『 父:何でもかんでも「キモい」とか「カワイイ」って形容詞で単純化するのは、女子学生の悪い癖だぞ。キモいって言葉を、もうちょっと別の表現で説明しなさい。
娘:何て言うのかな、本当に「オェェ……」て感じで気持ち悪い。ゾワゾワする。
父:毎日ちゃんとお風呂入って、歯も磨いて、清潔にしてるぞ。
娘:清潔かどうかってことじゃなくて、行動とかしゃべり方とか……存在そのものが気持ち悪いの。 』 (本文より)
背表紙に書かれた、この抜粋分を読んで、なんだかとても切なくなってしまいました…。
筆者 中山順司氏と13才の愛娘とのリアルトークなので、果たしてこのあと、お父さんは無事立ち上がることができるのか、と、マットに沈んだ矢吹ジョーを応援する気持ちで続きを読みました。
ガチトークのテーマは「なぜお父さんはキモいのか」だけでなく、「夢と目標」や「いじめ」、「人の生きる意味」や「彼氏のつくり方」など、娘を持つお父さんにとって、知りたくもあり、知らない方がいいようなテーマまで正面から逃げずに取り組み、娘と向き合ったドキュメンタリー。
僕には娘はいませんが、読むにつれて心が揺れる濃い内容です。
娘のいるお父さんが読んだら、涙で目が曇ってしまうかも…。