GOOなMONOたち

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貴志祐介 「ダークゾーン」

2011年05月29日 09時49分29秒 | 

火蜥蜴(サラマンドラ)、鬼土偶(ゴーレム)、一つ眼(キユクロプス)、死の手(リーサル・タッチ)、皮翼猿(レムール)。

ある日、プロ棋士を目指す、奨励会三段の塚田裕史が目覚めると、このおぞましい怪物達を含め、十八体の駒を率いる「赤の王将(キング)」という立場に置かれているのだと告げられる。

対する敵は、同じく奨励会三段で腕を競い合うライバル、奥本博樹「青の王将(キング)」。

率いる怪物達は、毒蜥蜴(バシリスク)、青銅人(ターロス)、聖幼虫(ラルヴァ)、蛇女(ラミア)、始祖鳥(アーキー)以下、同じく全十八体の駒。

七戦四勝で勝利を収めないと、この世から消滅させられるという運命を背負わされ、赤軍の将としてやむなく争いに立ち向かうが、それぞれの持ち駒は、互いに拮抗した特殊能力があり、手の打ち方と攻略方法によって勝敗が喫するという、瞬時の判断力と高度なシュミレーション能力を試されるという実戦式のバーチャルウォー。

読み進むうちに頭の中では、青と赤の光が錯綜する鮮やかなビジュアルで戦闘が展開され、まるで新作のテレビゲームに没頭するように、次々にページをめくってしまうのです。

この戦闘の舞台となったのは、長崎沖にある軍艦島。

この巨大な廃墟の無人島には一昨年、上陸ツアーで訪れたことがあったので、背景となる地理的なリアリティと崩壊の空気感が更に加わり、物語への投入感は高まる一方。

青の王将(キング)との手筋の読み合いや、昇格(プロモーション)能力を秘めたモンスターの描写など、終始エンターテイメントで押し切る、一気読み確実な一冊です。


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