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経済の最新情勢から、世界の裏側、そして大人の為のアニメ紹介まで、体当たりで挑むエンタテーメント・ブログ。

2015アニメ私的ベスト10・・・今年は豊作

2015-12-31 05:06:00 | アニメ
 

2015年のアニメは豊作でした。ベスト10選出も悩みに悩みながら


第一位 『ガッチャmンクラウズ・インサイト』





アニメという表現の特質を生かしながら「何かを主張する」という意味において、この作品は特筆すねきでしょう。

「アニメなんて子供が見るものさ」と思っている大人も多いと思いますが、映画やドラマでは描けない「概念的なもの」描くのに、意外にもアニメは適しているのかも知れません。

『ガッチャマンクラウズ・インサイト』・・・民主主義の本質を問う意欲作


第二位 『GATE自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり』



こちらも社会性とエンタテーメント性を両立させた力技の作品。安保法案で全国が揺れた時期に放映されていましたが、国家前でデモをしていた方とは全く別次元のリアリズムがこの作品の中には有ります。これを「ファンタジー」だと思ったら大間違いだ!!

軍隊としての自衛隊・・・『GATE自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり』



第三位 『コンクリートレボルティオ』



こちらは、アニメでアニメ史を俯瞰しようという意欲作。同時に昭和という時代も俯瞰するという欲をかいていますが、実はアニメと時代は密接に結びついて発展してきました。1期が終了したところですが、13話だけでも十分な見応えがありました。

ヒーローの背負った宿痾・・・コンクリート・レボルティオ


第四位 『全てがFになる』



1996年にメフィスト賞を受賞した森博嗣のデビュー小説が原作。TVドラマでも放映されていた様ですが、会話劇において実写はアニメにはとうてい敵わないという好例。OP、EDの映像の素晴らしさも特筆ものです。特にOPのロトスコープを用いた線画の映像は、100回連続で見ても飽きる事はありません。

工学部出身の作者らしくコンピューターが効果的に使われていますが、実は事件の真相にはあまり関係してきません。むしろコンピューターを扱った推理小説としては瀬名秀明の『デカルトの密室』の方がスリリングです。

世界最高峰のSF、いや推理小説と呼ぶに相応しい・・・瀬名秀明「デカルトの密室」


第五位 『櫻子さんの足の下には死体が埋まっている』



原作を褒めるべきなのでしょうが・・・『ビブリア・・』などよりは面白い。海外のミステリーにありそうな「骨から推理」する作品ですが、ライトノベル的伝統を上手く生かして「日常」の範囲で事件が進行する点が好感されます。

実写作品でも十分に人気が出そうですが、何分「遺骨」が沢山登場するので・・・・。この作品、ゴールデンタイムで放映して欲しい。もうアイドルタレントが出て来るドラマにも世間も飽きていますから・・・。それにしても、櫻子さん・・・お美しい・・・。


第六位 『がっこうぐらし』



今年一番ショッキングな作品。「日常系」という固定観念を完全に逆手に取られました。作品の性質から、ネタバレ出来ないのが残念。とにかく見るしか無い!!


第七位 『六華の勇者』



原作物なので原作を褒めるべきでしょうが・・・アニメでファンタジーでこんなに面白いミステリーが作れるなんて・・・。ショックです。


第八位 『SHIROBAKO』 & 『監獄学園』





水島勉の2作品。なんでセットかと言うと・・・「これが同じ監督の作品!?」というのが8位に選んだ理由。本当に「上手い」監督ですよね。『SHIROBAKO』の様な現場から『監獄学園』みたいな作品が真剣に作られいると想像すると・・・ぷぷっ。

アニメってどうやって作るの?・・・『SHIROBAKO』


第九位 『のんのんにより りぴーと』 & 『俺の青春ラブコメはまちがっている 続』






時間の魔術師・・・『のんのんびより りぴーと』の川面真也監督

個人的には、本年度の1位、2位なんだけど、2期目なので他の作品に席を譲っています。


第十位 『アルドノア ゼロ』 & 『響けユーフォニウム』






『アルドノア』は昨年高位に選んでいたと思うので・・・。きれいにまとまり過ぎているので時間が経つと印象が薄れる典型ですね。

『響けユーフォニウム』は意外な拾い物って感じ。特に、山の上のシーンは素晴らしい。
今年はZAQの楽曲が印象に残っていますが、『響け・・』のエンディングも彼女の作品。『コンクリートレボルティオ』のOP、『のんのんびよい りぴーと』のEDと、作品によってスタイルをガラリと変えるのには驚愕しますが、キャッチーなメロディーが書ける事が一番の強みですね。



★ 特別賞 ★  『ユリ熊嵐』 & 『血界戦線』






LINEやTwitterが生み出す「同調圧力」・・・『ユリ熊嵐』


「アニメ表現」という観点からは他の作品の追随を許さない2作品。しかし・・・中身が無さすぎなので「特別賞」。でもこの2作品を1位、2位に選んでも全く問題は有りません。


期待賞・1 『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンス』




まさか岡田麻里と長井龍雪コンビのガンダムが見れるなんて・・・。火星で話が展開している時はガンダムよりも『太陽の牙ダグラム』みたいな作品だと思いましたが、宇宙に出てからはガンダムしてます。

1話~3話の岡田麻里脚本があまりに素晴らしかったので、その後の失速感が目立っていましたが13話の岡田脚本で復活した印象です。ほんの短い一言が書けるかどうか、或いは、本来は存在すべき言葉を語らずにおくことで、脚本はこんなにも違うというお手本の様です。

あまりに期待が大きくて冷静に評論が書けませんでしたが、4部構成の第一部も終了したので年明けにじっくりと・・・。


期待賞・2 『傷物語』



あまりにも出来の良い「映画化決定の偽告知のMAD動画」が『化物語』の頃よりネットにアップされていたので、今回も又MADかと思ったら・・・何と3部作で映画が公開されるとか・・・・。「物語シリーズ」の最高傑作として映像化が待たれまし
たが、ようやく「鉄血にして熱血にして冷血」のキスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレード様の御姿が拝めます。








「オイオイ、全然ベスト10じゃないよ、10作品以上あるじゃないか!!」
とお怒りに貴兄・・・だって今年は豊作でしたから・・・・。今回はアニメファン以外も楽しめる作品を入れてみました。それと社会性を持った作品が上位に来ています。


アニメ業界の皆さん、今年も一年ありがとうございました。来年も素晴らしい作品を期待しています。




おおおーーーと忘れる所だった。この作品も忘れてはならない。

びっくりぽん賞  『Dance with Devils』



『俺の青春ラブコメ・・・』の第一期を監督した吉村愛氏の最新作。ゲームとコラボレーションした作品ですが、何とミュージカル仕立て。かつて松尾衡が『Red Garden』で突然主人公に歌わせた時はさんざん批判されましたが(ヴヴヴでもやってましたね)、この作品では「突然歌い出す」瞬間を今か今かと待ちわびました。「唐突さ」に脳がパニックを起こして、ドーパミンだかアドレナリンだかがドパァーって吹き出す感じがタマラナイ。

内容的には王道の女性向け作品ですが・・・ベタな所が魅力でもあります。私は好きです。
少女マンガ原作では『俺物語』に家内がすっかりハマっていましたが・・・砂川君がホモだったらベスト3に入れたかも知れません。個人的には砂川君のおねえさんのファンです。

未見の方は是非。



主題歌賞  『蒼穹のファフナー EXODUS』



iTunesにダウンロードしたらカミサンが一日何回もイタイ、イタイ、イタイ、イタイって歌ってます・・・。尤も彼女は50肩が痛い時歌うのっですが・・・。

10年前の中島みゆきを思わせるOPの『シャングリラ』もインパクトがありましたが、今回のオープニングもなかなか・・・。

ところで、多くの方に『蒼穹のファフナー』は好きじゃないの?というコメントを頂いていますが、10年前の前半までは大好物です。それ以降は話がダラダラし過ぎるかな・・・。それとBL臭が気になって、集中出来ません。

EXODUSはキャラクターの見分けが付かない事が入り込めない最大の要因かなとも思っています。「カズキ生きてたんだ?!」って思ったらコウヨウでした。見分け方はショコラが居るかどうか・・・。それとホッペタの線も気になって・・・ナルトを思い出しちゃうんです。これ個人的な生理反応みたいなものなので、決して作品が悪い訳では有りません。


月面の柔着陸は大変難しい・・・一発勝負って失敗のリスク

2015-12-28 09:11:00 | 分類なし
 

goblin さんのコメントに返信しようとしましたが、長くなったので記事にします。


■ 技術的には100%不可能では無いが、失敗のリスクが大きすぎる ■


問題のキューブリックのインタビュー記事ですが、早くも「FOAX=やらせ映像」だとの指摘が各所から出ている様です。真偽の程は分かりません。陰謀脳の私などは、偽映像をわざと流出させて疑惑を打ち消したのでは・・・なんて勘ぐってしまいますが・・・。



アポロの月面軟着陸が当時可能であったか、以前私なりに検証してみました。陰謀論的遊びの一つですが・・・。

http://green.ap.teacup.com/pekepon/1133.html

キーポイントは電卓すら実用化されていない技術レベルの時代に、ロケット噴射の非線形の挙動をどう制御して月面に柔着陸出来たかという一点突破で良いかと。火星は大気が有るのでパラシュートで降下・減速出来ますが、大気の無い月面ではそれが出来ません。

1)着陸船は進行方向に噴射口を向けて噴射で減速して対地速度を徐々に落とす
2)減速しながら徐々に噴射口を下向きにして行く
3)対地速度が十分に落ちたら、ロケット噴射口を地面に垂直にして落下速度を落とす
4)最後は月面4m位いからドスンと落下させ、衝撃は脚部のダンパーで吸収させる

こんな手順をほぼオートマクックで行う予定でした。

5) エンジンの噴射口は一つなので、噴射口の角度を調整して姿勢制御
   (小型の姿勢制御スラスターも確か付いていたと思います)
6) 当時既にジャイロ技術か確立しており、姿勢制御は自動でコントロール出来た

7) 11号の着陸時、姿勢制御にトラブルが発生し、手動で姿勢制御をした!!

8)月の表面はレゴリスと呼ばれる微細な砂に覆われていますが、逆噴射はそれを巻き上げ
  視界を奪います。
9)実際の11号の乗組員はインタビューで砂煙で視界が奪われて何も見えなかったと語っ
  ています。
10)無視界ですから、着陸の最終段階はドップラーレーダーや対地レーダーなど計測機器
  に頼って行われたと思われます。


こう書くと、「可能」と思われるアポロ11号の月面軟着陸ですが、一つ一つのプロセスが非常に難しい技術の集積で、さらに姿勢制御装置の不調も重なっていました。当時これを、世界が生中継で見守る中で、ぶっつけ本本で行ったとすれば、ニクソン政権が負ったリスクは限りなく大きなものだたことになります。

万が一、失敗して乗組員が死んだりする様な事になれば、アメリカの威信は地に落ちたかも知れないのです。


■ 米ソの宇宙開発で発展したもの ■

アポロ計画の発端は、宇宙開発でしのぎを削っていた当時のケネディー大統領が、「1960年代中に人間を月に到達させる」と発言した事です。

ソ連が先に月に到達するなど、宇宙開発でソ連の後塵を仰いでいたアメリカは、焦ります。約束の60年代の終わりが近づいて来たからです。ニクソン大統領は莫大な予算を確保して、NASAに月到達を厳命します。

こうして1969年7月20日に人類は月に降り立たのです。


ところで、アポロ11号の月面着率が真実であったとしても、或いは真実で無かったとしても、アポロ計画はアメリカに大きな技術的貢献をします。それはICBMの技術の向上です。

ICBM(大陸間弾道弾)の元祖をドイツ軍のV2ロケットで、ドイツから正確にロンドンに着弾させる技術を確立していましいた。この技術者をごっそり連れ去ったのがソ連です。初期の宇宙開発においてソ連が有利に立っていたのはV2ロケットの技術者の貢献が限りなく大きい。

その後米ソは宇宙開発で凌ぎを削る一方で、ICBMの技術競争、配備競争も加速させます。この時役だったのがロケット開発で培った技術です。

冷戦の当時と言えども、アメリカ国民はICBMの開発配備にあまり巨額な資金がつぎ込まれる事には抵抗を感じたでしょう。そこで、「人類を月に送り込む」という「夢」を人々に見させる事で、ICBMの開発に掛る莫大なコストを「宇宙開発」にすり替えます。

日本の小惑星探査衛星「はやぶさ」の大気圏突入に際しては、着陸地点のオーストラリアに各国の情報機関が集まったとされていますが、彼らの興味は、はやぶさが燃え尽きずに地上の落下出来るかを確認する事でした。この技術は核弾頭の大気圏再突入に欠かせない技術だからです。

この様に科学の夢の結晶の様に語られる宇宙開発の裏には、弾道弾やスパイ衛星など軍事的なドロドロした世界が隠れているのです。


■ NASAが紛失したアポロ11号の月面着陸の映像が発見された ■


NASAはウッカリさんなので、アポロ11号の月面着陸のマスターテープに他の映像を上書きしてしまったと発表していました。

しかし、その貴重なマスターテープの一部が発見され、現在のデジタル技術でリマスターされ公開された様です。



この他に着陸直前の映像の切れ端なども公開されています。


当時、4歳だった私にもアポロ月面着陸のマナ放送の記憶が薄らと残っています。申し越し上の世代の方々は、興奮してTV映像を凝視されていた事でしょう。


「アポロ11号の月面着陸ってウソだったんだって」と今の若い人達は簡単に言いますが、リアルを体験した方々にとっては「冗談じゃないよ」と思われている事でしょう。


はたして、アポロ11号は月面に到達していたのか・・・中国当りが無人でも良いので月面着陸にチャレンジすると面白いのですが・・・。尤も、こちらも失敗してもCG映像で誤魔化しそうではありますが・・・。


<追記>

以前こんな記事も書いていました。
こちらの方が専門的で面白いかも知れません。

火星探査技術がスゴスギ・・CURIOSITYの着陸は神技

ところで、ちょっと調べてみたらアポロ11号の制御の情報が色々とありました。

1)航行制御装置は初期的なコンピューターによって行われていた。

2)集積率は高くは無いがICが使われていた様だ

3)演算能力に限界が有るので、NASAで計算した数値を飛行士がパラメーター入力していた

4)ジャイロは誤差が集積するので、天体観測で乗組員が誤差を修正していた

5)プログラムが公開されている

6)月着陸船の姿勢制御は対地レーダーの情報を元に基本は自動制御だった

7)16個の姿勢制御スラスターとメインロケット1基をコンピューターが制御した

8)着陸船は第一段階で噴射ノズルを進行方向に向けて減速する

9)第二段階は7000フィートまで降下後40度から60度の角度で減速しながら降下を
  始める(IP63) (この間は船内から月は見えない)

10)地上15Kmから着陸態勢に入り垂直に姿勢制御される

11)着陸時は制御系が切り替わり、マニュアルで着陸ポイントを変更が可能
  (ジョイスティック)

12)マニュアル制御中の姿勢制御スラスターやメインロケットの制御はコンピューターが行う

13)マニュアル操作の理由は着陸地点の岩などの障害物を避ける為


ここまで12分間で行われます。


ここまで書いて来ると、当時の技術でも着陸は可能だった様に思われます。ところで、「コンピューター」の性能は・・・

CPUのNORゲート  5600個
クロック     1.024MHz
ROM        72KB
RAM        4KB

これで様々なインターフェースの入力と、16個の姿勢制御スラスターとメインロケトの水力を1/100(秒)のタイミングせ制御していたとされます。余程、効率的なプログラムを書かないと処理しきれなかったでしょう。


実際にアポロ11号に着陸フェーズでシステム異常が発生しアラート音が鳴り響きます。これはコンピュターに「対地レーダとコンピュータの計算高度の差を表示させる1668というコード」を入力した時に発生しました。コンピュータの処理の「限界と解釈された様で、すが、実際には対地レーダの制御周波数800Hzと制御用信号の800Hzがシンクロしていなかった為に起きた制御系のエラーだった事が後に判明します。プログラムは優先順位が決まっていた為、優先度の低いコード1668はキャンセルされて事無きを得た様です。

・・・・このコードの処理だけにリソースの10%を食われた様です。レーダの高度数値を読み出して、コンピューターが計算した高度数値との差を表示する・・・昔のシャープのポケコンみたいなプログラムです。

こんな処理能力のコンピューターが対地レーダーの情報を元に16個の姿勢制御スラスターとメインロケットのスロットルをリアルタイムでコントロールしていた・・・・尤も1668で対地レーダーの情報が読み出せなくてエラーが出るシステムで、どうして対地レーダーのデータを元にコントロールしていたのか全く分かりません。「マニュアル制御に切り替えた」という話が流布していますが、このマニュアル制御は、操作はマニュアルですが、それをスラスターやメインロケットの制御に置き換える事はコンピューターが担当していました。

・・・・ここまで書いて来て・・・・やはりモヤモは消えません・・・・。出来過ぎなんです・・・当時としては。1969年ですから・・・。そしてコンピュータの処理能力は極めて貧弱です。


アクシデントを乗り越えて月面着陸を達成していたならば、アポロ11号が奇跡を起こしたもかも知れません。尤も、その後のアポロ計画は、コンピュータの進化によって11号に比べれば難易度は下がっていたのかも知れませんが・・・。


ところで、真空中でロケットを噴射すると、船体に回転が発生します。ロケット噴射は制御が難しく、「共振」を起こしたり不均一な燃焼を発生したと思われます。この極めて不安定な噴射によって着陸船は絶えず3軸方向に回転が生じますが、これを16個のスラスター制御でリアルタイムで補正していたとしたら・・・当時の技術は侮れません。

指の上に立てた鉛筆を垂直に保つ事が出来る技術が存在したという事です。16個のスラスターと非線形な挙動を発生するメインロケットをリアルタイムで制御するという事は、そういう技術なのです。現代は「ムラタコウサク君」が得意とする所ですが・・・。

キューブリックの告白・・・15年秘密にされたインタビュー

2015-12-25 09:35:00 | 時事/金融危機
 

アポロ11号の月面着陸に私は懐疑的ですが、スタンリー・キューブリックの死の直前のインタビューがネットで公開されている様ですね。

インタビュー後15年間は公開しないという守秘義務契約が交わされていた様です。興味が有る方はgogoleで検索されてみては。これが事実ならば「大きなウソ程バレない」という典型ですね。

ところで、キューブリックの遺作の『アイズ・ワイズ・シャウト』は謎だらけの映画です。トム・クルーズとニコール・キッドマン夫婦が主演した上流階級の謎の乱交パーティーを描いた意味不明な作品ですが、陰謀論にどっぷり浸かった今ならば、それが何を意味しているか薄らと分かる気もします。

この作品の完成後数日をしてキューブリックは他界しますが、撮影も編集も秘密裏に行われたと言われています。


「アポロ疑惑」は「陰謀論者をバカにする格好の材料」とされて来ました。「あぽろ計画がウソだなんて、こいつバカじゃねぇ?オレは子供の時にTVの生中継でこの目で見たぜ。感動して涙が出たよ」みたいな・・・。

しかし、これが「壮大なヤラセ」だという事がもし明らかになったならば・・・誰も国家を信用出来なくなってしまいます。だからこそ、アポロ疑惑はこれから先も「疑惑」であり続ける必要が有るのでしょう。NASAからはアポロ計画に関わる当時の記録の多くが何故か紛失していますが、「管理不手際」が原因とされています。

尤も、「疑惑」と言えばアポロなどは夢が有るだけマシとも・・・・ゲフン、ゲフン・・・。


リフレ政策の限界・・・日銀のショボイ追加緩和

2015-12-22 04:06:00 | 時事/金融危機
 
三橋貴明氏の記事にいただいたコメントの反論が長くなったので、こちらに転載します。

現在の日銀の異次元緩和の表向きの目標は2%のインフ
レ目標の達成ですが、日銀はテクニカル的にはマネタリ
ーベースを毎年80兆円積み上げる事を目標値としてい
ます。

マネタリーベースは簡単に言えば現金預金の合計です
が、この中には銀行の日銀当座預金が含まれます。異次
元緩和前は銀行はゼロ金利の資金を日本国債で運用して
利ザヤを稼いでいましたが、異次元緩和後は、日銀に国
債を売却した資金を日銀当座預金に預け0.1%の金利
をノーリスクで稼いでいます。日銀は当座預金に積み上
がった資金で国債を購入しているので市中の資金は増え
ず、極端なインフレは起こり難い状況です。

日銀が本気でインフレを起こそうとするならば、ECBの
様に中央銀行の当座預金金利をマイナスにしてその資金
が市中に出て行く様に誘導すれば良い訳で、この点は日
銀が本気でインフレを達成する気があるのかが疑われも
します。

確かに、銀行は超過準備をベースに信用創造によって貸
出を拡大する事が可能ですが、現在の日本においてはマ
ネーストックはほとんど増えていません。(貸出が拡大
していない)

結果的に異次元緩和後の日本でインフレを生み出してお
いるのは、円安による輸入価格の上昇だけとなっていま
すが、これは原油価格の下落によって相殺され、インフ
レ目標の達成には至っていません。

異次元緩和後に物価の上昇は限定的ですが、不動産や株
式など資産市場ではミニバブルが発生しています。これ
は、日本経済の成長率が低下している中で、ゼロ金利で
ばら撒かれる資金で手軽に金利を稼ごうとした場合、資
産市場で運用する事が合理的な事から、市場に緩和マネ
ーが流入した結果です。

さらに日銀は不動債RIETや日本株ETFを直接購入すると
いう世界の中央銀行でも類を見ない積極的な資産価格上
昇(下支え)政策を実行しています。結果的に日本株は
2万円まで回復し、東京を中心に不動産市場はミニバブ
ルとなりました。

金融緩和政策の大敵は「バブルの形成」ですから、日銀
は危険な橋を渡っている様にも思えます。タワーマンシ
ョンを始めとする東京のプチ不動産バブルは2007年
当時同様に崩壊の兆しが見え始め、株式市場もFRBの利
上げによって世界的に下落圧力が高まっています。

日銀の政策は一見矛盾している様に思われますが、サマ
ーズ元財務長官やクルーグマンは最近、「成熟して成長
力が低下した先進国において経済成長やイノベーション
を達成する為にはバブルが必要だ」的な発言をしてお
り、私はリフレ派は80年代以降、敢えてバブルを作り
出す事によって先進国で経済成長を強引に達成していた
と考えています。その結果、アメリカでは10年周期で
バブル崩壊を繰り返して来ました。

現在の金融緩和バブルは、先進国の国内では無く、金融
市場を通じて新興国で拡大しました。その結果、新興国
のインフラが整備され、生産性が拡大し、新興国の国民
の所得が拡大して大きな需要を作り出しています。

但し、先進国が緩和的金融政策を縮小する過程で、新王
国バブルは崩壊し、アジア通貨危機の様に進行国経済は
グローバルな金融資本家達に安値で買い叩かれる事にな
ります。これはかつて日本のバブル崩壊で起きた事
で、同時にBISがバーセルの基準を厳しくした事で、日
本の銀行は自己資金を厚くする為に持ち合い株を売らざ
るを得ず、それを外資が格安の価格で購入して、日本の
企業は株式によって海外の資本家に支配される結果とな
ります。

この様に中央銀行がリフレ的政策を実行する理由は、低
成長経済を強引にバブル化させ、世界に資金を供給する
事にあると思われますが、バブル崩壊の引き金は中央銀
行の利上げが握っています。

グリーンスパンはアメリカの住宅バブルが指摘される中
で敢えて利上げを先延ばししてリーマンショックの原因
を作りましたが、その結果の世界的な金融緩和によって
新興国経済は大きく発展しました。


この様にリフレ政策の「本音と建て前」は大きく乖離し
ていますが、日銀の世界に例を見ない「異次元緩和」と
いう実験がインフレ率上昇にあまり寄与出来なかった結
果を受け、クルーグマンなどリフレ派の重鎮も、リフレ
政策が無条件にインフレ率を上昇させるとは言わなくな
りました。成長力の落ちた経済では効果は限定的という
認識を示す様になっています。要は、ゼロ金利の制約を
受けるのです。

リフレ派の主張は「ゼロ金利に陥った経済では、リフレ
政策によって実質金利をマイナスに下げる事で資金供給
を拡大し、将来的なインフレ期待を高める必要が有
る」というものですが、これは異次元緩和では初期の期
待の醸生には成功したものの、その後の期待インフレ率
は低調です。

一方、日銀の国債買い入れによって中短期の国債金利が
マイナスになっています。リフレ派的にはマイナス金利
は好感されるものだと思うのですが、日銀は先日の「シ
ョボイ追加緩和」で、購入国債の残存年限を長期化する
事で、中短期国債の購入割合を減らしマイナス金利の発
生を避けています。これはマイナス金利では日銀に損失
が発生するからで、ここら辺がリフレ政策の限界とも言
えます。

一方、マイナス金利の発生の要因は、マイナス金利でも
外国人投資家は為替差益を利用して利益を上げる事が出
来る事で、これが日銀を「ショボイ追加緩和」に追い込
みました。

この様に異次元緩和はテクニカル的には限界に達しつつ
有り、日銀の手詰まり感が顕著になったのが先日の「シ
ョボイ緩和」だと言えます。市場は敏感に反応して円
高・株安が進行します。円高になったのは、これ以上の
規模の追加緩和が短期的には望めない為の調整で、長期
的には日銀の信用失墜は円安要因となって行きます。
この様に通貨政策は「単に通貨を増やせばインフレが達
成され経済が成長する」といった簡単なものでは有りま
せん。

各中央銀行は市場動向を確認しながら、様々な言葉を弄
して市場をコントロールし、通貨政策の変更が過剰は反
応を引き起こす事を抑制しています。これが「市場との
対話」と呼ばれるものです。

FRBは利上げに成功しましたが、これは今年に入ってか
ら各中央銀行総裁が「世界経済は新興国や一部の株式市
場でバブル化しつつある」などと発言して、過剰リスク
を整理させてきた事に勝因が有ります。

但し、ECBと日銀はFRBの政策変更に際して量的緩和を拡
大し、世界的な資金量が減らない様に援護射撃を行って
来ました。ただ、これも今年12月のECBの追加緩和
も、先日の日銀の「ショボイ追加緩和」も規模的には十
分では無く、市場は「失意」を示して株価が下落してい
ます。

FRBの利上げによってジャンク債市場など、ほぼゼロ金
利の資金の支えられた高リスク市場で崩壊が既に始まっ
ています。アメリカの企業などはジャンク債市場で安く
調達した資金で自社株買いを行い、株価を吊り上げると
同時に財務状態を改善していましたから、利上げによっ
てこの好循環の環境が変化しました。ダウ平均など世界
の株価が下落傾向にあるのはこの影響も少なくありませ
ん。

今後は原油などの商品市場、新興国市場、ジャンク市場
から崩壊が始まり、これが株式市場に波及してリーマン
ショック以降の量的緩和バブルが崩壊して行きます。

ここで、FRBが金利を再び下げると、中央銀行の信用問
題から米国債金利などがぴょんと跳ね上がる可能性が有
り、2016年夏以降、世界経済がヤバイ事になりそう
だと予想するアナリストが増えています。

・・・・大変長くなりましたが、多分リフレ派の重鎮達
自身が信じていないリフレ政策が世界に何をもたらすの
か、来年以降、私達は身を持って経験する事になるので
しょう。

<再録>原油価格下落が株価下落に波及する訳・・・ジャンク債バブルと自社株買い

2015-12-21 09:06:00 | 時事/金融危機
 
一年前の記事ですが、今後の株式市場や世界経済を占う上で重要な事なので再録します。
 

■ ジャンク債(ハイイールド債)とは? ■

かねてよりバブル化が指摘されていたジャンク債(ハイイールド債)市場の崩壊が現実化して来ました。

ジャンク債とは信用力の低い会社の社債の事で、デフォルトリスクもそれなりにあるので本来は高い金利を付けないと売れない債権でした。リーマンショック直後はジャンク債のデフォルト率は10%以上になっています。

しかし、リーマンショック後の世界的な金融緩和によって社債市場の金利も低下し、少しでも高い金利が取れるジャンク債市場に資金流入が起こります。

1) 緩和マネーが金利を求めてジャンク債市場に流入
2) ジャンク債の金利が5%以下に低下
3) 信用力の低い会社の資金調達が容易になる
4) 資金調達コストが下がったので問題企業が延命する
5) ジャンク債のデフォルト率が2%程度まで低下する
6) デフォルト率が下がった事で、ジャンク債市場にさらに資金が集まる
7) 7年間でジャンク債市場が2倍の規模の2兆ドルに拡大した

言い方を変えれば、ジャンク債市場は信用力の低い会社の延命装置の機能を果たしていたとも言えます。

■ ジャンク債市場で資金調達していたシェールガス開発会社 ■

アメリカのシェールガス革命においてジャンク債市場が果たした役割は絶大です。

1) シェールガス井戸は2年程で生産量が急減する
2) 次々に新しい井戸を開発しなければ採算が取れ無い
3) シェールガス各社はジャンク債市場で資金調達をし開発を加速した
4) シェール企業を含むエネルギー会社のジャンク債市場における比率は16%に達した
5) マスコミを使って「シェール革命」を過剰に宣伝して資金流入を促した

■ 原油価格下落で自転車操業が立ち行かなくなったシェールガス・オイル ■

ジャンク債市場で資金調達する事で新たな井戸を次々に開発してシェールオイルで採算を取るという自転車操業の図式は、昨今の原油価格の下落で完全に崩れました。

1) アメリカのガス価格はシェールガスの過剰供給によって暴落してしまった
2) シェール開発会社はシェールガス採掘前に採れるシェールオイルで利益を確保
3) シェールオイルの採算ラインは70ドル/バレルと言われている

4) 昨今の原油価格暴落により、原油価格は50ドル/バレルを割り込んでいる
5) シェール各社は採算割れに追い込まれた

シェールガスやシェールオイル、カナダのオイルサンド、深海海底油田など非従来型石油は生産コストが70ドル/バレルと高い為、原油価格が70ドル/バレル以上で無ければ採算が取れません。

石油が枯渇するという話はウソでは有りませんが、それは今では有りません。むしろ現在は需要が減少しているので石油は余っています。リーマンショック前やここ2~3年の1バレル90ドルを超える様な原油価格は、過剰流動性が流入して作り出したバブル相場で、需給関係による適正価格は40ドル/バレルと言われています。

昨日は原油価格(WIT)は50ドル/バレルを割り込んでいます。WITはテキサスで産出される硫黄分の少ない良質原油ですから、質の悪い原油の価格はさらに値下がりしているはずです。

■ 合成債権CBOとして流通するジャンク債 ■

ジャンク債市場の拡大に貢献したのがCBO(Collateralized Bond Obligatio)です。デフォルトリスクが比較的高いジャンク債ですが、いくつものジャンク債を一つの塊にすればリスクを分散できるとするのはリーマンショックの原因となったMBS(住宅担保証券)でも用いられた「大数の原理」によるもです。

ジャンク債は格付け順に「シニア債→メザニン債→ジュニア債」と分類されて売り出されます。この状態で、どの会社のどの様な社債がどの程度含まれているかは分からなくなるので、単純の金利がリスクとバランスしている金融商品と認識され流通します。

■ 「投資信託」などに組み込まれたCBO ■

リスクの高さから本来は流動性の低いジャンク債ですが、CBOに加工された事で様々な金融商品の再加工されています。

「ハイイールド債債権ファンド」などと言う名で金利の高さを売り物にして日本の銀行なども販売しています。

これはリーマンショックの原因となったサブプライム層の住宅ローンがMBOに加工され、さらにそれらがCDOと呼ばれる合成証券に加工されて流通した状況に良く似ています。

ただ、サブプライム層の住宅ローンの規模が1.3兆ドルに対して、エネルギー関連企業のジャンク債の規模は3000億ドルなので、その影響はサブプライム層のローンには及びません。

ただ、合成債権CBOの怖い所は、自分の保有するCBOにどの位シェール企業のジャンク債が含まれているか分からない所です。リーマンショックの反省から、リスクランクに応じたCBOの組成がされているとは言え、市場が疑心暗鬼に陥れば、CBO全体の信用が疑問視される事もあり得ます。

■ 米企業の業績を支える社債市場と自社株買い ■

ジャンクバブルが崩壊しても、それ自体の被害は深刻とは言えません。ジャンク債の金利が従来の適正金利に戻り、投資家達が多少の損失を被るだけです。投資家の中には金利に釣られて「ハイイールド債ファンド」を購入した方達も含まれます。

ただ、ジャンク債市場の金利上昇が、信用力のある社債市場にまで波及すると少々状況が変わってきます。アップルなどの優良企業は現在、極限まで低下した社債の金利を利用して、低コストで資金調達をし、その資金で自社株買いを行っています。

株式配当のコストを自社株買いによって圧縮すると共に、株価を上げて時価総額を吊り上げています。アメリカの優良企業の多くが社債市場で資金調達して自社株買いを行っています。

アメリカの実体経済の回復は遅々としたスピードですが、株価が上昇し続ける原因の一つには自社株買いの存在が有るのです。

■ 資源価格の下落はQE3の終了から始まっている ■

昨今の原油価格の下落の理由に、サウジアラビアなど産油国のシェールガス潰しがあると報道されています。しかし、サウジアラビアはアメリカの傀儡国家なので、この報道はブラフでしょう。

本当の目的はロシア経済に対する圧力にあると思われますが、ロシアは中国との貿易決済にドルの使用を中止するなど、ロシア制裁は中露のドル離れやBRIC's諸国の結束を強めつつあります。

そもそも、現在下落しているのは原油価格だけでなく、鉄鉱石や銅などほぼ全ての資源価格げ下落しています。この傾向はQE3の終了前から始まっています。

資源価格は緩和マネーが流入して高値が続いていました。ただ、資源価格は現実の需要という分かり易いベンチマークが有るので、世界経済が減速して実需が縮小すれば価格が下落に転じ易くなります。

QE3の終了は投資マネーの供給が確実に減る事を意味していますが、その影響を、実需低下の影響を受けていた現物市場が最大に被ったと言えます。そして、それに伴って資源国市場からの資金の引き上げが発生しました。

■ ヘッジファンドが損失の穴埋めに株を売る ■

昨年来、株価の動きが不安定になっていますが、現物市場で損失を発生させたヘッジファンドなどが株を売って損失を補てんしている為だと思われます。アップルなど優良株が値下がりしていますが、ヘッジファンドなどが買い上げていた銘柄です。

この様に資産市場の下落の影響は、株式市場にまで波及していますが、資産市場の価格は底に近付いているので、株式市場の混乱は一時的かも知れません。

ただ、社債市場の金利が上がれば、自社株買いのループに影響を与えるので、米株式市場の上値は重くなるでしょう。

■ FRBの金利正常化にはいくつものハードルが有る ■


現在の市場の混乱はQE3の終了のテール効果とも言えますが、今年予想されているFRBの金利正常化が始まれば、資金循環の歯車が一気に逆転する可能性も有ります。

FRBに変わる資金提供者として追加緩和に踏み切った日銀の存在は小さくは有りません。確かに日本からの海外投資が拡大していますが、その量はFRBの穴を埋めるには不十分と言えます。

そこで、ギリシャ危機がクローズアップされ、ECBを量的緩和に追い込もうとしてるのでは無いでしょうか・・・・。

ヨーロッパではデフレ化がほぼ確実になる一方で、ギリシャやウクライナへの融資が焦げ付こうとしています。東欧の銀行や、スペインの銀行の経営が怪しくなりつつあります。そろそろECBも量的緩和に踏み込まざるを得ない状況です。

いえ、ECBの量的緩和へのオネダリが、株式市場を混乱させているのかも知れません。