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mRNAワクチンはアジュバンドを体内で生成する?・・・強い炎症の正体

2021-02-21 23:19:00 | 新型コロナウイルス
 
・・・一部修正しました(DNAコードしたワクチン・・・二本鎖RNAをコードしたワクチン)

■ 新型コロナワクチンの副反応 ■

CDCはファイザーとモデルナ、2つのワクチンについて去年12月から先月までに接種されたおよそ1380万回分のデータを分析。その結果、副反応があったのは全体の0.05%にあたる6994件でした。(内、重篤な副反応は640件)もっとも多かった副反応は頭痛で、倦怠感やめまいも確認されています。


上記報道の「副反応」はかなり重い副反応です。一般的な「接種部位が腫れる」とか「頭痛がする」とか「発熱がある」などの副反応はもっと高い頻度で発生します。



接種部位の痛みなどは、二日間手が肩から上に上がらなくなるなど「普通」に起こる様です。治験では2%の人が一時的に日常生活に支障が出る副反応があったとCDCの報告書には書かれています。

ただ、「39度の発熱は、コロナで死ぬよりはマシ」と考える人は多い事も確かです。


■ 重篤な副反応は0.0046(%) ■

CDCの報告によれば、アメリカで1380万回接種て640件の重篤な副反応があったとされています。
640 ÷ 13,800,000 = 0.0046(%)

アナフラキシーショックの発生率とほぼ同じなので、「新型コロナワクチンの重篤な副反応=アナフアキシーショック」と考えて問題無いでしょう

■ 他のワクチンと比べてみる ■

0.0046%が高いのか、低いのか、他のワクチンの重篤な副反応と比べてみましょう。





<サーバリスクの例>

接種回数        6,957,386回

重篤な副反応(企業報告) 704件
発生率           101.2

重篤な副反応(医療機関) 91件
発生率           13.1

発生率に単位が有りません。

704 ÷ 6,957,386 = 0.00010187 = 0.0101(%)
91 ÷ 6,957,386 = 0.00010187 = 0.0013(%)

サーバリスクの重篤な副反応は・・ 0.0114(%)


接種後の若い女性に様々な症状が出て問題になった子宮頸がんワクチンに比べれば、新型コロナワクチンの重篤な副反応の発生率(%)は0.0046(%)は4割程度です。

一方、インフルエンザワクチンと比べた場合、インフルエンザワクチンの重篤な副反応の発生率(%)は0.000728(%)ですから、新型コロナワクチンの発生率は6.3倍高い事になります。

ただ、ワクチンに副反応(重篤も含む)は避けて通れません。日本脳炎のワクチンの副反応率(%)は0.00105(%)とサーバリクスと同等です。

ただ、日本脳炎ワクチンの接種回数は少ないので、重篤な副反応に苦しむ人は結果的に少人数です。一方、新型コロナワクチンの接種人数は非常に多くなる可能性が高いので、重篤な副反応に苦しむ人も或る程度の人数に達します。


■ mRNAワクチンはアジュバンドを体内で生成するのでは無いか?■

アナフラキシーの様な重篤なアレルギー反応は別として、新型コロナワクチンはインフルエンザワクチンに比べ、発熱や痛みや腫れ、嘔吐などの副反応が多い様に感じます。

mRNAワクチンは、「ウイルス細胞のスパイク蛋白質を作る設計図となるメッセンジャーRNAを筋肉組織に注射して、筋肉の細胞にウイルスのスパイク蛋白質を作らせる」と説明されています。

しかし、実際の免疫反応はそれ程単純では無く、免疫細胞が接種部位に集まって来る「きっかけ」が必要です。自然のウイルスが免疫細胞に取り込まれて抗原提示される時には、様々な抗原タンパク質が提示されます。その内のどれかが免疫細胞を強く引き付ける役割を担います。

ウイルスを弱毒化したり、分解処理したワクチンでは、ウイルスの断片に免疫細胞を引き付ける「断片」が混入していて、ワクチンが効果を発揮すると考えられています。

一方、ウイルスのタンパク質の一部を複製してワクチンとして利用する場合、「免疫細胞を引き付ける何か」が存在しないので、免疫細胞が集まらない。そこで、他の物質で免疫細胞を集める方法が取られます。それが「アジュバンド」と呼ばれるいう物質です。「アジュバンド」には様々な種類が有ります。古くは水酸化アルミニュウムが用いられています。スクワレンという脂(オリーブオイルなどに含まれ、人体中にも存在する)も用いられています。さらには微生物の断片やら何やら、様々な物質がアジュバンドとして機能する事が知られていますが、安全性に疑問が持たれる物の多く、承認されているものは少ない。

mRNAワクチンは従来、免疫賦活効果が弱くアジュバンドを併用しなければ効果が発揮できないとされていました。しかし、近年の研究ではmRNAに二本鎖RNAのコードを組み込み、免疫賦活効果を高め事に成功したという研究結果が発表されています。


2本鎖mRNAを設計し、mRNAワクチンの効果を飛躍的に向上 東京大学

二本鎖DNAのアジュバンドは以前より知られていますが、インターフェロンの誘導効果が高い代わりに、炎症反応が強いので、承認されていませんでした。

ファイザーやモデルナの新型コロナワクチンはアジュバンド不使用とされていますが、一方で効果が非常に高い。これは、何等かのアジュバンドの存在を示唆しており、多分mRNAに二本鎖RNAを合成するコードが挿入されているのでしょう。

「アジュバンド不使用」というのは「アジュバンドは使っていないけれど、体内でアジュバンドを生成する」ワクチンだと私は疑っています。(疑うもなにも技術としては優れもので感心しています)mRNAの中に設計図を隠しておけばOK。

まあ、憶測に過ぎませんが、免疫賦活効果が高い反面、炎症を始めとした様々な副反応が一般のワクチンい比べ、比較にならない程頻繁に発生する原因は、多分二本鎖RNA型のアジュバンド生成コードによって作られるタンパク質に原因が有ると思われます。

ファイザーもモデルナも企業秘密なのでmRNAのコードを明かにしていません。コートの中に何を隠しても分からないのです。各国の認証機関は、治験における免疫賦活効果と副反応のバランスを見て、ワクチンを承認するしかありません。mRNA自身は分解も速く数日で体内から消えるとされていますが、二本鎖RNAは一本鎖のRNAより安定で体内で長く働き続けます。炎症反応を引き起こすタンパク質が長期間に渡り生成される可能性が有ります。

人の体の細胞は2か月で全て入れ替わると聞いた事が有るので、最悪は2か月間、何らなの炎症反応が続く可能性は有ります。その間は、炎症反応によって自然免疫も高まるハズですから、このワクチンは2か月の間、新型コロナウイルスの予防効果を発揮する・・・ただ、それがスパイク蛋白の免疫を細胞が記憶したおかげなのか、二本鎖RNAが体内で作り出すアジュバンドの自然免疫の活性化の影響なのかは・・・神のみぞ知る。

多分、専門家は薄々気付いていますが、次世代ワクチンの重要な技術を、こんなに代々的に実験出来る機会は又と在りません。

mRNAワクチンの効果が実証されれば、今後、ガンのワクチン治療に道が開け、富裕層はお金に糸目を付けづに「プライベートワクチン治療」でガンを克服する時代がやって来るかも知れません。


・・・まあ、私は実験台にはなりたく無いので、免疫を下げない様に深酒に注意するのみ!!



2019年秋には既に世界に拡散していた新型コロナウイルス

2021-02-14 02:01:00 | 時事/金融危機
 

■ スペインでは2019年3月の排水サンプルから検出 ■

私はかねてから「2019年12月には日本で新型コロナは大流行していた」と書いて来ました。これは、この時期に短期間の発熱と乾いた咳をする人がオフィスや電車の中に大勢いらした事、そして私自身、2020年1月初旬に同様に風邪症状に罹った事を根拠にしています。

昨年より、「新型コロナは武漢で最初の患者が確認されるよりも相当以前より世界に広がっていた」という報道がネットニュースなどでされています。

1) スペインでは2019年3月にバルセロナで採取された排水サンプルより検出
2) ミラノで2019年9月に採取された血液からCOVID-19の抗体を検出
3) フランスで2019年12月に亡くなった男性の血液サンプルから抗体を検出

バルセロナの例はPCR検査によるものらしいので、擬陽性の可能性が有りますが、ミラノの例が真実ならば、少なくとも2019年9月にはヨーロッパで新型コロナウイルスが存在していた事になります。

2019年はアメリカでインフルエンザの患者が例年よりも多い年でした。インフルエンザとして処理された人の中にも新型コロナの患者が含まれていた可能性は高い。

仮に2019年9月に世界にウイルスが拡散し始めたとすれば、気温の低下で感染が拡大するコロナウイルルスが年末から日本で流行していても何ら不思議では有りません。

■ 知らなければ「咳の続く風邪」で片づけられていた ■

仮に日本で2019年の12月に新型コロナウイルスが感染拡大していたとして、何故、それが発見されなかったのか?

「未発見のウイルスの感染症は存在しないから」です。

この時期、ネットメディアでは武漢で新型のコロナウイルスの感染症が発生しているらしいという報道が始まりましたが、TVのニュースで取り上げられるのは1月に入ってからです。

12月に日本人で武漢の新型ウイルス発生の情報に興味を示していた人は、医者でも少ないハズです。インフル様の症状を訴えて病院に来た患者に、インフルエンザの検査をしても陰性。「インフルではありません。ただの風邪ですから、暖かにして栄養をしっかり取って、水分補給も忘れないで下さい」などと言って診察はオシマイ。

それでも、乾いた咳の止まらない人は、再び病院を訪れたでしょう。知り合いもそうでした。すると今度は「多分、咳喘息ですね。吸引をしましょう」と言われ、吸引ステロイド剤の治療が行われます。実はこれは悪い治療では無く、新型コロナの間質性肺炎には有効な治療法です。知り合いの方の咳もしばらくして収まりました。

多分、この時期、高齢者施設などにもウイルスは入り込んでいたかも知れません。巷の高齢者も感染していた可能性も有ります。ただ、ここでも死因は「肺炎」とされていたでしょう。「ご高齢でしたから肺炎も命取りになります」などと医者は家族に説明したでしょう。

この時期、超過死亡率の増加が顕著に確認された形跡はないので、新型コロナウイルスで高齢者が無くなるケースは、日本においてはインフルエンザ程度かそれ以下だったのでしょう。

一方、アメリカでは2019年シーズンのインフルエンザの死亡者が4万人を超えていましたから、この一部が新型コロナだった可能性は高いでしょう。欧米人はコロナに弱い。

■ 知らぬが仏 ■

新型コロナウイルスの死者数が多いのは、「PCR検査で陽性ならば、心筋梗塞が原因で亡くなっても、ガンでなくなってもコロナ死者とカウントする」という各国の通達が出ているからです。コロナが直接的な死因の数だけカウントしたら、欧米でもコロナ死者は大きく減ると思われます。

新型コロナウイスるの存在すら知らなければ、医者ですら「肺炎で直ぐに悪化して死んだ」という印象しか持ち得ません。そして、患者の免疫力が低下していたからだと結論付ける。

コロナ死者の大半は日本でも欧米でも高齢者ですが・・・日本や東アジアの高齢者は新型コロナウイルスに耐性が有る様で、高齢者施設や病院にウイルスが入り込んでも全滅する様な事態にはなりません。

治療法が分かって来た事と、高齢者のステロイドの予防投与で高齢者の重症化率も、死亡率も下がっています。下の数字は昨年6-8月の数字です。

    重症化率(%)  死亡率(%)

60代   3.85      1.24
70代    8.40      4.65
80代   14.50      12.00
90代   16.64      16.09

この数字を見て恐れ慄いている高齢者の方は、きっと算数の授業をサボっていらした方でしょう。このパーセンテージの分母は「感染者数」である事に注意して下さい。60代、70代の方の感染率はそもそも低いので、60代、70代でコロナで死ぬのは相当にレアなケースです。

さらに、この数字をから言える事は・・・・

60代・・・重症化するのも、死亡するのも殆どが基礎疾患を持っている人
70代・・・重症化するのも、死亡するのも殆どが基礎疾患を持っている人
80代・・・重症化するのも、死亡するのも殆どが基礎疾患を持っている人
90代・・・重症化するのも、死亡するのも殆どが基礎疾患を持っている人

加齢と共に基礎疾患を持つ人は増えて来ます。高血圧や糖尿病や循環器系に疾患を持つ高齢者は珍しくありません。その方々が新型コロナウイルスに感染すると、重症化します。

70代では感染してもお亡くなりになるのは5%の方だけ。これは運が悪かったと諦めるしか無い。

一方、80代、90代は重症化率と死亡率はほぼ一致しています。これは寿命だと思って諦めるしか無い。「おじいちゃん、流行りものが好きだったからね、やっぱり最後もトレンドに敏感だったね」と葬式で親戚が語り合うのが丁度良い手向けでは無いでしょうか・・・。あ、葬式出来ないんだっけ。死体も火葬するまで厳重管理だった・・・。

もう、こんなアホ臭い騒動は、そろそろ終わりにしませんか・・・。


不謹慎だと御叱りを受けそうですが、日本においてインフル以下の脅威でしか無いコロナでお亡くなりになると、田舎では腫物扱いで、家族も肩身が狭くなります。全く「理不尽」としか言いようが無い。

本当はヤバイMMT・・・誰得の理論で説明してみる

2021-02-12 06:22:00 | 時事/金融危機
 

■ MMTを簡単に説明してみる ■

MMTの主張はこんな感じでしょうか。

1)お金は政府が国債を発行した時に生まれる
2)お金は政府の債務で、国民の債権

3)政府が国債を発行して作り出したお金は、民間の信用創造で拡大される
4)民間の信用創造も、誰かの債務が誰かの債権
5)民間の金融資産は債権と債務がバランスしているのでプラス・マイナス0

7)純粋にお金を拡大出来るのは政府が国債を発行して作り出すお金(債務)
8)プライマリーバランスをゼロにすると民間の資金が無くなってしまう
9)政府の債務は経済規模に対して小さすぎるから、もっと政府は国債を発行してお金を作るべき

10)お金が増えるとお金の価値が減るが、納税はその国の通貨でしか出来ないのでお金の価値は失われる事は無い

11)お金を発行し過ぎるとインフレが発生するが、その時はお金の発行を減らすか、金利を上げるか、税金を上げれ良い。

12)中央銀行は政府の子会社だから中央銀行が保有する国債は国家の資産でもある
13)自国通貨建ての国債を中央銀行が書いとる限り国債は論理的に無限に発行出来る
14)国債を無限に発行出来るのだから、国債のデフォルトは起こり得ない


とっても無邪気な主張です。

■ MMTと主流派経済学は「供給サイドの経済学」という根幹は同じ ■

MMT支持者は「お金とは債務(借金)から生まれる」と言う事を「新発見」の如く吹聴して、「主流派経済学者はお金が何か分かっていない」と言います。「お金は誰かの債務で誰かの債権なのだから、モノの量と関係が無い」とも主張します。(ここ変ですよね・・・お金の二重性の一方を敢えて無視している感がハンパ無いのに、それこそが新発見だと大声で主張するあたり、相当にネジが緩んでいる)

主流派経済学はオイルショックの後にスタグフレーションの時代に台頭します。この時代、原油価格の上昇でインフレが進行していますが、同時に不況も寸効していました。各国はケインズ経済学に基づいて財政を拡大して景気回復を図りますが、インフレの進行と財政赤字の増大という結果となります。

そこで一部の経済学者達が言い始めたのが「財政では無くマネタリーベースを増やす事で実質金利を下げ経済を活性化させる」という「供給サイドの経済学」です。彼らは「財政の拡大」や「大きな政府」を嫌い、「市場原理」を重視しました。

MMT支持者達が主流派経済学を否定するのは、主流派経済学が財政の拡大を嫌うからです。しかし、主流派経済学はオイルショックの時代の財政拡大を反省に生まれたので、財政拡大を否定する事が彼らのアイデンティティーなので、これは仕方が有りません。

しかし、「財政拡大の是非」を抜きにして眺めると、主流派経済学もMMTも「供給サイドの経済学」としては非常に良く似ています。

1)主流派経済学はお金を市場に供給する事で市場原理で景気をコントロールする
2)MMTは国債を発行して財政を拡大し、国民に直接お金を供給する事で景気をコントロールする

お金の大元は国債発行ですから、一部の主流派経済学者が主張した「リフレ政策」は国債発行抜きにしては成立しません。実際に日銀の異次元緩和は、日銀が大量の国債を市場から買い入れる事で日本の国債発行をサポートしています。

日銀の異次元緩和でも日本で金利上昇が起きないので、一部の主流派経済学者も「日本はもっと財政を拡大した方が良い」と言い出しました。ここに至って主流派経済学者とMMTの差がほとんど無くなってしまった・・・。だって、両者とも「供給サイドの経済学」ですから、市場や民間にお金をバラマク事で景気を刺激するという根幹は同じなのです。

では両者の違いは何か。MMT支持者は「主流派経済学者は金属通貨から抜け出していない。だからお金自体に価値があると思い込んでいる」と主張します。しかし、主流派経済学者は景気刺激の為に「マネタリーベースを拡大しろ」と主張しています。マネタリーベースの拡大の方法は市場から中央銀行が国債を買い入れるか別の金融資産を買い入れる方法が取られます。

ニクソンショック以降、通貨は物質の裏付けを失い、既に紙切れとなっていますが、主流派経済学の台頭で、お金の供給量も肥大化しました。結果的にお金の元となる国債や債券は市場に溢れています。ワザワザ中央銀行が中央銀行法に抵触する国債の直接買い入れを行う必要はありません。

■ 社会主義と親和性の高いMMT ■

主流派経済学とMMTの最大の違いは、お金の供給先です。

主流派経済学は「市場」に、MMTは「国民」に供給します。

リーマンショック後の狂った様な金融緩和(お金のバラマキ)によって国民の生活が豊になったかと言えば答えはNOです。市場に供給されたお金は資産市場に滞留するだけで、庶民の手元には渡っていません。結果、市場にアクセス出来る者のみが恩恵に預かり、庶民の生活はむしろ貧しくなった。

MMT支持者達は「国債を発行して政府が国民にお金を配れば国民は豊になり、経済も成長フェーズに乗る。」と主張します。私もこの考え方にはある程度の共感を覚えます。

しかし、MMT支持者達のパラダイスが実現すると、実は社会主義的な世界が出現するのでは無いかと危惧しています。アメリカでは民主党左派のサンダースを支持する若者達がMMTを支持したのは偶然では有りません。アメリカでは若者の間に社会主義へのシンパシーが年々高まっています。

一方、日本でMMTを最初に支持したのは三橋教信者です(教祖が宣伝したので)。彼らは「財政を拡大しろ」という大きな政府の支持者で、日本では自民党の保守派(旧田中派)に近い考えを持っています。自民党は社会主義に対抗する勢力と考えられていますが、実は戦後の日本は世界でも最も成功した社会主義国家です。官僚が業界を統率して、公共事業を中心に経済を発展させて来ました。自民党の保守派(田舎のオッサン)や三橋教信者は嫌韓嫌中なので、社会主義を嫌っている様に見えますが、実は頭の中はコッテコテの社会主義経済の信望者なのです。(むしろ日本においては統制経済と言った方が良いかも)

■ 社会主義の失敗 ■

MMT的政策が可能となったとして、政治家はベーシックインカムの様な方法を好みません。何故なら自分達の利益が失われてしまうからです。政治家は予算配分でいくら分取れるかが存在意義ですから、拡大した予算は、公共事業や補助金などでバラまかれる。そこに様々な利権が生まれ、誰かが美味しい思いをして、国民はそのオコボレに預かる事になります。それでも雇用が増えるのでこれを支持する国民は多いでしょう。

問題は国家は金の使い方が下手という事。要らない公共事業を増やしても経済は成長しません。有力政治家を多く輩出した島根県は、人工密度が低いのに、河に立派な橋が何本も掛かっています。別にこれで島根県の経済が活性化した訳ではありません。一時、地元の建設業者が潤っただけです。

農水省も土壌改良工事や高規格の広域農道を沢山作るでしょう。田圃の真ん中に飛行機の滑走路の様な立派な道路が走っていて、車はたまに軽トラが走るだけ・・・こんな道が沢山出来ます。(自転車で走るには良いのですが)

こうして、過去、社会主義は政治的な腐敗と、景気の低迷によって失敗に終わりました。MMTを政治主導で実現すると、同じ失敗を繰り返す可能性が高い。

■ 低金利は正義では無い ■

MMT的な財政政策が実現するには国債金利が低い方が良い。異次元緩和を見ても分かる様にゼロ金利が国債発行を容易にします。

一方、市中金利が国債金利に連動して下がってしまうと困った事が発生します。民間の投資意欲を削いでしまうのです。投資に対して得られる金利が低すぎると、投資リスクが高くなるので、金融機関は企業にお金を貸し出せなくなります。実際に現在の日本で銀行が安心して融資出来るのは担保がしっかりした案件だけです。結果、住宅ローンは奪い合いになり、資産が沢山有る大企業には融資出来ますが、ベンチャー企業や町工場などは高い金利を要求されます。


■ 低金利に追い込まれた国家の資産は海外に流出する ■

お金は金利が大好きですから、少しでも金利の高い所へ流れて行きます。

日本では高齢者が資産の大多数を保有していますが、預金や投資信託を通して彼らの資産は金利の高いアメリカなどで運用されます。ゆうちょ銀行が良い例でしょう。

年金の資金も低金利の日本国内での運用が減り、海外での運用が50%になっています。米国債や米国株などに投資されている。

仮に国家が100万円を国民に配ったとして、その資金の多くは資産市場を通して海外に流出してしまうでしょう。


■ 本当は怖いMMT ■

MMTでは経済を、国家、民間、海外に分けて考えます。

海外が存在しなければ、「国家の負債=民間の資産」の等式が成り立ちます。しかし、上に書いた様に海外に資金が流出すると「国家の負債 = 国内の民間の資産 + 海外資産」となります。

海外資産には、民間の保有する海外の債権の他に、政府が保有する米国債なども含まれます。

ここで話を単純化する為に、国債発行によって国民に配られたお金が米国債に投資されたとして考えてみます。

1)日本国債を発行して100万円を国民全員に配る
2)30%が預金や投資を通じて米国債購入に使われる
3)米国がデフォルトを宣言する
4)米国債に投資された日本のお金は消えて無くなる

この場合、「日本の債権=米国の債務」となっていますが、米国がデフォルト(債務不履行)を宣言すると、日本の債権も消えて無くなります。

実際に海外に投資されている日本の資金は、民間の信用創造で作られたお金(マネーサプライ)が多いので、こんな極端な例にはなりませんが、国民の直接給付が始まれば、上記の様なケースも起こり得ます。実際にアメリカではコロナ給付金の一部が株式投資アプリのロビンフットなどを通して市場に流入しています。

実際に投資されるのは、米国債では無く株式や、様々な債権、そして怪しいデリバティブなどですが、大きな金融危機が起きると、株価が暴落したり、債権がデフォルトしたり、デリバティブが破綻したりして「債務不履行」が起ります。飛行機に乗って債権を取りたてに行った所で、ごった煮状態の金融商品の中の取り分なんて玄関の表札1枚程度かも知れません。

さて、どうでしょう。これがバブル崩壊以降、失われた20年で作り出された「税金の吸収システム」です。発達し過ぎた金融市場を持つ経済では、低金利に追い込まれた国が負け組になります。

「お金は消えて無くならない」という方もいらっしゃるでしょう。確かに、最初に市場から逃げたヤツラがしっかり確保しています。


■ MMTを実施するならベーシックインカムで ■

ここまで読んで来て、私がMMT反対者であると思われるでしょう。

しかし、私は少子高齢化が進行した先進国は、いずれはMMT的な政策を取らざるを得ないと思います。現に日本は「異次元緩和」というステルスMMT政策でしか財政を維持出来ません。そして財政で大きな比率を占めるのが年金や医療といった福祉分野です。

日本の様に高齢者だらけになった国では、民間の資金の多くが預金などにトラップされて経済がどんどん疲弊します。結果的に若者の賃金が下がり続ける。

これに歯止めを掛けられるのはベーシックインカムしか思い浮かば無。一部は従来の福祉費用に充てられますが、残りは消費性向の強い若い世代に配分される事で景気を直接刺激する事が出来ます。

■ 問題はインフレ率 ■

問題はベーシックインカムの規模とインフレ率です。

コロナ対策の国民全員に10万円プレゼント程度では、全くインフレ率は動きませんでした。むしろ預金が増えた。

国民一人50万円ならどうだろうが・・・4人世帯で年間200万円。これなら消費も大幅に回復するでしょう。これならインフレも発生するかも知れません。

・・・でも、一度200万円を手にした家庭は、インフレが進行したからと言って翌年、ベーシンクインカムが無くなりましたと言われて我慢出来るだろうか・・・・。たぶん国会議事堂前は抗議の群衆で埋め尽くされるでしょう。

■ 過剰供給力を抱える経済で容易にはインフレは起こらない? ■


「現在の世界や日本は供給力が過剰なのだから、容易にはインフレは起こらない」とMMT支持者達は言いますが、はたして本当か。

マンション価格は上がり過ぎて既に普通のサラリーマンが買える金額では有りません。これは便利な立地が限られるという供給制約が存在するので価格が上昇する。株式市場も既にバブルの域に達しており、これも資産市場のインフレです。

では物価はどうか・・・。これは米中関係や中東情勢の影響が大きい。

コロナ危機の巣ごもり需要でゲーム機のICの需要が高まっており、車載用のICが世界的に足りなくなっています。この様に供給力の制約は意外に日常的に起こっていますが、米中貿易摩擦が激化したりすると、中国製品がボイコットされ、供給が一気に減少する事も起こり得ます。

中東で戦争が起きても、オイルショック時同様に、原油価格の上昇から、全ての物価が上る可能性がある。

現在のインフレ率をして「財政はいくらでも拡大可能」と言い切るのは危険です。仮に上記の様なリスクが現実化して、日本のインフレ率が上昇した場合、国債金利も上昇するので、隠れMMT政策の異次元緩和は継続出来なくなります。

ここから先はいつも書いていますが、あまり嬉しい結末では無い。



コメント欄で書ききれないので・・・

2021-02-11 05:06:00 | 分類なし
 
ドクダミ さん

高橋洋一氏の動画は無限国債とか政府通貨に相当する話
ですが、何も新しい話では無いですよね。彼は自民党の
若手に政府通貨を説いていたら、何故かゴルフ場でロレ
ックスを盗んだとして逮捕された・・・。

MMT論は「政府と中央銀行を統合政府と考えるならば
国債は原理的には無限に発行出来る」という当たり前の
事を言っているに過ぎません。ただ、実際にはインフレ
が発生するので、そうなったら通貨発行を減らすなり、
増税するなりしてインフレを止めたら良いという無邪気
な学説?です。

しかし、実際には為替市場が存在する訳で、一国だけが
通貨のルールを破ってこれを実効したら、通貨は売り浴
びせられて暴落し、輸入コストが増大して簡単にインフ
レになってしまいます。(現在の様にコッソリやればO
Kですが)

ドルはこれに近い事をやっていて、米国債を発行してこ
れをFRBに引き受けさせてドルを増やし続けていま
す。普通ならばドルが暴落してもオカシクは無いのです
が、昔は石油が返る基軸通貨、現在は金融市場の基軸通
貨としてドルの需要は高い。

さらに、本来ならば借用書に過ぎない米国債も金利が付
いてドルの次に信用力のあるものとして需要が高い。流
動性が高い事も魅力の一つとなっています。

ご指摘の様にニクソンショック以降、紙を刷るだけで利
益を世界の経営者に与え続けるドルは、まさに打ち出の
小槌ですが・・・リーマンショック直後にドルの流動性
が一瞬で枯渇して、ドルの信用に疑問が持たれたのも事
実です。ドルの次の基軸通貨についてもフランスと中国
を中心に真剣に討議されました。

現在の世界経済を不安定にしているのはドルやその他の
通貨の過剰発行で、これは通貨発行量によって景気をコ
ントロール出来るとする主流派経済学の副産物ですが、
彼らもその限界には気づいています。大きくなり過ぎた
資産市場が資金を吸収してしまうので、実体経済の金利
がゼロに貼り付いてしまい、投資意欲が失われてしま
う。

その対処方の極端な例がリフレ論であり、さらには財政
も活用したMMTですが、政府はお金の使い方が下手な
ので、成長はさらに阻害されます。そして政府が公共事
業などを増やすと民間の事業を圧迫してさらに成長が止
まる。

ただ、少子高齢化が進む先進国では、いずれ潜在成長力
はゼロ以下になるので、どこかで現在のシステムは行き
詰まります。ベーシックインカムの様なシステムが不可
欠となりあすが、税収が低下した状態では財政赤字を拡
大するだけの結果となります。それならばMMTなどと
言わずに政府通貨の方が簡潔です。私はコロナ危機は現
在の通貨制度を壊す仕込みで、次は管理された政府通貨
の時代が来るのではないかと妄想しています。


コメント欄では長すぎるので、こちらで。

2021-02-10 11:07:00 | 分類なし
鍛冶屋さん

「まだ金属通貨がーー!!」って言われそうなので捕捉
します。私も信用通貨は理解していますし、通貨が小口
の国債と同等のものである事も理解しています。通貨が
小口の国債であるならば、市中に流通する通貨は国債を
発行すればする程増える。

ならば財政を拡大すれする程、国民の資産は増えるの
か・・とい点ですが、MMT派も指摘する通り、供給制
約の範囲でという条件が有ります。これは即ち「インフ
レ率が上昇しない限り」という事になります。

インフレ率が単純に通貨供給量によって決まるのであれ
ば、マネタリーベースの調整や財政支出の調整でコント
ロール可能ですが、実際の世界はそれ程単純ではありま
せん。現に、異次元緩和の結果円安が進行した際に日銀
と財務省は1ドル125円を円安のボーダーラインとし
ていました。これ以上円安が進行すると輸入物価が上が
りインフレが進行してゼロ金利の維持が難しくなるから
です。この時は運よく原油価格が低下したのでインフレ
率の上昇は収まりましたが、財務省はダメ押しで消費税
率を引き上げて景気にも水を差しています。

為替は中長期的には定量的に動きますが、短期的には別
の要因でも変動します。「有事のドル買い」の様に、世
界情勢にも影響を受けますし、リーマンショック後の為
替市場の混乱の様に経済システムの影響も受ける。そし
て為替は勢いが付くと過剰に変動します。

通貨高は意図的に通貨を過剰発行すれば抑え込む事は可
能ですが、通貨安に政府も日銀も打つ手を持ちません。
一般的には金利を上げる事が通貨防衛となりますが、金
利が上ったら「ゼロ金利」という財政上のモラトリアム
が失われてしまいます。

MMT支持者がどう理解していようが、現在の状況で日
本で金利上昇は始まれば、財政の継続性が疑われて為替
市場で円は確実に売られます。当然、日本国債も売ら
れ、国債金利も上昇します。「日本は自国通貨建ての国
債だから破綻しない」と訴えた所で、円が下落するので
すから円建ての国債など持っているだけ損をします。

いやいや、日本国債の保有者は日本の金融機関だから大
丈夫とおっしゃりたいと思いますが、現在の日本国債市
場の売買における外国人投資家の比率は相当に高くなっ
ています。これは、為替変動による利益が得られない国
内の金融機関と違い、海外勢は円高による為替差益が期
待出来るからだと私は考えていますが、さらには先物の
売りポジションなど金利変動の有る長期国債では利益を
出す方法が存在するからです。

私はMMTはこの様な経済や貨幣システムの「動体」と
しての動きに非常に鈍感な理論だと捉えています。ドマ
クロ以上のマクロ経済学。

通貨危機などというのは非常に短期間にヒステリックに
進行し、それを利用して利益を得ようとするハイエナん
ぼ餌食になります。

国家の信用度は、その国の企業の信用に直結します。日
本政府が「国債ならいくらでも発行出来る」などと言い
出したら、海外の企業は日本の金融機関との取引を瞬時
に停止するでしょう。これも経済の現実だと思うのです
が如何でしょうか。

尤も、現在に日本政府と日銀の様に「ステルスMMT政
策」をこっそり実施する分には市場は寛容です。「こい
つらズルしてるーー!!」って騒ぐと金融市場が混乱し
て損するだけですから。さらにはコロナショックで世界
中が「日本化」してしまったので、今更中央銀行が国債
を引き受けた所で誰も文句は言いません。金融市場に資
金が流入する限りウェルカムだからです。

ただ、それ故に、市場は肥大化してやがて限界を迎えま
す。その時に様々な歪が一気に解放され、通貨システム
も当然混乱するハズです。ここで「ルールブレイカー」
が発動して、通貨システムは次のステージに変化すると
いうのが私の妄想です。