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経済の最新情勢から、世界の裏側、そして大人の為のアニメ紹介まで、体当たりで挑むエンタテーメント・ブログ。

リーマンショック前夜に似て来た金融市場

2023-03-15 05:43:11 | 時事/金融危機

 

■ 崩壊が始まった金融システム ■

3月10日、資産規模で全米16位の米シリコンバレーバンク(SVB)が経営破綻しました。12日もニューヨーク州を拠点とするシグニチャーバンクで取り付け騒ぎが起こり、破綻に追い込まれた。

シリコンバレーバンクはベンチャー企業に融資して業績を伸ばしていましたが、ベンチャーキャピタルファンドから流入する資金を、融資だけでは運用し切れずに、資産の6割を国債やMBS(住宅担保証券)などの長期債券で運用していましたが、FRBの利上げによって長期債の価格が下落(金利は上昇)したので、巨額な含み損を抱えてしまった。

米国政府は迅速に「預金は全額保護される」と発表して、預金引き出しによる破綻が連鎖する事を防ごうとしましたが、暗号通貨関連企業との取引が多いニューヨーク州のシグネチャーバンクが2日後に「取りつけ騒ぎ」を起こして破綻しました。

■ 「取り付け騒ぎ = 預金流出」で銀行は破綻する ■

先日の記事のコメント欄で「現代はネットで預金を下せるのだから、取り付け騒ぎは起こらない」とのご意見を頂いましたが、日本よりもネット決済が進んでいるアメリカの銀行でも「取り付け騒ぎ」が実際に発生しました。多分、「取り付け騒ぎ」を上の写真の様な、「銀行窓口に人が殺到する」ことと狭義に捉えられたのかも知れません。実際に中国では銀行破綻の噂が広がると、銀行の前に預金者が長蛇の列を成します。

銀行はどんな場合でも、預金者の引出し要求に応じなければなりません。預金は預金者の債権で銀行にとっては債務なので、預金引き出しに応じない事は「債務不履行」となり「銀行破綻」と同義になります。

今回は市場の悪化を嫌った投資マネーが引き上げられる事での「取り付け騒ぎ=預金流出」となりました。リーマンショック以降の金融緩和バブルで生まれた巨大な過剰流動性は、ファンドなどを通してハイテク企業に流れ込んでいましたが、金利上昇でこの流れが逆転しています。

■ 発動しなかったベイルイン(ペイオフ) ■

米国政府は「シリコンバレー銀行とシグニチャー銀行の全預金を保護する」と発表しました。FRBは2行から債権を簿価で買い取り資金を供給すると発表しています。

銀行の破綻に際して、預金を全額保護するというのは「ルール違反」です。世界の決まりは「ペイオフ」で預金は一定額しか保護されません。これは「預金者は銀行に投資している」という考え方に基づいており「投資家は投資に対して責任を負う」という「ベイルイン」というルールが現在の金融界の基本となっているからです。

今回のシリコンバレー銀行は、預金者の多くはファンドです。ファンドがより高い利回りを求めて、ハイテク企業に融資するこれらの銀行に資金を預けていました。まさに「投資」です。ルールに則れば、米国政府はこれらの銀行の破綻を見守り、ペイオフ分の預金だけが預金保険機構から預金者に戻されるはず。しかし、米国政府もFRBも銀行と預金者を救済しました。

預金者救済が悪い事かと言えば、一概には悪いとは言えません。もし仮に、今回破綻した銀行と預金者を政府が見殺しにしたら、「銀行不安」が起り、大銀行ですら預金流出を起こす可能性が高いからです。米国政府はルールを破っても、預金引きだしの流れを断ち切る必要があった。

 

■ Too big to fail=大きくて潰せない 銀行に集まる預金 ■

銀行破綻を受けてアメリカでは巨大銀行に預金が流入しています。これは、これらの巨大銀行が破綻すると金融システムに甚大な影響を与える為に、政府がこれらの銀行を必ず救済するという「期待」による行動です。預金者と言うと個人の様に思われますが、投資ファンドや投資家が、リスク性の資産を手仕舞いして現金を取り合えず巨大銀行に預けているというのが実態でしょう。多分、ファンドのポートフォリオの「現金」の項目が増えているハズです。

■ リーマンショックと似た状況 ■

現在の状況はサブプライムショックからリーマンショックの過程に良く似ています。リーマンショックの流れを復習しましょう

 

1)金利上昇で、サブプライム層がローンの返済が出来なくった。

2)ローンを払えなくなった人達が住宅を売却した

3)中古住宅が供給過剰となり、住宅バブルが崩壊した

4)住宅価格の下落で、住宅の担保価値が下がり、さらにローンを払えない人が増えた

5)アメリカでは住宅ローンはノンリコリースなので、家を売却すればローンの返済義務が無くなる

6)住宅ローンを元にファニーメイやフレディーマックが組成したMBS(不動産担保証券)が暴落した

7)MBSは様々な金融商品に加工されていたので、それらも暴落した

8)債権市場、デリバティブ市場が恐慌状態になった

9)ヘッジファンドなどに多額の融資を行っていたベアスターンズやリーマンブラザーズなど投資銀行が経営破綻した

10)米政府はベア・スタンズは救済したが、リーマンブラザーズを見殺しにした

11)銀行破綻が現実化して、多くの銀行が解約や引出しに対応する為に手持ちのドルをコール市場に流さなくなった

12)コール市場で資金調達出来なくなった多くの銀行が経営破綻した(ゴールドマンサックスを除く全ての投資銀行と商業銀行)

13)アメリカ政府は議会で1票差で銀行救済を決めた。(TARP=資金注入)

14)投資銀行は救済対象外だったので、GS以外の全ての投資銀行を商業銀行に合併させてまとめて救済した

15)FRBは紙屑になったMBSやその他の債権を買い入れ、銀行に大量の資金を供給した

 

今回は住宅バブルでは無く「ハイテクバブルの崩壊」が原因となっている様に見えますが、根本的な原因は金利上昇による保有債権の含み損の拡大です。バブルは一番膨らんでいる所から弾けて、その他の場所に崩壊は一気に進んで行きます。

 

■ リーマンブラザーズが生贄になった ■

リーマンショックの何を教訓にすべきか・・・?それは「ベア・スタンズを救済して、リーマンブラザーズを見殺しにした」点です。

1)ベアー・スタンズは当時アメリカ第五位の投資銀行

2)経営破綻したベアー・スタンズを政府が救済した事で、市場に若干の安堵感が漂った

3)一方で、アメリカ人の多くが、「強欲な銀行を救済する事は無い」とも考えていた。

4)ベアー・スタンズの他の投資銀行もほぼ同じ経営状態に陥っていました

5)債券市場やデリバティブ市場の下落は続いていたので、何れ全ての投資銀行や商業銀行が経営破綻する可能性が十分なあった

6)世論が「銀行救済」に同意する為には危機の演出が必要だった

7)リーマンブラザーズを破綻させる事で、「金融崩壊」の危機感を国民に共有させた

今回のシリコンバレーバンクやシグニチャーバンクはベアー・スタンズの役割を担っているのでしょう。しかし、このままズルズルと潰れそうになった銀行を救済し続けても、預金者の不安は収まりません。銀行が大量の含み損を抱えている事も、調達金利が上昇している事も解決しないからです。何れは破綻の連鎖にストップが掛からなくなります。

今、市場では「今回のリーマンはどこか?」と戦々恐々となっているでしょう。クレディ―スイスの名前がチラホラ出ています。破綻説の常連のドイチェバンクも気になります。多くの銀行が大量の債券や、それを元にしたデリバティブ商品を保有していますが、金利上昇によって評価損は膨らみ続けているでしょう。

シリコンバレーバンクの破綻は、ハイテク企業の預金引き出しなどが原因になっています。ハイテクバブルが崩れた事で資金繰りが厳しくなった企業や、解雇社員の退職金を預金引き出しで行う企業が増えた事で「預金流出」が発生しました。シリコンバレーバンクはコレに対応する為に手元債権を売却しましたが、コレで含み損が損失として確定して債務超過に陥った。増資で解消しようと試みますが株価が急落。ヤバいと思った投資家やファンドが更なる預金解約を行なった事で、破綻が確定しました

現在、多くの銀行が巨大な含み損を抱えていますが、含み損を抱えた債券やその他の資産を売却しない限り損失は確定しません。要はどこも似たり寄ったりで、危機が本格的に意識されて預金者が資金を安全と思われる巨大銀行に移し始めると、ジワジワと損失が実際の数字となって現れて来ます。

 

■ ソフトバンクは破綻するだろう ■

あまり海外の話ばかりをしても実感が持てないと思いますので、国内でどこが危ないか・・。まあ、ハイテクバブルに全振りしていたソフトバンクなんて最有力でしょう。

携帯事業で赤字を垂れ流す楽天もかなりレッドゾーンに近いかも知れません。先日の巨額横領事件で、財務のルーズさも露呈しています。

 

■ リシコンバレー銀行は、ゆうちょ銀行の姿に重なる ■

シリコンバレー銀行は、預金の運用に困って資産の6割を長期債中心で運用していました。日本にも似た金融機関があります。ゆうちょ銀行です。ゆうちょ銀行は融資という普通の銀行業務が禁じられています。以前は財政投融資で国に投資して金利を稼いでいました。その後は、国債中心の運用でした。

しかし、国債金利がゼロになってしまったので、現在のゆうちょ銀行は、長期債を中心いリスク運用の比率を高めています。巨大ファンドだと考えた方が適切です。当然、金利上昇で巨大な含み損が発生しているはずですが、ドル高でそれが見えなくなっています。為替差益で損失が消えた状態。

しかし、危機が本格化すると、円安は円高に反転します。これは円が調達通貨になっていた為で、信用収縮の過程で借りていた円を返す為にドル売り円買いが必ず起こる。勢いが着いた為替市場はオーバーアクションするので、1ドル80円などという水準も充分に起こりうる。ドルの信用が揺らいでいれば、さらに円高になる可能性も有ります。

これで、日本の海外投資は巨大な為替差損を発生させます。米国債投資ですら安全ではありません。実際にバーナンキショックの際に日本の金融機関は慌てて米国債投資を縮小しました。

 

■ これからの時代は現物が強い ■

現在はインフレによおてお金の価値が失われています。今後は信用不安によって悪性のインフレが加速する可能性もあります。お金の価値がどんどん下がる。

この様な時代の資産保全はどうすべきか・・。或いは、将来的な失業危機に備えるにはどうすべきか。私は住宅ローンを払ってしまえる人は、今の内に繰り上げ返済する事をお勧めします。特に変動金利の方にはお勧めします。不動産はインフレに強い資産です。一時的な価格の下落があったとしても、時間が経てばインフレ率に応じて値上がりします。一方、現金や預金はインフレ率に応じて価値を失います。

尤も、日本においても住宅市場は既にバブルですから、今、新たに不動産を購入する事は有りません。バブルが弾けて安くなったら買えば良い。その為にも、流動性の低い資産は手仕舞いして、とりあえず現金(預金)で下落を待てば良いかと。

株もインフレに強い資産ですが、企業が倒産しては紙切れです。株価もバブルが崩壊すれば、半分程に下がる可能性があるいので、これも今買う事はありません。

 

■ 一番怖い失業 ■

私達現役世代に一番怖いのは失業です。リーマンショックの時は、日本の銀行は経営が健全でしたが、今は相当なリスクを取っています。当然、金融機関では大リストラが行われるでしょうし、銀行の貸し渋りによって、経営破綻する企業も出て来るでしょう。

私などもリーマンショックで国内の全ての仕事が一瞬で蒸発しました。東南アジアと中国がすぐに成長フェーズに入ったので、そちらの仕事を手伝って凌いだ経験がありますが、今回は世界同時不況が長引くので、それも期待できません。

「もし失業したらどうするか」・・・このシミュレーションを多くの人がする必要があるかと私は考えています。少なくとも借金は圧縮しておくべきかと・・・。高値掴みしたタワーマンションのローンが返済できずに売却しようとしても暴落していて借金だけが残る。バブル崩壊アルアルです。


ワクチン接種率と超過死亡率の相関

2023-03-13 02:05:47 | 新型コロナウイルス

 

超過死亡に関する海外からの最新情報

超過死亡に関する海外からの最新情報

わが国では、昨年来超過死亡の激増が観察されているが、事情はヨーロッパでも同様である。ヨーロッパ諸国において、コロナの流行は昨年後半には収まりつつあったものの、12...

アゴラ 言論プラットフォーム

 

 

■ EUではワクチン接種率と超過死亡率に相関がみられる ■

上の記事のグラフの一つをを大きくします。

 

縦軸は追加接種を受けた人の割合、横軸は超過死亡率です。

超過死亡率という言葉は新しのですが、超過死亡率は、コロナによってどれだけ死者が増えたかを観測する新しい指標で「新型コロナのパンデミック(世界的大流行)が発生しなかった場合に想定される死者数と、現在の新型コロナ禍での死者数の差を測る指標で、コロナ禍の影響をより包括的に示すスナップショットとして世界各地で使われている。」と説明されています。下の式で計算されていると思われます。

超過死亡率 = (実際の死者数 ー コロナ禍前の超過死亡から予測される死者数)/ コロナ禍前の超過死亡から予測される死者数

 

下の図は前回の記事で私が作った適当なグラフで「コロナ禍前の超過死亡から予測される死者数」が黄緑色のラインの相当します。赤が「実際の死者数」に相当します。(相当というのは、超過死亡の計算は複雑で、高齢化の影響などを考慮して調整されます)

 

最初のグラフは名古屋大学の小島名誉教授が作られたものだと思いますが、縦軸は各国のブースター接種回数を人口100人当たりに換算したものだと思われます。

 

ナナメの線は平均値の線で、ブースター接種回数と超過死亡率に「正の相関」が見られる・・・と言小島先生は主張しています。ただ、私が見る限り追加接種回数の少ない東欧諸国でも超過死亡率の増加が20%前後出ている国も多いので、必ずしも相関が強いと言い切れない・・・。

このグラフは死因は関係無いので、コロナ死者も、ワクチン死者も、その他疾病により死者も全て含んでいます。例えば、ワクチン接種率が低い刻でも、それによってコロナ死者が増えれば超過死亡率は増加します。

 

1) 世界的に超過死亡が増えている

2) ブースター接種率の高い国では、2022年以降、超過死亡が増える傾向にある

3) コロナ死者数は、ほぼ把握されているので、超過死亡の原因が新型コロナウイルスなのか、ワクチンなのか・・・謎

 

■ 3年振りに風邪を引いた ■

そういえば、私、風邪引きました。2020年の成人式の日に、風邪(コロナだと思う。だけど日本には正式には上陸していない事になっていた時期)に罹って以来3年振りの風邪。

お腹が調子悪くなった。首から肩回りがバッキバキ。頭が痛い。微熱。鼻水少々・・・こんな症状が1週間以上続いています。

絶対に「はやり病」だと思い、薬局でコロナとインフルの抗原検査キットを2900円出して買って、鼻の孔をホジホジして検査しましたが・・・残念な事に「陰性」。

 

しかし、上記症状は最新のXBB1.5株の症状と一致します(私、トレンドに敏感です)。とにかく肩周りの痛みが取れません。あと頭痛・・・。2020年のコロナの時もそうでしたが、私の印象は「しつこい風邪」。2020年の時は空咳が1か月以上続きました。今思えばお腹も調子悪かった。

 

コロナ後遺症の多くは、長く続く咳や間接痛や頭痛といった症状ですが、コロナ以前は「しつこい風邪」で片づけられていた。「しつこい風邪」を人にうつすと悪いので、仕事は在宅中心にしています。ちなみにカミサンはピンピンしています。「あんた、それ確定申告のストレスだから」と笑っています。・・・うつしてやる!

 

「しつこい風邪」に掛かった原因・・・「箱根駅伝・逃げ」でしょう。過激な運動は免疫を低下させるので。後、確定申告を終わらせなければという精神ストレス。XBB1.5株は免疫回避能力が強く、感染力も強い。最強の自然免疫をゲットした私でも罹る。尤も、3年も経っていますから抗体値は下がっています。XBB1.5は細胞免疫をすり抜ける能力が有りそうです。非接種の方はこの際に感染して免疫のアップデートを。

 

昨日、自転車で川越に武蔵野うどんを食べに往復110km、向かい風のアラサイを全力で走ったら、調子が上って来ました。風邪なんて2~3日おとなしくして、後は運動してたら、だいたい治ります。・・・まあ、体力の無い人はキツイ思いをするのでしょうが・・・。


祝達成「箱根駅伝・逃げ」・・・57才、オレ良く頑張った

2023-03-06 06:44:34 | 自転車/マラソン

 

1月2日のチャレンジが不発に終わった「箱根駅伝・逃げ」

実は、その後もチャレンジを続け、

3月4日に、とうとう「脳内駅伝」から逃げ切る事が出来ました。

今年に入ってから6度目のチャレンジです。

高速ロングライド + 信号インターバル + ヒルクライム

これを、毎週の様に繰り返した事で、走力も相当高まりました。

努力は裏切りません。

 

 

 


大量死時代の始まり?・・・激増した2022年の死者数

2023-03-03 04:09:01 | 新型コロナウイルス

■ 22年の死亡158万人超、戦後最多 コロナ余波も (日経新聞) ■

2022年の人口動態調査委の速報値が発表され、2022年の死者数が増えた事が日経新聞で報じられています。

<日経新聞 引用開始>

厚生労働省が28日に公表した人口動態統計(速報)では、2022年の国内の死亡数、前年比の死亡増加数ともに戦後最多となった。新型コロナウイルスによる死亡に加え、心不全などで亡くなる高齢者が急増している。

22年の国内の死亡数は158万2033人で、前年より12万9744人(8.9%)増えた。

22年初めの第6波以降、新型コロナの流行の中心となっているオミクロン型は致死率が低下しているとみられるが、感染力が強い。厚労省の集計では22年にコロナ死亡の報告数は約3万9千人で、前年(約1万5千人)より約2万4千人増えた。

コロナ以外の死因で亡くなる人はさらに増えている。

<中略>

感染症などの専門家は2月22日に死亡数の増加について見解を公表。「コロナに感染して全身状態が悪化し、コロナ以外の死因で亡くなる患者が増えた可能性がある」と推測している。

コロナの流行が始まった20年は感染対策で死亡数は減少したが、21年は反動もあり増加した。2年間の合計では平年を大きく上回る超過死亡は生じていなかった。

感染症などの専門家は見解で「現時点で、ウイルス変異による重症度が悪化しているという報告はない」とするが「今後の感染状況を把握するためのさらなるサーベイランスが必要」と指摘している。

<引用終わり>

「日経新聞より」

 

■ 2022年の超過死亡は17万人程度では無いか? ■

上のグラフは厚労省が発表した2022年の死者数の速報値を含めて、日本の死者数の推移をグラフ化したものです。公正を期すために、縦軸の始点は0としていますが、それでも2021年と2022年で(赤線部分)死者数が増えている事が分かります。

 

縦軸の始点を変えて見てみましょう。赤い数字は死者数の前年比です。新型コロナウイルスの流行が始まった2020年は、死者数がマイナス8千人程度となっています。インフルエンザが流行しなかったので、死者数が減少したと考えられます。

黄緑線は私が何となく描いた近年の死者数の推移を平滑化したものですが、ここからの差が「超過死亡の基準値(超過死亡±0)」に相当すると考えて差支え無いでしょう。すると、2022年の超過死亡は約17万人となります。

日経新聞では専門家の話として「コロナに感染して全身状態が悪化し、コロナ以外の死因で亡くなる患者が増えた可能性がある」と書いています。

新型コロナはオミクロン株以降は明らかに弱毒化して、インフルエンザ以下の毒性となっている事は全ての専門家の認める所です。政府も5月からはインフルエンザ同等の指定感染症の5類に分類を変更します。

明かに現在の新型コロナよりも毒性の高いインフルエンザが流行した年の超過死亡は1万人程度です。これはインフルエンザに感染して、肺炎やその他の持病が悪化して亡くなられた高齢者の数に相当します。

 

現在の新型コロナよりも毒性の強いインフルエンザですら超過死亡は1万人程度なのに、インフルエンザよりも毒性の低くなった(元々ですが)新型コロナの感染が原因で、どうして17万人もの超過死亡が出るのか?

 

ここから先は皆さま御自身で考えて下さい。

 

多分、感染研はコロナワクチン後の死亡増加をベースラインに加えて、超過死亡を低めに発表すると思われます。(イギリスがそうしている)

だから、私達は自分の命を守る為に、政府統計などの1次資料をじっくり見る必要があるのです。ニュースや新聞の記事を信じている人は・・・。

 

 

 

ちなみに日経新聞の「コロナの流行が始まった20年は感染対策で死亡数は減少したが、21年は反動もあり増加した。2年間の合計では平年を大きく上回る超過死亡は生じていなかった。」という部分をグラフ化したものが上のグラフ。2019年と2021年を繋げた線が超過死亡の基準値だと言っていますが、かなり水増ししている事が分かります。きっと、来年以降は2019年と2022年を繋いだ線だと言い出すでしょう。