人力でGO

経済の最新情勢から、世界の裏側、そして大人の為のアニメ紹介まで、体当たりで挑むエンタテーメント・ブログ。

最近 戦争の心配をしている

2024-09-25 10:01:08 | 時事/金融危機

陰謀論的なものが世の中に溢れているので、ブログを書く気が全く起きないが、最近本気で日本を巻き込んだ戦争を心配しています

 

アメリカの企業の年初来8月までの倒産件数は40%増加。大企業の倒産件数は2008年のリーマンショック、2020年のコロナショックに並んだが、それらのショック以上に恐ろしいのは、「⚪︎⚪︎ショック」が起きていないのに倒産件数がショック並みに増大している事。


原因は低金利で借り入れた資金が、高金利で返済できなくなっている事で個人も企業も借金が返済出来なくなっている。

FRBが利下げをすれば良いというのは浅薄な考え方で、利下げするとドル安になり、海外から(主に日本から)の投資が一気に逃げるので、資産市場が崩壊して一気に「⚪︎⚪︎ショック」が発生して米経済も世界経済も崩壊する。

FRBは大幅な利下げができずに米企業はジワジワと倒産してゆき、金融部門は大量の不良債権を抱え込んで経営が悪化して行く。

一方、日銀は日米金利差を維持しないとFRBの利下げ同様にバブル崩壊の引き金を引くので、インフレ率が高くとも利上げが出来ない。国内経済は低空飛行で利上げは経済にとってマイナスだが、円高による輸入物価の下落はインフレを抑制する。しかし、日銀はバブル崩壊の引き金を引きたく無いので大胆な利上げは出来ずに、小幅な利上げでお茶を濁すしか無い。

FRBも日銀もジレンマに堕ちいて「現状維持」に近い僅かな金利操作しか出来ない状況で、米経済の悪化の進行は、次第に隠す事が出来なくなる。

アメリカの雇用統計は粉飾されているが、それでも誤魔化しきれずにマイナスとなっている。オフィスの空室率も高止まりし、商業不動産に融資をしていた地方銀行は、財務内容が急激に悪化して、そろそろ銀行危機が再燃する。

前回のシリコンバレー銀行に端を発した銀行危機はFRBの資金供給と大手銀行が危ない銀行に預金するという裏技で乗り切ったが、今回、このスキームで乗り切れない。何故なら少なからぬ米企業が返済猶予などの措置で生き延びているが、銀行の体力も限界に来ている。

コレからアメリカは大統領選挙一色に染まって行くが、その裏で米経済の静かな崩壊は確実に進み、やがてダムが決壊する。

マスコミが立憲民主党をヤケに持ち上げ始めたが、コレはリーマンショック時に見た光景だ。「⚪︎⚪︎ショック」が起きれば麻生政権が選挙で大敗した時の様に、国民の不満は自民党へ向かう。そのバックアップのはずの維新の会は、ヤクザ集団で有る事がバレて支持率を大幅に落としている。

裏金問題や統一教会問題を抱える自民党は、経済が崩壊した場合、政権を失う可能性もあり、国民のガス抜きの為に立憲民主党という受け皿のイメージアップが急速に進んでいる。新党首となった野田氏は、別に自民党に居てもおかしく無い元財務省官僚の政治家なので、対米従属も含めて、政権が変わっても大きな変化は期待出来ない。

極東有事に対する軍備拡張などは、岸田政権時に大幅に進み、メディアはコレに対して反対を唱えてこなかった。立憲民主党が日本のNATO編入に阻止を掛けられるかは微妙で、北朝鮮や中露の挑発が続けば、国民はむしろNATO入りを支持するだろう。


このブログは「世界に起きる悪い事」を妄想して楽しむブログだが、流石に戦争は勘弁して欲しい。


ただ、世界を大きく変える「ショックドクトリン」に戦争ほど有効な手段は無いことは歴史が物語っている。


最近本気で戦争の心配をしている。狂信者達は、「聖典に有るハルマゲドンが起きないならば自分たちの手で起こせば良い」という思考の持ち主だ。彼らを相手に常識が通用しない事は、最近の中東情勢が証明している。

 


イランは戦争を回避できるのか?…中東戦争

2024-08-06 22:35:51 | 時事/金融危機

イスラエルと言うか、世界の経営者は何が何でもイランを戦争に巻き込みたいようです。

イランの首都でハマスの幹部をミサイルで爆殺されたら、イラン政府も報復せざるを得ません。これまでイスラエルの挑発に、我慢を強いられていたイランですが、今回は「空気を読んだ報復」では国民は納得しないでしょう。

イスラエルの国民にそれなりの被害が出る報復がされた場合、イスラエルはいつもの事ながら10倍返しの報復を行うでしょう。こうして中東戦争は不可避なものと成ります。

最も危惧すべき事態は、イスラエルを防衛するという名目で、地中海に展開する米空母機動部隊が直接イランを攻撃するケースです。イランがアメリカに蹂躙される事を中国が座視するとは思えません。中東への中国の影響力が失われるからでです。

 

仮に中国がイランを支援するとなると、間接的、あるいは直接的に米中が戦争情緒となり、米中の友好国がこれに巻き込まれて世界大戦へと発展して行きます。きっとアメリカは台湾海峡でも中国を挑発して日本を含む東アジアも戦争に巻き込まれて行く。

 

こんな最悪な世界の未来もあり得る状況で、株価が反発した事を単純に喜べるのか。

 

「グレートリセット」が発動しているならば、何が起きても不思議では有りません。「自分の身は自分で守る」、果たして可能だろうか...。


ファンファーレが鳴った

2024-08-05 17:19:15 | 時事/金融危機

バブル崩壊の引き金を引いた日銀とFRB。

最近ブログを書かなかったのは、結局引き金が引かれるまでは「オオカミ少年」になってしまうから。

 

日経平均の下げ方は異常なので、「仕掛が発動した」と見るべきでしょう。

 

今夜のNY市場が連鎖して大幅に下げたら、底が抜けるのでしょう。

 

投資とは無縁の私は、酒飲んで、アニメ見て、ぐっすり惰眠を貪りますが、きっと寝れない人も多いはず。

 

グットラック!


「AIって使い物にならない」と言う人は想像力がAIにも劣る

2024-03-28 03:00:19 | 時事/金融危機

◼️ AIは使い物にならない? ◼️

「AIはバブルで、実用に耐えない」と言う意見をネットで散見します。

実際にソフトウエア会社に勤める知人に聞いたら「会社でもチャットGTPを推奨して仕事に積極的に活用しろと言われているので使っているが、実際には使い物にならない」と言っていた。「どうして使い物にならないの?」と聞いたら、「8割は正しいプログラムを瞬時に作るが2割が間違っているからデバックに時間が掛かる」と答えた。

「AIが使い物にならない」という意見の多くは、前述の様な「実際にAIを仕事で使っている人の不満」又聞きした、AI を仕事で使った事のない人のよって流布された物が多いのでは無いだろうか?

「100%正確では無い」と言う評価を「使い物にならない」と勘違いしている。

◼️ 3歳児に多くを期待してはいけない しかく

AIは「司法試験に合格出来る情報量と、質問に対して正解を見つける技術を持っている」が、それだけに特化した3歳児だと私は認識している。但し、それは「現状」の話に過ぎない。

要は現状のAIは、「言葉をようやく覚えた3歳児」で、その使い方を間違える事も多く、そもそも言葉で伝えるべき人生のバックボーンは少ない。

子供は「模倣」が好きだが、AIも現状は「模倣」をしているだけで、論理的思考が出来ている訳では無い。しかしネットを通じて人々がAIを使えば使う程、AIの経験は蓄積して、AIの知性は進化する。

◼️ 爆速で成長する3歳児 ◼️

AIの凄い所は学習速度。一人の人間は、人間の能力を超えた速度では学習出来ないがAIは並列で様々な事を学習してゆく。

現状は知識の蓄積と、体系化も初歩を学んでいる。体系化とは「正誤判断の基準の構築」と言い換えても良いだろう。これは親が子供に教育する事に似ている。「仕事でAIが使えない」と嘆くエンジニアは、その修正過程で同時にAIを教育しているとも言える。

この様にして現状3歳児程度の「知能」しか持たないAIは、やがて幼児から少年、青年、成人へと能力を向上させていくだろう。そしてその成長速度は加速度的。

◼️ AIは「誤り続ける」事で人を超える ◼️

問題は「人間で無いAI」が人間と同じ成長をするかどいかという点。ネット空間を通して世界や社会を見ているAIは、生物と異なる視点や価値感を構築してゆく可能性は十分にある。生物の生存戦略は「合理化」と「特異化」で、この二つは相反する。

「合理化」は「正解への最速ルートの構築」で、これは現在でもAIの得意とする事である。

一方「特異化」は生物においては「突然変異」に相当し、その多くが「誤り」に分類されるが、非常に稀な確率で「誤り」が進化をもたらす。

AIは現状多くの「誤り」を犯すが、これは現状は単なる誤りとして処理されている。しかし処理速度の速いAIは、意図的に多くの誤りをシミュレーションする事に長けている。

技術者には理解し易いが、技術開発は「ポケット」に陥り易い。例えばレンズ設計などが良い例だが、何枚目かのレンズの曲率を変化させてゆくと、ある時点で収差が最小になり、その後収差が増え出す。大抵の場合は「収差が最小」になった点を最適として設計を進めるが、実は曲率をもっと変化させて行くと再び収差が減り出して、最初の収差を下回るポイントが出現したりする。レンズ設計においてコンピュータによる計算速度の爆発的な向上と、設計プログラムの進化がレンズの性能を著しく向上させた。この進化は、計算尺や電卓を使ってレンズを設計していた時代には到底到達出来なかた次元である。

同様の事が今後AIにも起きるだろう。AIは確かに多くの誤りを起こすが、AIがこれをポジティブに進化に組み込む事も可能。例えば、人間だと経験的に「これ以上は無駄」と感じる限界点は多い。多くは時間的な制約に起因する。ところが、その先に正解が潜んでいる場合も多い。先のレンズ設計の例や、間違いで不純物を大量に入れてしまって実現したエザキダイオードの様なケースを、AIは時間的な制約を受けずにシミュレートする事が可能になる。これは現在のノイマン型のコンピュータには不向きだが、量子コンピュータの実用によって、「AIは大量の誤りをディープにシミュレート」する事が可能になり、その中から人間では到達出来なかった技術や理論が生まれる可能性が高い。

◼️ AIは人型に進化はしないだろう ◼️

上記を持って「シンギュラリティーポイント」と呼べるかどうかは専門家に任せるとして、やがてAIは人間では発見出来なかった物理法則も見つけるかも知れない。又、分子生物学と創薬の分野はAIに向いているので、ガンや難病を克服する新薬をAIが開発するのも時間の問題だろう。

この様にAIがやがて「人を凌駕」する日はそう遠く無いと思われるが、AIがどういう「型=倫理観」に進化するのか予測出来る人は少ないだろう。

例えば「人間を正確に模したロボットをAIの入出力端末」とした場合は、AIは人に似た倫理観を持つ可能性が有る。現在の様にネットを介して人間が入力端末となる場合も、入力や正誤判定に人間が介在するので、AIは「人間的な倫理観」の影響を受ける。

AI開発者が「AIが陰謀論の影響を受けすぎる」と嘆いたそうだが、現在のAIが実に「人間臭い」物であるかを示しているのかも知れない。

問題はAIが「自我的なもの」を作り始めて「人間を介さずに様々な処理を自発的に行い始めた」時で、その先AIは肉体的な制約や社会的な制約を受けずに「思索」を深めて行く。その結果が人類や社会にとって有益かどうかは、誰にも予測出来ない。

◼️  悲観と楽観 ◼️

AI時代の未来予測は悲観と楽観が入り乱れている。

悲観派は「AI失業」や「AI管理社会」や「AIによる核戦争」に恐怖している。私は、悲観派。

楽観派は二つに大別される。一つ目は「AIをナメてる派」で、これは論外。もう一つは「AIはコンピュータや産業革命の様に、生産性の向上によって人類を豊かにする」と言う人達。ここには大きな盲点が潜む。

「豊か」と言う概念は、現在の私たちにとっては「物質的豊かさ」と同義で有る。ここで、多くの人が現在より「豊か」になった社会を想像してみよう。途上国の人達も豊かになったとすると、エネルギー消費も、資源の消費も、食料も消費も現在より格段に増える。しかしダボス会議など世界の経営者派、恐怖にも近い感情で「大量消費」を嫌っている。だから「誰もが豊かに暮らす楽観的な幸せな未来」は訪れないと私は確信している。

◼️ 「ポストヒューマン」の時代 ◼️

AIが進化した未来に楽観的な人は、「人がAIを使役する」と言う観点で未来を眺めている。

一方、悲観的な人は「AIが人を管理し、使役する」と言う観点で未来を予測する。正確には「AIを使役する人が、AIを使って人を管理して使役する」と考えている。

更にSF的な発想の人は、「AIが人の上位互換として人類を使役する」と言っている。「AI こそがポストヒューマン」と言う。

仮にAIがシンギュラリティに達し、人知を超えるレベルで思考し、その結論が人の利益になるならば、将来的には行政をAIが担う事も可能かも知れない。又、私益を肥やすばかりの政治家よりも、国民の意思を組み上げ適切な政策を作成出来るAI政治家を国民が支持する時代がやって来るかも知れない。

そもそも、人間が「思考するが故に万物の霊長」であるならば、「人以上の思索を巡らすAI 」は、ポストヒューマンとして人類の叡智の継承者となり得るのかも知れない。

 


街が丸ごと消える未来…..AI化と人口

2024-03-01 05:02:00 | 時事/金融危機

 

楽譜さんへのお返事が長くなったので記事にしました。

🔳 物質消費の拡大を嫌うダボス会議 🔳

従来の経済は「消費」を前提に成り立っていました。「経済成長=消費の拡大」です。当然、人口は生産と消費の両面で経済を支えます。

しかし、70年台のローマクラブの「成長の限界」や、同時期に発足したダボス会議は、常に「資源の過剰消費=悪」というスタンスをとり続けています。SDGsが世界の合言葉となっていますが、コレを本気でやると消費を抑制する。(実際には消費を不効率にしてコストを増やすだけ)

🔳 機械化や自動化が進んでも、人間は労働からは解放されない 🔳

世界は産業革命以降、機械化によって生産性が飛躍的に向上し、IT革命によって知的生産性も向上しました。しかし私たちは労働からは解放されていません。(失業していない)

実は機械化による大量失業は製造業では既に達成されています。かつては多くの人が工場に勤めていましたが、今は多くの人がサイビス業に就いています。製造業は生産性が高く、サービス行は生産性が低いので、所得は伸びないから、むしろ減る傾向にある。サービス業は生産性の低さを、個人の労働量の拡大で補うので、私たちは労働からは解放されません。

🔳 IT化とAI化の違い 🔳

ではIT化とAI化の違いを考えてみましょう。金融のトレーダーを例に取ってみます。

IT化によってトレーダーは市場データを以前よりも効率良く手に入れ、トレーダーは自分の知能と経験によって取引を決定して利益を得ていました。この「知能と経験による決定」を自動化するのがAIです。以前からHFT(ハイフフリックエンストレード)の様な自動化は進んでいましたが、コレは値動きを観測して、高速に売り買いを繰り返すだけの単純な取引で、コンピュータの持つ高速性に依存するだけの自動化でした。

一方、AIは経験の蓄積によって、トレーダーの「判断や決定の法則性」を学習します。トレーダーは様々な経済統計を分析して投資判断を下しますが、基本的には法則性を持って判断します。この部分はAIが学習し易く、ビックデータの処理でトレンドを把握する能力はAIの方が人間よりも長けています。実際に多くのBOTがネットワークを徘徊して、SNSなどからキーワードとなるトレンドを漁っています。

優秀なトレーダーは「先読みと勘」が優れていると思いますが、「先読み」はビックデータによるトレンド収集で代替えされ、「勘」はパターンニングで学習可能です。

🔳 AIの苦手な「センチメント」 🔳

AIは人間的な感情を持たないので「センチメント」や「空気」を読む事が苦手でしょう。例えばAIが経験した事のないイレギュラーな状況に対して決断する事が出来ない。「恐怖指数」などという統計が考案されていますが、これが危機を必ずしも予測出来る訳ではありません漠然とした市場の空気を読むこともAIは苦手かも知れません。尤も、この様な「不測の状況を先読みする」事が出来るのは一部の優れたトレーダーだけなので、一般的な取引はどんどんAIに代替えされて行くでしょう。

この様にAIにも得意、不得意はありますが、パターン化出来る判断は人間よりも高速に処理します。要は「ワンパターンな思考」の人材は駆逐される。

 

🔳 リーダーは残るけれどスタッフが消える 🔳

様々な分野で、パターン化をAI に学習させる試みが進行する事で、情報収集や分析を仕事としていた人達はAIに駆逐されます。プロジェクトリーダーは残りますが、スタッフはAIに置き換わる。

この様に「知的労働の一部」をAIに代替えさせる事で、多くの失業者が生まれます。「AI以下」と判断された人材は、失業しても同種の職業には付けず、より生産性の低い仕事に流れて行きます。

🔳 単純労働も自動化される 🔳

単純労働の多くも自動化されるでしょう。スーパーやコンビニのレジは既に自動化が進んでいますし、ファミレスのウェイトレスも一部がロボットに置き換わっています。(嬉しくありませんが)

人件費よりも自動化のコストが低ければ、機械やAIのによる労働の代替えは進行します。駅の改札は現在ではほぼ自動改札です。

この様にAIや自動機械の進歩は、労働を人々から奪い、失業者の群れを生み出します。多分、ヨーロッパは法律でAIや自動化をある程度規制して雇用を守りますが、アメリカは野放しにする可能性が高い。日本は「雇用法」を改正しなければ、企業は雇用を維持する義務を負っているので、余剰人材を抱えたままAI化が進み、新規採用の抑制で調整が行われるでしょう。結果、若年層が失業したり、低所得になる可能性が高い。尤も、コレは現状と大差無いとも言えます。

🔳 AI 化を抑止する動き 🔳

「AI化で6割の人が失業する」という予測は、政府が無策ならば起こりうる未来です。一方で「AI失業」が現実的になれば、必ずコレを止める動きも出て来ます。

EUは「AI規制」を打ち出しました。現状はAI によるリスクに対応した内容が主ですか、規制の大好きなEUの事ですから、将来的には雇用を脅かすAIの過剰な活用にも規制を掛けると思われます。

ダボス会議でもAIの規制問題は取り上げられています。イーロン.マスクもAIを規制すべきだと発言しており、「AI規制」は近い将来避けて通れない課題となります。

一方で、AIを最大限に活用した企業が競争に勝つという事実は変わりません。タックスヘブン同様に、AI 規制の掛からない国や地域にAI を移転すれば、企業は規制をすり抜ける事が可能です。製造業の空洞化同様に、知的労働の空洞化は必ずや起こる。

🔳 街が丸ごと消える未来 🔳

「AI化と人口削減」の問題を昨日は与太話として書きましたが、実際のAIによる失業は止める事が難しい。日本は労働人口がどんどん減ってゆくのでAI化による労働の代替えは、緩やかに進行するならばプラス要素も多い。

日本人の人口(在日外国人を除く)は2023年度で前年比で80万人減少しました。。コレは新潟市や浜松市の人口を上回ります。人口減少は年々増えているのでやがて政令指定都市の基準となる100万人に達する。1年間に政令指定都市が無人になってゆくというのはショッキングな事実ですが、大都市近郊に住んでいる人には実感が湧きません。

しかし、地方に行けば人口減少を目の当たりにする事が出来る。子供を見掛けない。若い人もほとんど見かけません。そして高齢者ばかりが目立つ。人口の50%以上が65歳以上の村を「限界集落」と呼びますが、かつては山間の小さな集落に多かった。現在では平野部や、地方都市の近郊にまで分布が広がり、現在日本には2万ヶ所を超える限界集落があります。限界集落はコミュニティーやインフラの維持が難しく、若い人から移住を選択して「限界化」はさらに深刻化します。

能登半島地震の被災地にも限界集落が多く、復興した後に集落が維持出来ない可能性が高い事から、復興すべきかどうかネットを中心に議論が高まっています。

限界集落は東京にも15ヶ所あります。若い時に集合住宅に入居して、そのまま住民が高齢化した地域です。この様な地域は、都市近郊でも増えるでしょう。交通の便が悪い所から限界集落化して行きます。

最近、郊外を自転車で走っていて気付くのはコンビニがどんどん無くなっている事。閉店したコンビニの建物は「デイケアー施設」になっている場所が多い。少し前まではコンビニでお惣菜を買う老人を良く見かけましたが、それらの高齢者は今は介護を受ける立場となっています。

コンビニは地域の小売店を淘汰して利益を独占していましたが、高齢化が進んだ地域ではコンビニを維持する購買力すら失います。いずれは、大都市近郊でも限界集落化する地域が増えて行きます。

 

🔳 少子化対策というナンセンス 🔳

「少子化対策」は政治的にはポイントが高いので、与党も野党も「少子化対策」を前面に押し出します。しかし、少子化対策の成功例は海外を見てもほぼ皆無。何故ならば、教育費負担に家計が耐えられないからです。親は子供の将来を少しでも有利にする為に、可能な限りの教育費を支出しようとします。子供が多いと子供一人に掛けられる教育費が減るので、余程経済力がある家庭以外では子供は一人か二人というのが一般的です。生活コストの高い都市部では一人っ子家庭も多い。

政府や自治体は教育無料化などで教育費負担を軽減して子供を増やそうとしていますが、親は浮いたお金で、子供を増やす選択はしません。そもそも、現在の教育無償化が将来的に続く保証が無い状況で、子供を増やすという判断は出来ません。教育費の無償化の財源は税金や健康保険なので、コレは現役世代の所得再配分に過ぎない。

尤も、仮に出生数が増えたからといって、AI化の時代に彼らの職業が保証されているかは疑問です。将来的な失業者を増やすだけかも知れません。

🔳 人口減少の過渡期を外国人労働力で補完して乗り切る 🔳

日本人の人口は年間80万人減っていますが、在留外国人は2023年度は全年比で29万人増えています。彼らの多くは低賃金労働の担い手として日本の経済を支えています。日本の入国管理法は厳しいので彼らの多くは5年未満の短期就労しか出来ませんが、国連の統計では1年以上の在留外国人を移民と定義しているので、日本は世界有数の移民大国となっています。

しかしヨーロッパの例を見ても移民はやがて社会的コストを増大させます。彼らも失業したり、高齢化して社会保障の負担となるからです。移民に寛容だった欧州各国ですが、移民に反感を持つネオナチの台頭や、移民との文化的軋轢など「移民のコストとデメリット」が表面化しています。

オランダでは政権交代で移民に不寛容な政権が誕生しました。移民の在留年限を制約するなど日本型の移民政策を掲げています。

現状は「安い移民の労働力の脅威」に対処した政策ですが、AI化でホワイトカラーの失業が増えれば、今以上に安い賃金の仕事を移民と奪い合う事になります。結果、移民政策は失業者を増やすだけになる。

日本はシタタカで、定住出来ない移民で、人口動態の過渡期を乗り切る政策をステルスに進行中です。出産適齢女性の人口は減る一方ですから、日本は無理せずとも、やがて加速度的に人口が減少します。コンパクトな国家に生まれ変わる可能性は高い。

 

🔳 デジタル時代のインフラ 🔳

AIはコンピューターの中でしか活動出来ないのでAIの主戦場はネット環境の中になるでしょう。高速大容量回線や、大容量のサーバー、安定した電力供給などが重要になります。道路や鉄道や橋など従来のインフラは人と物の移動に有効でしたが、経済がネットワークの中に移行すると、人の移動は少なくなります。

ダボス会議辺りが主導して「15分都市」の実験が各国でスタートしています。15分で行ける圏内で生活と仕事の全てが完結する都市計画で、極力町から出ない事が推奨されています。様々な反対運動で実験は妨害されていますが、移動を制限する事でエネルギー消費を抑えた社会の実現を目指している。

この様な社会が実現するならば、移動を前提にしたインフラ整備は将来無駄になる可能性も有ります。現にネットによる在宅ワークやリモート会議の普及は在宅勤務を可能にし、通勤から解放された人達も多く現れました。リモート会議によって出張から解放された人も多いでしょう。

東京都心は高層ビルの建設ラッシュですが、サンフランシスコの様にオフィス需要が激減する未来は起こり得ます。AIの本格的な稼働を前にして、既に社会は大きく変化しようとしています。

🔳 デストピアか、ユートピアか? 🔳

AI化の時代、失業者になれば、その社会はデストピアと感じられるでしょう。

一方でAIを駆使して高い生産性を上げた人は、高収入を独占してユートピアと感じるでしょう。

極端な話しとして、コウロギを食べる生活になるか、優雅な生活を満喫するかは、結局は個人の能力に依存しています。中途半端なエリートは存在を許されない世界がAI化の時代だと私は認識しています。

では普通の人がユートピアを得られる職業は無いのか?

私は第一次産業、特に農業を候補として挙げたい。。日本は大規模耕作地が少ないので、農業の自動化は余り進まないでしょう。規模を縮小して行けば自給自足的な生活も可能です。都会でコオロギを食べるよりは、精神的に豊かな生活が送れそうです。今から地方に生活基盤を確保する事は、庶民のサバイバルとしては有効ではないでしょうか。(現金収入や医療アクセスは制限されますが。

いつもながら最後は極論となってしまいましたが、森永卓郎さんが、自給自足の様な農業をなさっているようです。彼は庶民の「小さな幸せ」のあり方を常に提案していました。

誰もが理想の未来に辿り着けるか怪しい時代に、個々人の生存戦略が大きく問われていると私は妄想しています。