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春は花。花は色。そうです、春は様々な色が芽吹く時。5月を過ぎる頃になると、
ハイキングの途中、フッと華やいだ香りが目の前をよぎる瞬間があります。おや?
と思って周囲に目を配って見るとそこに見えているのは紫色の淡い花、藤の花です。
写真は先月初旬に撮影したもの。ゴールデンウィークに入ると、毎年思い出して
足を向けるのが、砂ずりの藤。奈良、春日大社の境内にある樹齢800年とも言われて
いる藤棚のことです。こちらの藤、穂先が長く伸びるということで有名で、かつては
地面の砂を擦るほどだったことから、この名前がつけられました。
長い樹齢のせいなのか、砂を擦るほどまで伸びている様子を見たことがありませんが、
それでもやはり今年も見に行ってしまいました。春日大社の場合はこの美しい藤だけ
でなく、朱塗りの社、青銅色に色褪せた吊り灯籠など、日本の美を感じさせてくれる
素敵な和の景色が、あちこちにあるのです。考えてみるとその美しい風景こそが、
私を毎年ここへと誘ってくれる理由なのです。
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>>> 花鳥風月、奈良の色。