の多くの行程に、未だに人の手が必用です。

■ 自動化に舵を切った外食産業 ■

外食産業は多くの外国人が働いています。日本語が不得意な方も多いのでオーダーで行き違いが発生する事も多かった。居酒屋で困った経験をお持ちの方も多いでしょう。

低価格の居酒屋などでは、オーダーシステムをタブレットとする事で、この問題を解消しました。外国人のアルバイトは、出来上がった品を客に運んだり、空いた皿を片付けるだけの単純作業をこなします。

先日、近くの「天屋」(天丼のチェーン店)に行ったら、オーダーシステムがタブレットに代わっていました。同時にメニューが増えていました。何だか味気ない感じがしましたが、複雑なオーダーの処理は日本人でも間違い易い。昼時など少人数でオペレーションする為に、自動化は不可欠になっています。

中国でロボットレストランが出来たとニュースになっていますが、調理から品出しまで自動化されています。日本には回転寿司という自動化レストランの元祖が有りますが、人件費を節約したい外食産業は、あの手、この手の自動化を進めて行くでしょう。

■ 介護の自動化は難しい ■

人手不足や離職率の高さが問題となる介護ですが、今後、ますます人手不足が深刻化します。一方、財政における介護費用の負担は拡大するばかりなので、国は安い労働力として外国人労働者を当てにしています。

「日本語もろくに出来ない外人に世話して貰いたくない!」という金持ちは、高いお金を払って高級な介護施設に入り、一般の老人は外国人の介護スタッフのお世話になる時代がすぐにやって来ます。

介護は人間を相手にする仕事ですから、自動化が最も難しい分野の一つでしょう。ベットに寝ているだけで自動にオムツを交換してくれる機械を開発するという方法も有りますが・・・何だか『老人Z』の様になりそうで怖い。

むしろ、恒温空間にハダカの老人をズラリと並べ、チューブで栄養供給して、糞尿は垂れ流し式に処理して、後は自動洗浄の方が現実味が有るかも知れません。でも、こんな老後は誰も望みませんから、外国人であっても、手のぬくもりがあって、コミュニケーションが出来る人間に世話をして欲しいですよね。

■ 建築分野も自動化が難し ■

バブルの頃から外国人労働者を多く必用とする建築分野も自動化が難しい産業です。建築物は「特注」が多いので、同じ作業の繰り返しを得意とするロボットの苦手とする分野です。

さらに行程が日々刻刻と変化する中で、多くの業者が入り乱れて作業を行うので、人間の判断力が不可欠です。

■ 輸送や物流は自動化して行くだろう ■

自動運転という遠い未来と思われていた技術の実用化が10年以内に達成されそうです。車の運転は楽しいものですが、自動運転が実現すると、人々は運転の時間を別の事に振り向ける事が出来ます。きっとマニュアル運転をする人は減るハズで、さらには事故を防ぐ為にイレギュラーな挙動をするマニュアル運転は制限される時代になるでしょう。

そうなると、輸送の自動化は一気に加速します。物流倉庫の自動化も進んでいるので、この分野での労働力不足は将来的には解消します。

■ 長期的には過剰労働力が問題になるかも知れない ■

10年位の間は日本の労働力は不足するかも知れれませんが、自動化が様々な分野に浸透し、AI化が進み、人口バランスが改善して来ると、国家は過剰労働力の問題に悩む様になるかも知れません。

私は日本政府が少子高齢化に本腰を入れず、外国人労働者を一時的に受け入れを容認する背景には「将来的に人間が余剰になる」事への対策なのでは無いかと妄想しています。

今までは「人口=国力」でしたが、これからの時代は「人口=国家の負担」という時代になります。効率を考えれば、高い生産性の産業に優れた人材を集中して、稼いだ外貨で食料や工業製品を買う・・・シンガポールの様な都市国家が有利な時代になります。

一方で第一次産業は世界的にフラット化して行く。関税が撤廃される流れは止めらませんから、日本の農業や漁業が生き残る為には、それなりの工夫の努力が必用になります。


農業に続き、漁業の構造改革にも政府は着手する様ですが、今のままの零細漁業では漁港の港湾施設の改修すら出来ずに沿岸漁業は衰退する事が目に見えています。



結局、外国人労働者は「一時しのぎ」というのが政府や官僚達の本音なのでは無いか。そして「10年後の事は誰にも分からない」というのが今の官僚の主流なのかも知れません。国家を50年、100年単位で設計していたら時流に付いて行けない時代なのです。


優秀な技術や人材はお金を出してでも外国からでも買う、安い人材も安く買う・・・正に、海賊や狩猟民族のルールに支配された世界で日本が生き残る為にどうするか?

外国人労働者との共存は理想では有りますが、競争相手が海賊達なので、日本人の知恵が試されるでしょう。



本日は、落書き程度で失礼します。


中東難民の受け皿としての日本・・・意外に相性が良いかも知れない

2018-11-13 07:22:00 | 時事/金融危機
 

■ バブル時代と「イラン人」 ■

若い方はご存じ無いかも知れませんが、日本のバブル時代には「イラン人」が沢山日本で働いていました。上野の西郷さんの銅像の周りは、彼らの集合場所の様になっていて、夕方などは日本人が近づき難い雰囲気でした。

1974年に日本とイランが「ビザの相互免状協定」を調印しイラン人が日本に入国し易くなった事と、1988年にイランイラク戦争が終結して、多くのイラン人が経済の荒廃したイランから日本に職を求めて入国して来た事が原因です。

当然、彼らは不法就労者でしたが、バブル時代の日本は労働力が不足していたので、工事現場などで彼らは雇用され、不法滞在を続けていました。警察や入国管理局も度々摘発をしていましたが、だいぶ手心を加えていた様に感じました。彼らが重要な労働力だったからです。

しかし、上野に溢れていたイラン人もバブルの崩壊と共にほどんど日本を離れて行きます。職を失ったからです。

■ 多神教の日本では、イスラム系の人達の差別が少ない? ■

当時のイラン人たちは、彼らのコミュニティーを形成していて、一般の日本人とそれ程接点は無かったと思います。それでも、「バイト先にイラン人と知り合いになって・・・」なんて学生同士の会話も有りましたから、結構仲良くやっていのかも知れません。

日本人は単一民族で、島国暮らしですから、本来は外国人は苦手です。さらに、明治以降のアジア人蔑視の傾向が強いので、中国人や韓国人には潜在的敵意を抱いています。これは「同族嫌悪」に近いものだと私は考えています。日本人の白人コンプレックスの裏返しがアジア人蔑視の源だと。当然、顔立ちの近い中国人や韓国人がその対象となります。

一方、全然顔立ちの違う東南アジアやインドや中近東の外人は「同族」の範疇に無いので、「嫌悪」の対象とはなり難い。「差別」や「区別」の対象とはなりますが、それは「積極的にお近づきになりたくない」という消極的拒否であり、「嫌悪」とが別種の感情です。

ですから、何かをきっかけに知り合いになると、日本人はインドや中近東の人と意外に仲良しになると私は感じています。インド料理屋さんで店員さんが片言の日本語で話しかけると、日本人は親切に彼らに接します。

同様に、日本人はイスラム教へのアレルギーがキリスト教圏よりも少ない。「異質」なものとして遠巻きにはしていますが、積極的に排除したり嫌悪する事は有りません。これは多神教の日本が、一神教のキリスト教よりも宗教的な寛容度が高い事の現れです。

■ あまり増えると「恐怖」が生まれる ■

一方で外国人慣れしていない日本人は、多くの外国人に囲まれる事には慣れていません。バブル期の上野で「イラン人」に囲まれた経験のある日本人の多くが、ある種の「恐怖」を味わったハズです。

現在のネトウヨの中心とする嫌中・嫌韓の流れにも、「潜在的在日」に対する恐怖が有るのかも知れません。「見た目」で分からないから、もしかするとコイツもアイツも在日かも知れない・・・という恐怖です。「イラン人」の様な分かり易アイコンが無いだけに、警戒心が高まる。

■ 入国管理法の改正で増えるのはイラン人かも知れない ■

政府は入国管理法の改正を急いでいますが、これが成立して増えるのは、「イラン人」かも知れません。

一時的に日本に住んだとしても「分かり易く区別」が出来、文化的な相違から日本に定住する可能性が低い。これは、言葉が悪いですが「都合が良い」。

■ 中東戦争で自衛隊の直接戦闘は避けなければならない ■

しかし、次なる中東戦争がイラン VS サウジアラビア の闘いとなり、自衛隊が米軍に従ってイランと戦闘するとなると話は異なって来ます。イラン人にとって日本人は「敵認定」となってしまう・・・。

これまで外務省や政治家や企業の努力によって、険悪では無い日本とイランの関係ですが、出来ればこれを崩したくは有りません。いえ、イスラム圏との関係を崩す事は得策では無い。

だから、憲法改正によって、自衛隊が中東で正面戦闘する事態だけは避けなければなりません。ネトウヨ諸氏には一考を願いたい。(聞く耳は無いのでしょうが・・・)


<追記>

イラン人の犯罪が多発した事も事実・・

バブル期やバブル崩壊後に「イラン人」の犯罪が多発した事も事実です。「偽造テレカ」や「麻薬の密売」などですが、生活に困窮した人達は犯罪に走ります。

ですから、移民や難民問題の根源は「生活レベル」に有ります。「日本人が移民や難民から搾取する」という構造が有る限り、移民や難民の犯罪は無くなりません。

では、私達日本人は自分達の所得や福祉のレベルを下げてまで、彼らを受け入れる事が出来るのか・・・・多分、無理でしょう。このジレンマを解決しない限り、移民や難民問題は解決しないのです。

アメリカは移民の国家ですから、この点が公平です。確かに不法移民から搾取してはいますが、「国民」の機会は人種によらず比較的平等です。これは豊かさにおいても、貧しさにおいても平等です。「運と努力が有れば誰でも成功できるかも知れない」。いわゆるアメリカンドリームですがアメリカの活力の源です。

但し、アメリカは金持ちと貧乏人の生活圏は明確に区別されています。ロスアンゼルスのハイウエイを間違って降りると、ヒスパニック系の住人の住む地域に出てしまう事が有りますが、ここはメキシコか?という街並みが続いていたりします。

先進国が発展途上国を内包しているのがアメリカの真の姿です。だからアメリカ人は国内の「異国」に大して銃武装で自衛するしか無いのです。


<追記>

「イラン人」や「在日」という言葉が沢山出て来ますが、蔑称として用いている訳ではありません。お気を悪くなさった方がいらしたら、先にお詫びしておきます。