■ ニュートラルを取り戻すハズが・・・ ■
皆さま、ご無沙汰しております。
しばらくブログを書かずにいましたが、不人気のYoutuber同様に、ブログ作者も「何か刺激的なネタは無いか」というバイアスが掛かり、世の中を変なフィルターで見るクセが付いてしまいます。その内に、「自分の現実」と「世間の現実」に大きな隔たりが生まれ、「あれ、オレって変な妄想に取りつかれていないか」と不安になって来ました。他人との会話でも、心の中で「全く嚙み合わない自分」を絶えず意識してしまうのは、結構シンドイものです。
ブログをしばらく書かないでいれば、「ノーマル」に近づくかなと、ブログをお休みさせて頂いておりました。これで少しはニュートラルに戻るかなと思っていましたが、結果は全く効果はありません。いえ、益々陰謀脳が肥大化してしまった。
これって、ブログという妄想の捌け口が無いと、ヤバイ事になるのでは無いか・・・・。
そんなこんなで、しばらく振りにブログを書いてみます。
■ トランプはクレージーでバカと思い込むバカ ■
最近、ノーマルな方々と話していて気になるのは「トランプはクレージーだから」とか「トランプはバカだから」といった枕詞。これは非常に危険で「トランプはクレージーだから何をするか分からない」「トランプはバカだから自分の政策を理解出来ない」と思い込んだ時点で、トランプやその背後に居るであろう者達の思考を理解する努力を止めてしまいます。
トランプはそれなりに成功したビジネスマンですから、少なくとも市井のサラリーマンに比べてその能力が劣るとは思えません。まして、トランプを裏で操る者達がトランプに繰り出させる数々の政策の結果を予見できないハズがありません。
彼らは「トランプというクレージーなアイコン」によって、政策の本質から庶民のみならず、専門家と呼ばれる(実は素人)人達からも、トランプの政策の目的を隠そうとしていると私は考えています。
「トランプはバカと言う人は真性のバカ」だと私は断言します。トランプはバカのリトマス試験紙なのです。
■ ウクライナ政策は、オバマ政権、バイデン政権、トランプ政権の外交政策は一環している ■
「民主党と共和党は対立している」というのも、バカのリトマス試験紙の一つです。オバマ政権、第一次トランプ政権、バイデン政権の外交政策を見れば、そこに一貫性がある事が分かります。
ウクライナを例に挙げるならば、オバマ政権の時にオレンジ革命が起こされウクライナを内戦状態にしました。第一次トランプ政権下でも国務省を中心としたウクライナ工作に大きな変化は見られません。バイデン政権でウクライナ戦争が始まります。
バイデンは口では勇ましい事を言いながらも、米軍を戦争に投入する事もせず、武器の供与も小出しにしてウクライナがジリ貧になるような支援しかしていません。そして、いよいよウクライナの戦争継続能力に疑問が持たれた時点で、トランプが再選して、ロシアと停戦交渉を始めた。要はバイデン政権はトランプ登場の場を温めたとも言える。
ウクライナ戦争で何が変わったか・・・これこそが重要であり、歴代米政権の目的です。
1)北欧3国がNATOに加盟した。
2)アメリカがウクライナ戦争の主導権をヨーロッパに移そうしている。
3)アメリカ抜きのNATOの強化をヨーロッパ各国に要求している。
軍事的には、ウクライナ戦争の結果、米軍はヨーロパでの軍事的影響力を自ら縮小しています。
4)ウクライナの国有資産の運用のコンサルタントにブラックロックが選ばれる
5)肥沃な農地の多くが食料メジャーによって買い占められた
6)地下資源を戦争の代償として支払う可能性が高まった
経済的には、ウクライナの資産は、戦争の代償として民間企業に簒奪されたと言えるでしょう。
ウクライナ戦争の結果から見えて来るのは、「ヨーロッパの米軍を縮小」する事と、「ウクライナを民営化」するという2点です。
■ 「加速主義」の実験場としてのウクライナ ■
トランプ政権で面白いのは、本来は大統領の影に隠れがちな副大統領のJ・D・ヴァンスが目立つ事、そして閣僚でも無いイーロン・マスクが悪目立ちする事です。ヴァンス副大統領はヨーロッパやウクライナに対して「アメリカに頼り過ぎていて不公平」「ヨーロッパの各国政府は国民から自由を奪っている」といった厳しい発現を繰り返しています。イーロン・マスクもネオナチと呼ばれる「ドイツの為の選択肢」を支援する発言などが目立ちます。
ヴァンスとマスクの共通点は、彼らがペイパルの出身者であるという点。ペイパルの創業者のピーター・ティールは「加速主義者」として知られています。「加速主義」とは簡単に言ってしまえば、「国家は企業の様に合理的に経営されるべきで、革新的技術も積極的に取り入れるべき」といった思想です。ピーター・ティールを中心とした加速主義者達を「ペイパルマフィア」と呼ぶ様です。マスクやヴァンスもその一員と目されています。「加速主義者」の主張はダボス会議を主催するクラウス・シュワブの言説にも似ています。シュワブは「人々にチップを埋め込み適切に管理する」未来を望んでいます。これは「不効率で予測がし難い人々を、より良く管理して国家を効率的に運営する」思想です。
多くの陰謀論者が「ダボスは社会主義によって人々を支配したがっている」と考えていますが、ヴァンスやマスクの言動は、ヨーロッパ的な官僚主義への反発が強い。これは、EUに代表される官僚主義が「非効率」であると彼らが考えているからだと思われます。
クラウス・シュワブは「グレートリセット」される対象として民主主義を挙げていますが、彼は民主主義を解体して官僚支配の社会主義を目指すのでは無く、ポピュリズムの袋小路に入り込んだ不効率な民主主義を捨てて、中国やロシアの様な独裁的でスピーディーな国家運営を目指していると私は妄想しています。シュワブは「中国は近年、世界で一番成功した国である」と語っています。
■ アメリアを解体する加速主義 ■
ウクライナが今後どうなるかは、アメリカや世界の未来にも繋がって来まが、着目すべきは、一度徹底的に国家を破壊している点では無いでしょうか。
「民主主義は自分で自分を改革出来ない」という事は、昨今の先進国を見ていると容易に理解出来ます。民主主義国家の実態は、「選挙で国民に選ばれた政治家が、政治献金を与えてくれた人達に奉仕する」とい詐欺的システムですが、一方で政治家は「選挙に勝つ為には庶民の顔色も窺う」必要があります。ここに「民主主義の限界」が存在します。そして資本主義の世界では、貧富の格差が拡大するので、「選挙における貧民のパワー」が増大します。アメリカで顕著な例ですし、日本のシルバーでモクラシーも貧民が政治的な影響力を行使しています。アメリカでは共和党も民主党も「貧民の票」の獲得にあの手この手を繰り出しています。民主党はバラマキによって、トランプ共和党は「架空の民衆の敵」を作る事で、貧民を取り込んでいます。
「歪が蓄積した民主主義は国家の成長力と競争力を奪う」と加速主義者の目には映っているハズですが、貧民が政治的に大きな力を持つ民主主義の選挙制度では、民主主義の歪を解消する事は不可能です。
・・・・それならば、どうするか・・・加速主義者達は短気ですから、50年、100年を掛けて国家を改革するという選択肢は取りません。「壊して作り替えれば良い」と彼らならば考えます。
トランプ政権の背後に居る、或いは民主党政権の背後にも居た「加速主義者」達は、「アメリカを壊して作り変える」事に躊躇しないと私は妄想しています。
■ アメリカを解体するトランプ政権 ■
トランプが関税戦争を各国に仕掛けています。「重商政策の復活」などと書いているメディアも有りますが、アメリカ国内に産業が回帰する前に米国債が必ず暴落します。
1)中国や他の国がアメリカに輸出してドルを得る
2)ドルを金利の付く米国債に変える(米国債購入)
3)アメリカは米国債を発行してドルを国民に配る
4)国民はドルで世界から買い物をする
コロナショック以前は、政府は間接的にドルを国民に配っていましたが(公共事業や軍隊)、コロナ後は直接ドルを国民に配る事もしました。普通の国でアメリカの様に国債を発行しまくっていたら、国債金利が上昇して財政破綻しますが、ドルは貿易決済通貨であり、資産市場の最強通貨ですから、ドルや米国債を過剰に発行しても、ドルも米国債も容易には余りません。だから暴落しない。これは基軸通貨特権と呼ばれるものです。
しかし、ウクライナ戦争以降、中国、サウジアラビアなど米国債を支えていた国々がドルと米国債から距離を取り始めました。ロシアがドル決済システムから締め出された事から、「ドルの武器化」を警戒したのです。
本来、ドル離れをしている国に対して、アメリカは関係改善を図ってドルと米国債の需給を安定させるべきですが、バイデン政権もトランプ政権もロシアや中国を敵視、BRICs諸国のドルと米国債離れを加速させています。
そしてトランプの関税戦争は「対米輸出を減らす事で、急激にドルと米国債の需要を減少させる」効果を持ちます。さらに、ドル安と、関税負担によるインフレ率の上昇は、米国債の金利上層を促し、米国債を大量に保有する米国内の地方銀行から、経営が破綻して行きます。
■ 「トランプはバブルを崩壊させて金利を下げようとしている」という嘘 ■
トランプの理解不能な関税政策を「トランプは株式市場を崩壊させて米経済を不景気にして金利を下げようとしている」などと解説するアナリストも見掛けます。「FRBに金利引き下げを要求しているから、トランプは高金利よりも不景気を選択するだろう」と解説されています。
バブルが弾けて米経済が不景気になると、ドルが売られてドル安になります。金利を上げなければ、ドル安は加速し、輸入コストの増大はインフレを加速してます。弱いドルは金利上昇圧力となるので、低金利を続ける事は不可能になります。円キャリートレードも、バブルが崩壊すれば巻き戻ります。リーマンショック後は1ドル70円台まで円高が進みました。
バブル崩壊によって米金利に不景気による下落圧力は掛かりますが、それ以上にドル安によるインフレや通貨防衛で、金利上昇圧力の方が高くなると私は妄想しています。
トランプが米経済を自爆させた所で、アメリカにとって良い事は一つもありません。
■ バブル崩壊は暴動や内戦の火種になる ■
アメリカのバブル崩壊で最も恐ろしいのは、人々の不満が暴動に発展する事です。今は大人しくしていますが民主党支持者の貧民は、景気が悪化して失業すれば、トランプへの憎しみを燃え上がらせるでしょう。デモは暴動に発展するはずです。ここで、警官が黒人に暴力を働いたり、州警察が暴徒の鎮圧に駆り出されたりしたら、アメリカは映画の「シビルウォー」の世界になります。
トランプのクレージーな政策は、アメリカの危険な未来を予見させますが、トランプ政権がアメリカを解体する為に準備された政権ならば、それこそが目的とも言えます。そして、人々は後にこう語るでしょう。「トランプはクレージーだからアメリカが解体した」と。
トランプが大統領である必要性を「加速主義」から考察すると、トランプこそが最適な人材だと理解出来るも思います。