人力でGO

経済の最新情勢から、世界の裏側、そして大人の為のアニメ紹介まで、体当たりで挑むエンタテーメント・ブログ。

肩の力を抜いて楽しめる今期アニメ

2014-07-26 08:00:00 | アニメ
 

■ 息子からメール・・・「今期アニメのお勧めを教えて?」 ■

今年の春から就職して東京で1人暮らししている息子から珍しくメール。「今期アニメのお勧めを教えて?」

・・・オレ、50歳を目前とした親父としてどーよ・・・。

しかし、アニメトークは息子との重要なコミュニケーンとなっているので、次の様な作品を勧めしました。社会の荒波に揉まれる息子のリフレッシュの一助になれば・・・。

月刊少女野崎くん


夕暮れの教室。女子高生の佐倉 千代(さくら ちよ)が片思いの男子に勇気を出して告白します。「野崎くん、ずっとのファンでした。」告白された長身で寡黙な男子が差し出したのはサイン色紙。思いがけないリアクションにテンパった佐倉は「ずっと一緒に居たい!!」と思わず言ってしまいます。「じゃあ、俺んち来る?」

・・・軽い、軽すぎるぞ、野崎くん。

野崎君の部屋に連れ込まれて覚悟を決めた佐倉。「野崎くん、私頑張ります!!」そう宣言した佐倉の前に差し出されたのはマンガの原稿。「そこ、ベタ塗っといて」。

実は野崎くんの隠れた素顔は、売れっ子少女マンガ家。月刊誌で人気作品を連載しています。野崎くん、密かに佐倉さんに目を付けていました。佐倉の描いた美術部のポスターの、はみ出しの少ない「塗り」に注目していたのです。

4コママンガ原作のアニメ化ですが、少女マンガを題材にした小気味よいネタがポンポン飛び出して来ます。早速、娘が友人に原作マンガを借りて来ましたが、これ、原作も結構面白く、4コママンガのリズムをアニメは上手く再現しています。

このテンポは、昨今の漫才のボケ・突込みのスピード感に似ています。ヒネリのセンスも似ています。「起承転結」で語られる事の多い4コママンガですが、漫才の呼吸をTVのお笑い番組で自然に身に着けている現代の若い作家にとっては、「起=振り」「承=受け」「転=ボケ」「結=突込み」といった感じでリズムを取り易いのかも知れません。

ところで、背景の音がやけにリアルだと思ったら、音響は『ローゼンメイデン』や『革命機ヴァルヴレイヴ』の監督の松尾衡。そして、オープニングの演出は『鉄腕バーディーDECORD
』の神作画?で注目されたりょーちも。色彩は『夏雪ランデブー』で松尾衡と組んだ石黒けいという贅沢なメンバーです。


LOVE STAGE


「BL」と聞いて「ボーイズラブ」ととっさに思い浮かぶのは、ちょっと腐った方かと思いますが、これはそんな腐女子向けの作品。

普通なら、生理的に受付ないハズなのですが・・・この作品は抵抗感が少ない。「お前は俺無しでは生きられないんだよ・・・」といったBLものの定番の展開とは180度違う方向に突っ走っているので、男性でも面白く見れるのかも知れません。

俳優の両親、兄も人気ミュージッシャンの和泉(いずみ)は、マンガ家を目指す普通の大学生。相当シャイな性格。ところが、子供の頃に両親と出演したCMの続編のオファーが来たからさあ大変。だって、和泉は女の子の役で当時CMに出演していたからです。無理やり花嫁姿にさせられて撮影に臨む和泉でしたが、撮影で彼のファースト・キッスがいきなり奪われます。相手は、成長して人気俳優となった一条竜馬。彼は子供の頃に出会った和泉を忘れられずにいます(もちろん女の子だと思い込んで)。念願の再開を果たした竜馬が和泉が男である事を知った瞬間・・・「この変態女装野郎が、俺様にフォローさせてんじゃねーぞ」と悪態の数々。超オレ様野郎だったのです。

ところが、和泉が男と分かっても、長年の恋心は冷めません。モヤモヤとした気持ちに踏ん切りを付ける為、再び和泉に合う竜馬でしたが・・・・!!

BL物の先入観の斜め上と言ううか、斜め下を行くこの作品、シリーズ構成と脚本が横手美智子だったりして、意外に面白い。(引きの悪さは、ゴールデンタイムと似ていますが)。

生理的に受け入れられる間は、なんだかんだ言って見てしまいそうです。

六畳間の侵略者

父親の海外赴任で1人暮らしを始めた高校1年生の里見孝太郎。彼は親に負担を掛けない為に家賃5千円のアパート暮らし。ところが、このアパート安いのには訳があります。そう、出るんです幽霊が。

幽霊は自分のテリトリーを侵されてラップ音やら何やらで孝太郎を追い出しに掛かりますが、彼は一向に気づきません。ある日孝太郎が学校から帰ると、部屋の中に見知らぬ少女が・・・彼が部屋から追い出すと、何とドアをすり抜けて戻って来た!!彼女はこの部屋の幽霊だったのです。「私の部屋から出て行きなさいよ」「家賃5千円のこの部屋は絶対に渡さないぜ!!」と一歩も譲らぬ二人。すると窓ガラスを突き破って、魔法少女が落ちてきた。「この部屋には悪い魔女達が集まろうとしているんですぅ。」とたどたどしく訴える魔法少女に「コスプレパーティーなら他所でやれ!!」と言い放つ二人。

ところが、今度は畳の1枚がまくれ上がって、地下から地底人の巨乳女が現れた!!「この地は地底に追いやられた我が一族にとって重要ば場所、どうぞお譲り下さい」と金塊を差出し、色香で孝太郎を籠絡に掛かります。

と、今度は壁から宇宙人の少女が現れた!!「この部屋はワラワの物じゃ」

・・・・もうこれ以上アホらしい展開があるかというオープニングですが、「宇宙人、未来人、異世界人、超能力者がいたら、あたしのところに来なさい。」という「ハルヒ」のあの名セリフを見事に踏襲しています。

普通なら1分で切る内要ですが、演出の上手さからついつい2話、3話と見てしまいます。監督は『ココロコネクト』『私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い』『のうりん』の大沼心。『のうりん』でも見せた、バカバカしい作品でも面白くしてしまう手腕は流石としか言いようが有りません。

大沼心の昭和歌謡趣味全開のEDは最高です。

OPの曲も演出も、萌えアニメとしては神掛かっています。特に2話のOPへの繋ぎの演出は神。

残響のテロル


『カーボーイビバップ』『坂道のアポロン』『スペース☆ダンディー』の渡辺信一郎と菅野よう子のコンビと来れば、多くの人達が今期の大本命に上げるでしょう。

東京で爆弾テロを起す若者二人と警察の対決はスリル満点で、ドラマも重厚で見応え十分です。都庁をテルミットで爆破解体するシーンは、911の米国自作自演説を元にしたもの。

見ない訳にはいかない作品である一方で、どうもリズムが悪い。『東のエデン』や『サイコパス』同様に、リアルが故に、アニメ的な匂いがどうも鼻に付いてしまいます。菅野大先生もこういう作品は苦手だと思います。音楽がドライヴしていませんし、主題歌はマクロスのセルフコピー・・・。どうも天啓が降って来ないご様子・・・。

東京人喰(グール)


本屋のマンガコーナーでオーラを放ちまくる作品のアニメ化。人を食べるグールになってしまった大学生の葛藤を描く作品ですが、ディテールで引きつける演出で見応え十分。グロテスクな描写が苦手で無ければ見て損はしません。

OPは「凛として時雨」というグループ。曇りガラスを引っ掻く様な男性ボーカルが苦手でしたが、このOPの曲はGOOD。EDも好い感じ。




烈車戦隊トッキュウジャー


先日家内が携帯のワンセグ(我が家の唯一のTV)でタマタマ見て、「今度の戦隊物、面白いよ」と言わしめた作品。

何と、シリーズ構成は小林靖子。

先日、暇な時、1話目を見て仰天。『メガレンジャー』が帰って来ました・・・そんな感じ。或いは、『仮面ライダー電王』の戦隊バージョン。

カラリと明るくオバカ炸裂の作品ですが、変身シーンの「駅の構内アナウンス」を彷彿とさせるアナウンス?からして、もうノリノリで最高です。

ロボットの特撮がCGでは無く、実写になっている所は、往年の戦隊物ファンには涙が出る程嬉しいのでは?未だ、3話しか見ていませんが、戦隊物の歴史に、新たな名作が誕生した事を確信しました。

50歳を目前にしたオッサンが戦隊物で感動なんてアホかとお思いでしょうが、子供と日曜の朝の戦隊物を見た経験のあるお父さんお母さん方ならば、きっとこの作品の素晴らしさが伝わるはず。

何故、何十年もの長きに渡り戦隊物が放映され続け、現在も地方に続々とご当地ヒーローが誕生するのか?それは、戦隊物が子供達の心にストレートな感動を刻むからでは無いでしょうか。そんな戦隊物の中でも、歴史的名作を手掛けて来た小林靖子作品だけに、目が離せません。

(いつもは戦隊物なんて見ませんよ。小林作品だけは見てしまいますが・・・)



以上、今期アニメ(特撮)で面白いと思った作品を紹介しました。
今期は肩の力を抜いて楽しめる作品が多い様に感じます。

では、アニメファンの方々、今期も存分に楽しみましょう!!