人力でGO

経済の最新情勢から、世界の裏側、そして大人の為のアニメ紹介まで、体当たりで挑むエンタテーメント・ブログ。

千鳥ヶ淵の桜は5分咲き

2014-03-30 09:15:00 | 自転車/マラソン
 



東京の桜の開花宣言も出て、本格的に春の到来です。
あいにく日曜日は雨なので、知人と花見を予定していましたが中止です。

雨に降られる前に桜を見ておこうと思い、ジョギングの行先を皇居の千鳥ヶ淵にしてみました。本日は気温が20℃を越えているので、長袖のTシャツでは暑いくらいです。

浦安から皇居までは葛西橋通り(永代通り)を一直線。

上の写真は永代橋から見た「春のうららの、隅田川」です。
隅田川は元々は荒川の本流です。放水路としての荒川が作られるまでは、かつては暴れ川として何度も氾濫を繰り返していました。

江戸時代は荒川水系、利根川水系の川筋を変える大工事が何度も行われ、治水と共に水運が整備されてきました。江戸の荷物輸送は水運でしたので、東京の沿岸部には多くの運河が今でも数多く残っていて、それぞれ〇○川という名前も付いています。今では、川の周辺が親水公園として整備されている所も多い。そして、数多くの小さな橋が掛かっています。




隅田川を越えると、東西線の茅場町、日本橋を抜け、大手町へと進みます。最近、京橋、日本橋、八重洲、丸の内、大手町といった東京のかつての中心地の再開発が急ピッチで進められています。

上の写真は三菱UFJ銀行とその周辺ですが、潤沢に供給される低金利の資金で東京は今生まれ変わろうとしているのかも知れません。東京オリンピックに向けて、戦後に建てられた古いビルの建て替えが急ピッチで進みそうです。

東京のスカイラインは、世界の大都市のそれに似て来たと思う今日この頃です。



浦安から15Kmで皇居に到着します。皇居の周りを2周くらい走ろうかと思いましたが、最近自転車ばかり乗っていたので、既に足が売り切れ・・・。観光気分で皇居の周りを歩いて千鳥ヶ淵に向かいます。上の写真は北の丸公園の入り口のしだれ桜。満開です。



千鳥ヶ淵の桜は5分咲き。多分、来週前半に満開になりそうです。
ボートから見る桜は格別でしょう。





武道館の九段下側も5分咲き。




ところで武道館の周辺を若者達が埋め尽くしていました。何のコンサートかなと思ったら、声優の田村ゆかりさんのイベントが開催されたえいる様です。

田村ゆかりさんと言えば、『のうりん』のリンゴちゃん役。OPも歌っていますね。



第一話が上の様なシーンで始まった『のうりん』。
オタクアイドル物かと思いましたが、今期最高の農業エンタテーメントアニメでした。
ところで、田村ゆかりさんの御年は37歳だそうで・・・詐欺だ!!

アイドルのイベントと言えば、「いかにも」な風体の方々が集まっていると想像しがちですが、小ざっぱりとした普通の中高生や若者が多かった様です。女の子が結構居る事に驚きました。アニメ文化というのは、もう立派に表のカルチャーとして定着しているのですね。

アキハバラもかつての怪しい雰囲気は既に無く、アンダーグランドとしてのオタク文化にはは中野ブロードウェイくらいでしか出会えなくなって来ました。最近、中野では髪の毛を青や赤に染めた外人の女の子に結構出会います。日本人はアニメの青髪や赤髪は脳内で普通の色に変換されますが、外人はそのまんま受け取っているのがとても興味深い・・・。「青や赤の髪なんて普通イネーよ!!」と突っ込みたくなるのをグっと堪えています。



今週は忙しくて、なかなかブログの更新が出来ませんでした。

来週のポイントは年度末で買い支えられている日本株がどこまで値下がりするかですが、海外勢は既に相当売り抜けています。さらに売られるのか、あるいは年度末でしっかり設けた海外勢が買いを入れて来るのか・・・・。消費税アップによる景気低迷を考えると、上値は重い様に思われます。・・・・だいたいハズレる人力予想です。

アメリカの景気回復は本物・・・単なる水膨れ

2014-03-26 06:17:00 | 時事/金融危機
 

■ アメリカの景気は本当に回復しているのか? ■

「アメリカの景気が回復している」事を前提にFRBはテーパリングを実施しています。多くの経済アナリスト達も「アメリカの景気回復は本物だ」と言っています。

そこで本日はアメリカの景気の実情について素人ながら考察してみます。

■ 雇用は回復しているが、平均所得は減少している ■


http://gogogofx.com/contents/usadata/nofarmerworklong.html より

上のグラフはアメリカの雇用者数の推移です。
リーマンショックで大きく落ち込んだ雇用数ですが、その後は順調に回復している事が分かるかと思われます。

FRBは失業率の改善目標を6.5%としていますが、失業率は景気が回復して求職活動をする人が増えると増加する傾向があるので、雇用状況の把握としては雇用者数推移の方が実体を履飽きし易いかと思います。



こちらはアメリカの実質GDPの推移ですが、こちらもリーマンショックで少し落ち込みましたがその後は順調に回復しています。2010-2013年の実質成長率は1.8%で低調ではあるが、成長はしています。


http://lets-gold.net/chart_gallery/chart_usa_macro_case-shiller.php

ケースシスラーの住宅価格指数も2012年から改善が顕著になっています。

これらのデータを元に、「アメリカの景気は確実に回復している」と言うアナリストが増えています。

■ マネタリーベースの拡大に比べて緩やかな実体経済の景気回復 ■


http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_44.html

その間、FRBが量的緩和でどのくらいマネタリーベースを拡大したかと言えば4倍です。FRBがジャンジャンとドルを供給した割には、GDPも雇用者数の改善も緩やかです。


http://lib.ruralnet.or.jp/nisio/?p=2769

上のグラフはアメリカの所得の中央値の推移です。2000年頃から定価し始めますが、これはITバブル崩壊の影響でしょう。その後、FRBの緩和策でアメリカは住宅バブルになりますが、住宅価格の上昇による購買力の増加による好景気によってアメリカ人の所得が回復した事が分かります。しかしFRBは金利引き締めのタイミングを逃したのでリーマンショックによって偽りの回復は敢え無く崩壊します。

問題はリーマンショック以降、FRBはマネタリーベースを4倍に増やしたのに、アメリカ人の所得の中央値が低下している事です。

一方、所得が低下傾向にあるにも関わらず、アメリカの小売売上高(自動車を除く)は順調に増加しています。大型耐久財である自動車を除いた統計なので、生活必需品の売り上げ高と見る事が出来ます。


http://lifecycletheory.blogspot.jp/2012/06/blog-post_14.html

インフレ率の推移を確認してみます。


http://ecodb.net/country/US/imf_inflation.html

一時的な落ち込みを除けば、平均2~3%のインフレ率を維持しています。この事から小売売上高の上昇は、インフレ率の上昇を反映したものであると言えます。要は、数量が伸びているのでは無く、価格が上昇しているのです。

ただ、FRBがマネタリーベースを4倍に拡大したにも関わらず、インフレ率がこの程度に抑えられている事にこそ、アメリカ経済の本質的問題があります。FRBの量的緩和は、消費の維持する効果はありますが、消費拡大に繋がっていないのです。

■ 資産市場が水膨れしただけ ■


http://ecodb.net/stock/dow.html

上のグラフは2009年からのダウ平均の推移です。リーマンショックの底値から2倍に上昇しています。これを「正常化」と見るか、それとも「バブル」と見るかで見解が分かれる所です。

何れにしても、FRBの量的緩和によって、株式市場と債権市場は価格が上昇しています。この価格上昇は、実体経済の拡大に比べて格段に大きいので、単にマネタリーベースによって増えた資金の行先が株式や債券市場だったと言う事でしょう。

住宅市場の値上がりも同様に、低金利と資金供給に支えられています。この先の住宅価格の上昇を見込んだ投資資金が流入しています。

■ アメリカの消費の低迷は、中国の輸出量に表れる ■

ここに来て中国の輸出が減少しています。アメリカを始めとする先進国の輸入量が減っているからです。

アメリカではインフレ率も鈍化していますし、2013年後半以降、実体経済がやや失速気味では無いかと私は感じています。

■ 失業率は口実で、資産市場に呼応したテーパリング ■

FRBは量的緩和の縮小に踏み切っています。その理由に失業率の低下を上げていますが、実際にはアメリカの実体経済の回復は弱弱しく、最近ではインフレ率も低下傾向です。

それでもFRBがテーパリングを粛々と進める理由は、資産市場のバブル化を牽制しているのでしょう。FRBの金融緩和に実体経済はあまり過敏に反応する事はありません。一方で、資産市場はイエレン議長の一言一言に過敏に反応しています。

結局FRBの金融緩和は実体経済の改善を目的としているのでは無くて、資産市場の崩壊を付設目的で実施されています。

結果的には金融恐慌を防止する事で、実体経済えの悪影響を防いでいるので、この事自体が悪い事ではありません。むしろ必要な処置でした。

■ 資産市場は正常化出来るのか? ■

現在の資産市場は各中央銀行の供給する緩和マネーによって支えられています。資産市場や金融市場の正常化は、これらの緩和マネーが無くとも市場が安定して維持出来る状態を指すはずです。

現在がFRBは粛々とテーパリングを実行する一方で、日銀は黙々と日本国債を買い増して円を金融機関に供給しています。日米金利差が広がりつつあるので、日本の資金はアメリカに流出し易い状況にあります。

FRBのテーパリングのバッファーとして日銀の異次元緩和が有るのでしょう。今後、FRBのテーパリングの状況によっては、米国債の需給がひっ迫する状況もあるかも知れません。しかし、その場合は新興国危機や日経平均に圧力を掛ければ資金は米国債に還流して来ます。

FRBがテーパリングを続けると言う事は、新興国市場や、アベノミクスで買い上げられた日本株市場から資金逃避が起こる事を前提にしているのかも知れません。

■ 綱渡りの金融政策 ■

現状のアメリカの金融政策はかなり綱渡り的だと私は感じています。市場はドルの崩壊を望みませんが、ある程度のボラティリティーを必要としています。日本国債市場の様に低金利で安定した市場は彼らには魅力が無いからです。

ある程度の金利が確保出来て、ある程度市場価格が変動する状況を市場は欲します。出来れば、右肩上がりの相場を期待しますが、それが叶わなければ不安定な価格変動を作り出してそこから利益を確保しようとします。

一方的に緩和を拡大している時は市場は比較的平穏です。しかし、一度資金供給が減少に転じると、市場は「下落」を意識しながらゲームを続ける展開となります。

市場参加者の脳裏に「下落」の文字が点滅している状況で、各中央銀行総裁の発言に注目が集まります。何でも無い言葉の裏の裏を勝手に解釈して、ゲームは進んで行きます。

誰もが椅子取りゲームの音楽が鳴り止む事を知っている状況で、FRBははたして金融を正常化して金利を上げる事が出来るのか・・・・?

テーパリングの開始で混乱が無かった事で、世界は一時楽観に包まれましたが、根本的問題は何ら解決していない事を誰もが忘れた訳ではありません。


「アメリカ経済が力強く回復している」という楽観は、投資家達に短期的な利益を齎すでしょうが、長期的に見れば楽観が損失を生む可能性は否定出来ません。

ウクライナ情勢を「材料」にしている内は安全とも言えますが、アメリカの実体経済の回復が大方の予測に反して弱い事が鮮明になった時、FRBははたしてテーパリングを継続出来るのか・・・色々と興味は尽きません。

アメリカがウクライナの金をFRBに持ち去った・・・浜田和幸議員の国会質疑

2014-03-24 02:26:00 | 時事/金融危機
 

■ CSIS出身の不思議な議員、浜田和幸 ■


浜田和幸議員が国会質疑で「アメリカがウクライナの金33トンをFRBに持ち出した」と語っています。

浜田議員は面白い経歴の持ち主で、かつて米戦略国際問題研究所(CSIS)に在籍しており、米議会関係の主任調査員をしていました。要はロビー活動の為の下調べです。

CSISと聞くと先の安倍総理のCSISでのスピーチが頭に浮かびます。「アミテージさん、ありがとう・・・」ってやつです。

CSISはアメリカのシンクタンクですが、アミテージなどジャパンハンドラー図の面々が在籍しロビー活動を繰り広げています。次のブログにSCISについて詳しく掛かれています。

http://satoshi.blogs.com/life/2013/02/csis2.html

ジャパンハンドラーズ達が根城にするだけでなく、小泉純一郎が次男の小泉進次郎を、渡辺恒三が長男の渡辺恒雄を送り込んむなど、CSISでジャパンハンドラーズ達と交流を深める事で、次代の日本の指導者になる準備がされるとも言えます。

本来、CSISの存在は日本国民にあまり知られたく無いはずですが、CSIS出身の浜田議員は、東日本大震災の復興を担当する総務大臣政務官時代に次の様な答弁をしています。

「人工地震や自然改変兵器を多くの国々が研究開発に余念が無く取り組んできたのは事実であります。しかも地震或いは津波というものを人工的に起こすという事は、実は技術的には充分可能だと言われている事は、国際政治軍事の上では常識化されている訳であります。」

震災当時、浜田議員は自民党に在籍していましたが、枝野官房長官の要請で自民党を離党し、民主党政権で震災対策を担当する総務大臣政務官に就任しています。多分、アメリカとの太いパイプを買われたのでしょう。

■ ウクライナからアメリカが33トンの金を持ち出したと国会で発言した浜田議員 ■

その浜田議員がウクライナ情勢に関する国会質疑の中で次の様な発言をしています。

「アメリカはウクライナが保有する金33トンを一方的にNY連銀にに持ち出している。又、アメリカの企業のカーギルですとかシェブロンといった大手企業はウクライナの持つ資源を収奪するかの様に企業買収に走っている。これはある意味火事場泥棒と言える様な報道が一部。支援をすると言いながらウクライナの富を収奪する様な動きがある。」

FRBは世界各国の金をフォートノックスの地下金庫で管理しています。日本国の金もそこに在ると言われています。

一方、フランスやドイツなどはアメリカから金を自国に運んでいます。フランスは戦艦で金を輸送し、ドイツはアメリカから段階的に金を返還する様に議会が求めています。

この様に金を巡る国際間の駆け引きは微妙なものがありますが、凡そ、アメリカの配下に下る時には手持ちの金を差し出すと言うのが儀式みたいなものなのかも知れません。

■ 陰謀側の人間がリークを繰り返す不思議 ■

私が気になるのは、本来なら陰謀側の人間である浜田議員が、陰謀をリークする意味です。

「地震兵器や津波兵器」の存在を明らかにする事に何の意味があるのでしょうか?ウクライナの金塊移送をリークし、カーギル(食物メジャー)などがウクライナの資源を狙っていると語る事は彼の立場を危なくしないのでしょうか?

浜田議員がCSISやジャパンハンドラーズ達と完全に袂を分かち、世界の裏側を白日の下に曝す事を目的としているならば、震災時に民主党が彼を招へいした事には疑問が生じます。彼が政権に居る事がアメリカとの連携を悪くすると思えるからです。

あくまでも憶測ですが、次の二つが考えられます。

1) 陰謀のリークが陰謀側の利益に繋がる
2) 311が人工地震であったとバラスぞというアメリカ側への脅し

1)のケースの場合、ジャパンハンドラーズ達の利益と、リークされた陰謀を仕掛けた者達の利益は相反するはずです。ウクライナにしても金を移送したり、ウクライナ市場を乗っ取ろうとしている連中と、アミテージ達が反目している事になります。

2)のケースでもこの脅しは有効です。

■ 世界を変革しようとする一派と、従来の世界体制を維持したい一派が存在する? ■

私の個人的な見解ではアミテージらジャパンハンドラーズ達は、陰謀側でも保守派に属している様に感じられます。第二次世界大戦以降、ロックフェラーが構築した世界秩序を維持しようとしている様に思えます。ロックフェラーの築いた日本利権こそが彼らの力の根源だからです。

一方で、日中間の緊張を煽ったり、ウクライナでロシアを挑発したりと、地政学的な緊張を煽っている一派が最近暗躍している様にも思えます。これらの一派は、かつての冷戦構造を再び世界に再現しようとしている様です。

ロスチャイルドとロックフェラーと言う分類が正しいのか、或いは田中宇氏の言うところの「米英協調派」と「隠れ多極主義者」という分類が正しいのかは定かではありませんが、どうも権力の中での対立が存在している様にも感じられます。

田中氏によれば「冷戦構造」は「米英協調派」の好きな戦略だそうです。「米英協調派」とは即ち「イギリスによるアメリカ支配」を意味しています。かつての覇権国家イギリスの資本家達が作り出した人工国家がアメリカです。彼らはアメリカに世界の富を集中させ、そこから上米を跳ねる事で巨大な利益を生み出しています。

いずれにしても、リーマンショック以降も様々な「陰謀論的な仕掛け」が世界で散見されました。日本の近くでは「韓国哨戒艇の沈没事件」や、北朝鮮による「大延坪島砲撃事件など、処理を誤れば朝鮮半島有事に繋がる事件も起きていますが、不発に終わっています。

■ 日本は1000億円のウクライナ支援を発表 ■

日本政府は早々に円借款を含む1000億円のウクライナ支援を発表しています。

IMFから催促が来る前に先手を打ったのでは無いかと思いますが、はたしてこれでお茶を濁せるかどうか・・・。

ウクライナは単なる民族対立では無く、世界の様々な利権や思惑が渦巻く修羅場と化しており、犠牲になるのはいつでも地政学上の戦略拠点です。

そして、日本も地政学上はシーパワーとランドパワーの境界に位置する最前線である事を私達は忘れてはいけないのでしょう。




本日は月曜から陰謀論的な妄想を垂れ流してしまいました。


何かと胡散臭いウクライナ情勢ですが、一番影響を受けるのはヨーロッパ。ロシアとの対立が深まってガスの供給を遮断されるとヨーロッパ経済は震え上がります。これはユーロ安を引き起こす要因にもなります。

一方、天然ガスの市場の価格も急上昇するので、日本にとっても大問題となります。

喜ぶ国が一つだけあります。アメリカです。シェールガス詐欺の延命にもなりますし、テーパリングの進行で需給が不安定化する米国債への資金還流も期待出来ます。ドルや米国債が不安定になる事は、現時点では世界のどの国も実際には望みませんので、世界が結託してウクライナ危機を演出しているのでは無いかと陰謀論者の私などは考えてしまいます。

何れにしても、ウクライナ問題がくすぶる間は、資金は安全資産としての米国債に集まる傾向があるでしょうから、日本の株式市場からの資金流出は、消費税の増税の影響も相乗してしばらくは続くと思われます。

一人ブルべ・・・初めての200Km越え

2014-03-23 05:07:00 | 自転車/マラソン
 





■ 鴨川往復 200Kmに挑戦 ■

本日は春分の日。
ついこの間まで5時には暗くなっていたのに、日も大分長くなりました。
日没時間が遅くなるという事は、自転車乗りにとっては距離が延びるという事に等しい。そこで本日は鴨川往復200Kmに挑戦します。

先日、ホイールをカンパニョーロのZONDAに交換したので、本日のコースは浦安→養老渓谷→清澄山→鴨川→清澄山→養老渓谷→浦安という完全往復コース。ポイントは復路の初っ端に清澄山ヒルクライムを入れた事。ここで思い切り脚を使って、はたして浦安まで帰り着けるのか、新しいホイールの性能を試してみます。

本日は輪講袋を持たずに、背水の陣で挑みます!!

往路の養老渓谷までは快調です。八幡宿で国道を離れるまでのメーター読みの平均時速は30.5Km/h。一生懸命漕いでいる訳では無いのですが、こういうスピードが楽に出るのがさすがに最新のホイールです。

養老渓谷までノンストップで走って、メーター読みの平均速度は28.9Km/h。これ今までの最速記録です。28.7Km/hというのが今までのコースレコードでしたから、速度がそれ程上がった訳ではありません。しかし、疲れ方が全然違います。今まで、平均28Km/hを越えるペースで養老渓谷まで来たら、ここから先の山道の足は残っていませんでした。しかし、本日は全然足に疲労がありません。軽いホイールの効果は確実に実感出来ます。

養老渓谷から鴨川までは、養老清澄ラインを通って、清澄山を裏から登ります。ダラダラと登るコースですが、緩い坂道は立漕ぎでガンガン登ります。清澄山の頂上で休息せずに一気に坂を下ります。下りの安定性も悪く無く、ラインも思った通りに取れます。ホイルの剛性もまずますの様です。ただ、ホイールが軽いので、下りの加速はマイルド。それでも、最高速度は60Km/h出てました。

山を下ってから鴨川まではあとちょっとです。いつもは山越えして来ると脚が重いのですが、本日は軽快にペダリングして鴨川に到着。メーター読みの平均時速は27.1Km/h。悪く無い。

■ お昼は太海の「画家の宿」で絵に囲まれながら ■

本日は復路の電車賃は掛からないので、昼は美味しいものを食べよう!!

太海の笹寿司さんで、「おらが海鮮丼」にしようと思い鴨川から一駅先の太海を目指します。太海は小さな漁港がある外房らしい景色が広が所です。大好きな場所なので、ご飯の前に少し散策します。



こじんまりした漁港が、なんとも言えない雰囲気を醸し出しています。



丁度干潮で岩場が出ています。天草を取っている様です。



仁右衛門島は小さな島ですが、渡し船が出で渡ります。この島、個人の所有物で、源頼朝が房総に潜伏していた時に世話になった地元の豪族にあげたものだとか。そこから代々この一族が所有しています。島の頂上には、民家があって現在もこの一族の人達が住んでいます。

夏は海水浴やバーベキューを楽しむ人で賑わいますが、今の時期は閑散としています。

渡し船の船着き場のすぐ近くにあるのが、「画家の宿」として有名な「江澤館」。何と木造4階建ての古い旅館です。

7~8年前に家族でご飯を食べた事があるので、お昼を食べられるか聞いてみるとOKだそうです。



二回の大広間の壁には所狭しと、ここを訪れた画家達の絵が飾られています。





迫力ある不動明王の絵は「小泉清」。彼は小泉八雲の三男。



この独特な絵は小西保文。

この他にも有名が画家の絵が並んでいます。
こちらは江澤館のホームページにあるギャラリー。

http://www.awa.or.jp/home/ezawakan/newpage6.htm

江澤館に画家達が逗留する様になったのは明治時代から。太海の根太海岸の風景を見出したのは日本の油絵の元祖とも言える浅井忠でした。その後、多くの画家達がこの海岸を写生しています。

安井曽太郎もその一人で、江澤館の一室に逗留して、その窓からの風景を描いています。その部屋は現在でも当時のまま残されています。







この窓からの風景を描いた作品が、安井曽太郎の代表作の「外房風景」です。



現在も江澤館には、大学の美術部が合宿に訪れるなど、日本画壇の聖地の一つとも言える場所となっています。以前、NHKの日曜美術館でも紹介されています。

そして、江澤館のもう一つの名物が・・・女将さん。
髪の毛を、『千と千尋の神隠し』のユバーバの様に結い上げた女将さんは、とにかく話上手。一見のお客さんも直ぐに打ち解けてしまいます。多くの画家達が女将さんの絵を残しているのも納得出来ます。

ところで、お昼に食べたのは・・・



陶板焼き定食。本当は「おらがさざえ丼」を食べるつもりでしたが、自転車で身体が冷えていたので暖かい物が食べたくなりました。

■ 目的は「鴨川エナジー」 ■

実は本日の真の目的は「鴨川エナジー」。

アニメ『輪廻のラグランジェ』の劇中に出て来る謎のドリンクですが、これが本当に発売されています。生産ロットが少ないのでイベント等で販売されていますが、先日娘のクラスメートが部活の試合で鴨川を訪れ、何と「鴨川エナジー」を買って来たと言います。ネットで調べると、「道の駅 鴨川オーシャンパーク」で手に入る様です。

太海から海岸沿いを少し走ると、鴨川オーシャンパークに到着します。



ここ、いつも買い物の人で賑わっています。海の眺めも最高です。



これが問題の鴨川エナジー。劇中で飲んだ人が体調を悪くする程の謎のドリンク。でも、実際は普通のサイダーでした。「強炭酸」と書かれていますが・・・普通の炭酸飲料です。



オーーート。壁に『輪廻のラグランジェ』のポスターを発見。これは嬉しい!!

■ 菜の花は終わっていた・・・ ■

今回はもう一つ見たいものが。それは菜の花です。
鴨川市役所の近くに田圃を利用した一面の菜の花畑があるらしい。「菜な畑ロード」と名付けられた毎年恒例のイベントです。

その前に鴨川市役所の観光コーナーをチェック。



残念ながら、以前貼られていたポスターは撤去され、「らぐりん通信」もありませんでした。唯一、観光地図の片隅にまどかが・・・・。アニメによる地域振興って、継続が大事だと思うのですが・・・。



ところで菜の花畑はご覧の状況。田植えシーズンが始まって、代掻きされてました。唯一、この畑だけに菜の花が・・・。1週間、遅かったみたいです。

■ 清澄山 ヒルクライム ■

さて、復路は清澄山のヒルクライムからスタートです。

標高は300m程度。最大斜度も8%くらいですから大したコースではありませんが、クロモリバイクは登りが苦手。それでもZONDAならば登って行きます。足着きする事無く、どうにか頂上に到着。



頂上からは下り基調で養老渓谷まで一気に走ります。ちょっと登りで足がイッパイイッパイになって来ました。

養老渓谷でスニッカーズを補給したら、養老清澄ラインのアップダウンに突入。これも復路は下り基調なので、一気に上総牛久まで走ります。

そこから大多喜街道を八幡宿方面に向かいますが、渋滞につかまります。ドブ板の上をトロトロと進みます。途中、コンビニでカップラーメンとスニッカーズを補給します。

■ 国道16号は夜間走行 ■

国道16号に出た時にはすっかり日が暮れていました。国道16号の渋滞していましたが、だいたい自転車と同じ時速30km/h程度なので、むしろ並走出来て安全です。

途中、後ろに着いてきた自転車二人組が信号で話しかけてくれました。川崎から久里浜、東京湾フェリーで浜金谷に渡って、そこから川崎までの「東京湾一周」にチャレンジ中との事。距離はこちらも200Kmですが、ずっと市街地の国道を走るので、結構辛いコースです。

途中、二人と別れ、幕張メッセから船橋へ。
国道357の夜間走行は怖いので、歩道を走って浦安到着。


・・・・脚、全然疲れていません。もう100Kmも余裕で走れそうな感じ。ただ首と肩が限界です。それと肘から下が攣りそう・・・。ここら辺はライディングの姿勢の問題でしょう。


本日の走行距離は215km。
平均時速はメーター読みで24.5km/h。渋滞に捕まったので、25Km/h台には乗りませんでした。

時間は7時30分に家を出て午後7時50分に帰って来たので12時間20分。
走行時間は8時間40分。
獲得標高は2040mでした。

■ 一人200Kmブルべ達成。 ■

自転車乗りの間では現在「ブルべ」と言うイベントが流行っています。自転車で制限時間内に200Kmや360Kmと言った長距離を走る競技でフランスが発祥です。

自転車のレースは、スピードを競う競技もありますが、そちらは転倒(落車)など当たりまえの世界。当然怪我もします。

それに対してブルべはマラソンの様な競技ですがタイムを競うのでは無く、あくまでも制限時間内に交通ルールを守ってゴールする事が目的です。そして、あくまでも単独走が基本。集団を風よけにする事は許されていません。

ちなみに距離と制限時間は以下の通り。

200km:13.5時間
300km:20時間
400km:27時間
600km:40時間
1000km:75時間
1200km:90時間
1400km:116時間40分

200kmはブルべでは最短の距離なので、5Kmマラソンって感じですが、本日は制限時間内にゴールしたので、一人ブルベ達成です。・・・半部は観光していましたが・・・・。

利用されるルサンチマン・・・ウクライナのネオナチと日本のネトウヨの共通点

2014-03-20 05:36:00 | 時事/金融危機
 



■ ウクライナのネオナチ ■

日本の報道は全く日本人に伝えてはいませんが、ウクライナの新政権の中にはネオナチが3人入っています。ネオナチとはヨーロッパにおける過激な保守主義者の一派で、ドイツの貧しい若者達が労働市場で競合する移民を排斥する際にナチスドイツのスタイルを真似たものがオリジナルです。

ネオナチがナチスと称される理由は極端な自国至上主義と、そのスタイルがナチスを模倣している為で、ユダヤ人排斥を標榜している訳では無い事に注意が必要です。

かつてのドイツのネオナチが排斥したのはトルコ人を始めとする移民労働者であり、現在のウクライナのネオナチが排斥しているのはロシア人です。

ここで注意が必要なのは、ヨーロッパの極右と呼ばれる保守勢力には、フランスのルペンを筆頭にした「愛国的な右翼」と、ネオナチの様な「暴力的な右翼」が存在する点です。ルペンらが批判するのは過度なグローバリズムやアメリカの一国主義です。彼らは中央銀行制やIMF体制も含めて現在の世界システムの問題点を攻撃しています。世界の利益よりもフランス国民の利益を優先すべきであるという立場です。

一方、ネオナチは「オレ達が貧乏なのはアイツラが悪い」という短絡的思考によって、同じ貧者である所の移民や異民族を排斥し、あるいは近隣諸国を敵視します。

■ ネオナチ勢力「自由」(スヴォボーダ) ■

ネオナチを支持するのは貧しい若者達です。定職に付けない貧しい若者達が、不満を鬱積させそのはけ口としているのです。ウクライナも独立以降経済状況は芳しく無く、ロシアの支援でどうにか国家が運営されていました。当然、若年失業率も高く、ネオナチが浸透するには格好の状況が揃っていました。

ウクライナのネオナチは「自由」(スヴォボーダ)という政党を結成して議会にも勢力を拡大して行きます。2010年の選挙で敗れたティモシェンコはスヴォボーダと野合連合を結成します。

■ ウクライナの暴動を煽ったネオナチ ■



欧米メディア、特に日本のメディアではウクライナの暴動はヤヌコビッチ政権に反対する市民が決起したと伝えられています。

ところが、その市民達の中には上の写真の様なスヴォボーダの若者達が多く混じっており、武装して警官を襲ったりしていました。こはは、最早市民では無くテロリストに近い。

そして西側諸国の情報機関はネオナチを支援していたと言われています。

■ 革命という名の暴力 ■

一方、ロシアを後ろ盾にしたヤヌコビッチ政権もロシアからの支援資金に群がるハイエナとなっていました。しかし、民主主義が機能している限り、議会で多数を取らなければヤヌコビッチ政権を倒す事は出来ません。

そこで、民主主義の手続きを逸脱する方法として、「市民の暴力」という手段が用いられます。「市民の暴力」は、ある時は「暴動」や「テロ」と言う名で非難され、ある時は「革命」や「市民蜂起」として持ち上げられます。

シリアなどでは、明らかな「テロ行為」が「反政府運動」として美化されます。同様にウクライナでも、西側諸国に都合の良い暴力行為が「革命」として美化されています。

正義とは相対的なものですから、親ロの前政権も、親欧米の現政権のどちらが正しいとは言えないのですが、日本を始めとする欧米のメディアは現政権を持ち上げ、前政権を批判します。そして現政権の中にあるネオナチ勢力に言及する事はありません。

■ ネトウヨと呼ばれる日本のネオナチ ■

貧しい若者が自国至上主義に傾くのは日本も例外ではありあません。日本では「ネトウヨ」と呼ばれる人達が、日夜ネットを通じて韓国や中国や在日に対するヘイトトークを繰り広げています。

「自分達が貧しいのは韓国や中国が悪いのだ」「政権やメディアに浸透した在日勢力が日本人の利益を損なっている」と彼らは主張します。

ただ、平和ボケした日本の「ネトウヨ」はネオナチの様な暴力行為に出る事はありません。部屋に引き籠って、PCに向かってひたすら怨嗟の声を書き込みます。

■ 日本のおける「新しい保守」の台頭 ■

「ネトウヨ」を生み出したのは2000年頃から盛んになった「新しい保守」の台頭では無いでしょうか?

私自身も小林よしのりの「ゴーマニズム宣言」の第一話を雑誌「SPA!」で読んだ世代ですがゴー宣の一話目は確か屋外にあるトイレに真夜中に行く子供の頃の思い出だったと記憶しています。(間違っていたらゴメンナサイ)それ連載を重ねるうちに、だんだんと思想的な内要に変わって行きました。妙な説得力があって、私も「学校で習て来た事はウソだったんだ!!」というショックを受けました。それからは、しばらく「SAPIO]なども愛読していました。

「新しい保守」の台頭は東西冷戦の終結によって生まれたと私は考えています。

自由主義と社会主義と言うイデオロギーの対立は冷戦終結で自由主義が勝利しました。日本のメディアは社会主義的思想を持つ人達が牛耳っていましたが、ソ連の崩壊によって彼らの主張は急に色あせて見えました。アメリカの一国覇権とバブル後の日本の不調によって、戦後左翼の主張が「お花畑」的な絵空事の様に感じられる様になります。

ただ、骨の髄まで戦後左翼に洗脳された私達は、急に「アメリカ大好き」と言う訳にも行かず、その様な思想難民が流れ着いたのが「新保守主義」だったのでは無いでしょうか。

「新しい保守」は「戦後のアメリカから植えつけられた価値観の否定」からスタートします。彼らは社会主義という思想的支えを失って「本当の日本をさがす旅」に出たのです。そして見つけたユートピアが、「天皇を中心に清い志の日本人が一生懸命努力して国家を支えていた戦前の日本」だったのではないでしょうか?

戦後の歴史観を「自虐史」として封印し、戦前からの流れの中で現代の日本の姿とあり方を彼らは模索します。そして、多くの「新しい保守」の人達が心のよりどころとしたのが、日本が世界デビューした明治維新です。

「今こそ日本人は戦後の自虐史と別れを告げて、日本本来の伝統に根差した社会や政治を目指すべきだ」というのが彼らの思想です。

■ 明治の天皇制は伝統では無く、西洋のシステムの模倣だ ■

ところが「新しい保守」の人達は根本的な所で大きな過ちを犯しています。

明治以降の天皇制を「日本の伝統」と解釈してしまったのです。

明治維新で開国した日本は、西洋に遅れる事200年で近代国民国家の創設を目指します。それまで、日本人の国の概念は大名が治めるる「国」でしか無く、徳川幕府は国の集合体を調整する軍事同盟の様なものでした。

それを「日本」という一つの中央集権国家に作り替える為には、「象徴」が必要でした。そこで担ぎ出されたのが「天皇」だったのです。

本来日本の天皇は「祭祀王」として「国王」とは異質の存在です。国家の安然を祈願するシャーマンである天皇は、実質的権力を持つ国王とは別の存在でした。実質的権力とは「軍隊の統率権」と言い換える事が出来ます。

西洋においても国民国家の成立と国王の関係は微妙です。従来国王と家臣団や騎士達の関係は個人的契約でした。封建時代の軍とは市民の集団では無く、国王と契約を交えた武装集団あるいは金で雇われた傭兵でした。この時代の戦闘は小規模なもので軍隊の人数も少数です。一般の人達は戦闘に巻き込まれる事はあっても、進んで武器を手にして戦う事はありませんでした。これは、江戸時代までの日本も同様で、戦闘は武士階級が担いました。ですから、戦闘集団の大多数が忠誠を誓う国王や将軍が武力を背景に国家を支配していました。

ところが、市民革命によって国家の主権が国民に移ると、軍隊を支えるもの国民になります。国民は自分達の利益を守る為に、積極的に戦うようになるのです。この時点で国家の最高権力者は国王から議会に移ります。イギリスでは権力移譲が緩やかに行われ、「象徴としての王」は残りましたが、フランスでは国王は断頭台の露となりました。

しかし、フランスは市民革命の拡散を恐れる周辺諸国との戦いにおいて国家を纏める象徴が必要になります。結局、ナポレオンがその任を担い、一度否定された皇帝の座に就く事になります。しかし、彼もコルシカ島に流されるなど、最早「王」や「皇帝」の権力は絶対的なものでは無くなりました。

「王」を失った近代国民国家は何を中心に国家としてのまとまりを保っていたのでしょうか?西洋においてはキリスト教がその役割を担いました。近代国家においては宗教と政治は明確に区別されていますが、アメリカ大統領の宣誓が聖書に手を置いて成される様に、キリスト教は国家の倫理の規範として、近代市民国家を支配しているとも言えます。だからこそ、「キリスト教VSイスラム教」という時代錯誤の十字軍がイラクを攻撃してもアメリカ国民は熱狂するのです。

明治維新の日本には「人と神との契約に基づく宗教」が存在しませんでした。従来の「神道」は自然崇拝であって教義や経典すらありません。仏教は徳川幕府によって戸籍管理的には使われていましたが、人々を契約関係で縛る教義を持っていません。仏様は悪人でも勝手に救ってくれるのです。

そこで明治政府は西洋のキリスト教の代わりに、「国家神道」を創造します。神世の時代から続く血筋の正当性と、儒教的な家父長制を国家レベルに拡大してその頂点に天皇を置く事で、日本独自の「国民宗教」を作り出したのです。

特に主従関係を明確にする儒教思想は江戸時代にも幕府のシステム維持に導入されていたので、明治維新の日本は比較的速やかに「国家神道」に順応します。人々は「天皇」を神として契約を結び、「天皇」の為に命を掛けて戦う事を教育されて行きます。

このシステムを現在でも用いているのが北朝鮮です。北朝鮮の国家主席を「父」とする主体(チェチェ)思想は、儒教を基本にしており、戦前の時代の天皇制に酷似しています。

話が長くなりましたが、「新しい保守」の人々が拠り所とした「天皇制」や「日本の伝統」の多くが明治維新に作られ西洋のシステムの模倣ですが、彼らはそれを「日本古来の伝統」とそて祭り上げてしまったのです。

■ 「新しい保守」が生み出した「ネトウヨ」という鬼子 ■

バブル崩壊以降、日本はそれまでの西洋の模倣では最早成長出来ない事に人々は薄々気づき始めました。

一方で韓国や中国の成長に危機感を抱きます。自分達がかつて通って来た道のりを辿って、韓国や中国が日本を追い抜くのでは無いかという恐怖です。

そういった若者達にとって「新しい保守」の提唱する「日本は本当は素晴らしい国だ」という言葉は救いでした。「今はパっとしないオレだけど、本当はデキるヤツなんだ・・・」そう錯覚させるのです。

一方で、「新しい保守」の「戦後自虐史の否定」は韓国や中国からの強い反発を受けます。「新しい保守」の方の多くは、史実に基づいて反論を試みますが、韓国や中国は感情的な攻撃を繰り返します。

これに過敏に反応してしまったのが「新しい保守」に傾倒した若者達です。そして、社会的な抑圧感が高まっていた中高年もこれに同調し始めます。

こうして、「新しい保守」の撒いた「自虐史からの脱却」という種は、日中韓の間でワダカマリの芽を少しずつ育てて行きます。

■ 見え隠れする世界経営者建の影 ■

石原元都知事の尖閣都有化発言当たりから、日本の右傾化と中韓の反日は世界経営者達に利用される様になったと私は考えています。

元々、韓国の商業的な反日活動家や日本の右翼に資金提供をしているのはCIAだとも言われています。地政学的に日本と中韓の結束を嫌うアメリカらしいやり方とも言えます。(妄想)

ウクライナの情勢は日本にとって全く関係の無い事の様に見えますが、国民の保守的感情を地政学的に利用する点においては非常に似ている気がします。

■ 新冷戦構造 ■

電車の吊り広告や、駅売りの日刊紙の見出しに、中国や韓国を非難する勇ましい見出しが目に付く様になりました。先日まで韓流スターを持ち上げていた雑誌などが、手の平を返したように中韓批判に転じる事に私は違和感を覚えています。戦前の新聞あどが国民を煽動していった様と重なる気がしてならないのです。

ネトウヨ言論とメディアが影響し合いながら中韓への非難を強めれば強める程、中国も韓国も過剰な反応で応戦します。こうして極東アジアの情勢は修復不可能な状態になるのでしょうか・・・。

世界は「新しい冷戦構造」を大急ぎで準備している様に思えて仕方が無いのです。では何故、「新しい冷戦構造」が必要なのでしょうか?

戦争は往々にして経済の失敗を誤魔化す為に始まります。いえ、ほとんどの戦争の原因が経済の失敗によるものだと言っても過言ではありません。

一方で、現在の世界で大国同士が本当に戦争をしたら人類は滅亡します。そこで、大国が保有する核兵器の充分過ぎる破壊力が現代の戦争を抑止しています。こうして、大国同士が敵対しても戦争が出来ないシステムが「冷戦構造」です。

世界が経済運営に失敗して戦争状態を欲しても、実際の戦争は発生せずに緊張状態だけが永続する状況・・・・こんな未来をついつい想像してしまうウクライナや極東アジアの最近の情勢です。そして抑圧された国民のルサンチマンが利用されている様に感じるのは私だけでしょうか?


■ 「ネトウヨ」と「陰謀論」の共通性と違い ■

本日は「新冷戦構造」という妄想を垂れ流してみました。


己の努力の欠如を社会に責任転嫁する方法としては、「ネトウヨ」も「陰謀論」も大した差はありません。「ネトウヨ」が攻撃によって自尊心を保つ方法ならば、「陰謀論」は諦めによって自尊心を保つ方法とも言えます。

ただ、「陰謀論」は傍観者であろうとする事によって、戦争を引き起こす様な自虐行為を回避する手段だと私は考えています。かつて国民が中心になって戦争を呼び込んだ過ちを繰り返さない為にも、明治維新以降の日本と世界の関係について、陰謀論的に眺める事は無駄では無いと考えています。