人力でGO

経済の最新情勢から、世界の裏側、そして大人の為のアニメ紹介まで、体当たりで挑むエンタテーメント・ブログ。

したたかな日本の官僚

2010-01-31 04:29:00 | 危険なワクチン



■ ほとんど使用されない輸入ワクチン ■

厚生労働省が輸入ワクチンの初出荷を募った所、
山梨県から200回分の発注があったのみという報道がありました。

グラクソとノバルティス社合わせて
474万回分の摂取量を確保しているのに、
国産ワクチンも余っている状況下で、
輸入ワクチンはほぼ全量が無駄になりそうです。

■ 厚生官僚の巧みな戦略 ■

ところで、この200回分の発注しか無かったという
ニュース・ソースは誰が流したのでしょうか?
当然、出所は厚生労働省です。

彼らは何故、自分達の不利になるような情報を流すのでしょうか?

それは、輸入ワクチンを接種させたくないからです。

私はグラクソのワクチンがカナダで比較的高率で
アナフラキーショックという副作用が発生したという
年末の報道の時に、この事を疑い始めました。

副作用は1つのロットに集中しており、
副作用の実態は、国産ワクチンに比べても
大差無いものでしたが、
厚生労働省はマスコミ各社にこの情報を流し、
調査団をカナダとスイスに送っています。

あたかも、「輸入ワクチンが危険」と思わせる情報を
輸入ワクチン接種前に流す事で、
輸入ワクチンに対する国民の不安を煽っています。

■ あえて発注量を低く抑えた? ■

今回の「200回分だけの受注」報道にも裏があるようです。

http://rokushin.blog.so-net.ne.jp/2010-01-28
この医師のブログによれば、
輸入ワクチンの第一回目の受注は、
締め切り直前に連絡が来た為に、
ほとんどの自治体で、発注量の確認が出来なかった為に
山梨県の200回分の発注しか発生しなかったと疑っています。

この「200回分のみ発注」の情報にマスコミは飛びついて、
「ほとんど使用される事の無い輸入ワクチン」という
ネガティブ・キャンペーンが実施されるでしょう。

輸入ワクチンの接種時期も、
諸外国に比べて遅く設定し、
新型インフルエンザの流行が収まる頃にしています。

■ 輸入ワクチンの導入を薦めたのは誰? ■



上記ブログでは、枡添厚生大臣のブレーンが
輸入ワクチンの導入を強く勧めたと書かれています。

木村盛世氏が自身のブログで、
輸入ワクチンの導入を強く訴えていました。

又、上の写真は講談社が出版を取り止めた、
厚生労働省の技官「村重直子」氏の
厚生労働省批判の書籍ですが、
村重氏も、輸入ワクチンの導入を躊躇う官僚を批判している様です。

この2人に共通しているのは、
海外での臨床経験があり、
臨床経験が殆ど無い厚生労働省の官僚を
頭でっかちの無能と批判している事です。

彼女達が厚生労働省という組織に所属しながらも、
上層部を徹底的に批判し、
それでも厚生労働省に居られる理由は何でしょう?

・・・強力なバックアップがあるからでは無いでしょうか?

厚生官僚が反対する輸入ワクチン導入を実行させる誰かが
彼女達をバックアップして、
「厚生官僚は無能」というプロパガンダをさせているのではないでしょうか?

■ 一枚上手の厚生官僚 ■

厚生官僚は、輸入ワクチンの導入では押し切られますが、
ワクチンを実質使わせないという高等戦術に切り替えます。

1) ワクチンの輸入時期を遅らせる
2) 輸入ワクチンのネガティブな情報をリークする


これらの試みは見事に成功しようとしています。

さらに、組織培養ワクチンの開発研究費を、
新型インフルエンザ対策費と称して獲得しています。

木村氏はこの事を問題視していますが、
国の安全保障に係わるワクチン製造技術が
諸外国より遅れている現状を打破する事がいけないのでしょうか?

■ 厚生官僚の目的 ■

厚生官僚の目的は明確です。

1) 国産メーカーの保護
2) 国産メーカーの技術力向上


新薬開発を柱とする化学薬品が低迷する中で、
ワクチンは次世代医療として、
癌の治療などで期待が集まっています。

諸外国に比べ遅れているワクチン技術を
向上させる事は、日本の国益に合致します。

又、外国からウイルス攻撃を受けた際にも、
国産ワクチンの製造は重要な安全保障です。

この事を批判する人物は、誰の便宜を図っているのでしょうか?

■ 国産ワクチン産業は両刃の剣 ■

有事の際に国産ワクチンを量産する為には、
平時でも、相当な量のワクチン製造ラインを
維持する必要があります。

その為にはワクチンの需要を維持する必要が生じます。

組織培養ワクチンの製造技術が確率すれば、
短期間に大量のワクチン製造が可能ですが、
「国民全員分」のワクチンを供給できる設備を維持する為には
平時でもある程度のワクチンの需要が必要です。

結局、我々は「国産ワクチン漬け」にならざるを得ません。
国産ワクチンも「両刃の剣」なのです。

■ 有事に間に合わないワクチン ■

さらに、国産ワクチンが本当に有事に役立つかという問題があります。

軍事利用されるようなウィルスは、
「感染率が高く、死亡率も高い」人工ウイルスです。

今回の新型インフルエンザの例でも分かる様に、
ウイルスは全国に瞬く間の伝播します。

ウイルスを同定し、ワクチンを開発し、ワクチンを量産する期間と、
ウイルスが全国に蔓延する期間はどちらが早いでしょうか・・・。

経済活動を継続する限り、人と人の接触は避けられません。
結局、経済をストップして、人々の接触を絶たない限り、
ワクチン製造までに感染はピークに達します。

安全保障としてのワクチンの有効性には
この様なジレンマが付きまといます。

一方、有事を想定したワクチン製造ライン維持の為に
我々はワクチン漬けを余儀なくされます。

結局、自分を守るのは自分です。
免疫力を日頃から向上させ、
なるべくワクチンに頼らない生活を送るしか無い様です。






バラク・オバマ

2010-01-25 19:47:00 | 時事/金融危機



■ 就任1年のオバマ大統領 ■

オバマ大統領が就任してから1年が経ちました。



1) 金融危機で瀕死の状態の銀行は、復活して最高益を上げました。

2) アメリカの負債は急拡大しています。

3) 失業率は10%を越え、実質的には22%とも言われています。

4) グリーン・ニューディールは掛け声だけ、
   温暖化対策も掛け声だけ

5) アフガンに増派が決まりました。

6) 骨抜きの国民皆保健制度の成立も危ぶまれています。


オバマ大統領は、大銀行に莫大なプレゼントを与え、
そのお金を将来的に国民に請求しています。

さて、大統領は誰の味方なのでしょう?
オバマが銀行家の大統領と呼ばれる所以です。

■ イメージ先行の大統領 ■

民主党政権である事を強調する様に
国民皆保健制度の導入を目指していますが、
民間保険会社や共和党の巻き戻しで
その内容は大きく後退しています。

一方、金融政策や外交、軍事においては
ブッシュ政権からの継続性が強く現れています。

「初の黒人大統領」を守りたいという
マイノリティーの潜在的な願望を巧みに利用して、
ブッシュでは国民が納得できなかったであろう政策を
実行しているのが、オバマ大統領です。

その間、核廃絶や多国間交渉主義など
国際的にもアピールする方向性を提示していますが、
これはアメリカが単独覇権を維持出来なくなった事の裏返しです。

求職を諦めた者や、アルバイトで糊口を凌ぐ者を含めれば、
アメリカの失業率は実質22%に達すると言われています。
本来ならば、マイノリティーを中心に「暴動」が発生しそうな状況です。


■ 投資銀行の復活 ■

オバマは、銀行の自己勘定取引を規制しようとしています。
国民はこの法案が通れば、多少溜飲を下すでしょうが、
この法案は裏でボルガー元FRB議長が入れ知恵しているようです。

一見、金融機関の収益を圧迫しそうな法案ですが、
ゴールドマンなどは、元の投資銀行に戻れば良いだけです。
商業銀行各社も投資銀行部門を分離するでしょう・・・。

・・・あれ、結局金融危機以前の状態に戻るだけです。

商業銀行の看板を下ろせば、
ゴールドマンなどは誰はばかる事無く、
レバレッジを効かせた取引を継続する事が出来ます。

商業銀行に転身した理由は公的支援が目的ですから、
その必要性が無くなれば、元の投資銀行に戻るだけです。

現状の商業銀行では規制も厳しく、
ゴールドマンなど旧投資銀行は、
元の投資銀行に戻りたいはずです。

しかし、公的資金を受けた身としては
自ら「投資銀行に戻りたい」とは言えません。
それは、国民が許しません。

ですから政府が「自己勘定取引規制」を強要し、
それに違反して商業銀行の資格を剥奪されるか、
あるいは、仕方なく投資銀行に戻るというポーズを取りたいはずです。

オバマの大統領は、銀行の為に働く大統領なのです。

■ 銀行ロンダリング ■

メリルリンチなど、商業銀行に買収された銀行は、
分離の際に、商業銀行側に不良債権を手土産に残して行くかもしれません。
実体経済が回復不能なまでに痛んでいるアメリカで、
商業銀行の大幅な収益の回復は望めません。
まして、グラス・スティーガル法的なオバマの銀行規制が適用されれば、
商業銀行の経営環境は急激に悪化します。

儲かる投資銀行部門を「グット・バンク」に、
儲からない商業銀行を「バット・バンク」にして
銀行ロンダリングの様な行為が行われないとも限りません。

残った商業銀行は、人々の貯金を預かっていますから、
やはり「大きすぎて潰せない」ままです。
ここで、さらに預金保護の名目で、
新たな資金注入が行われるかもしれません。

なぜなら、オバマ大統領は「銀行の味方」なのですから。


■ ボルガーと高金利政策 ■

存在感を表してきたボルガーは
レーガン時代のFRB議長です。

当時彼は高金利政策を実施し、
高金利を求めて、アメリカに資金が流れ込み、
高金利の米国債を日本の銀行なども買い込みました。

一方、ドル高が進行し輸出産業は衰退して行きます。
そこでプラザ合意によって、
日本やドイツが為替介入を行い、
ドル安に誘導して行きました。

■ 高金利政策とドル安誘導 ■

古典的な経済学では、金利の上昇はインフレを抑制します。
これは、資金の流れが国内に限定している場合のみ有効です。

現在の世界は、為替市場によって
国と国との間で自由に資金が流動します。

金融危機以降の各国の低金利政策が、
国内の需要に結び付かず、
キャリートレードによって金融機関を利する結果をもたらすのも
国境を越えた資金流動が原因です。

従来、インフレを抑制するはずの高金利政策ですが、
現在においえは、金利に飢えた海外資金を誘導し、
国内の通貨流通量が極端に落ち込む事はありません。

プラザ合意後は、ドルが安くなった事で
ジャパンマネーがアメリカの資産を買いまくり、
流入した資金がアメリカ復活のきっかけを作りました。

一方、その後の行き過ぎ歌ドル安を
是正する為の為替介入の為に買われたドルは
アメリカ国債を買い支える事となります。

■ 日本のバブルの崩壊 ■

アメリカ経済が復活する頃、
日本ではバブルの崩壊が発生します。

かつてアメリカを買い漁った日本企業は
アメリカの資産を手放してゆきます。
この後アメリカは、ITバブル、金融バブルに突入します。

■ アメリカの出口戦略 ■

ボルガーの登場は、アメリカの出口戦略が近い事を予感させます。
はたして、今回の高金利政策は成功するでしょうか?

現在のアメリカで金利が上昇すれば、
住宅ローンやクレジットのデフォルトが多発します。
商用不動産市場も完全に崩壊します。

自動車産業を始め弱体化した製造業や、
不況にあえぐシリコンバレーも、
資金調達コストの上昇に耐えられないでしょう。

それでも、マネーゲームの資金はアメリカに向かいます。
長期的には安全な投資では無い、アメリカ国債も
高利に釣られた資金が引き寄せられてきます。

■ 儲かるのは銀行だけ ■

金融崩壊で、タダでばら撒かれたドルに、
オバマ政権は、今度は金利をプレゼントしようとしています。

しかし、アメリカの実体経済は高金利に耐えられません。
儲かるのは銀行で、苦しむのは国民です。

アメリカ国債も、かつての日本のような従順な買い手は存在しません。
一時のアメリカ国債バブルが過ぎれば、
大きな負債のみがアメリカ国民を襲います。

その後に訪れるのは、世界をリセットする為の戦争でしょうか・・・。
流されるのは、アメリカの若い兵士の血と、
遠い国の無辜の民の血です。


・・・オバマ大統領は、あくまでも「銀行の味方」です。


本物のセンス・オブ・ワンダー・・・電脳コイル

2010-01-21 00:04:00 | アニメ



■ センス・オブ・ワンダー ■

映画やアニメを見る楽しみや、
小説を読む楽しみは、
「センス・オブ・ワンダー」を
体験する楽しみです。

センス・オブ・ワンダーは、
「不思議な感覚」と訳せますが、
SFの用語として広く知られています。

私は未見ですが、キャメロン監督の「アバター」を観て
人々が感じる感覚が「センス・オブ・ワンダー」です。

キャメロン監督は「ターミネーター2」で
CGを導入して私達を驚かせましたが、
私としてはデビュー作の「アビス」で、
深海の高圧に耐え切れずに
潜水艇のライトが内破する瞬間の方が、
センス・オブ・ワンダーを感じるひとコマでした。

「センス・オブ・ワンダー」の語源は
意外にも「沈黙の春」で有名な
レイチェル・カーソンの小説の題名です。
レイチェルの遺作となるこの作品は、
彼女が夏の数ヶ月を過ごす
メイン州の海岸や森の神秘を
静かに綴った作品です。
「センス・オブ・ワンダー」とは
「小さな自然の神秘」を指す題名です。

これ見よがしのCGやアニメの映像より、
科学的に検証されたひとコマや、
日常が垣間見せる、思わぬ情景の方が、
レイチェル・カーソンの表現した
センス・オブ・ワンダーの語源に近い感覚でしょう。

■ 日常と重なり合うバーチャル ■

バーチャル・ワールドを描いた作品と言えば、
ウィリアム・ギブソンの小説「ニュー・ロマンサー」や、
映画「マトリクス」が思い浮かびます。

昨年夏、ヒットを記録したアニメ映画の
「サマー・ウォーズ」もこの譜系の作品です。

「バーチャル・リアリティー=非日常的な空間」
という認識が私達の間に確立しています。

ところが、NHKで2007年に放映された「電脳コイル」は
バーチャル空間が「日常にマッピング」されている事で、
新しい地平を切り開くと同時に、
近年稀に見る「センス・オブ・ワンダー」を体験させてくれます。

■ 電脳メガネを掛けた子供達 ■

2026年の未来、
メガマス社の開発した電脳メガネを掛けると、
現実空間にマッピングされた電脳空間が認識出来ます。

一見、何の変哲も無い日常の風景ですが、
例えばペットの犬はバーチャルな電脳ペットで
メガネを外すと見えなくなったりします。

電脳メガネには色々な機能があって、
携帯電話になったり、
ヘッドアップディスプレイとしても機能します。

子供達の遊びも、殆ど眼鏡を使った遊びで、
ケンカも電脳対決です。

■ バーチャル空間の中のホラー ■

実際の都市にマッピングされている電脳空間は
アップデートにタイムラグがあります。
アップデートが遅れた空間は
「古い空間」と呼ばれ、
現実とバーチャル空間に差異が生じています。

この古い空間を通して、
「ミチコさん」が住む異世界に
子供の意識あ連れ去られるという
「都市伝説」が広がっています。

この「トイレの花子」さんならぬ
「ミチコ」さんに、
子供達は言い知れぬ恐怖心を抱いています。

■ 他愛の無い子供の世界にひそむ異世界 ■

物語は電脳以外はいたって日常的な子供の世界を
転校生のヤサコ(優子)を中心に描いて行きます。

26話の前半は、子供の友情や、
対立やケンカを、
バーチャルなギミックを上手に使いながら
丁寧に描いて行きます。

ところが、中盤を過ぎると、
「ミチコ」さんと「あっちの世界」が
子供達に暗い影を投げかけてきます。

意識を「あっちの世界」に置き忘れてきた兄を救うべく、
異世界の扉を強引に開こうとする少女、イサコ(勇子)。
それを利用する大人や会社。

主人公ヤサコの過去の夢と、イサコの過去。
企業のエゴと、人のエゴが複雑に絡み合いながら、
物語は確信に迫って行きます。

「ミチコ」さんとは何か?
交通事故で死んだ子供の死因は何か?
4423と名乗る夢の中の少年は誰か?

■ SFとしての完成度の高さ ■

電脳空間と電脳眼鏡をギミックにした、
子供達の群像劇と思われた物語は、
子供の視点を損なう事無く、
SF的にどんどん深化してゆきます。

しかし、扱われる事象は、
客観的に見れば「学校に怪談」の域を出る事はありません。
アニメにありがちな世界の破滅も起こりません。

事件は少女達の極私的過去と、
データのバグを消去しようとする
大人達の些細な努力という
ミニマムな要素で展開して行きます。

しかし、むしろこの抑制の効いた設定が、
大風呂敷を広げて、たためなくなる事の多いSFにあって、
とても高い完成度と、物語としての魅力を生み出しています。

「深海のイール」や「パラサイト・イブ」の様に、
個人の物語を放棄するのでは無く、
イサコとヤサコの物語を丁寧に掬い上げながら、
物語は終焉を迎えます。

■ 賞を総なめした、隠れた名作 ■

私の文章ではこの作品の素晴らしさを表現出来ませんが、
この作品が2007年の賞を総なめした事からも、
多くの人にお勧めしたいアニメです。

2007年文化庁メディア芸術祭アニメーション部門優秀賞[1]、
第7回東京アニメアワードTVアニメ部門優秀賞、
第39回星雲賞メディア部門、
第29回日本SF大賞受賞作品。
また同作の原作・脚本・監督により、
磯光雄が第13回アニメーション神戸個人賞を受賞した。

■ この素晴らしいアニメが話題にならない悲しさ ■

「涼宮ハルヒの憂鬱」がヒットする理由は良く分かります。
そして「電脳コイル」が一部のファンにしか浸透しない理由も良く分かります。

「キャラに萌えられる」かどうかです。

「涼宮ハルヒの憂鬱」が「萌えキャラ」を
戦略的に利用して成功を収めたのと対象的に、
「電脳コイル」は「萌えキャラ」を排して
一般受け出来なかったと言えます。

普通の街、普通の子供達、
普遍的な子供の願望に隠れた
「センス・オブ・ワンダー」。

今どきの子供は、この素晴らしい世界に感応する力を
失っているのでしょう。

「電脳コイル」が話題にならない日本の将来を憂います。















独立国家という虚構

2010-01-18 09:56:00 | 時事/金融危機




■ 日本は独立国家か ■

日本が「独立国家」である事を
疑う人は少ないでしょう。

国家の定義を高校生に問えば、
次の様な模範解答が返ってくるでしょう。

1)主権を有する
2)国土を有する
3)国民が存在する。

「国土」と「国民」に関しては
疑いようのない事実です。
それでは「主権」はどうでしょうか?

「国民主権」を標榜する日本は、
国民が国家の方針を決定出来ます。
少なくとも我々はそう信じています。


■ 「権力」は国民と法律に仕える ■

民主主義国家である日本においいては、
国民が国家の「主」であり、
国民に選出された「国会議員」が
法律を制定する事で、
国家のあるべき姿を規定します。

自衛隊(軍隊)や、警察、検察は
武力や捜査権、逮捕権を有していますから
一介の国民に比べたら巨大な力を持つ組織です。

しかし、これらの「権力」は、
法律上は「国民の生命と財産を守る」組織です。
自衛隊のシビリアンコントロールを例に出すまでも無く、
自衛隊も警察も検察も、
法を逸脱してその権力を行使する事は出来ません。

■ 日本の独立 ■

第二次世界大戦でアメリカに敗れた日本はGHQの統治を経て
独立を回復します。

この過程は現在のアフガニスタンやイラクの状況に似ています。

日本人は戦前の軍部の独走の苦い経験から、
アメリカがもたらした民主主義を受け入れ、
「国民主権」と「日本の独立」に疑いを抱く事はありませんでした。

一方、イラクやアフガニスタンの国民は、
アメリカのもたらした「民主化」を単純には信じていません。

我々の目から見ても、イラクやアフガニスタンの政権は
アメリカの傀儡政権の様に移ります。

一般的に考えて、戦争で国民の血の犠牲を払った結果、
民主主義を与えて終わりなどという事は在り得ません。

敗戦後の独立は、かりそめの「独立」であり、
強い影響力をその国に残す事が当然の成り行きです。

■ 検察とマスコミ ■

アメリカが日本に影響力を行使する為には、
確実な権力による統制が必要です。

自民党という傀儡政権を樹立すると共に、
その目付け役として、
警察や検察に影響力を残す事は
小学生でも考えそうな事です。

さらには、マスコミをコントロールする事も
小学生が自分に都合の良いウサワを流すのと
同程度の基本的な戦略でしょう。

本来、小学生でも分かりそうなこの事象に、
日本人は戦後60年以上気付きませんでした。


■ 「検察」の捜査権 ■

従来、捜査権・逮捕権は「警察」に、
公訴権は「検察」に、
裁判権は「裁判所」にあります。

検察官は独立した強い権限を持ち、
警察に逮捕された者を罪を訴追するかどうかを決定し、
裁判において、その罪を追及します。

さらに検察には捜査権も与えられています。

警察の捜査権は、刑事訴訟法に規定され
「犯罪があると思料されるとき」に行使されます。

一方検察の捜査権は検察庁法に規定され
「必要と認めるとき」に行使されます。

検察はこの法律により、
警察の捜査とは別に、事件を捜査する事が出来ます。
警察の捜査に不備が認められる場合を想定し、
その補完として付与された権利と思われます。

検察庁法という組織法で
その捜査権が規定される事を問題視する
法律関係者もいらっしゃるようですし、
警察の捜査権と重複する事を問題視する向きもあります。

法律は生き物ですから、
結局は運用が適切かどうかが問題となります。

■ 「捜査権」の乱用 ■

小沢一郎絡みで注目を集めている東京地検特捜部は
大規模犯罪の捜査を目的に、
1947年にその前身が設立されています。

東京地検特捜部が注目されたのはロッキード事件からです。
総理大臣に犯罪を摘発した事で、
国民は東京地検特捜部の活躍を支持します。

ロッキード事件以降、国民の支持を得て、
東京地検特捜部は時代の節目節目で、
その強権を発動するように成ります。

小泉政権下で、検察の横暴は一線を越え、
政敵を追い落とす手段として利用されます。

■ 「田中派」を標的にした検察 ■

検察によって摘発された政治家には
明らかな傾向が見て取れます。

田中派) 田中角栄 逮捕 ロッキード事件 (←東京地検特捜部)
(経世会)竹下登  失脚 リクルート事件 (←東京地検特捜部)
(経世会)金丸信  失脚逮捕 佐川急便献金・脱税 (←東京地検特捜部&国税) 
(経世会)中村喜四郎 逮捕   ゼネコン汚職 (←東京地検特捜部)
(経世会)小渕恵三 (急死)(←ミステリー)
(経世会)鈴木宗男 逮捕 斡旋収賄 (←東京地検特捜部)
(経世会)橋本龍太郎 議員辞職 日歯連贈賄事件 (←東京地検特捜部)
(経世会)小沢一郎  西松不正献金事件 (←東京地検特捜部)
(経世会)二階俊博  西松不正献金事件 (←東京地検特捜部)

(清和会)岸信介    安泰
(清和会)福田赳夫   安泰
(清和会)安倍晋太郎  安泰
(清和会)森 喜朗    安泰
(清和会)三塚 博   安泰
(清和会)塩川正十郎  安泰
(清和会)小泉純一郎  安泰
(清和会)尾身幸次   安泰

岸信介を始祖とする清和会には逮捕者は無く、
一方的に吉田茂を始祖とする経世会に逮捕者が集中します。

岸信介の政治資金をCIAが援助していた事からも、
清和会がアメリカの意志を代弁する団体である事が疑われます。
小泉政権において、その傾向は顕著になります。

一方、旧田中派は日米経済摩擦時の橋本龍太郎を始め、
アメリカにある程度の対決姿勢で望む政治家が多く、
その最たる者が、小沢一郎であると言えます。


■ 政治は金の力 ■

小沢一郎が「自由党」の政党助成金15億円を
自己の政治資金に流用した事は、ほぼ間違いの無い事でしょう。

藤井財務大臣の辞任は、
国会での追及を避ける為の行動でしょう。

「政治=金の力」 である限り、
政治家と不透明お金の縁は切れません。
いえ、不透明な金を作る力こそが、
政治家の実力だとも言えます。

小沢一郎の一連の行為は、
とどのつまり、どの有力政治家も手を染めている事柄です。
政権政党は利益誘導が容易ですが、
野党はいろいろとセコイ手を使わなければ
満足な資金すら集まりません。

政治に潔白を要求する事は、
犬に2本足で歩けと要求する様な事なのかもしれません。

■ 「日本の主権」と「政治家の潔白」 ■

今我々に問われているのは、
「政治の潔白」と「日本の主権」の選択です。

政権交代後の国会開催直前に
政権政党の最重要人者を捜査するなど、
検察は明らかに政局に干渉しています。
これは検察権の政治利用以外の何物でもありません。

マスコミ的には、「官僚の反乱」というプロパガンダを行っていますが、
裏でアメリカが動いている事に気付いている国民は沢山います。

この事実を明らかにする為に
民主党政権は明らかな「反米的姿勢」を取ってきたのでしょう。

「アメリカに逆らえばどうなるかを明らかにする」事が目的です。

さて、我々は「日本の主権」を損なっても
「政治の潔白」を求めるべきなのでしょうか?

■ アメリカ追随は継続不可能 ■

戦後日本の経済発展を支えていたのは、
アメリカが提供する安全保障だった事は事実です。
その恩を忘れて中国に尻尾を振るのかという意見もあるでしょう。

しかし、アメリカの目的が日本国民の財産(貯蓄)であり、
ドルの減価によってアメリカの凋落が確定的な現在、
日本がアメリカに追随しても将来は見えています。

国際社会はハチ公とその飼い主のような関係ではありません。
刻々と変化する力関係を冷静に判断して、
国民の利益と財産を守る義務が国家には求められます。

中国も不安要因の多い国ですが、
アジアの地域覇権国になる事は疑い様の無い事実です。
アメリカが、軍事大国化する中国を極東地域で圧倒する事は、
ほぼ不可能になっています。

好む、好まざるに係わらず、
日本は政治的にも経済的にも東アジア地域に取り込まれて行きます。

■ 政治家の目的? ■

アメリカに敵対する政治家は、
政治生命のみならず、
自身や家族の命を危険に晒しているとも言えます。

小沢や亀井などは、裏事情にも通じている事が、
その生命を保障しているのでしょうが・・・。

少なくともその様なリスクを、
個人的な利権獲得の為に犯す必要があるでしょうか?

私は政治家は世間で言われる程、
金の亡者でも、利権誘導屋でも無く、
案外、純粋に彼らなりの理想を求めているのだと思います。

その過程においては権力掌握が必要ですから、
当然泥にまみれる訳ですが、
「構造改革」を隠れ蓑に、
日本人の資産をアメリカに売り渡す人物よりもマシでは無いかと・・・。

■ 小沢の逮捕、民主党の解体 ■

国民は今回は「小沢と金」の関係に、
以前程ヒステリックには反応していません。
むしろ、東京地検特捜部の強引な捜査に疑念を抱いています。

この様な状況下で、小沢逮捕、民主党の解体などという事態になれば、
我々日本国民が選挙の結果選んだ政権を
アメリカは「検察」を利用して
簡単に崩壊させられるという事が証明されてしまいます。

そうなった場合、日本人は戦後60年以上、
「独立国家」という虚構に酔いしれていただけになってしまいます。

私達は「本当の独立」を獲得出来るのでしょうか?









新型インフル・・・欧州委員会がWHOを追及

2010-01-12 04:53:00 | 危険なワクチン





■ 欧州委員会がWHOと製薬会社の関係を追及 ■

インターネットの情報が常に正確とは限りませんが、新聞やTVなどが伝えない情報に溢れている事は事実です。新型インフルエンザに関して言えば、各種報道は冷静さを取り戻しつつありませが、未だにワクチン接種を勧める記事が多い様です。

一方、ヨーロッパでは欧州委員会がWHOと製薬会社の関係について、とうとう追及する姿勢を見せ始めました。

http://satehate.exblog.jp/13459441/

実体が何処まで明らかになるかは予断を許しませんが、今回のパンデミック騒ぎはWHOの良く言えば「勇み足」、悪く言えば「製薬会社への利益供与」であった事は明確になりつつあります。

新型インフルエンザの毒性が極めて低い事が判明し、各国で大量のワクチンが余り、国民からその責任を追及されつつある各国政府や欧州委員会が、WHOの責任を追及するのは至って自然な成り行きです。

■ 問題なのは日本のマスコミ ■

問題なのは日本の大手マスコミの閉鎖性と画一性です。日本の新聞はまるで政府の報道機関であるかの如く、新型インフルエンザの危険性しか報道してきませんでした。ちょっとネットで海外の感染状況や、国内の感染者と死者の数字を調べれば、誰でも今回のインフルエンザが極めて毒性の低いものである事に気付くはずですが、その事に言及する報道はほとんどされて来ませんでした。

むしろ、国産ワクチンも輸入ワクチンも臨床が不十分で、副作用の発生率の通常の季節性に比べ高率である事を全く無視して来ました。その結果、インフルエンザに感染して死亡した人よりも、ワクチン接種後に亡くなった方が多くなるという大変悲惨な事態を招いています。ワクチンが死亡原因とは限りませんが、接種後に健康だった高齢者が心筋梗塞にったり、肺水腫に陥ったりと似た様な症例が多い事からも、ワクチンの影響を全く無視する事はむしろ不自然です。

http://rokushin.blog.so-net.ne.jp/2010-01-07

まして、今後は国内的には安全性の確率していないアジュバント入りの輸入ワクチンの接種が始まります。「スクワレン・アジュバント=不妊化」というのは確かに根拠の無い風評なのでしょうが、アジュバントの安全性が100%確認出来ていない事も事実です。

この様な問題点に、ネットは非常に敏感ですし、マスコミは常にグレーゾーンは隠蔽する傾向があります。そして、そこでは常に国民の命や財産が危険に晒されています。

■ ネットの力を見誤ったWHO ■

インターネット時代以前であれば、ワクチンがこれ程余る様な事態にはならなかったでしょう。しかし、ネットは風評の拡張装置であり、悪い噂程迅速に広がって行きます。

風評というと根拠の無い噂のように感じられますが、火の無い所に煙は立たない様に、疑いの無い風評は伝播しません。誰もが漠然と「不自然さ」を実感しているからこそ風評が広がって行くのです。これはある種の社会の防衛反応かもしれません。

WHOはネットを甘く見ていた様です。パンデミックを声高に叫べば、人々は恐怖してワクチンを接種すると思っていたのでしょうか?

■ 一度疑いの目で見始めると・・・ ■

私も新型インフルエンザ騒動まではWHOは善意の機関だと思っていました。しかし、一度疑いの目で見始めると、彼らの政策の全てに、何か利権や、或いは計り知れない悪意が潜んでいる様に思えてきます。エイズのワクチンも、子宮筋腫予防ワクチンも、WHOの推進するワクチンを疑念の目で見てしまいます。

ワクチンによる人口統制というのは、荒唐無稽かもしれませんが、製薬会社に対する利益供与となれば、あながちウソでは無いかもしれません。

■ さらに疑いの目で見れば ■

さらに疑いの目で見れば、WHOと製薬会社の癒着はベタな内容だけに、世の中の理解が得やすく、それによって何か重大な事を隠しているようにも思えます。

スキャンダルがより重大な事象をもみ消す為に使われる事は世の常です。ネットはWHOの色々な噂に溢れています。彼らははたして製薬会社に利益誘導するようなチンケな目的の集団なのでしょうか?それとも・・・。


■ 51週(12月14日~12月21日)の日本の感染状況 ■



51週の日本に感染状況がアップされていました。
日本でも新型インフルエンザは確実に収束に向かっています。

国産ワクチンですら余っている状況で、輸入ワクチンはどうなるのでしょうか?責任追及の矛先は、厚生労働省の小役人では無く、WHOに向けられるべきです。