■ 世界の現状をこれだけ分かり易く解説した本は読むべきだ ■
いつも「ひろのひとりごと」さんで、反対意見ばかり書いていて申し訳無いので、
三橋貴明氏の本を一冊買って、彼の売り上げに貢献してみました。
現状の世界経済の状況と、問題点を端的に分かり易く解説しており、
彼の書籍や言説の人気の理由が良く分かります。
そして、三橋氏の「正義感」が多くの人を魅了するのだと感じずにいられません。
これは、お薦めです。
そうそう、読んだのは『2013年、大転換する世界 逆襲する日本』。
■ 正論に貫かれているから共感を呼ぶのでしょう ■
彼の主張の本質は新古典主義経済への批判です。
資本高率の最大化を求める「新古典主義経済」は格差を拡大し、結果的に世界を不幸にする。
全くもって私も同感です。
現在、世界の多くの若者達が、新古典主義経済の象徴である
「過剰なグロバリゼーション」に反対しています。
世界を1%の富める人と、99%の貧しい人に峻別する制度はいずれ崩壊しなければなりません。
■ 陰謀論的悪意が存在しない正論の居住まいの悪さ? ■
いちいち「その通りだ!!」と喝采を送りながら読み終えましたが、
どうも読後感の「居住まい」が悪い。
その原因が何かと考えてみたのですが、
「悪意」が存在していない事が原因では無いかと思われます。
「悪意」というと聞こえが悪いかもしれませんが、
現在の世界のシステムを構成する中央銀行制度や、民主主義が、
誰かの思惑で動かされているという「陰謀論的悪意」がスッポリと抜けているのです。
「陰謀論」なんて言っている方が頭がオカシイだろう!!と突っ込まれそうですが、
「では世界は何故、正しい答えにたどり着けないのか」と問うた時、
その原因を、「官僚の無能」や「経済学の誤謬」や「中央銀行の失策」に求める事がはたして正解か?
「陰謀論」である私は、これらの事象は意図されたものであって、
世界の経営者が彼らの求める世界を作る為に「装っている」だけだと考えてしまいます。
アベノミクスの本質が明らかになるにつけ、
正論や正義までも、巧みに取り込んで利用する人達の恐ろしさを日本人は再び体験するのでしょう。
「正義」が利用され易い存在である事を、世界の歴史は証明しているのでは無いでしょうか?
そもそも、アメリカ人の多くは「正義」を心から愛していますが、
アメリカという国家は「正義」からは一番程遠い国家です。
私はピカピカの正義より、塵芥にまみれた陰謀論にある種の居心地の良さを感じます。
■ 世界は過剰なグローバリゼーションを抑制出来るのか、それとも自壊するのか? ■
三橋氏は、第二次オバマ政権や、安倍政権の成立は、
過剰なグローバリゼーションの是正の始まりだと予測しています。
私は、過剰なグローバリゼーションは、金融の大混乱と共に自壊すると予測します。
その後に、どんな世界がやって来るのか、
ユーロが一生懸命答えを探していますが、
近代国民国家の呪縛から人々が開放されるには
まだまだ長い年月が掛かるのかも知れません。